第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府の各種金融緩和政策等を背景として企業収益や雇用・所得環境は改善傾向が続き、全体としては緩やかな景気の回復基調で推移いたしました。しかしながら、年明け以降の急速な円高、株価の乱高下、中国をはじめとする新興国経済の下振れリスクや中東情勢の悪化など依然として先行きに不透明な状況が続いております。

鋳造業界をとりまく経営環境は、新興国経済の減速による産業機械関連向け需要の減少、国内での自動車向け需要の減少等の影響により、受注の拡大には至っておりません。また、電気料金の若干の戻しはあったものの依然として影響があり、厳しい状況が続いております。

このような状況下、営業活動におきましては受注拡大のため、新規顧客の開拓及び既存客先への積極的な提案営業活動を推進してまいりました。生産活動におきましては生産性向上活動および品質向上活動を展開するとともに徹底した原価低減活動による製造諸経費の削減等を行い収益改善に努めました。それらの結果、当社の売上高は、3,455百万円(前年同期比10.1%減少)となりました。利益面につきましては、147百万円(前年同期比26.1%減少)の経常利益を計上することとなりました。また、当期純利益につきましては、投資有価証券売却益121百万円等の計上により179百万円(前年同期比39.0%減少)となりました。

なお、当社は鋳物事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、95百万円(前年同期は342百万円の収入)の支出となりました。主な内訳は税引前当期純利益210百万円を計上したものの、売上債権の増加額365百万円、投資有価証券売却益117百万円等を計上したためであります。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、621百万円(前年同期は135百万円の支出)の支出となりました。これは投資有価証券の取得による支出1,694百万円および投資有価証券売却による収入1,113百万円が主なものであります。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、96百万円(前年同期は218百万円の収入)の収入となりました。これは長期借入れによる収入950百万円および長期借入金の返済による支出814百万円が主なものであります。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、758百万円となりました。

 

 

2 【生産,受注及び販売の状況】

当社は、鋳物事業のみの単一セグメントであり、当事業年度における製品区分による生産、受注及び販売の状況を示すと次のとおりであります。

 

(1) 生産実績

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

自動車部品

1,842,544

△11.5

油圧部品

1,129,503

△11.3

汎用エンジン部品

44,424

△10.7

電機部品

11,861

△30.0

 

ポンプ部品他

327,171

14.2

3,355,504

△9.5

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

 

(2) 受注実績

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

自動車部品

1,846,429

△11.1

116,242

3.4

油圧部品

1,135,129

△11.8

58,311

△7.3

汎用エンジン部品

45,689

△11.3

4,548

△8.0

電機部品

9,104

△46.1

5,656

△38.1

 

ポンプ部品他

411,491

6.6

5,857

△34.1

3,447,843

△10.0

190,617

△3.9

 

(注) 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

自動車部品

1,842,652

△11.5

油圧部品

1,139,736

△11.9

汎用エンジン部品

46,081

△10.6

電機部品

12,582

△25.4

 

ポンプ部品他

414,522

8.2

3,455,575

△10.1

 

(注) 1 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成26年4月1日

  至 平成27年3月31日)

当事業年度

(自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

KYB株式会社

890,359

23.2

795,632

23.0

KYB金山株式会社

532,423

13.8

587,957

17.0

 

2 上記の金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

銑鉄鋳物業界の経営環境は、依然として厳しい状況が続いております。当社におきましても主要取引先である自動車、小型建設機械業界の海外シフトによる減産が懸念され事業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しております。

このような厳しい経営環境のなか、最優先の経営課題は、国内外の動向に機敏に対応し、確実に収益があげられる企業体質を構築することにあります。策定しました中期経営計画及び年度計画達成のための各方策を迅速に実施に移し、着実に成果に結びつけて安定して収益の出せる企業体質への転換に努めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)原材料価格の変動による影響

当社で生産する鋳造品は、鉄スクラップを主な原材料としております。これら鉄スクラップの需要が国際的に増加し、それに伴い品不足を背景に価格の高騰が懸念されます。原材料価格の乱高下は、製造原価を大きく変化させ、それを製品販売価格に転嫁することが容易でなく、当社の経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場変動

当社における営業収入は、自動車・小型建設機械業界の依存度が大きく、国内外の景気を背景とした関連メーカーの動向による業績への影響は避けられません。

 

(3)品質問題による影響

当社は、ISO活動を基盤に「品質保証」を経営の最重要事項の一つとしております。しかしながら銑鉄鋳物部品の開発・製造等における品質上のリスクの全てを完全に除去することは困難なものと認識しております。訴訟等により高額の賠償請求を受けた場合には、十分なカバーができないケースも想定されます。

 

(4)人材による影響

当社の事業は有能な技術者に依存している部分があり、中高年層の定年により技術と経験を有する者の喪失による技術の伝承が間に合わないことが考えられます。また、業種柄、若年層の確保が困難であり、育成に時間を要する等、事業活動への影響が懸念されます。

 

(5)製品の変化による影響

当社が得意とする従来主力製品である鋳造から加工・組付けまでの一貫生産している製品の海外シフトが進行しております。とはいえ精密製品への転換は、技術的に難易度が高く品質管理レベルも高いことから容易ではありません。これらが経営成績に影響を与えることが懸念されます。

 

(6)大規模災害による影響

 当社の生産活動は、愛知県内にて行っております。この地域は、東海・東南海地震の発生が予想されている地域でもあり、地震等の大規模災害が発生した場合には、当社の本社機能及び操業中断による生産活動が停止するとともに、復旧のための費用が見込まれ、業績及び財務状況に影響を与えることが懸念されます。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づき、適正に実施されております。

(2)当事業年度の経営成績の分析

 当社の当事業年度の経営成績は、売上高につきましては、主要取引先である自動車業界、小型建設機械業界各社の受注が減少したため、3,455百万円(前年同期比10.1%減少)となりました。損益面につきましては、徹底した製造諸経費の削減、生産性向上等の活動に努めましたものの、147百万円(前年同期比26.1%減少)の経常利益を計上することとなりました。また、当期純利益につきましては、投資有価証券売却益121百万円等の計上により179百万円(前年同期比39.0%減少)の利益となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社を取り巻く環境は、景気後退に歯止めがかかり緩やかに回復の兆しが見えてまいりましたものの、中国経済の減速感および新興国経済の減速など依然として先行きに不透明感が強まる状況で推移しております。国内においては、福島原子力発電所の事故を契機にその他の原子力発電所問題による電力料金の高騰、また、海外景気および近隣新興国の経済等による原材料価格の乱高下等、大きな影響が懸念されます。

(4)当事業年度の財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末における流動資産は前事業年度末と比較し、226百万円減少の2,331百万円となりました。これは、主に現金及び預金が621百万円減少し、売掛金が374百万円増加したことによるものであります。

  当事業年度末における固定資産は前事業年度末と比較し、105百万円増加の4,144百万円となりました。これは、主に投資有価証券が317百万円が増加し、機械及び装置が95百万円、前払年金費用が23百万円、それぞれ減少したことによるものであります。

  この結果、当事業年度末における総資産は6,476百万円となり、前事業年度末と比較し、121百万円減少いたしました。

(負債)

 当事業年度末における流動負債は前事業年度末と比較し、38百万円減少の1,399百万円となりました。これは、主に支払手形及び買掛金がそれぞれ44百万円、26百万円減少し、1年内返済予定の長期借入金が49百万円増加したことによるものであります。

  また、固定負債は前事業年度末と比較し、16百万円減少の2,028百万円となりました。これは、主に長期借入金が85百万円増加し、繰延税金負債が109百万円減少したことによるものであります。

  この結果、当事業年度末における負債合計は3,428百万円となり、前事業年度末と比較し、54百万円減少いたしました。

(純資産)

 当事業年度末における純資産は前事業年度末と比較し、66百万円減少の3,048百万円となりました。これは、当期純利益の計上等により利益剰余金が141百万円増加し、その他有価証券評価差額金が206百万円減少したことによるものであります。

 

(5)戦略的現状と見直し

 当社といたしましては、これらの状況を踏まえて営業活動の強化及び製造コストの徹底的削減を骨子とした中期経営計画を策定いたしました。営業活動におきましては、既存取引先への高付加価値製品の販売による受注増加、新製品開発による新規取引先の提案営業展開により受注拡大を行います。製造活動におきましては、生産量増加の際に徹底した作業改善による製造コストの切り詰めを行います。また、工法改善による単位時間当たり生産量向上に努めます。それらを方針管理活動として展開し、随時チェック・フォローして生産性向上を図ります。不良率低減活動につきましては、部門横断的にプロジェクトチームを結成して品質の向上に努めます。

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、95百万円の支出となっております。投資活動によるキャッシュ・フローでは、621百万円の支出となっており、また、財務活動によるキャッシュ・フローでは96百万円の収入となっております。以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年同期と比べ621百万円減少の758百万円となっております。

(7)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、対処すべき課題に記載いたしました中期経営計画を柱に企業活動を行ってまいります。