(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀による経済・金融政策の継続により、景気は全体として緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国や新興国経済の成長減速や英国EU離脱交渉の進捗に加えて米国新大統領の経済・貿易政策の動向等の主に海外情勢に起因した先行きの不安定さを抱えた状況となっております。
鉄鋼業界におきましては、自動車向けや建設向けを中心に国内需要の回復が進み平成28年度の粗鋼生産量は3年振りに前年度実績を上回りました。一方で鉄鉱石や副原料の値上がりを受け、マージンの確保が最大の課題となっております。
このような経済状況の中で、当社グループは、中期計画(平成27~29年度)の2年目に入り、鉄鋼製品事業において、みがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する事業体制の下で収益体質強化と強靭な財務体質確保に取り組んでおります。
主力のみがき帯鋼では受注内容の改善が引き続き課題ではありますが、自動車部品向けの需要回復で販売数量が増加いたしました。加工品を含むステンレスにおいても市況回復および先高感により国内販売と輸出向けがともに順調に推移いたしました。あわせて全社的な固定費等のコスト削減にも継続して取り組んでまいりました。
なお、当連結会計年度からステンレスの一部取引の売上高は、取引形態変更により純額表示にしております。
その結果、当連結会計年度の売上高は9,032百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は422百万円(前年同期比50.2%増)、経常利益は374百万円(前年同期比76.9%増)となりました。
これに固定資産売却益268百万円を特別利益として,減損損失89百万円等を特別損失として計上し、法人税等の調整を行い、親会社株主に帰属する当期純利益は428百万円(前年同期比89.5%増)となりました。
鉄鋼製品事業
当社グループの主要事業である鉄鋼製品事業においては、主力であるみがき帯鋼において主要需要先である自動車部品向け需要の回復により販売数量が増加いたしました。
ステンレスにおいても、国内販売と輸出向けがともに堅調で、とりわけ加工品は順調に推移いたしました。また子会社でのステンレス加工販売も市況回復および先高感により荷動きが活発になり好調に推移いたしました。
その結果、事業全体の売上高は8,859百万円(前年同期比0.2%減)、経常利益は304百万円(前年同期比146.6%増)となりました。なお、売上高の減少はステンレスの一部取引を純額表示へ変更したことによる影響を含んでおります。
不動産事業
不動産事業は、賃貸物件の減少により、売上高は172百万円(前年同期比14.7%減)、経常利益は69百万円(前年同期比21.0%減)となりましたが、引き続き利益面での下支えになっております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,146百万円となり、前連結会計年度に比べ68百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は791百万円(前年同期比192百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益512百万円、減価償却費422百万円、仕入債務の増加額466百万円に対して、売上債権の増加額323百万円、有形固定資産売却益268百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は225百万円(前年同期比0百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入333百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,085百万円(前年同期比147百万円増)となりました。これは主に借入金の返済によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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鉄鋼製品事業(百万円) |
7,613 |
97.8 |
(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
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受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
鉄鋼製品事業 |
8,907 |
100.8 |
781 |
106.6 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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鉄鋼製品事業(百万円) |
8,859 |
99.8 |
|
不動産事業(百万円) |
172 |
85.3 |
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合計(百万円) |
9,032 |
99.5 |
(注)1.セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、鉄鋼事業を中核として、豊かな価値の創造・提供を通じ、顧客と社会に貢献します。
(2)中期的な会社の経営戦略
当社グループは、平成27~29年度の3年間を「収益力向上」の時期と位置づけ、顧客とともにグローバルに発展していくため、経済環境の激変に耐えうる企業への成長を目指し、「平成29年度中期計画」を策定いたしました。
「継続的発展のため、全員の知恵と工夫で収益体質を強化し、強靭な財務体質の確保を図る」
のスローガンのもと、当社はいかなる環境下でも黒字が確保できる収益体質を確立してまいります。
基本方針7項目と経営目標とする基本数値は次の通りです。
≪基本方針≫
① 販売部門と製造部門が一体となって、提案力を高め、機動力を活かし、「高砂ならでは」「高砂でなくては」の商品をお客様とともに育てることで、受注量を拡大しながら、受注構造を改善する。
② コストの削減、固定費の削減を限界まで追求するとともに、固定費の変動費化に取組む。これをもって、コスト競争力を高め、損益分岐点の引き下げを図り、いかなる環境下でも、黒字を確保できる企業体質を早期に確立する。
③ 原料メーカー、流通各社との機能的連携を図り、受注量および受託加工量を拡大する。
④ 製造部門は製造実力を高め、お客様が要求する、品質、コスト、納期を満足するために不断の努力に全力を尽くす。
⑤ 社員一人ひとりが、常に業務品質の向上を目指して業務に取り組み、いかなる状況でも迅速且つ効率的に対応できる体制を構築する。
⑥ 課題や目標に対しては、情報を共有して全社一丸となって取り組み、組織力のさらなる強化を図る。
⑦ 各人が企業人の常識として守るべき法令、ルールについての知識を身につけ、高い倫理観と責任感を持って、業務を遂行する。
≪経営目標とする基本数値≫
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経営目標とする基本数値(連結ベース) |
平成26年度実績 |
平成27年度実績 |
平成28年度実績 |
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売上高経常利益率(ROS) |
5%以上 |
4.1% |
2.3% |
4.1% |
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自己資本比率 |
35%以上 |
18.4% |
23.5% |
29.2% |
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D/Eレシオ |
1.0倍以内 |
2.1倍 |
1.5倍 |
0.8倍 |
平成28年度の実績は、鉄鋼製品事業でのみがき帯鋼・ステンレスの業績がともに順調に推移したためROSが回復し、それに伴い利益剰余金が増加し自己資本比率も着実に改善いたしました。さらに借入金の削減等によりD/Eレシオは、目標とする基本数値を達成することができました。
(3) 経営環境
国内においては政府・日銀による経済・金融政策の継続により、景気は全体として緩やかな回復基調で推移し、企業業績の改善が進み、経営環境の回復が期待されるものの、中国や新興国経済の成長減速や英国EU離脱交渉の進捗に加えて米国新大統領の経済・貿易政策の動向等の主に海外情勢に起因する不安定さにより先行きが見通しにくい状況となっております。
当社グループ製品の最大の最終ユーザーである自動車業界は、国内においては個人消費の回復状況、海外においては米国・中国・新興国での販売台数や為替相場の変動の影響を大きく受けることから、その動向によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、みがき帯鋼の販売価格および原料価格改定の影響やステンレスの市況動向等も当社グループの業績へ影響を与える可能性があります。
(4)対処すべき課題
当社グループは収益力の改善と財務体質の強化を最重点課題と認識しております。事業として適正な利益を確保できる基盤を築くとともに、株主、従業員そして社会の負託に応え、どのような環境下でも継続的に黒字を確保できることを目指し、グループ連結経営の強化を図ってまいります。
主力事業である鉄鋼製品事業におきまして、収益力のあるみがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する事業体制のもとで、採算性重視の受注活動を推進するとともに、固定費削減他あらゆるコスト低減に継続して取り組み、黒字体質は定着してきました。今後はさらに収益力を高め、財務体質の改善を図ってまいります。
また、不動産事業におきましては収益の下支えのため、所有不動産の一層の有効活用を推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)グループ経営方針・体質強化施策について
当社グループでは、今後とも体質強化のための諸施策を推し進めてまいりますが、それに伴って処理上の一時的損失が発生する可能性があります。
(2)原料関係について
当社グループの鉄鋼製品事業では、みがき帯鋼及びステンレス鋼の原料価格が大幅に変動することが予想されます。製品価格への転嫁と共にコスト引き下げの取組みに全力を傾注しておりますが、進展状況においては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの鉄鋼製品事業の原料調達は特定メーカー依存度が大きく、供給遅延、品質問題が発生した場合は、生産減少、製品納期遅延等により売上が減少する可能性があります。
(3)販売関係について
当社グループの鉄鋼製品事業の主力製品であるみがき帯鋼は、自動車用部品向けが中心であり、その受注状況は自動車業界の動向と密接に関連しており、急激な自動車の生産・販売台数の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)繰延税金資産について
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断しております。将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には繰延税金資産が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)金利変動リスクについて
当社グループの運転資金や設備資金等必要な資金は、主に銀行からの借入金等により調達しているため、急激な市場金利の変動等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)自然災害リスクについて
当社グループの主要製造・販売拠点は東京都にありますが、将来これらの拠点で想定を超える大規模な災害が発生した場合には、工場の操業や製品の配送等に支障をきたすとともに、経済活動全体が停滞し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、鉄鋼製品事業について、当社の販売部および品質保証部で推進しております。みがき帯鋼においては、極薄みがき帯鋼、電磁軟鉄板の開発に取り組んでおります。また、ステンレス製品では、表面に新たな意匠や機能を付加した商品の開発を進めております。
当連結会計年度における研究開発費は、鉄鋼製品事業において2百万円であります。
(1)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの主要事業である鉄鋼製品事業においては、主力であるみがき帯鋼において主要需要先である自動車部品向け需要の回復により販売数量が増加いたしました。ステンレスにおいても、国内販売と輸出向けがともに堅調で、とりわけ加工品は順調に推移いたしました。また子会社でのステンレス加工販売も市況回復および先高感により荷動きが活発になり好調に推移し、経常利益は大きく改善いたしました。
一方、不動産事業は、賃貸物件の減少により、経常利益は減少いたしましたが、引き続きグループ連結業績全体の利益面での下支えになっております。
また、固定資産売却による特別利益計上も加わり、利益面においては営業利益、経常利益、親会社株式に帰属する当期純利益がともに前年同期比増益を確保することができ、「平成29年度中期計画」の重要な課題である財務体質の改善も着実に進展いたしました。
当社グループの中期計画の状況については、「第2 事業の状況 3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期的な会社の経営戦略」に記載しております。
(2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、有利子負債の削減に努め、財務体質の改善を進めるとともに、キャッシュマネージメントシステムの導入等により、グループ全体としての資金効率の向上と資金流動性の確保に努めております。当連結会計年度におきましては、資金の安定性・安全性にも十分に留意した資金繰り運営を行いました。
当社グループの資金の状況については、「第2 事業の状況 1.事業等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。