第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社経営の基本理念

  当社グループは、鉄鋼事業を中核として、豊かな価値の創造・提供を通じ、顧客と社会に貢献します。

 

(2)中期的な会社の経営戦略

当社は、より強くより魅力ある会社として、社会に信頼され、将来にわたりお客様に当社製品をご愛顧いただくため、社員一人ひとりの業務品質を向上させ、激変する市場環境を当社グループ一丸となって勝ち抜き、事業の拡大発展と強靭な企業体質を確立することを目指してまいります。

 

この目標達成に向けて、

      れまでの総力を これからの創造へ NEXT2020

          ~技術と信頼をつむぐ高砂鐵工グループ~

のスローガンのもと、今後3年間の2020年度中期計画(2018年度~2020年度)を策定し、次の2項目を基本方針として定めました。

 

≪基本方針≫

2020年度中期計画は、当社創立100周年を迎える2023年度に向けての第一ステップと位置づけ、課題の抽出と対策を実行する。

②「高砂ならでは」「高砂でなくては」の商品で売上高を拡大して収益力を高め、財務体質を強化し、利益に見合った配当を行う。

 

  また、事業遂行に当たっての具体的な重点施策5項目と経営目標数値は次の通りです。

 

≪重点施策≫

①市場開拓により売上拡大を図るとともに、収益を向上させる。

②お客様のニーズに応え、お客様とともに新たな商品を育てるべく、品質向上、商品開発に全力で取り組む。

③設備の徹底保全により、安定稼動および生産性向上を図る。受注数量増に見合った的確な設備投資を行う。

④年齢構成、技能継承、生産増に対応した人材確保と一層魅力のある企業を目指した働き方改革を推進する。

⑤既存事業とのシナジー効果が発揮できる新事業について、2023年に繋がるように探索、検討に取り組む。

 

≪経営目標数値≫

経営目標

2020年度中期計画

〔ご参考〕2017年度中期計画

(連結ベース)

目標数値

目標数値

2015年度実績

2016年度実績

2017年度実績

売上高経常利益率(ROS)

6.5%

5%以上

2.3%

4.1%

4.7%

自己資本比率

45%

35%以上

23.5%

29.2%

32.9%

D/Eレシオ

0.4倍以内

1.0倍以内

1.5倍

0.8倍

0.4倍

 2017年度中期計画(2015年度~2017年度)では、上記3項目を経営目標として掲げ、主力の鉄鋼製品事業においてみがき帯鋼ならびにステンレスの収益力向上のための諸施策を実行に移し、その利益を積み重ね自己資本の充実に努めてまいりました。その結果、ROSと自己資本比率は、この3年間毎年着実に向上し、収益力と財務体質については一定程度の改善を図ることができ復配可能なレベルになりました。またD/Eレシオは、営業キャッシュ・フローに加えて、ノンコア業務関連の不動産売却収入を借入金返済に充当することにより、目標を上回る成果をあげることができました。

  2020年度中期計画においても、2017年度中期計画の進捗状況ならびに2020年度中期計画での基本方針を踏まえ、経営目標としてこの3項目を継続することとし、高砂鐵工グループ一丸となり、より一層高いレベルを目

指してまいります。

 

(3) 経営環境

国内においては政府・日銀による各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、米国の政策動向、英国のEU離脱交渉進捗や中国をはじめとした新興国の景気動向などの主に海外情勢の不確実性の影響で先行きには不透明感が残っております。

当社グループ製品の最大の最終ユーザーである自動車業界は、グローバルに拡大し、当社グループの受注状況も足元は堅調に推移しております。しかしながら、主に海外起因の不確実性の影響による国内での個人消費の動向や、海外における米国・中国・新興国等での販売台数や為替相場の動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、みがき帯鋼の販売価格および原料価格改定の影響やステンレスの市況動向等も当社グループの業績へ影響を与える可能性があります。

 

     (4)対処すべき課題

当社グループは、激変する市場環境を勝ち抜き、事業の拡大発展と強靭な企業体質を確立することを目指して「2020年度中期計画」を策定いたしました。

具体的な内容につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期的な会社の経営戦略」に記載しております。

今後、中期計画の基本方針に沿い、重点施策を着実に実行に移して参ります。

主力事業である鉄鋼製品事業におきまして、収益力のあるみがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する事業体制のもとで、採算性重視の受注活動を推進するとともに、固定費削減他あらゆるコスト低減に取り組んで参りましたが、今後はさらに「高砂ならでは」「高砂でなくては」の商品で売上高を拡大して収益力を高めて参ります。

また、不動産事業におきましては収益の下支えのため、所有不動産の一層の有効活用を推進してまいります。

そして、財務体質をさらに強固なものにするとともに、利益に見合った配当を行い株主還元を図って参ります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のものがあります。

  なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原料関係について

 当社グループの鉄鋼製品事業では、みがき帯鋼及びステンレス鋼の原料価格が大幅に変動することが予想されます。製品価格への転嫁と共にコスト引き下げの取組みに全力を傾注しておりますが、進展状況においては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの鉄鋼製品事業の原料調達は特定メーカー依存度が大きく、供給遅延、品質問題が発生した場合は、生産減少、製品納期遅延等により売上が減少する可能性があります。

     (2)販売関係について

 当社グループの鉄鋼製品事業の主力製品であるみがき帯鋼は、自動車用部品向けが中心であり、その受注状況は自動車業界の動向と密接に関連しており、急激な自動車の生産・販売台数の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

     (3)安定操業のための設備保全と人材確保について

 当社グループは受注数量に見合った製品を安定的に供給するため、生産設備の徹底保全に努めるとともに、熟練技術者の確保・育成に注力しておりますが、重大な設備トラブルの発生や、操業に必要な人員確保ができない場合には、工場の操業に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

   (4)繰延税金資産について

 繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断しております。将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には繰延税金資産が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

     (5)金利変動リスクについて

 当社グループの運転資金や設備資金等必要な資金は、主に銀行からの借入金等により調達しているため、急激な市場金利の変動等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

     (6)信用リスクについて

 当社グループは売上債権について、その保全に充分留意した与信管理を行っておりますが、取引先の倒産により貸倒損失が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

     (7)自然災害リスクについて

 当社グループの主要製造・販売拠点は東京都にありますが、将来これらの拠点で想定を超える大規模な災害が発生した場合には、工場の操業や製品の配送等に支障をきたすとともに、経済活動全体が停滞し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀による各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、米国の政策動向、英国のEU離脱交渉進捗や中国をはじめとした新興国の景気動向などの主に海外情勢の不確実性の影響で先行きには不透明感が残っております。

鉄鋼業界におきましては、国内粗鋼生産量は前年度実績をやや下回ったものの、鋼材需要は底堅く、建設向けは東京五輪・パラリンピック関連等により順調で、製造業向けも自動車・産業機械関連を中心に堅調に推移いたしました。

このような経済状況の下で、当社グループは、中期計画(平成27年度~29年度)の最終年度に入り、鉄鋼製品事業において、みがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する事業体制の下で収益体質強化と強靭な財務体質確保に徹底して取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より290百万円増加し、8,232百万円となりました。

負債合計は、前連結会計年度末より102百万円減少し、5,521百万円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末より393百万円増加し、2,710百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は10,539百万円(前年同期比16.7%増)と増収となり、利益につきましても、営業利益は556百万円(前年同期比31.7%増)、経常利益は499百万円(前年同期比33.5%増)と増益を確保することができました。親会社株主に帰属する当期純利益は405百万円(前年同期比5.5%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

鉄鋼製品事業は売上高10,354百万円(前年同期比16.9%増)、経常利益424百万円(前年同期比39.5%増)となりました。

不動産事業は売上高184百万円(前年同期比6.7%増)、経常利益74百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,211百万円となり、前連結会計年度に比べ64百万円増加いたしました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は990百万円(前年同期比198百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益499百万円、減価償却費406百万円、仕入債務の増加額579百万円に対して、売上債権の増加額205百万円、棚卸資産の増加額348百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は136百万円(前年同期比362百万円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得141百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は788百万円(前年同期比296百万円減)となりました。これは主に借入金の返済及び社債の償還によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

鉄鋼製品事業(百万円)

8,959

117.7

 (注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

受注高

(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼製品事業

10,465

117.5

892

114.2

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

鉄鋼製品事業(百万円)

10,354

116.9

不動産事業(百万円)

184

106.7

合計(百万円)

10,539

116.7

 (注)1.セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。

     2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

当連結会計年度末における資産合計は8,232百万円となり、前連結会計年度末より290百万円増加いたしました。これは主に減価償却により有形固定資産が減少したのに対して、受取手形及び売掛金と商品及び製品が増加したことによるものです。

負債合計は5,521百万円となり、前連結会計年度末より102百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が増加したのに対して、借入金と社債が減少したことによるものです。

純資産合計につきましては、2,710百万円となり、前連結会計年度末より393百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。

 

2)経営成績

当社グループの主要事業である鉄鋼製品事業においては、主力であるみがき帯鋼において主要需要先である自動車部品向け販売数量が増加いたしました。ステンレスにおいても、エンボス製品や加工品が堅調で、子会社でのステンレス鋼材の卸販売も市況の安定を受け好調に推移いたしました。また、不動産事業も、安定的に連結業績全体の利益面での下支えの役割を果たしております。

その結果、売上高は大きく伸び、利益面においても収益力が大きく改善し、営業利益と経常利益は前年同期比大幅な増益を確保することができました。

当連結会計年度の売上高は10,539百万円(前年同期比16.7%増)と増収となり、利益につきましても、営業利益は556百万円(前年同期比31.7%増)、経常利益は499百万円(前年同期比33.5%増)と増益を確保することができました。親会社株主に帰属する当期純利益は405百万円(前年同期比5.5%減)となりましたが、前年同期比減少したのは前年同期に固定資産売却益等の計上があったためです。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度は「2017年度中期計画」の最終年度でしたが、収益改善の諸施策を実行に移し、利益を積み重ね自己資本の充実に努めたことにより、中期計画の重要課題であった収益力と財務体質については一定程度の改善を図ることができました。売上高経常利益率(ROS)と自己資本比率は、復配可能なレベルとなり、D/Eレシオも借入金の返済が進み大きく向上いたしました。

当社グループの経営成績に大きな影響を与える主な要因としては、原料については価格動向等、販売については製品の最終ユーザーである自動車業界の動向等がありますが、具体的には、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載しております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、有利子負債の削減に努め、財務体質の改善を進めるとともに、キャッシュマネジメントシステムの導入等により、グループ全体としての資金効率の向上と資金流動性の確保に努めております。また、資金の安定性・安全性にも十分に留意した資金繰り運営を行っております。

運転資金や設備資金につきましては、内部留保または銀行借入・社債等により資金調達しております。当面重要な資本的支出の予定はありませんが、必要資金は内部留保または銀行借入等により対応いたします。

また、資金調達コストの低減に努めるとともに、金利変動リスクを避けるために長期資金については金利スワップ等の手段を活用しています。

当社グループの資金の状況については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営目標として売上高経常利益率(ROS)、自己資本比率、D/Eレシオの3項目を掲げておりますが、その達成状況につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期的な会社の経営戦略」に記載しております。

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(鉄鋼製品事業)

当社グループの主要事業である鉄鋼製品事業においては、主力であるみがき帯鋼において主要需要先である自動車部品向けの受注数量が順調に増加いたしました。また原料価格の変動分の製品価格への転嫁を着実に進めました。

ステンレスにおいても、輸出向けが減少したものの国内向けエンボス製品や加工品は総じて堅調で、とりわけ子会社でのステンレス鋼材の卸販売は実需や供給タイト感を背景とした市況の安定を受けて好調に推移いたしました。

その結果、事業全体の売上高は10,354百万円(前年同期比16.9%増)、経常利益は424百万円(前年同期比39.5%増)となりました。また、セグメント資産は6,522百万円(前年同期比3.2%増)となりました。

 

(不動産事業)

不動産事業の売上高は184百万円(前年同期比6.7%増)、経常利益は74百万円(前年同期比7.3%増)となり、引き続き利益面での下支えになっております。また、セグメント資産は590百万円(前年同期比0.4%減)となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、鉄鋼製品事業について、当社の販売部および品質保証部で推進しております。みがき帯鋼においては、極薄みがき帯鋼、電磁軟鉄板の開発に取り組んでおります。また、ステンレス製品では、表面に新たな意匠や機能を付加した商品の開発を進めております。

   当連結会計年度における研究開発費は、鉄鋼製品事業において2百万円であります。