文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
世界経済は、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し国内外に多大な影響を及ぼしており、各種の対策が期待されるものの感染症の再拡大による影響が懸念され、また米中の摩擦激化等国際情勢をめぐるリスク等もあり、景気の先行きについては依然として不透明な情勢が続くものと思われます。
金属チタン事業については、スポンジチタンは航空旅客数の激減に伴う航空機業界の生産活動低下により需要が大幅に減少する状況にあり、コロナ禍以前への回復には複数年を要すると思われます。また、主に一般工業用向けであるチタンインゴットについては、徐々に需要回復へ向かうと考えられるものの、競争環境は一段と厳しさを増すものと思われます。一部半導体向け高純度チタンは好調を継続しておりますが、これらチタン製品の原料となる鉱石価格の高止まり等、同事業をめぐる環境は当面厳しい状況で推移することが見込まれます。
触媒事業におけるプロピレン重合用触媒市場の底堅い推移や、化学品事業においては、第5世代移動通信(5G)の進展等による電子材料部品(超微粉ニッケル等)の需要増が想定されるものの、世界経済の先行き不透明感等により事業を取り巻く環境の不確実性は高まっており、今後の動向は注視する必要があると考えております。また、品質・価格・サービス等、あらゆる分野で競争が激化するものと想定しております。
こうした状況のもと、当社グループは、2030年のありたい姿の実現に向け、下図のとおり中長期経営方針を定めました。金属チタン事業に加え、チタンとその関連技術を中核とする複数のダウンストリーム事業を有する高収益素材メーカーを目指してまいります。

(4) 中期経営計画について
当社グループは、2020年11月において、前記の中長期経営方針を踏まえ、2020年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定しました。
(ⅰ)中期経営計画における基本戦略
2020年度~2022年度の3ヶ年は、新たな成長に向けた変革を実現する時期と捉えており、具体的に以下の4点を基本戦略とし、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。
(ⅱ)セグメント別の課題及び施策
各セグメント毎の課題及び施策は、以下のとおりであります。
・金属チタン事業…中核課題:コロナ禍からの早期回復と収益力の抜本的改善
・触媒事業…中核課題:さらなる事業拡大の追求、市場の伸びを上回る成長の実現
・化学品事業…中核課題:さらなる事業拡大の追求、市場の伸びを上回る成長の実現
・新規事業、技術開発
(ⅲ)主要計画数値
中期経営計画最終年度(2022年)の主要計画数値は、以下のとおりであります。
当社グループは、資本効率向上の観点から、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標と位置付けており、10%を上回るべく改善を図ってまいります。
なお、本計画数値達成の前提となる3ヶ年累計の設備投資・投融資は、以下のとおり計画しております。

(5) 優先的に対処すべき課題
前記の中期経営計画のもと、当社グループは、以下に記載する当面の課題に優先的に取り組み、事業基盤の確立を目指してまいります。
若松工場に建設した超微粉ニッケル新工場について、速やかに生産立上げを図るとともに、2020年3月に投資を決定した茅ケ崎工場における触媒新工場建設について、2022年11月の商業生産開始に向けて着実に計画を進めてまいります。また、今後も各製品の需要動向を見ながら、成長分野への投資を適時に実行してまいります。
サウジアラビアにおけるスポンジチタン製造合弁会社については、金属チタンの需要が低迷する中、当面厳しい事業環境が予想されますが、安全・安定操業を実現し、コスト低減に取り組むとともに、スポンジチタン販売先の開拓を進め、キャッシュ・フローの改善及び早期の収益化を目指します。
2020年6月の神奈川県横浜市への本社移転を機に、情報通信技術の活用等により全社的な業務運営の合理化・効率化を進めており、引き続きその推進を図ります。また、設備老朽化等の問題が見られる茅ケ崎工場について、安全・環境対策の徹底と労働環境の改善を進めます。
新規事業開発体制を強化し、社会動向を当社が有する技術シーズと結び付けることで、次世代の柱となる新規事業の探索・育成に取り組んでまいります。また、AI、IoT等の新技術の生産プロセスへの活用を進めることで、競争力強化を図ってまいります。
(6) ESG経営の推進
当社は、本中計期間より、持続的な企業価値向上を実現するため、ESGに対する取り組みを全社レベルで強化し、SDGs達成に貢献することとしております。
このうち「Environment(環境)」に関しては、国際社会において急速に2050年カーボンニュートラルへの要請が高まり、今後競争ルールの変更を伴う社会システムの変化が予測される状況にあります。
かかる状況下、当社は、チタンの新製錬技術を中核とした施策により、2030年にCO2排出量を2018年度比で40%削減し、2050年にはカーボンニュートラルの実現を目指す、カーボンニュートラルビジョンを策定いたしました。

今後も、様々な取り組みを通じ、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクは以下のものが考えられますが、全てを網羅するものではありません。なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
金属チタン事業の主力製品の一つであるスポンジチタンは、航空機向け用途が需要の中心となっております。触媒事業では、製品である「THC」はプロピレン重合用にほぼ特化した触媒であります。また、化学品事業における超微粉ニッケル及び高純度酸化チタンも、積層セラミックコンデンサなどの電子部品向けの用途が需要の大部分を占めております。このように当社グループの事業は、セグメント別に見た場合、特定用途向けの需要が大きな割合を占め、当該用途先業界の好不調により販売量が大きく変動する傾向があります。
特に、航空機向けのスポンジチタンは、これまで、世界の経済情勢や航空旅客数の動向、航空会社による航空機の更新やメンテナンス需要の動向等により、大きな幅で好不調を繰り返してまいりました。今後も、景気の悪化や地政学的リスクの顕在化等により、需要が減退する可能性があります。
また、一般工業向けのチタンインゴットについても、その多くが電力、化学プラントや海水淡水化プラント用として、主にアジア・中東地域向けに間接輸出されております。したがって、これらの地域の政治・経済情勢の変動により、需要が減退する可能性があります。
当社グループは、事業の多角化、製品の新たな用途開拓、競争力ある製品の提供により、その影響を最小限にすべく努めておりますが、用途先業界の状況変化によって、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社グループの製品の価格は、需要の動向により大きく変動する傾向があります。顧客と交渉を重ね適切な価格設定に注力しておりますが、需要の動向によっては製品価格が大幅に下落し、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
金属チタンの製造コストは、原料代及び電力代がその相当部分を占めており、原料価格及び電力単価の変動の影響を受けます。当社はその影響を緩和すべく、比較的安価な低品位鉱石の使用や電力使用量の削減など、徹底したコスト削減に取り組んでおりますが、原料価格の上昇や電力単価の値上げに伴い、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
金属チタン事業のスポンジチタンや、触媒事業のTHC、化学品事業における電子部品材料は、輸出が販売量の大きな割合を占めており、当社グループ全体の売上高に占める輸出の割合は、当連結会計年度実績で44.9%となっております。輸出の多くはUSドル建てとなっているため、為替による影響を受けます。当社グループは、短期的な変動に関し為替予約取引によるヘッジを行うなど、為替リスクを低減すべく努めておりますが、為替が大きく円高に振れた場合には、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループが事業を展開する地域においては、製品のほとんどを自社で生産しており、自然災害による被害やウイルス等の感染症の流行など不測の事態が生じた場合、当社グループの事業活動に悪影響が及ぶ可能性があります。
特に、茅ヶ崎工場は、東海地震の地震防災対策強化地域内に所在しております。当社グループは、設備の耐震強化、防災諸設備の整備、防災体制の強化、防災訓練の実施などの対策に努めているほか、複数拠点の設置や適切に保険を付す等の対応を進めておりますが、自然災害の規模及び内容によっては、操業の停止や復旧費用の発生などにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
なお、2020年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は、世界的な規模で経済活動に影響を与えております。当社グループにおいては、航空機産業の事業環境悪化により金属チタン事業において大幅な需要減となりましたが、このほか様々なサプライチェーンの停滞、従業員の感染による事業活動の制限などにより、業績にさらなる悪影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、生産効率改善等によるコスト削減及び不急の投資の先送り等キャッシュアウトの抑制、調達先の複数化や適正在庫の確保、並びに感染拡大を防止するための衛生管理の徹底や在宅勤務及び時差出勤を行うなど、各種の対応に努めております。
当社グループは、製造現場を持つ企業として、安全確保と環境保全は事業運営上、最も重視しなければならない事項と認識しております。そのため、設備・技術の改善や管理体制の強化により、安全操業の維持と環境保全に万全を期しておりますが、万が一、事故・災害等が発生した場合は、操業の停止・制約や対策コストの発生により、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは素材メーカーであり、その社会的使命は、顧客が満足する製品・サービスを安定的に供給することであります。そのため、ISO9001に基づく品質管理システムを整えるとともに、その維持及び継続的な改善により品質管理に万全を期しておりますが、万が一、品質不良、品質事故等が発生した場合は、対策コストの発生や当社グループ製品への評価の低下により、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、特許権等の知的財産権を重要な経営資源の一つと捉え、法令に従い適切な取得保全手続きを行うと共に、知的財産権を含む第三者の権利を侵害することの無いよう細心の注意を払っております。しかしながら、当社グループの技術が十分に保護されず、又は当社グループが第三者の技術を侵害した場合には、収益機会の喪失・減少や損害賠償の支払いなど、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、知的財産権管理の専門部署を設け、的確な対応に努めております。
業務上の過失や不正アクセス等、何らかの原因により顧客情報や個人情報が流出した場合には、損害賠償や信用の失墜等、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、情報管理に係る規則を定め厳格な運用を行うと共に、必要と思われるシステム対策を講じております。
当社は、ENEOSホールディングス㈱並びにJX金属㈱の子会社であります。
ENEOSホールディングス㈱は、エネルギー事業のENEOSエネルギー㈱、石油・天然ガス開発事業のJX石油開発㈱、金属事業のJX金属㈱、その他多くの子会社・関連会社を有し、「ENEOSグループ」を形成しております。当社は、その中で「金属事業」のセグメントに属する独立事業会社と位置付けられております。当社とENEOSグループとの間には、①当社からJX金属㈱への高純度チタンの販売、②JX金属㈱から当社への各種金属の溶解加工委託、③JX金属㈱から当社への非常勤役員の派遣、④ENEOSグループから当社への従業員の出向等の関係があります。
当社と親会社等との関係については、当社の自主性・独立性を確保したうえで、両社の企業価値向上を目指し連携・協力しあうことを基本と考えております。取引の条件等は、協議・交渉を行ったうえで決定しており、当社が受ける制約はありません。
しかしながら、親会社等は当社の議決権の過半数を有しており、当社の株主総会における取締役の選解任等を通じて当社の経営判断に大きな影響を及ぼし得る立場にあるため、その議決権の行使は当社の少数株主の利益に反する可能性があります。
なお、ENEOSグループによる当社株式保有比率は、将来に亘って一定とは限りません。当該比率に大きな変動が生じた場合には、当社株式の流動性、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、チタン事業の中長期的な競争力向上を目的として、サウジアラビアでのスポンジチタン生産合弁事業に参画しております。当社(35%出資)とサウジアラビアの石油化学メーカーであるタスニー社のグループ企業AMIC社(65%出資)が共同で設立したAdvanced Metal Industries Cluster and Toho Titanium Metal Co.,Ltd.(ATTM社)は、2019年度にサウジアラビアのヤンブーにおいて、スポンジチタンの生産を開始しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響等により立ち上げが遅れ収益性が低下した結果、同社は固定資産に係る減損損失を計上し、2020年12月末時点において債務超過となりました。
当社の連結財務諸表においてATTM社は持分法で会計処理されておりますが、当連結会計年度末において持分法適用上の同社への投資簿価をゼロまで減額し、持分法による投資損失を計上しました。同社の欠損を負担する責任が投資額の範囲に限られていることから、翌連結会計年度以降の持分法による投資損失の計上リスクはないものと考えております。
また、当社はATTM社に対し、経費の立替等による未収入金を有しております。ATTM社と当社との約定に基づいた資金計画や過去の入金実績から、当該未収入金は全額回収可能と判断しておりますが、金属チタン事業製品の深刻な需要減退や中東における地政学リスクの顕在化など想定外の事態が生じた場合、貸倒損失を計上するなど当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。当社としては引き続き同社を取り巻く事業環境や同社の業績動向を注視してまいります。
なお、当連結会計年度におけるATTM社との取引等に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 関連当事者情報」に記載のとおりであります。
当社グループは、国内外において事業を展開しており、許認可・通商・環境・税制・独占禁止等各国の様々な法令・規制の適用を受けております。将来における法令等の新設・変更等が行われた場合、事業活動の停止・制限や対策コストが生じる可能性がありますが、不断の情報収集を通じその予防・回避に努めております。
中でも、脱炭素社会実現への取組みは世界的に加速している状況にあり、炭素税等法規制が厳格化する可能性があります。これに対し、当社グループは、チタン新製錬技術の活用等によりカーボンニュートラルの実現を目指し、当該リスクの低減を図る考えであります。
また、当社グループは、行動基本方針に「コンプライアンスの最優先」を掲げると共に定期的な教育を行うなど法令等の遵守に努めておりますが、万が一これらの法令等への違反が認められた場合、各規制当局からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、中期経営計画において「成長分野への重点投資による収益基盤の強化」を基本戦略として掲げるなど、継続的に様々な投資を行っております。
投資にあたっては、かねてより需要予測や当社グループの競争力などから採算性を慎重に判断し実施しておりますが、将来の正確な予測は困難であり、販売量の増加やコストダウン等の投資による効果が当初計画を下回って推移した場合、償却費負担の増加や該当資産に係る減損損失の計上などにより、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
なお、リスク管理体制については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 ア.業務の適正を確保するための体制及び当該体制の運用状況 (ア)業務の適正を確保するための体制の整備にかかる決議の内容 3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制」、及び「同(イ)業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要 3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制」をご覧ください。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度における国内外の経済は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、各種イベントの延期や中止のほか、移動・外出の自粛等により経済活動が停滞するなど、急速に悪化しました。期の後半には、各種政策等により回復の動きが見られたものの、国・地域あるいは業種によってそのペースにはばらつきが生じている状況にあります。景気の先行きについては、感染拡大防止策が講じられる中で回復基調の継続が期待されるものの、感染症の再拡大による影響や、米中の摩擦激化等国際情勢を巡るリスクも懸念され、全般的には依然として不透明な情勢が続くものと思われます。
こうした中、当連結会計年度における連結業績は、売上高36,159百万円(前期比20.5%減)、営業利益3,135百万円(同22.9%減)、経常損失417百万円(前期は3,716百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失3,156百万円(前期は2,359百万円の利益)となりました。

売上高については、新型コロナ感染症の拡大による金属チタン事業の需要減を主因に、前連結会計年度比減収となりました。営業利益は、前連結会計年度比減益となりました。
営業利益の対前連結会計年度比較を以下に示します。

また経常損益については、2019年10月にスポンジチタンの生産を開始したサウジアラビアの合弁会社に係る持分法投資損失の計上(固定資産の減損損失の影響を含んでおります。)等により、417百万円の損失となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、金属チタン事業におけるチタンインゴット製造設備に係る固定資産の減損損失の計上等により、3,156百万円の損失となりました。
なお、当社グループが数値目標として掲げている「自己資本利益率(ROE)」について、目標10%以上に対し、当連結会計年度の実績は△6.8%となりました。
セグメントごとの売上高、営業利益については、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、当期の比較・分析は変更後の区分に基づいております。

金属チタン事業
当連結会計年度の金属チタン事業は、売上高17,230百万円(前期比40.9%減)、営業損失325百万円(前期は1,491百万円の利益)となりました。
金属チタンの販売については、半導体用途向けは堅調であったものの、新型コロナウイルス感染症の影響等により航空機向けが落ち込み、一般工業向けも低調であったことから、全体としては前年を大きく下回る水準で推移しました。
スポンジチタンの生産に関しては、需要の減少を受け国内拠点において2020年5月より減産する操業体制としました。また、原料となるチタン鉱石価格は高止まりが継続しております。
こうした状況のもと、金属チタン事業は前連結会計年度比大幅な減収減益となりました。
触媒事業
当連結会計年度における触媒事業の販売は、主要製品であるプロピレン重合用触媒の市場において、自動車用途向けポリプロピレンの需要に弱さが見られたものの、包装用途・医療用途向けが好調に推移したことなどから、前年並みの水準となりました。
こうした状況のもと、当期の触媒事業の売上高は7,521百万円(前期比0.1%増)、営業利益は3,142百万円(前期比5.3%増)となりました。
化学品事業
当連結会計年度における化学品事業の販売は、主要製品であるニッケル粉に関して、前半において車載向け等の需要減速の影響を受けましたが、その後の回復に加え通信関連用途需要が立ち上がり、前年を上回る水準となりました。こうした状況のもと、当期の化学品事業の売上高は11,408百万円(前期比29.2%増)、営業利益は3,180百万円(前期比57.4%増)となりました。
主な要因として、特定用途向けの需要が大きな割合を占めていることによる需要変動の影響、原料代及び電力代の変動、為替の変動等が挙げられます。詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
資産の部は、持分法投資損失の計上を主因とする関係会社株式の減少等はあったものの、たな卸資産の増加等により、前連結会計年度末比4,031百万円増の91,149百万円となりました。
負債の部は、借入金の増加を主因に、前連結会計年度末比7,834百万円増の46,690百万円となりました。
純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上、配当金の支払い等により前連結会計年度末比3,803百万円減の44,459百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末比6.6ポイント悪化し48.6%となりました。また借入金が増加した結果、財務基盤強化の目安指標であるD/Eレシオについては、前連結会計年度末比0.23ポイント悪化し、当連結会計年度末の実績は0.89倍となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は2,534百万円と期首に比べ107百万円の減少となりました。キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,402百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純損失2,643百万円、たな卸資産の増加7,934百万円等による資金の減少があったものの、減価償却費5,504百万円、減損損失2,150百万円、持分法による投資損失3,536百万円等による資金の増加があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,390百万円の支出となりました。これは、若松工場における超微粉ニッケルの新工場及び茅ヶ崎工場における触媒新工場の建設等に係る有形固定資産の取得による支出8,015百万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,835百万円の収入となりました。これは、長期借入金の増加等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりであります。
当社グループは、収益性を高めるとともに資産の圧縮を進め、手元流動性の向上と強固な財務基盤の構築を実現していく考えであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。
これらの資金需要について、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本として、設備投資や長期運転資金は金融機関からの長期借入を基本として、それぞれ調達しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により、余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「⑤ キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成において必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項」、及び「同 連結財務諸表注記 重要な会計上の見積り」 をご覧ください。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は売価基準で算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.前連結会計年度の㈱村田製作所については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度において、下記の契約を締結しております。
当社グループは、既存事業の強化に注力する一方、当社グループの技術を活かして、一層の事業領域拡大と新規事業の開拓に向けた研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
(金属チタン事業)
金属チタン事業においては、スポンジチタン及びチタンインゴットの生産性及び品質の向上を目指した生産技術の改善・改良等に継続的に取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は
(触媒事業)
触媒事業においては、触媒製品に係る品質向上、生産技術の改善・改良、新規製品開発等の研究開発に取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は
(化学品事業)
化学品事業においては、超微粉ニッケル、高純度酸化チタン等の製品に係る品質向上、生産技術の改善・改良、新規製品開発等の研究開発に取り組んでおります。当事業に係る研究開発費は