第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、輸出や設備投資の増加などにより、緩やかな回復基調を維持したものの、力強さを欠く展開となりました。年度後半には、米国の政権交代に端を発する保護主義の風潮、朝鮮半島情勢の緊迫化など、先行きへの不透明感の強まる状況となりました。

当社の属する電炉小棒業界におきましては、鉄筋コンクリート造の需要低迷や人手不足による着工延期などから出荷量が前年を下回る中、年明け以降主原料である鉄スクラップ価格が急騰し、厳しい経営環境となりました。

このような中で、当社は主力のネジテツコン並びに関連商品の拡販に注力するとともに、コストダウンに取り組んでまいりました。

当連結会計年度における連結売上高は、製品単価の下落により前年実績比62億3千3百万円(12.5%)減収の435億5千2百万円となりました。

利益面では、エネルギーコストの低減などがありましたが、主原料の鉄スクラップ価格の上昇による製品価格との値差の縮小があり、連結営業利益は前年実績比31億7千7百万円(87.5%)減益の4億5千4百万円、連結経常利益は前年実績比30億9千万円(86.5%)減益の4億8千2百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年実績比21億3千3百万円(85.5%)減益の3億6千2百万円となりました。

 

なお、セグメントごとの業績は次のとおりであります。

鉄鋼事業・・・売上高は、製品単価の下落により前年実績比62億7千3百万円(12.6%)減収の433億7千2百万円となり、セグメント利益はエネルギーコストの低減などがありましたが、主原料の鉄スクラップ価格の上昇による製品価格との値差の縮小があり前年実績比32億1千7百万円(97.9%)減益の6千7百万円となりました。

そ の 他・・・売上高は、前年実績比3百万円(0.1%)増収の39億5千万円となり、セグメント利益は前年実績比3千7百万円(12.4%)増益の3億3千7百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億5千3百万円減少し、87億8千8百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比37億7千5百万円減少し、9億7千1百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比26億3千2百万円減少し、40億5千万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比31億9千6百万円増加し、15億2千6百万円の収入となりました。

なお、キャッシュ・フローの詳細は「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しています。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼事業

27,973

△16.3

その他

合計

27,973

△16.3

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 その他における生産実績はありません。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当社は、全製品について見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼事業

43,027

△12.6

その他

524

△7.3

合計

43,552

△12.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社

17,909

36.0

13,503

31.0

エムエム建材株式会社

10,194

20.5

10,514

24.1

阪和興業株式会社

9,018

18.1

7,332

16.8

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 経営方針・経営戦略等

当社はコーポレート・メッセージとして掲げている「建設業の発展に寄与し環境リサイクルへの貢献を目指す東京鐵鋼」を経営の基本においております。

近年、ユーザーである建設業界のニーズはより高度化・多様化しており、当社グループの強みである製造技術力、開発技術力、施工技術力を活かして、これに応える製品や商品、及び鉄筋工事に関するノウハウなどを総合的に提供するというエンジニアリングサービスを通し、建設工事の省力化、合理化に寄与してまいります。併せて、鉄スクラップのリサイクルや廃自動車・廃家電その他の産業廃棄物の処理事業を通じ、環境保全企業として社会に貢献してまいります。

(2) 目標とする経営指標

当社は、財務体質を強化し、競争力強化のための投資を継続的に実施していくためには十分な営業キャッシュ・フローを獲得することが必要であると考え、連結売上高経常利益率5%以上を確保し、継続することを目標としています。

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社の属する電炉小棒業界におきましては、鉄筋コンクリート造の需要低迷や人手不足による着工延期などから出荷量が前年を下回る中、年明け以降主原料である鉄スクラップ価格が急騰し、厳しい経営環境となりました。

このような中で、当社は単なる素材提供メーカーに止まることなく、エンジニアリング力を高め、高付加価値品を提供することで、他社との差別化を進め、事業基盤の強化を図る経営戦略を進めています。そのためにネジテツコン・継手の供給体制の確立、研究開発体制の整備、国内営業体制の強化、海外マーケットの開拓に経営資源を重点的に投入しております。

また、東北地区における環境リサイクル事業では、電気炉を頂点として、シュレッダー、炭化炉など一連の処理設備を備えており、廃自動車、廃家電、廃石綿などに加え、低濃度PCB処理という新たな品目の開拓に取り組み、環境リサイクル事業の拡大を図りたいと考えております。

 

4 【事業等のリスク】

① 製品及び原材料の価格変動

 当社の主力製品であるネジテツコンを含めた棒鋼製品の価格及び主原料である鉄スクラップの価格は市況により変動し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としましては、ネジテツコン継手やプレキャストコンクリート継手など市況の影響を受けにくい商品の売上比率を高めることにより、市況変動リスクを軽減し安定した利益を計上できる経営体質を作り上げていく考えです。

② 建設需要の減少

 経済構造の成熟化、公共投資の縮小、人口構造の変化等により、国内の建設需要は今後減少するものと考えられます。それに伴い棒鋼製品の需要も減少し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としましてはネジテツコンなど建設業界のニーズに応えた付加価値製品の拡販によりこれに対処し、業績進展に努める考えです。

③ 災害、事故に起因する生産活動の停止等

 当社の各工場が大規模な地震、台風などの自然災害に見舞われた場合、また重大な設備事故や労働災害が発生した場合には、工場の操業停止等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、鉄鋼事業において、鉄筋の機械式継手等既存商品の改良や、既存商品を組み合わせた省力化商品の開発等の活動を行っており、当期の研究開発費の総額は338百万円です。

その他については、特記すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりです。

(1) 経営成績の分析

① 売上高の状況

製品単価の下落により連結売上高は前期比62億3千3百万円減少し435億5千2百万円となりました。

② 損益の状況

エネルギーコストの低減などがありましたが、主原料の鉄スクラップ価格の上昇による製品価格との値差の縮小があり、売上総利益は前期比33億3千7百万円減少し、69億5千4百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、前期に比べ1億5千9百万円減少し、64億9千9百万円となりました。

これにより営業利益は4億5千4百万円と前年同期と比べ31億7千7百万円減少しました。

また、営業外損益は2千7百万円の利益となり、結果、経常利益は前期比30億9千万円減少し、4億8千2百万円となりました。

特別損益は、固定資産の除去損、投資有価証券の評価損などにより2億4千6百万円の損失となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前期比21億3千3百万円減の3億6千2百万円となり、1株当たり当期純利益は前期比46円11銭減少し、7円81銭となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ35億5百万円増加し536億9千2百万円となりました。これは有形固定資産などが増加したことによるものです。

負債の合計は、前連結会計年度末に比べ33億6千万円増加し、161億5千2百万円となりました。これは買掛金、営業外電子記録債務、長期借入金などが増加したことによるものです。

有利子負債の残高は前期末比20億5千5百万円増加し、46億4千7百万円となりました。

純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ1億4千5百万円増加して375億3千9百万円となりました。これは利益剰余金は減少しましたが、その他有価証券評価差額金が増加したことによるものです。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は前期末比4.6ポイント下降して69.8%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費と仕入債務の増加に伴う収入を主たる収入として、法人税等の支払い、未収消費税等の増加に伴う支出などを差し引きして、9億7千1百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などにより、40億5千万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入と長期借入金の返済に伴う支出などを差し引きして、15億2千6百万円の収入となりました。

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億5千3百万円減少し、87億8千8百万円となりました。