第2 【事業の状況】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針・経営戦略等

当社はコーポレート・メッセージとして掲げている「建設業の発展に寄与し環境リサイクルへの貢献を目指す東京鐵鋼」を経営の基本においております。

近年、ユーザーである建設業界のニーズはより高度化・多様化しており、当社グループの強みである製造技術力、開発技術力、施工技術力を活かして、これに応える製品や商品、及び鉄筋工事に関するノウハウなどを総合的に提供するというエンジニアリングサービスを通し、建設工事の省力化、合理化に寄与してまいります。併せて、鉄スクラップのリサイクルや廃自動車・廃家電その他の産業廃棄物の処理事業を通じ、環境保全企業として社会に貢献してまいります。

(2) 目標とする経営指標

当社は、財務体質を強化し、競争力強化のための投資を継続的に実施していくためには十分な営業キャッシュ・フローを獲得することが必要であると考え、連結売上高経常利益率5%以上を確保し、継続することを目標としています。

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社の属する電炉小棒業界におきましては、主原料の鉄スクラップ価格が上半期から引き続き弱含みで推移するなど、採算面での改善が見られる一方、人手不足による建設工事の後倒しや東京オリンピック関連工事の終息など需要は弱含みで推移しており厳しい経営環境が続きました。

このような中で、当社は以前よりネジテツコン・継手をコアとして、保有するエンジニアリング力を生かして、他社との差別化を図り、高付加価値化を推進するという戦略を進めてまいりましたが、今後人口減少等の要因により、主力分野である鉄筋コンクリート造の建築物に対する需要は減少する見込みです。このような市場の変化に対応し、成長力を維持、収益性を向上させて行くためには、従来の市場を深耕するとともに新規分野の開拓が必要となります。これを推進するために、さらにエンジニアリング力を強化するとともに、顧客へのソリューション提案のレベルを向上させ、新規市場の開拓、新製品サービスの開発推進、営業体制の強化、海外市場の開拓、ネジテツコン・継手の供給体制の強化などを進めてまいります。

また、東北地区における環境リサイクル事業においても、電炉などの既存設備に加えて、新たな処理施設の拡充により、廃石綿処理、低濃度PCB処理などの新規処理分野への展開を促進し、事業成長に結び付けていく考えです。

同業である株式会社伊藤製鐵所との資本業務提携については、将来的な経営統合に向けた取り組みを進めています。共販会社の運営、調達面での両社の協力関係強化など、共同の取り組みを進展させ、今後はさらに両社の経営基盤の強化と事業成長の促進、企業価値の向上に向けて取り組んでいく所存です。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大については、現段階において当社業績への過大な影響等は認められておりません。 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

(1) 製品及び原材料の価格変動

当社の主力製品であるネジテツコンを含めた棒鋼製品の価格及び主原料である鉄スクラップの価格は市況により変動し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としましては、ネジテツコン継手やプレキャストコンクリート継手など市況の影響を受けにくい商品の売上比率を高めることにより、市況変動リスクを軽減し安定した利益を計上できる経営体質を作り上げていく考えです。

(2) 建設需要の減少

経済構造の成熟化、公共投資の縮小、人口構造の変化等により、国内の建設需要は今後減少するものと考えられます。それに伴い棒鋼製品の需要も減少し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としましてはネジテツコンなど建設業界のニーズに応えた付加価値製品の拡販によりこれに対処し、業績進展に努める考えです。

(3) 災害、事故に起因する生産活動の停止等

当社の各工場が大規模な地震、台風などの自然災害に見舞われた場合、また重大な設備事故や労働災害が発生した場合には、工場の操業停止等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大

新型コロナウイルス感染症が更なる感染拡大等により棒鋼製品の需要・価格及び主原料の鉄スクラップ価格等に影響が及んだ場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また当社の従業員が感染した場合は、一時的に工場の操業を停止するなど当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としましては従業員の感染防止策として、国内の感染状況に応じて、人との接触機会を減少させるため在宅勤務・時差出勤の推進、業務上必要不可欠なものを除いた当社の本社、工場、営業所等の拠点間の移動の禁止等を徹底していく考えです。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、飲食、運輸、観光等の分野で大きな落ち込みが発生しました。景気の先行きについても感染症の再拡大リスクへの懸念等により不透明な状況が続くと見込まれます。

当社の属する電炉小棒業界におきましては、上期は主原料の鉄スクラップ価格が弱含みで推移するなど採算面の改善が見られましたが、下期に入り鉄スクラップ価格の急騰を受け値差が縮小するなど、厳しい経営環境となりました。

このような中で、当社は主力製品であるネジ節棒鋼のネジテツコン、並びにその関連商品の拡販に注力するとともに、適正な製品価格の確保やコストダウンに取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a  財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ75億9千万円増加し、650億8千5百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ26億5千2百万円増加し、170億4千5百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億3千7百万円増加し、480億3千9百万円となりました。

b  経営成績

当連結会計年度の経営成績は、連結売上高623億9千1百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益75億1千4百万円(前年同期比37.0%増)、経常利益75億2千4百万円(前年同期比24.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益49億8千万円(前年同期比24.7%増)となりました。

なお、セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

鉄鋼事業は、売上高620億3千6百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益73億1千6百万円(前年同期比39.3%増)となりました。

その他は、売上高47億1千9百万円(前年同期比14.0%増)、セグメント利益1億4千5百万円(前年同期比19.7%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は113億6千1百万円と前年同期と比べ34億9百万円増加(42.9%)しました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が72億3千2百万円(前年同期比35.7%増)となり、税金等調整前当期純利益、減価償却費及び仕入債務の増加を主たる収入として、棚卸資産の増加に伴う支出などを差し引きして、78億9千4百万円の収入(3.0%)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、31億1千2百万円の支出と前年同期と比べ支出が3億8千3百万円(14.0%)増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出などにより、13億7千2百万円の支出と前年同期と比べ支出が25億1千7百万円(64.7%)減少しました。

 

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a  生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼事業

40,777

+6.0

その他

合計

40,777

+6.0

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 その他における生産実績はありません。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b  受注実績

当社は、全製品について見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c  販売実績

当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼事業

61,952

+5.8

その他

438

+5.0

合計

62,391

+5.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社

21,045

35.7

23,732

40.2

阪和興業株式会社

10,888

18.5

13,612

23.1

エムエム建材株式会社

12,784

21.7

12,053

20.4

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 重要な会計方針及び見積もり

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。この見積りについては過去の実績や状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社業績への影響等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a  経営成績等

1) 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ75億9千万円増加し、650億8千5百万円となりました。これは主に現金及び預金が増加したことによるものです。

(負債合計)

負債の合計は、前連結会計年度末に比べ26億5千2百万円増加し、170億4千5百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が増加したことによるものです。

(純資産合計)

純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ49億3千7百万円増加し、480億3千9百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。

 

2) 経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、出荷数量の増加により、前連結会計年度に比べ34億7百万円増加し、623億9千1百万円(前年同期比5.8%増)となりました。セグメント別の売上高は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、商品及び製品の出荷数量が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ22億9千1百万円増加し、151億7千6百万円(前年同期比17.8%増)となりました。

(営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、出荷数量の増加に伴い運搬費が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ2億5千9百万円増加し、76億6千2百万円(前年同期比3.5%増)となりました。

この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ20億3千1百万円増加し、75億1千4百万円(前年同期比37.0%増)となりました。

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ5億3千6百万円減少し、3億2千7百万円(前年同期比62.1%減)となり、営業外費用は、売上割引が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ1千3百万円増加し、3億1千7百万円(前年同期比4.3%増)となりました。

この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ14億8千万円増加し、75億2千4百万円(前年同期比24.5%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ1千4百万円増加し、1千4百万円(前年同期は0百万円)となり、特別損失は、減損損失や投資有価証券評価損が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ4億8百万円減少し、3億6百万円(前年同期比57.1%減)となりました。また、法人税等合計は、税金等調整前当期純利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ9億2千1百万円増加し、22億5千2百万円(前年同期比69.3%増)となりました。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ9億8千7百万円増加し、49億8千万円(前年同期比24.7%増)となりました。

 

3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

b  経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

c  資本の財源及び資金の流動性

1) 資金需要

当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。

運転資金需要は製品を製造するための材料費、製造経費、また販売費及び一般管理費等の営業費用が主なものになります。

設備資金需要は製品を製造している工場の建物や機械装置等固定資産の設備投資が主なものになります。

 

2) 財務政策

当社グループは、運転資金については内部資金を充当し、不足が生じる場合は金融機関からの短期借入で資金調達しております。また設備資金については、短期及び中長期の設備投資計画に基づき将来発生する資金需要を把握し、内部資金の充当及び金融機関からの長期借入や社債の発行で資金調達しております。

また、資金調達の安定性と機動性を高めるため金融機関と総額210億円のコミットメントラインの設定契約を締結し、運転資金並びに設備資金に対応する体制としております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により不測の資金需要が発生した場合においては、現在の内部資金及びコミットメントラインで対応可能と判断していることから新規借入等の資金調達やコミットメントライン契約の設定枠の増額等は考えておりません。

 

d  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、財務体質を強化し、競争力強化のための投資を継続的に実施していくためには十分な営業キャッシュ・フローを獲得することが必要であると考え、連結売上高経常利益率5%以上を確保し、継続することを目標としています。

当連結会計年度における連結売上高経常利益率は12.1%(前年同期は10.2%)となりました。これは、商品及び製品の出荷数量が増加したことなどにより経常利益が増加し、前連結会計年度に比べ連結売上高経常利益率が上昇しました。

目標とする「連結売上高経常利益率5%以上の確保」を達成するためセグメントごとに、鉄鋼事業は適正な製品価格の確保及び一層のコストダウンに注力するとともに、省力化工法などの提案営業を強化し、ネジテツコン並びに関連商品などの高付加価値製品の拡販に取り組み、また、その他は貨物輸送の積載率の向上などのコストダウンに取り組んでまいります。

 

e  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(鉄鋼事業)

売上高は、出荷数量の増加により、前連結会計年度比5.8%増の620億3千6百万円となりました。

セグメント利益は、商品及び製品の出荷数量が増加したことなどにより、73億1千6百万円(前年同期比39.3%増)となりました。

セグメント資産は、現金及び預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ74億7千6百万円増加の632億2千4百万円となりました。

(その他)

売上高は、報告セグメントである鉄鋼事業の出荷数量の増加に伴い貨物輸送が増加したことなどにより、前連結会計年度比14.0%増の47億1千9百万円、セグメント利益は、前連結会計年度比19.7%減の1億4千5百万円となりました。

セグメント資産は、現金及び預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1億2千2百万円増加の22億8千7百万円となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、鉄鋼事業において、鉄筋の機械式継手等既存商品の改良や、既存商品を組み合わせた省力化商品の開発等の活動を行っており、当連結会計年度の研究開発費の総額は411百万円です。

その他事業において、当連結会計年度の研究開発費はありません。