第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループでは、世界的な視野で建設・建築技術の高性能化を図りながら、市場ニーズに呼応した社会資本の充実、貢献に努めております。

 

当社は、21世紀のスタート、2001年4月1日に新しい経営理念を掲げました。

 

変化と新しい価値の創造

顧客に満足される新しい機能の創造

社会、自然環境との調和

社員の個性尊重 -意欲と能力の発揮による各人の豊かさの実現-

Making Changes, Creation of New Values for the Next Stage

当社の製品は、創業以来日本の社会資本の形成に大きく寄与してきたと認識しておりますが、日本経済における社会資本の形成が一段落し、プロダクト・サイクルが成熟期に入ったとの認識のもと、新しい理念は、変化と新しい価値の創造により重点を置くものとなっています。

 

この理念には、日常生活に身近な社会資本も常に人々の新しい要求に対し変化させなければならない、エスイーグループはコアテクノロジーをもとに長年培ってきた経験を活かし、これからも変化を先取りしながら新しい価値を創造し提供し続けていきたいとの想いが込められています。

 

(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

新しい経営理念を策定した後、経営を取り巻く環境は大きく変わりました。2001年頃より日本政府は、財政再建を掲げて歳出削減を基本とし、公共事業費の大幅な削減が続くことになりました。それに対して、当社は、主に次の戦略・施策を実施しました。

①М&Aによる事業領域の拡大

公共事業への依存低減を図るべく、建築市場での民間需要向け資材販売事業へ参入し、さらには、公共・民間両市場をターゲットとした鉄鋼製品および鉄骨工事ならびにコンクリート製品の販売にも活動領域を拡げております。また、今後拡大が見込まれるインフラ設備の老朽化に対する補修・補強工事業の強化も実施しました。

 

②海外市場への事業地域の拡大

ベトナムにおいて2007年有限会社日越建設コンサルタントを設立しエンジニアリング分野の拡充を図ったほか、エスイー製品の海外への輸出にも注力しました。

 

М&Aは事業領域の拡大に大きく寄与し、2018年1月株式会社ホンシュウの株式取得をもって現在の連結子会社6社の体制になりました。また、新しい価値の創造については、超高強度合成繊維補強コンクリートであるESCONの開発、プラズマ発電事業の研究に注力してきました。

その結果、後述する「中期経営計画2020-2022」の直前の連結会計年度末においては、売上高228億39百万円、経常利益10億63百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億70百万円となりました。

 

 

2009年3月期

2019年3月期

増減

 

2020年3月期

売上高

(百万円)

11,412

22,412

+11,000

 

22,839

経常利益

(百万円)

463

1,079

+615

 

1,063

経常利益率

(%)

4.1%

4.8%

+0.8

 

4.7%

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

243

699

+455

 

270

 

 

 

 

 

 

 

総資産

(百万円)

13,324

23,093

+9,768

 

22,031

純資産

(百万円)

5,788

8,712

+2,924

 

8,326

 

 

М&A以前

 

 

 

 

これらの結果を踏まえ、2020年3月には、2030年頃までの環境変化についての洞察を基に、2030年での「ありたい姿」「提供価値」について、「2030ビジョン」を策定しました。

 

「2030ビジョン」

 

【エスイーグループが2030年に目指す姿】

 

すべての人々に、Sustainableな発展を-

人々の豊かさへの希求に応える社会資本グローバル・リーディング・カンパニー

エスイーグループは、Sustain(支える・守る・つなぐ)のために培ってきた経験・技術を拡張・進化させ、深刻化する社会問題に新しいSustain(支える・守る・つなぐ)により解決し、Sustainableな社会の発展に貢献し、自らもSustainableな発展を遂げ、全てのステークホルダーの満足を追求し続けます。

 

【エスイーグループが提供する価値】

 

・自然と社会のレジリエンスの向上に貢献し、グローバルな経済の発展と地球環境の両立した社会を実現します。

①進化した Sustain (守る)

 防災技術・製品のICT化により、グローバルで激甚化する災害からインフラを守り、復旧力を向上させます。

②拡張したSustain(守る)

 Sustain の分野を拡大し、途上国のインフラ整備、エネルギー分野のインフラ整備等を進展させます。

 

・人々が住まう土地にあった社会インフラ構築に貢献し、全ての人々の自律的な生活を実現します。

③進化・拡張した Sustain(支える・つなぐ)

各地域のインフラ整備を支援し、それぞれの地方の実情にあったインフラを実現します。

 

(「Sustain(守る・支える・つなぐ)」は、エスイーグループがこれまで社会に貢献してきた機能を表象的に表す言葉です)

 

この長期ビジョンにおける主な環境認識は以下の通りです。

 

①土木建設資材市場

 当社グループの建設用資機材の製造・販売事業セグメントにおいては、国や地方自治体の公共予算の動向に大きく左右されます。長期的な方向性としては、日本の経済の成長ステージと財政事情により、公共投資は減少していくものと認識しております。一方で中期的には、自然災害の激甚化への対応、高度成長期に建設された道路・橋梁等のインフラの老朽化対応により、一定の需要が見込まれるものと認識しております。これらは、内閣官房「国土強靭化基本計画」や国土交通省「インフラ長寿命化基本計画」にも表れております。

 また、これらの中期的な方向性の中で、人口減少・高齢化社会の進行状況と予算の制約により、各地方自治体の具体的な対応は違いが生じてくると思われます。

 

②情報通信技術の浸透

 昨今の情報通信技術の発達と浸透は、建設・建築業界においても例外ではなく、大量のデータを駆使したデジタル技術によりフィジカル(現実)空間の事象をサイバー空間に再現し、そこでの最適解をもってフィジカルな空間をロボット等の技術によって変えていくという取組は今後大きく進展していくものと見ています。国土交通省「i-Construction」、内閣府「官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)」における「革新的建設・インフラ技術/革新的防災・減災技術領域」といった官民あげての取組も進行中であります。

 このような環境下、建設・建築業界は、従来の労働力の提供を軸にした垂直的な価値提供構造から、より高い付加価値を提供する企業等が水平分業的に協働する構造に変わっていくものと見ています。データ社会への対応が遅れれば、水平分業の輪の中に入れないこととなり、入れたとしても付加価値の高い物・サービスの提供でないと収益性の低いビジネスになってしまう可能性が高いと見ております。

 一方で、このような動きは、当社グループにとってビジネス拡大の機会でもあると考えております。圧倒的なシェアを持つアンカー製品を中心にデータの持つポテンシャルを活せる可能性があること、当社グループがビジネス・プロセスで蓄積したインフラ構築に関係する構想・設計・調達のノウハウを製品の販売以外の方策でも提供可能になることが考えられます。

 

③地球温暖化とエネルギー

 2015年の第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)においては,2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして,パリ協定が採択されました。日本政府は、温室効果ガス排出の削減について、2030年度目標は2013年度比26%削減、2050年目標を80%削減(基準年は明記されていない)することになっています。2018年度の実績は、2013年度比12.0%の減少となっております。

 日本政府の長期戦略は、ビジネス主導の非連続なイノベーションを通じた「環境と成長の好循環」を実現することを基本としています。「エネルギー」については、再生可能エネルギー、蓄電池、水素、原子力、炭素回収利用・炭素回収貯蓄(CCUS)等、あらゆる選択肢の可能性とイノベーションを追求しつつ、2050年に向けて、「経済的に自立した再エネの主力電源化」するとのビジョンを掲げている。「産業」については、CO2フリー水素等非連続的なイノベーション、「地域・くらし」については、「地域循環共生圏」を創造し、可能な地域・企業等から、2050年を待たずにカーボンニュートラルを実現していくこととしています。

 温暖化とエネルギー問題は、クリーン・エネルギー供給体制のサプライチェーン構築といった社会インフラへ与える影響は量的にも質的にも大きく、多岐に亘る一方、温室効果ガス関連規制の強化やカーボンプライシングといった企業活動そのものへの影響も考えられます。

 以上が「2030ビジョン」策定時の気候温暖化とエネルギーについての認識でしたが、後述するように、2020年9月の菅政権発足後、状況は大きく変化し、日本は「2050年にカーボンニュートラルの実現」「温室効果ガスの2030年削減目標を従来の26%から46%に変更」を対外的に宣言し、各国が目標を競い合い、自国に有利な経済環境作りに奔走する状況となっております。上記の認識は、想定より早く実際の企業活動に影響を与えるようになると思われます。

 

④グローバル・インフラ

 2016~2030年で成長率が高いと予想されているのは、ほとんどがアジアの国と言われており、それらの国々では、インフラ需要が旺盛であるが、十分な投資がなされていない。資金面での不安は残るものの、アジアへの投資は現状より増加すると考えられます。

 また、必ずしも先進国と同様の成長過程をたどるとは限らず、先進国でのIT化が共時的に途上国の発展に影響を与え、独自の過程をたどる可能性にも留意する必要があります。

 一方、先進国では都市と地方の経済格差が問題となっておりますが、途上国を含めてメガシティの都市間競争は一層激化するものとみております。都市の先進的なインフラ構築は、先進国・途上国を問わず、続いていくと思われます。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 長期ビジョンの実現、その前提となる環境変化に優先的に対処するための中期的な課題は以下のように認識しております。

①国土強靭化等の公共事業予算の追い風のある建設用資機材の製造・販売事業での着実な業容拡大と利益体質の強化。

②今後の成長を牽引する新事業、新製品・新サービスなどの新しい価値の創造と早期収益化。

③海外関連の事業再構築による業容を拡大。

④企業価値向上のための資産効率の向上と経営基盤の強化。

⑤建設用資機材の製造・販売事業以外では、

・建築用資材の製造・販売業での利益体質の強化、

・建設コンサルタント事業の新たな収益の柱の育成、

・補修・補強工事業においては抜本的な拡大策の展開

 

(4)中期経営計画2020-2022

以上の課題に対処するため、2020年3月に「中期経営計画2020-2022」を作成しております。

 

①中期経営計画の位置付け

 この「中期経営計画2020-2022」は、「2030ビジョン」の実現に向けて、新しい価値の創造の先行投資と事業基盤の再構築による収益体質強化を両立させる期間として位置付けております。

 

 

②基本方針

a)思い切った経営資源の戦略的投入

・・・事業環境が良好な建設用資機材の製造・販売事業を中心として、人員、製造新規設備等の資源投資を積極的に実施します。先行投資により、2021年3月期・2022年3月期の利益水準は2020年3月期比低い水準となりますが、2023年3月期には戦略的な資源投入の成果により飛躍的な成長を遂げることを狙っていきます。

 

b)既存事業基盤の再構築と新たな価値の創造

・・・上記の資源投入は、既存事業の収益体質の強化と新たな価値創造に重点的に配分します。既存事業、商品において、収益機会の拡大と取り込みを徹底し、様々なプロセス改革による収益性および生産性の向上にも取り組みます。

新たな価値の創造については、海外事業本部の新設やプラズマ発電事業への戦略的な資源投入により、本中期経営計画終了後の飛躍的な成長の為の仕込みを実施します。

 

c)持続可能な企業価値向上のための経営基盤の強化

・・・上記の事業の展開を持続的な企業価値の向上に結び付けるために、資本効率の向上・財務体質の強化を意識した財務戦略を展開します。

営業キャッシュ・フローを拡大し、それを成長投資と長期安定的な株主還元に配分します。また、財務体質を強化し、安定した資金調達だけでなく、事業拡大に向けた財務余力の確保にも取り組みます。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営指標につきましては、先行投資により、2021年3月期・2022年3月期の利益水準は2020年3月期比低い水準となりますが、2023年3月期には戦略的な資源投入の成果により、2023年3月期には飛躍的な成長を遂げる目標を掲げております。

 資本効率の向上に係る目標の指標は、自己資本当期純利益率(ROE)及び株主資本配当率(DOE)としております。

 また、目標達成の成否の鍵となる建設用資機材の製造・販売事業を重点注力セグメントとして指標としております。

基本財務目標

2020年3月期

 

2023年3月期

 

売上高                (百万円)

22,839

 

26,000

 

経常利益               (百万円)

1,063

 

1,600

 

親会社株主に帰属する当期純利益    (百万円)

270

 

1,023

 

 

 

 

 

収益性・配当

 

 

 

 

営業利益率                (%)

4.7

 

6.3

 

自己資本当期純利益率(ROE)        (%)

3.2

 

10%超

 

 

 

 

 

 

株主資本配当率(DOE)           (%)

3.7

 

3.5%目安

 

 

 

 

 

重点注力セグメント(建設用資機材の製造・販売事業)

 

 

 

 

売上高                (百万円)

10,803

 

13,650

 

営業利益               (百万円)

834

 

1,496

 

営業利益率                (%)

7.7

 

11.0

 

 

(6)当連結会計年度中に起きた環境変化と計画のローリング

 当連結会計年度中に、計画策定時には想定していなかった環境変化が起こり、計画の初年度を終えた時点で環境変化と実績を踏まえ、2021年度と2022年度の計画のローリングを実施しました。

 

 

①環境変化~新型コロナウイルス感染症の影響

 2020年の日本及び世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により2008年のリーマンショック以来の大幅な落ち込みを見せ、経済活動そのものが制限される極めて厳しい状況となりました。

 当社グループと関連の深い建築・土木市場においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、予定された工事等が延期・中止になるなどの影響が一部において発生しました。特に海外事業については現地経済活動の停滞や渡航制限により、売上減少等の影響を受けております。

 当連結会計年度末においても、日本ではワクチン接種の具体的な完了のスケジュールが見通せる状況になく、経済の回復の遅れが懸念されております。このような状況下、当社グループで影響を受けている建築金物分野や海外事業においては、その影響が2021年度・2022年度にも残る可能性が高いとみて、計画を見直しました。

 

②環境変化~日米の政権交代

 日本及び米国にて政権交代がなされ、日本においては菅政権が前政権の基本的施策を継承するものの「カーボンニュートラルの実現」「デジタル庁の創設」等今後の経済に大きな影響を及ぼす施策を掲げています。一方米国のバイデン政権は、対中政策以外は前政権の施策を根本的に変更する施策を掲げており、前政権とは違った方法で米国のプレゼンスの立て直しを図っていくことと思われます。

 

【2020年の環境変化とその影響】

 

変化の要因・項目

具体的な内容・例

機会

脅威

新型コロナ

ウイルス感染症

景気停滞の

長期化

 

移動制限の長期化により、飲食業・小売業・観光業が低迷が長期化

建築需要減

海外での活動減

企業活動への制約も長期化

デジタル化の

進展

 

新型コロナへの対応で日本はデジタル対応が後手に回っていることが一層明確に

菅政権の政策

菅政権はデジタル庁創設等デジタル改革を推進

国土強靭化対応でもIT活用を重視

 

国土交通省はBIM/CIM原則適用を2023年からとし2年前倒し

災害対策

国土強靭化の推進

「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」

需要拡大・継続

地球温暖化

対応

世界各国が地球温暖化への対応を国家戦略化

菅政権も「グリーン社会の実現」を主要政策化

バイデン政権の

政策

2050年カーボンニュートラル宣言

脱炭素の

環境対応

2030年温室効果ガス削減目標引上げ

イノベーション

負担増

米国再興策の

強化

「バイ・アメリカン」の貿易政策

サプライチェーン安全保障の確立

中低所得層支援と資産バブルの抑止

 

 このような環境変化は概ね当社グループの事業機会を想定通り拡大・進化させる方向に働く一方で、デジタル化の促進やカーボンプライシングの早期導入等事業活動に大きな変化を余儀なくされる可能性があると認識しております。

 

 

③当連結会計年度の実績

 当連結会計年度の実績の詳細については後述しますが、新型コロナウイルス感染症の影響で建築金物分野や海外事業においては計画を大きく下回る結果となりました。また、当連結会計年度に実施予定であった施策のいくつかは繰越になる事態が発生しました。全体の成績は大幅な増益となっておりますが、このような環境下において中期経営計画後の成長をより確固たるものとなるよう計画を見直しました。

 

④見直しの内容と新たな目標値

 内装工事等民間建築需要の低迷の長期化、海外工事・設計の遅延・中断による輸出の減少の長期化等を想定し、連結売上高の計画値を下方に修正しました(2021年度は10億円減、2022年度は5億円減)。更に戦略的な先行投資の金額等も実績及び今後の方向性を踏まえて見直しました。その結果、連結経常利益の計画値は、2021年度は当初計画比1億30百万円増の11億円、2022年度は当初計画比据え置きの16億円としました。

 但し、目指すべき方向性や戦略・施策に大きな修正はないため、全体的には軽微な修正に止まっております。

 

【修正後の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等】

 

基本財務目標

2023年3月期

 

当初計画比

 

 

売上高                (百万円)

25,500

 

△500

 

 

経常利益               (百万円)

1,600

 

±0

 

 

親会社株主に帰属する当期純利益    (百万円)

1,037

 

+14

 

 

 

 

 

 

収益性・配当

 

 

 

 

 

営業利益率                (%)

6.3

 

+0.0

 

 

自己資本当期純利益率(ROE)        (%)

10%超

 

不変

 

 

 

 

 

 

 

 

株主資本配当率(DOE)           (%)

3.5%目安

 

不変

 

 

 

 

 

 

重点注力セグメント(建設用資機材の製造・販売事業)

 

 

 

 

 

売上高                (百万円)

13,446

 

△203

 

 

営業利益               (百万円)

1,575

 

+79

 

 

営業利益率                (%)

11.7

 

+0.8

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財務状況および株価等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、外部環境・内部環境それぞれにおいて、経営方針・経営戦略を実施していく上で重要度の高いものは以下のものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

外部環境に起因するリスク

①建設投資減少に関するリスク

 当社グループの売上高の約6割が、土木を中心とした国内建設市場向けへの販売等によるものであります。中期経営計画の期間中においては、国土強靭化・インフラ耐震化を進めていくために公共投資予算が割り当てられるとみておりますが、長期的には公共投資は漸減傾向となることが予想されます。また、財政健全化等を目的として公共投資が急減する場合や景気後退による民間の設備投資が縮小する可能性があります。度重なる台風災害や地震による災害の影響の激甚化が見られる状況下、これらのリスクが急激に顕在化する可能性は低いとみておりますが、コロナウイルス感染防止対策費の財政圧迫により政府の一時的な政策の優先順位の変更等がないとは言えません。これらは当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクの影響を軽減する方策:新しい収益の柱となる事業の構築、製品種類の分散化、海外展開

 

 

原材料高騰に関するリスク

 当社グループの主力製品群は、製造原価の約7割は原材料費となっております。その中でも鉄や鉄を素材とするPC鋼線・線材等市況により大きく価格が変動するものを多く使用しております。

今後、原材料が急騰した場合には、原材料費の上昇により当社の業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクの影響を軽減する方策:販売価格への適正な反映、調達ルートの多様化

 

災害に関するリスク

 当社グループの製造拠点は全国に点在しております。また、主力のケーブル製品においては製造拠点が山口工場だけとなっております。近年頻発しています集中豪雨や今後発生が想定されています南海トラフ地震等の災害発生が考えられ、いずれかの工場が被災した場合には、操業に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクの影響を軽減する方策:拠点の分散化、BCPの更新

 

海外事業展開に関するリスク

 「中期経営計画2020-2022」では、海外建材市場を積極的に開拓していくことを計画しております。特にベトナムではこれまでもエンジニアリング事業を展開してきましたが、建材市場の開拓にも注力していきます。また長期的にはベトナム以外のアジア市場向けの販売拡大にも注力していきます。海外展開においては、言語、地理的要因、法制度・税制度等各種規制、当局の監督、政情、商慣習の違い等の様々な潜在的リスクが存在します。これらのリスクに対処できない場合、当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクの影響を軽減する方策:情報収集機能の強化、海外管理体系の整備

 

⑤気候温暖化への対応に関するリスク

 「中期経営計画2020-2022」では、プラズマ発電事業等気候温暖化への対応は新たな事業機会としてこれまでも注視してまいりました。2020年度に入り各国がCO2の排出目標を引き上げ又は早期化する動きが顕著になり、長期的に高い目標に自国の企業が対応できるようにする施策を打ち、他国の企業の競争力に影響を与える動きが活発化してきています。また、機関投資家は投資対象のメルクマールに気候温暖化対応を入れる動きや対応状況の開示を求める動きが活発化させております。東京証券取引所においてもプライム市場への上場企業についてはコーポレートガバナンスコードにて開示の方向を打ち出しています。

このような動きは、今後当社グループの企業活動に大きな負担になるリスクがあります。

リスクの影響を軽減する方策:情報収集と定量的な対応策の検討

 

内部環境に起因するリスク

①新規事業投資に関するリスク

 長期的な公共投資予算の削減に対応すべく、これまでも新規事業の研究開発に積極的に投資してきました。「中期経営計画2020-2022」においても、新しい価値の創造に積極的に投資していく計画になっております。当社グループの期待する成果が得られない場合、又は想定しなかった重大な問題が生じた場合等には当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクを軽減する方策:事業化のステージに応じた投資効率の点検

リスクの影響を軽減する方策:財務的なリスクバッファーとしての自己資本の充実

 

②人材の確保に関するリスク

 当社グループの持続的成長は、土木建築等に係る専門性の高い知識・技術に基づく人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした人材の確保・育成が想定通りに進まない場合は当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクを軽減する方策:人材採用力の強化、働き甲斐の向上(会社と従業員の成長同期感向上)

 

③仕入製品の減少に関するリスク

 当社グループでは、販売する製品付属品の一部を外注業者にて製造しております。外注業者への発注量の管理や財務状況は常時管理しておりますが、これら外注先において信用不安や後継者不足による倒産・廃業が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

リスクを軽減する方策:発注数量の安定化、外注先数の増強

 

 

[新型コロナウイルス感染症の影響]

 上記[外部環境に起因するリスク]に記載のリスクについて、新型コロナウイルス感染症の拡大によりそれぞれのリスクが顕在化しております。長期的にはワクチン接種による鎮静化も期待できますが、建築市場や海外市場での一時的な需要縮小・喪失を招き、企業活動への影響も当面は続くと思われます。

 今般、足元の実績や今後の見通しを基に中期経営計画のローリングを行い、新型コロナウイルス感染症の影響を織り込んだ計画に見直しました。現時点で見積もれるものは織り込みましたが、想定以上に鎮静化に至る期間が長期化する場合は再度適切な時期を捉え速やかに見直しを実施し、必要な開示を実施していきます。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本及び世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状況となっております。日本では、緊急事態宣言の発出、外出自粛・休業要請、海外への渡航制限等により、企業活動や個人消費が著しく制限され、2020年度の実質GDP成長率はマイナス4.6%とリーマン・ショック時の2008年度を上回るマイナスとなりました。海外では、米国の政権交代を契機に米中の対立が一層深刻化し、新型コロナウイルス感染症も世界各国でワクチン接種が開始されたものの、変種ウイルス感染拡大もあり、ワクチン接種の進捗が各国の経済活動を左右するなど不安定な状況が続いております。

当社グループと関連の深い建築・土木市場においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、予定された工事等が延期・中止になるなどの影響が一部において発生しました。特に海外事業については現地経済活動の停滞や渡航制限により、売上減少等の影響を受けております。一方で建設用資機材の製造・販売事業は好調を維持したことより、売上高はほぼ横ばい、利益面では大幅な増益を達成しました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ15億82百万円増加236億13百万円となりました。内訳は、流動資産が前連結会計年度末に比べ11億58百万円増加155億24百万円、有形固定資産が前連結会計年度末に比べ3億50百万円増加62億85百万円、無形固定資産が前連結会計年度末に比べ50百万円減少2億41百万円、投資その他の資産が前連結会計年度末に比べ1億23百万円増加15億60百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ11億円増加148億5百万円となりました。内訳は、流動負債が前連結会計年度末に比べ13億81百万円増加103億63百万円、固定負債が前連結会計年度末に比べ2億80百万円減少44億42百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ4億81百万円増加88億7百万円なりました。

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は、建設用資機材の製造・販売事業は好調を維持しました。一方、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う建築用資材の製造・販売事業の建築金物分野での需要減少、建設コンサルタント事業での海外現地活動延期の影響を受けました。その結果、売上高は228億1百万円(前期比0.2%減)と減収となりました。

利益面では、新型コロナウイルス感染症拡大による売上高減少の影響がありましたが、比較的利益率の高い建設用資機材の製造・販売事業の売上高が増加したこと、移動制限等の影響で経費の増加が抑えられたことにより、営業利益11億85百万円(前期比11.4%増)、経常利益12億円(前期比12.9%増)となりました。また、ベトナム・バックダン橋事業運営会社株式の評価損を特別損失として計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益6億32百万円(前期比134.0%増)となりました。

 

 

2020年3月期

2021年3月期

前期比

 

公表期初予想

実績と予想
の差異

売上高   (百万円)

22,839

22,801

△38

 

23,000

△198

営業利益  (百万円)

1,064

1,185

+120

 

728

+457

営業利益率   (%)

4.7%

5.2%

+0.5

 

3.2%

+2.0

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(建設用資機材の製造・販売事業)

この事業では、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」への対応が進められているなか、日本各地で発生が相次いだ地震・豪雨災害などの対策工事が進められております。そのようななか、当連結会計年度におきましては、ケーブル製品分野の『グラウンドアンカー』及び鉄鋼製品分野の『KIT受圧板』において豪雨災害対策工事を中心とした販売、落橋防止装置等橋梁耐震補強製品の販売、コンクリート製品分野での河川災害用ブロック等の販売が好調に推移し、増収増益となりました。

この結果、この事業の売上高は122億49百万円(前期比13.4%増)、営業利益11億76百万円(前期比41.0%増)となりました。

(建築用資材の製造・販売事業)

この事業では、セパレーター・吊りボルト等を中心とした建築金物分野において、新型コロナウイルス感染症拡大による民間建築工事の中断や内装工事の減少等により製品納入の期外への延期や中止となったこと、鉄骨工事分野において期初受注残が前期比減となったことおよび新型コロナウイルス感染症拡大による工事遅延により、減収減益となりました。

この結果、この事業の売上高は82億84百万円(前期比10.2%減)、営業利益3億19百万円(前期比26.4%減)となりました。

(建設コンサルタント事業)

この事業では、フランス語圏での強みを生かして、アジア・アフリカ圏をはじめとする各国での道路・橋梁建設や公共性の高い設備機材整備、環境改善等についてのコンサルタント事業を展開しております。また、新規分野として国内外におけるBIM/CIM適用事業支援業務への参画を目指しております。

当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による海外現地活動の中断及び来期への工期延長の影響が大きく、低調に推移しました。

この結果、この事業の売上高は、3億22百万円(前期比48.0%減)、営業損失は1億46百万円(前期は22百万円の営業損失)となりました。

(補修・補強工事業)

この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引続き良好に推移しております。

当連結会計年度におきましては、受注残が前期より少なかったことが大きく影響し、前期比を下回る売上高となりました。利益面では利益を重視した受注により、前期より増加しております。

この結果、この事業の売上高は19億44百万円(前期比11.3%減営業利益2億30百万円(前期比15.1%増)となりました

 

 

 

2020年3月期

2021年3月期

前期比

 

公表期初予想

実績と予想
の差異

建設用資機材の

売上高  (百万円)

10,803

12,249

+1,445

 

10,990

+1,258

製造・販売事業

営業利益 (百万円)

834

1,176

+342

 

536

+640

 

営業利益率  (%)

7.7%

9.6%

+1.9

 

4.9%

+4.7

 

 

 

 

 

 

 

 

建築用資材の

売上高  (百万円)

9,223

8,284

△938

 

9,130

△845

製造・販売事業

営業利益 (百万円)

433

319

114

 

450

△131

 

営業利益率  (%)

4.7%

3.9%

△0.9

 

4.9%

△1.1

 

 

 

 

 

 

 

 

建設コンサルタント

売上高  (百万円)

620

322

△297

 

850

△527

事業

営業利益 (百万円)

△22

△146

△124

 

36

△183

 

営業利益率  (%)

 

4.3%

 

 

 

 

 

 

 

 

補修・補強工事業

売上高  (百万円)

2,191

1,944

△247

 

2,029

△84

 

営業利益 (百万円)

200

230

+30

 

181

+49

 

営業利益率  (%)

9.1%

11.9%

+2.7

 

8.9%

+2.9

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が9億71百万円(前期比69.8%増)や、有形固定資産の取得による支出が5億55百万円あったことなどにより、前連結会計年度末に比べ11億34百万円増加し、当連結会計年度末には42億39百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、21億34百万円(前連結会計年度末は1億35百万円の減少)となりました。主な資金の増加は、税金等調整前当期純利益が9億71百万円並びにのれん償却額及び減価償却費の合計額が5億58百万円、投資有価証券評価損が2億10百万円となり、その他に仕入債務の増加額2億23百万円、前受金の増加額2億9百万円などであります。主な資金の減少は、法人税等の支払額が4億54百万円などであります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は、6億54百万円(前連結会計年度末は8億74百万円の減少)となりました。主な資金の減少は、有形固定資産の取得による支出が5億55百万円などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、3億47百万円(前連結会計年度末は6億99百万円の減少)となりました。主な資金の減少は、長期借入金の返済による支出13億95百万円、配当金の支払額2億99百万円、社債の償還による支出1億77百万円、主な資金の増加は、長期借入れによる収入が16億円などであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

   当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

建設用資機材の製造・販売事業 (千円)

12,512,805

9.65

建築用資材の製造・販売事業  (千円)

4,875,132

△12.03

建設コンサルタント事業    (千円)

補修・補強工事業       (千円)

合計             (千円)

17,387,938

2.56

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

   2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

   当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建設用資機材の製造・販売事業

12,514,485

22.35

2,328,463

12.86

建築用資材の製造・販売事業

9,086,226

8.50

1,747,119

84.86

建設コンサルタント事業

1,299,659

617.53

2,010,200

94.52

補修・補強工事業

2,193,883

35.72

686,768

56.89

合計

25,094,254

23.01

6,772,551

51.20

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

   2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

c.販売実績

   当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

建設用資機材の製造・販売事業 (千円)

12,249,112

13.38

建築用資材の製造・販売事業  (千円)

8,284,194

△10.18

建設コンサルタント事業    (千円)

322,851

△47.97

補修・補強工事業       (千円)

1,944,861

△11.27

合計       (千円)

22,801,019

△0.17

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

  2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等

1)財政状態

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ15億82百万円増加しましたが、その内訳は、流動資産が11億58百万円の増加、固定資産が4億23百万円の増加となっております。

固定資産のうち、工場設備の拡張・増強をはじめとする有形固定資産の増加が3億50百万円、散在していた本社機能を集約したことによる差入保証金の増加等による投資その他資産(その他)の増加が73百万円となっております。いずれも前向きな長期の投資であり、親会社株主に帰属する当期純利益と譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による株主資本の増加額3億60百万円とリース債務の増加額85百万円に見合っており、調達構造としても問題ないものです。

もう一方の増加要因である流動資産については、増加額の大部分が現金及び預金の11億16百万円であり、運転資本が3億45百万円減少したこと(*)、及び前受金や未払消費税を含むその他流動負債が6億99百万円増加したことにより、現金及び預金が一次的に増加したものであります。運転資本の変動や今後未払額が支払われることにより現金及び預金は減っていくことが予想され、過剰な現預金を抱えているのではないと考えております(後述「適正な現預金の水準」の項をご参照下さい)。

資産の残高ベースのリスク許容度(リスク資産に対して十分なエコノミック・キャピタルを有しているか)については、有形固定資産と投資有価証券の合計額69億26百万円に対し、自己資本(純資産-非支配株主持分)87億86百万円あることにより、リスク資産に対するバッファー(エコノミック・キャピタル)は十分にある状態になっていると考えております。また、有利子負債は、前連結会計年度末54億70百万円から1億12百万円増加し、自己資本比率は37.6%から0.4%低下し37.2%となりましたが、D/Eレシオは0.02改善し、0.64となりました。変動幅が大きくないこと、水準として著変がないことより、問題ないものと判断しております。

 

(*)運転資本(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、51億15百万円から47億70百万円と3億45百万円減少しました。

 

(百万円)

資  産

負  債

2020年

3月期

2021年

3月期

増 減

2020年

3月期

2021年

3月期

増 減

22,031

23,613

 

 

 

 

(主な内訳)

 

 

 

 

 

 

(主な内訳)

 

+1,116

現金及び預金

 

 

 

 

 

+33

支払手形及び買掛金

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+205

電子記録債務

 

 

 

 

 

13,704

14,805

 

 

+699

その他流動負債

 

△251

受取手形及び売掛金

 

 

 

 

 

 

 

 

+184

電子記録債権

 

 

 

 

 

+85

リース債務

 

 

 

 

 

 

 

△40

在庫(商品・製品・仕掛品

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・原材料・貯蔵品)

 

 

 

 

 

+1,100

 

 

 

 

 

純 資 産

 

 

その他流動資産

 

2020年

3月期

2021年

3月期

増減

 

 

 

 

 

 

+1,158

流動資産

 

 

 

 

 

 

(主な内訳)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+632

親会社株主帰属当期純利益

 

 

+350

有形固定資産

 

 

 

 

 

△299

株主配当金支払い

 

 

 

 

 

 

8,326

8,807

 

 

+144

その他有価証券評価差額金

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+73

無形固定資産

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・投資その他

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

+1,582

 

 

 

 

 

 

+481

 

 

リスクバッファーとしての自己資本が問題のない水準と考えられる一方で、資本の効率性の観点では、財務レバレッジを上げる余地についての分析も必要と考えております(後述「資本効率の持続的な向上」の項をご参照下さい)。当連結会計年度末での財務レバレッジは2.69であり、前連結会計年度末の2.66から0.03の増加に止まっております。今後実際に機動的な資金調達(大型の設備投資やM&A)を実施していくためには、平時には有利子負債による調達余地を残しておく必要があり、外部格付機関が発表している格付別財務指標を鑑みれば自己資本比率はもう少し高い水準を視野に入れていくことが望ましいと考えております。従って、財務レバレッジを現時点で大きく引き上げることは優先度としては高くなく、当連結会計年度末の水準は妥当な水準と考えております。

 

2)経営成績

前連結会計年度との比較では下記のように分析しております。

連結売上高は38百万円減少しました。セグメント別の内訳は、建設用資機材の製造・販売事業のセグメントにおいて14億45百万円増加と大きく増加しましたが、その他のセグメントでは合計で14億83百万円減少となり、建設用資機材の製造・販売事業の増加を上回る減少となりました。減少の主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う建築用資材の製造・販売事業での需要減及び建設コンサルタント事業での海外現地活動延期の影響によるものです。

連結売上総利益は1億57百万円増加し、売上高総利益率は0.7%向上しました。増収となった建設用資機材の製造・販売事業で増益となったほか、建設コンサルタント事業を除く他のセグメントにおいては採算向上策や効率化策が功を奏し、減収による利益減を軽減することが出来ました。

販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症の影響による移動制限等により営業経費等についての支出が見送られたこと、減収となった事業で経費節減に注力したことにより、36百万円の増加に止まりました。

以上の結果、連結営業利益は1億20百万円の増加、連結経常利益は1億37百万円の増加となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は3億62百万円増加しました。連結経常利益の増加に加え、投資有価証券評価損が2億8百万円減少したことが主因です。

 

当連結会計年度は、「中期経営計画2020-2022」の初年度に当たります。中期経営計画の初年度の計画比では下記のように分析しております。

当連結会計年度の売上高は1億98百万円の計画未達で終わりました。セグメント別では、建設用資機材の製造・販売事業で12億58百万円の超過達成、その他のセグメントは合計で14億57百万円の未達となりました。未達の大きな要因は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う建築用資材の製造・販売事業での需要減及び建設コンサルタント事業での海外現地活動延期の影響によるものです。

連結売上総利益は1億2百万円、売上高総利益率は0.7%計画を上回りました。比較的に利益率の高い建設用資機材の製造・販売事業で売上高が増加したのが主因です。

販売費及び一般管理費は、計画では戦略的な先行投資を大胆に実施していくことにより前連結会計年度比で3億91百万円増加する計画でしたが、販売運賃が想定以上に上昇しなかったこと、新型コロナウイルス感染症の影響による移動制限等により営業経費等についての支出が見送られたこと等により前連結会計年度比36百万円の増加に止まり、計画比では3億54百万円少なくなりました。その中には戦略的な先行投資の位置付けである報告セグメントに帰属しない研究開発費の未達79百万円が含まれております。

以上の結果、連結営業利益は計画比4億57百万円の大幅な超過達成となりました。国内の建設用資機材の製造・販売事業では想定以上の追い風を確実に売上に結び付けられた一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により建築用資材の製造・販売事業及び建設コンサルタント事業で大幅な計画未達の結果となりました。戦略的な先行投資も一部先送りになる等計数上は非常に良好な内容であるものの一部で課題の残る結果となったとみております。

(百万円、%)

 

2020年3月期

(前連結会計年度)

 

中期経営計画

 

2021年3月期

(当連結会計年度)

 

 

計画比

 

 

金額

対売上高比

 

前期比

金額

対売上高比

 

前期比

金額

対売上高比

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

売上高

22,839

100.0

 

+160

23,000

100.0

 

△38

22,801

100.0

 

△198

 

建設資機材

10,803

47.3

 

+186

10,990

47.8

 

+1,445

12,249

53.7

 

+1,258

 

上記以外

12,035

52.7

 

△26

12,009

52.2

 

△1,483

10,551

46.3

 

△1,457

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

売上総利益

5,837

25.6

 

+55

5,893

25.6

 

+157

5,995

26.3

 

+102

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先行投資(研究開発)

336

1.5

 

+90

426

1.9

 

+10

346

1.5

 

△79

販売管理費

4,773

20.9

 

+391

5,164

22.5

 

+36

4,809

21.1

 

△354

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

営業利益

1,064

4.7

 

△336

728

3.2

 

+120

1,185

5.2

 

+457

 

各セグメント別の課題解決状況を踏まえた分析は以下の通りです。

 

(建設用資機材の製造・販売事業)

国土強靭化、高速道路耐震化、インフラ老朽化対応のため需要の拡大が続くと予想し、その需要を確実に売上高に結びつける営業活動を実施しました。その成果として、ケーブル製品分野及び鉄鋼製品分野等において、前連結会計年度比及び中期経営計画比いずれにおいても大幅な増収となりました。また、コンクリート製品分野においても令和元年台風19号の災害復旧のための河川災害用ブロック等の特需に的確に対応することができました。

新型コロナウイルス感染症の影響については、国内においては予定された工事等が延期・中止になるなどの影響が一部において発生しましたが、大きな影響はありませんでした。海外業務については、海外工事の遅延・中断や渡航制限により事業がほぼ停止状態となり建設用資機材の輸出に大きな影響が生じました。

建設用資機材の製造・販売事業においては戦略的な先行投資を実施することにより、経費が大幅に増加する予定でしたが、販売運賃が想定以上に上昇しなかったこと、新型コロナウイルス感染症の影響による移動制限等により営業経費等についての支出が見送られたこと等により経費は想定したほど増加しませんでした。

以上により、当連結会計年度の売上高は前期比14億45百万円、期初計画比12億58百万円増加しました。営業利益は前期比3億42百万円期初計画比6億40百万円の増加となりました。

今後につきましては、ケーブル製品分野及び鉄鋼製品分野等において良好な事業環境が続くと思われ、今後も確実に成果に結びつけていくこと、実施した先行投資を確実に事業基盤の強化に結びつけていくことが必要となります。また、海外事業につきましては新型コロナウイルス感染症の影響が続き、コンクリート製品分野につきましては台風19号の災害復旧に一段落がつくとみており、事業環境としては厳しいものになると予想されますが、引続き利益重視で対応していきます。なお、翌連結会計年度においては、ここ数年の災害復旧に一応の目処がつくこと、大型プロジェクトに対する納入が当連結会計年度に前倒しになったこと、新型コロナウイルス感染症の影響によって停滞していた営業経費が復活すること等により当連結会計年度より減収減益を想定しております。

中期経営計画の課題である需要拡大及び製品の多品種化への製造面での対応、新商品・新製品の開発にも引続き取り組んでいく計画です。

 

(建築用資材の製造・販売事業)

セパレーター・吊りボルト等を中心とした建築金物分野において、新型コロナウイルス感染症拡大による民間建築工事の中断や内装工事の減少等により製品納入の期外への延期や中止となったこと、鉄骨工事分野において期初受注残が前期比減となったことおよび新型コロナウイルス感染症拡大による工事遅延により、売上高は前期比9億38百万円、期初計画比8億45百万円の減収となりました。

大幅な減収を踏まえ、期中より案件採算の向上、経費節減に努めましたが、営業利益は前期比1億14百万円、期初計画比1億31百万円の減益となりました。

翌連結会計年度においても、内装工事を中心に新型コロナウイルス感染症の影響は続くことが予想され、鋼材価格の高騰が予想されるなど事業環境は厳しいと思われますが、引続き需要の確実な取り込み、選別受注や生産体制の効率化等による利益率の向上に取り組んでいきます。

 

(建設コンサルタント事業)

当事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により海外現地活動の中断及び来期への工程延長の影響が大きく、低調に推移しました。売上を計上できるようになったのはほぼ第4四半期になって以降となり、売上高は前期比2億97百万円、当初計画比5億27百万円、営業利益は前期比1億24百万円、当初計画比1億83百万円減少しました。

当連結会計年度の期末受注残高は、前連結会計年度の期末受注残高を94.5%上回っていることより、翌期連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されるなか、現地活動の状況が業績の重要な要素となると思われます。

予てより課題である有償資金協力案件への参加等受注案件の多様化及びBIM/CIM適用事業支援業務への本格参入を引続き推進していきます。

 

(補修・補強工事業)

国を挙げての社会インフラ老朽化対応により需要は拡大しており、環境面では良好な状況が続いておりますが、採算を重視した選別受注により、売上高は前期比2億47百万円、期初計画比84百万円の減収となりました。

利益面では、新型コロナウイルス感染症の影響により発注元が追加工事を厳しく選別すること等により利益率の低下が懸念されましたが、選別受注による採算向上が功を奏し、営業利益は前期比30百万円、当初計画比49百万円の増益となりました。

本事業は、規模の拡大は人材の数に制約されるため、人材難の環境下での飛躍的な規模の拡大には限界があります。そのため、地道な利益体質の強化策と並行して、ノンオーガニックな拡大を検討していきます。

 

以上の4つの報告セグメントのセグメント利益の合計額は、連結財務諸表上の営業利益と一致しません。差異は調整額となりますが、調整額のうち特に大きな金額となっているのが、報告セグメントに帰属しない研究開発費です。公共投資の予算規模に大きな影響を受ける建設資機材の製造・販売事業に代わる収益事業を創造していくため、当社グループは、研究開発に大変注力しております。当連結会計年度の実績は3億46百万円、売上高の1.5%となっております。

 

 

2017年

3月期

2018年

3月期

2019年

3月期

2020年

3月期

2021年

3月期

増減

増減率

研究開発費(百万円)

181

208

250

336

346

+10

3.2%

売上高比率  (%)

1.0

1.0

1.1

1.5

1.5

(注)本研究開発費は、報告セグメントに帰属する研究開発費は含んでおらず、研究開発部署の人件費・経費を含む金額です。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、基礎営業キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フローから運転資本の増減を除いたもの)より13億68百万円のインフローに対し、投資(製造設備等に対する固定資産投資と差入保証金)6億69百万円と株主還元(配当金)2億99百万円に配分しました。余剰額3億99百万円と運転資本の減少による余剰分7億65百万円の合計額11億65百万円を、有利子負債の返済に48百万円、現金及び現金同等物、定期預金等へ11億16百万円充当しました。

新型コロナウイルス感染症の影響により支出が抑えられた側面がありますが、今後の企業価値向上のための設備投資等に重点的に投資した後においても、運転資本と定期預金の増減を除き、株主還元を入れたフリーキャッシュ・フローはプラスになりました。

「中期経営計画2020-2022」においても、キャッシュのインフローを成長投資に重点的に配分していく方針であります。

(百万円)

 

 

 

2020年3月期

2021年3月期

 

 

基礎営業キャッシュ・フロー

1,104

1,368

 

 

資産処分

 

206

①インフロー

 

 

1,310

1,368

 

 

投資

固定資産

△1,063

△591

 

 

 

有価証券他

△6

△78

 

 

 

 

△1,070

△669

 

 

株主還元

 

△299

△299

②アウトフロー

 

△1,369

△969

 

 

 

 

 

 

③ネット資金(①+②)

 

△59

399

 

 

 

 

 

 

④運転資本

 

 

△1,239

765

 

 

 

 

 

 

⑤有利子負債

 

 

△400

△48

⑥現金及び現金同等物、定期預金等からの調達

1,698

△1,116

 

b.財務戦略

 当社グループの企業価値の持続的な向上を図っていく財務運営の基本方針は、以下の通りです。

・財務の健全性と成長投資を両立させることでキャッシュ・フローの持続的な増加

・長期安定的な株主還元の実施

・資本コストを上回る資本効率の向上(2023年3月期のROE目標10%)

 

(適正な現預金の水準)

当連結会計年度末の現預金の水準は、連結売上高の月商の2.4ヶ月分となっており、前連結会計年度末比増加しました。前受金や未払消費税等のその他流動負債の増加により一時的に現預金が増加しているものと考えられます。

・グループ企業間でのキャッシュ・マネジメント・システムの運用を開始しており、資金の効率性は向上していると考えております。

但し、当社グループは事業の性格上工事現場の進捗に売上時期が左右されること、大型プロジェクトの動向等により運転資本の振れが大きくなります。あるべき現預金の水準についてはまだ検討途上の状況であり、キャッシュ・マネジメント・システムの運用本格化、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮化の方向性を踏まえ、ベスト・プラクティスを明確にしていきたいと考えております。

(百万円)

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

売上高

22,412

22,839

22,801

月商

1,867

1,903

1,900

 

 

 

 

現預金

5,132

3,433

4,549

月商比

2.7ヶ月

1.8ヶ月

2.4ヶ月

 

(運転資本)

・営業キャッシュ・フローの水準は、毎年運転資本の増減に大きく左右される状況となっております。より適切な管理を目指し、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮も含め、方向性を見出していきたいと考えております。「中期経営計画2020-2022」では、サプライチェーンの最適化を目指していくことになっており、将来的には運転資本の圧縮にも効果を期待しております。

 

(資金調達の基本方針)

当社グループは、「中期経営計画2020-2022」の期間を既存事業基盤の再構築と成長投資の両立期と位置付けており、中期経営計画期間中に成長投資に25億円超を配分する計画となっております。中期経営計画期間中の基礎営業キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フローから運転資本の増減を控除したもの)の3年間の目標累計額を45億円超としており、重点的に成長投資に配分していきます。

・また、新規事業を立上げるための投資は、2023年度以降本格化するため、大規模な投資に耐えうるよう「中期経営計画2020-2022」の期間中は、デット・キャパシティをある程度維持していくことを考えており、D/Eレシオ、自己資本比率を見ながら財務規律、財務の健全性を向上させていく予定です。

・但し、M&A等により突発的に資金が必要になった場合や新規事業が予定より早く立ち上がる場合等には、その後のキャッシュ・フローを慎重に精査した上で、D/Eレシオの一時的な大幅悪化を許容する場合もあります。

 

(資本効率の持続的な向上)

・中長期的な企業価値向上を実現するために、資本効率の向上が不可欠だと考えており、当社グループは連結財務諸表における自己資本当期純利益率(ROE)を「中期経営計画2020-2022」の終了時には10%超とすることを重要な経営指標として掲げております。資本コストを意識した場合、ROE10%超はクリアすべき水準と考えております。

・当連結会計年度末のROEは、7.4%と前連結会計年度末の3.2%より大きく回復しました。売上高当期純利益率(ROS)の大幅な上昇が要因です。

「中期経営計画2020-2022」の最終年度には、ROSは3.9%まで引き上げることによりROEを引き上げる計画です。投資を急ぐあまり総資産回転率が悪化したり、有利子負債が平時に極端に増えることのないよう財務規律に基づいて運営していく必要がある(財務レバレッジを大きく上げる段階にはない)と考えております。

 

 

 

 

 

 

 

 

(%、倍)

 

 

 

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

自己資本当期純利益率(ROE)

 

純利益/自己資本

8.5

8.2

3.2

7.4

 

売上高当期純利益率(ROS)

 

純利益/売上高

3.4

3.1

1.2

2.8

 

総資産回転率(分母平均)

売上高/総資産

0.91

0.98

1.01

1.00

 

財務レバレッジ

 

総資産/自己資本

2.74

2.68

2.66

2.69

 

(株主還元)

・株主還元・配当政策は経営の最重要課題の一つと認識しております。直接的な利益還元(配当)と成長投資による中長期的な株価上昇によるトータルリターンの向上を基本としています。「中期経営計画2020-2022」においても、中長期の成長に向けた投資を優先し、長期に亘る成長を確実に配当還元する方針としており、短期の業績に左右されず、株主資本の成長に合わせ配当金額が増加する株主資本配当率(*)を配当の水準を決定する際の指標としていきます。具体的には、株主資本配当率3.5%を目安としていきます。

 

 (*)株主資本配当率=配当金総額÷期末株主資本(新株式払込金を除く)×100

 

 

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

699

270

632

株主資本

(百万円)

8,605

8,072

8,433

1株当たり配当金

(円)

10

10

10

配当金総額

(百万円)

299

299

300

配当性向(連結)

(%)

42.7

110.6

47.4

株主資本配当率

(%)

3.48

3.70

3.56

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や入手可能な情報に基づいておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、「建設用資機材の製造・販売」事業において、長年培ってきたプレストレストコンクリート技術を活かして、あらゆる建設分野に当社製品の適用範囲を拡大し、顧客のニーズに応えるべく低価格で安全な製品を社会に提供していくことを基本方針としております。特に自然災害による被害の予防と復旧のための環境・防災技術(地すべり対策・落橋防止システム等)の開発と応用は、高い社会的評価を得ております。今後ますます多様化する社会インフラ事業分野に、当社グループのソフトエンジニアリングを伴った製品の高性能化を推進し、常に世界レベルの技術を意識した社会資本の整備と維持・補修に貢献してまいりたいと考えております。

また、当社グループは現在、超高強度合成繊維補強コンクリート「ESCON」の拡販と用途開発およびCO2・放射線の発生していないエネルギー発電の研究開発を積極的に行っております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は258百万円であり、セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)建設用資機材の製造・販売事業

当セグメントにおきましては、既設基礎構造物の耐震補強技術に関する研究、新しい法面対策工に関する研究、グラウンドアンカーの維持管理に関する研究開発、橋梁関連製品等の研究開発を行っており、当連結会計年度の成果及び内容の主なものは次のとおりであります。

・新しい法面対策工に関する研究・・・法面補強部材の開発

・グラウンドアンカーの維持管理に関する研究・・・既設グラウンドアンカーの補修方法の開発

・補強外ケーブル性能に関する研究・・・高耐久外ケーブルの開発

・落橋防止装置の新規格開発・・・落橋防止装置の開発

 

当連結会計年度に係る研究開発費は29百万円であります。

 

上記のほか、研究開発費には、特定の事業部門に区分できない基礎研究に要した研究開発費が228百万円あります。

なお、建築用資材の製造・販売事業、建設コンサルタント事業、補修・補強工事業おいては、研究開発活動を行っておりません。