第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費に底堅い動きが続いており、企業収益の改善がみられるなど、緩やかな回復基調が続いております。海外においては、アメリカの景気は回復が続いており、アジアでは中国の景気が緩やかに減速しているなど、世界の景気は弱さがみられるものの、全体としては緩やかに回復しています。

このような環境の中で、北米を中心とした生産能力拡充を進めると共に、信頼を究めることを基本とし、ものづくりに焦点を当てた施策展開を進めました。

当連結会計年度の業績については、売上高は144,451百万円(前期比4.1%増)、営業利益は5,385百万円(前期比113.6%増)、経常利益は4,077百万円(前期比151.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,963百万円(前期比491.1%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

① ダイカスト事業 日本

国内では、主要顧客である自動車メーカーにおいて、消費増税以来続く販売不振、軽自動車税引き上げによる国内販売の減速が続いています。一方で北米市場向けを中心とした輸出は好調を維持しています。これらの背景のもと、当社受注量はほぼ昨年同様となり、売上高は63,583百万円(前期比0.6%増)となりました。収益面においては、主に減価償却費の増加等により、セグメント利益は2,769百万円(前期比14.3%減)となりました。

② ダイカスト事業 北米

北米では、過去最高水準となる自動車販売の影響を受け受注が増加し、また、部品の新規立ち上がりや、円安基調にある為替換算影響などもあり、売上高は45,760百万円(前期比12.6%増)となりました。収益面においては、生産性改善等の施策によりアメリカ工場及びメキシコ工場の収益が改善したこと等により、セグメント利益は1,521百万円(前期はセグメント損失1,295百万円)となりました。

③ ダイカスト事業 アジア

中国では、主要顧客である日系自動車メーカーの車種別販売動向等の影響を受け受注は減少しました。インドでは、新規部品の量産開始効果により売上が増加しました。これらの影響に加え円安基調にある為替換算影響等により、アジアでの売上高は27,594百万円(前期は売上高27,584百万円)となりました。収益面においては、インド工場における収益改善等の影響や中国における原価低減活動の効果があったものの、中国での受注減少の影響が大きく、セグメント利益は573百万円(前期比13.5%減)となりました。

④ アルミニウム事業

アルミニウム事業においては、受注量が前期比で微減となったこと等により、売上高は4,921百万円(前期比1.9%減)となりました。収益面においては、原材料市況変動による影響と原価低減活動による効果等により、セグメント利益は338百万円(前期はセグメント利益5百万円)となりました。

⑤ 完成品事業

完成品事業においては、主要販売先である半導体関連企業のクリーンルーム物件や通信会社のデータセンター向け物件等の受注により、売上高は2,590百万円(前期比15.4%増)となりました。収益面においては、主に増収による増益効果等により、セグメント利益は212百万円(前期比153.3%増)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,283百万円減少し、当連結会計年度末には4,505百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比較して5,560百万円増加して18,062百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3,760百万円(前期比2,108百万円増)、減価償却費14,877百万円(前期比1,920百万円増)、たな卸資産の増減額2,162百万円(前期比3,305百万円増)、仕入債務の増減額△2,496百万円(前期比2,924百万円減)によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比較して563百万円減少して14,648百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出△14,480百万円(前期比662百万円減)によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比較して3,834百万円増加して4,372百万円となりました。これは主に借入金など有利子負債の減少3,804百万円があったことによるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

ダイカスト事業 日本(百万円)

57,722

99.1

ダイカスト事業 北米(百万円)

42,415

104.2

ダイカスト事業 アジア(百万円)

25,546

97.0

アルミニウム事業(百万円)

7,901

110.6

完成品事業(百万円)

1,062

135.8

合計(百万円)

134,648

101.1

(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注実績

当社事業の大部分は、顧客からの受注内示に基づいた見込み生産を行い、納入指示日の数日前に確定する受注に基づいて出荷(売上計上)する形態であるため、受注実績の記載を省略しております。

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

ダイカスト事業 日本(百万円)

63,583

100.6

ダイカスト事業 北米(百万円)

45,760

112.6

ダイカスト事業 アジア(百万円)

27,594

100.0

アルミニウム事業(百万円)

4,921

98.1

完成品事業(百万円)

2,590

115.4

合計(百万円)

144,451

104.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

富士重工業株式会社

17,837

12.9

18,850

13.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

当社の主要事業であるダイカスト事業においては、中長期的には新興国を中心とした自動車需要の増加、先進国における需要回復、軽量化によるアルミダイカスト採用増によりグローバルでのダイカスト需要は拡大していくものと見込まれます。一方、国内においては、少子高齢化等に伴う国内自動車販売の減少、海外での現地生産傾向は変わらないと想定されることから、国内ダイカスト需要は横ばい又は縮小するものと予想されます。アルミニウム事業においてもその主な需要先がダイカスト事業と同一業界であることから同様に推移するものと見込まれます。完成品事業においては、国内での大幅な需要増は期待できないものの、海外における需要増が見込まれます。

このような環境下において、当社グループの長期的な経営の方向性を示した「10年ビジョン」では、「信頼を究めよう 2025」を基本方針に、「お客様からの信頼No.1」「グローバルで車の軽量化に役立つ」「売上高2000億円+α」をありたい姿とし、お客様からの信頼を究めつつ、安定して持続的に成長していくための基本戦略を事業戦略、機能別戦略、マネジメントの取組みとして定めております。

当連結会計年度中に策定した1618中期経営方針では、ものづくりを究め進化させ、アーレスティプロダクションウェイを確立することを基本方針に、次の5つを柱として、全従業員が積極的に活動し計画達成を目指して全力で取り組んでまいります。

1.大型高難易度製品の顧客評価No.1を実現する

大型で要求品質の高い部品のQCDを向上させることで顧客評価No.1を目指す。

2.ものづくりを究める

グローバルでしくみを統一し、同質のものづくりと品質を実現する。

3.生きいきと活動する会社を築く

RST Wayを実践できる企業風土づくりと人材を育成する。

4.収益力を高める

ものづくりを究める施策で製造原価を低減するとともに、収益管理の質を高める。

5.リスク管理を徹底する

BCPの訓練等により想定リスクに対する事業継続力を高める。

なお、当連結会計年度を最終年度とした1315中期経営方針において取り上げた課題の状況は次のとおりです。

① 最善なものづくりの追求と共有

現場と設計が一体となったものづくりの構築を推進し、国内外での生産性改善が進んでおります。

② ものづくりの現場で活かす技術開発

技術ロードマップに基づく施策を、鋳造、金型、加工で概ね計画通りに実施しており、生産性改善技術・自動車の軽量化に貢献する技術の蓄積が進んでおります。

③ ものづくりを支える人づくり

実践に裏付けされたスキルを持つ人づくり、3現・2原に基づいた活動ができる技術者の育成のため、専門教育体系に基づく講座の開講、改善実践教育、国内外の技術者交流会等の施策の推進により、国内外で技術者が育ちつつあります。

④ 健全な利益追求

ものづくり及び収益管理の施策により、収益力の改善が進みつつあります。

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況

当社グループの営業収入はダイカスト事業の依存度が高く、ダイカスト事業の営業収入の9割以上を自動車関連で占めております。自動車の生産台数及び販売台数は、国内外の経済情勢の影響を受けることが予想されます。従いまして、日本、北米、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、自動車業界の販売車種別の売れ行きは、消費者のニーズ、個人消費の低迷にも影響を受け、当社グループが納入している部品の適用車種の販売台数により営業収入に影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替レートの変動

当社グループの事業には、北米、アジアの生産と販売が含まれております。連結財務諸表においては、各地域における収益及び費用は期中平均レートを、資産及び負債は期末レートを用いて円貨に換算しております。これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。

(3)為替変動及び金利リスクをヘッジしていることが引き起こす別のリスク

すべての為替及び金利リスクをヘッジすることは不可能ですが、当社グループは、為替変動及び金利リスクの影響を軽減するために、ヘッジ契約を締結しています。あらゆるヘッジ契約と同様に、通貨スワップ契約及び通貨オプション契約、そして金利スワップ契約の利用にはリスクが伴います。このようなヘッジ契約の利用は、為替及び金利の変動によるリスクをある程度軽減する一方、為替及び金利が逆方向へ変動することから生じたかもしれない利益を逸失している可能性があります。当社グループが締結してきた、またこれからも締結するであろうヘッジ契約は、取引相手の信用リスクにさらされるリスクを最小限に抑える努力をしております。しかしながら、このような取引相手の債務不履行があれば、当社グループに悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)知的財産権

当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許及び商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。これらの特許及び商標は、当社グループのこれまでの事業の成長にとって重要だったものであり、その重要性は今後も変わりません。当社グループは、いずれの事業も単一の特許又は関連する複数の特許に依存しているとは考えておりませんが、このような知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されることによって、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。一方で、当社グループが認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害した場合、多額の損害賠償責任を負う可能性や当社グループの事業活動が制限される可能性があります。

(5)海外進出に潜在するリスクの影響

当社グループの生産及び販売については、北米、中国等、日本国外に占める割合が年々高まる傾向にあります。そのため、当社グループが進出している国や地域において、自然災害、疾病、戦争、テロ、ストライキ、労働災害等の予期せぬ事象により、原材料や部品の購入、生産、製品の販売及び物流やサービスの提供などに遅延や停止が生じる可能性があります。これらの遅延や停止が起こり、それが長引くようであれば、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

(6)製品の品質について

ダイカスト製品については、グローバル展開により当社グループの製品が世界各国で使用されております。そのため、当社グループは厳密な品質管理のもと、個々の取引先の製品規格に従い検査を行った上で、納品しております。しかし、万一賠償問題につながるクレーム及びリコールが発生した場合には、その問題が世界に波及する懸念があります。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的な賠償額をカバーできる保証はありません。その結果、損害賠償等の経済的負担及び信用失墜により、当社グループの業績及び財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。

(7)原材料市況の影響

当社グループのダイカスト事業における原材料(アルミニウム二次合金地金)及びアルミニウム事業における原料(アルミニウム合金屑等)の価格は、他の非鉄金属価格の動向、アルミニウム一次地金価格の動向、特にLME(ロンドン金属取引所)等の海外市況の動向の影響を受けます。

ダイカスト事業では顧客との間で製品価格に転嫁できる契約形態(顧客によって契約内容は異なるものの一般的には3ヶ月ごとに市況の変動に合わせて原材料の契約価格を改定しております。)となっており、売上高は原材料市況の影響を受けますが、長期的には利益への影響はほとんどありません。しかしながら、短期的には原材料価格の変動が収益に影響を及ぼす可能性があります。

アルミニウム事業では、市況により販売価格及び原料価格が変動しますが、一般的には販売価格と原料価格は連動しており、売上高への影響はありますが、基本的には利益への影響は僅かであります。しかしながら、販売価格と原料価格動向にずれが生ずると利益にも影響を及ぼす可能性があります。

(8)災害や事故に関するリスク

大規模な地震等の自然災害、火災、事故等が発生した場合には、当社グループの生産施設等の機能麻痺、又は取引先の被災により、生産・納入・サービス活動が遅延、停止する可能性があります。こうした遅延や停止が長引くと生産活動に多大な影響を与え、売上高の大幅な減少や施設の修復等に伴う費用が発生することにより、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の締結、重要な変更もしくは解約はありません。

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、お客様に信頼され、グローバルで顧客ニーズに応える企業を目指して、主にダイカスト事業で当社技術部が推進しております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、493百万円(前期比9.9%増)であります。

当連結会計年度における研究の主要課題は、次のとおりであります。

当連結会計年度は自社真空技術を用いて、パワートレイン部品の更なる高品質化や靭性のある車体部品の開発に取り組んでまいりました。今後は量産工場と一緒にその取り組みをさらに発展させていきます。そして、車両全体の軽量化に貢献することにより、地球環境保護につながる活動を行なってまいります。

①高品質パワートレイン・車体部品の量産技術を開発する

②車の軽量化、燃費効率に貢献する技術を絶え間なく研究開発する

③開発技術を量産工場と共に粘り強く育てる

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、ならびに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループでは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。

以下、当社グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。

① 投資有価証券及び投資

当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの投資有価証券には価格変動性が高い公開会社の株式と株価決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。

当社グループは公開会社株式については市場価格などの時価をもって連結貸借対照表に計上し、評価差額は税効果会計適用後の金額を全額純資産の部に計上しております。しかし、時価が著しく下落した場合(50%以上下落した場合)に下落した額を、原則として減損を認識しております。また30%以上~50%未満下落している銘柄については、3年間の時価の推移を捉え時価が回復しない場合に減損を計上しております。

また、非公開会社株式については、投資先の純資産価額の当社持分と、当社グループの帳簿価額とを比較することにより減損の判断を行っております。減損の判断にあたっては、下落幅及び当該投資先会社の財政状態及び将来の業績見通し等を考慮しております。

② 貸倒引当金

当社グループは将来の顧客の支払不能時に発生する損失に備えるため、債権を一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権に分類し、一般債権については過去3年間の貸倒実績率に基づいた貸倒見積高、貸倒懸念債権及び破産更生債権については回収可能額を控除した全額を貸倒見積額として引当計上しております。

③ 固定資産の減損

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(平成15年10月31日)に基づく固定資産の減損会計を適用しております。有形固定資産等、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。

その資産の市場価額及びその資産を使用した営業活動から生ずる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては不動産鑑定評価額を合理的に調整した価格とし、使用価値については見積将来キャッシュ・フローの現在価値とすることを会計方針としております。今後、事業計画や市場環境の変化等によりこれらの見積りが変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損損失認識の可能性があります。

④ 繰延税金資産

企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率に基づいて繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。

当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり連結グループ内の個々の会社について今後5年間の利益計画をもとに将来の課税所得の十分性、タックスプランニングの存在の有無及び将来加算一時差異の十分性により繰延税金資産の回収可能性を判断しております。繰延税金資産のうち、将来において実現が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当金を計上して繰延税金資産を減額しておりますが、将来の課税所得の見込額の変化や、その他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の減額部分の増減変更により法人税等調整額が増減し親会社株主に帰属する当期純利益(又は親会社株主に帰属する当期純損失)が増減する可能性があります。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益(又は当期純損失)」を「親会社株主に帰属する当期純利益(又は親会社株主に帰属する当期純損失)」としております。

⑤ 退職給付に係る負債

当社グループは、将来の従業員の退職金の支払に備え、確定給付型の制度として退職一時金制度及び確定給付企業年金制度、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しております。一部の連結子会社においては、従業員が少ないため高い信頼性をもって数理計算上の見積りを行うことが困難であるため簡便法による処理を行っております。簡便法では決算日における従業員の自己都合退職によった場合における要支給額より年金資産額を控除した額を引当計上しております。当社及び一部の連結子会社においては、原則法により数理計算上の見積りを行っております。原則法によった場合、従業員の退職給付費用及び債務は数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。割引率は主に日本の国債の市場利回りを基礎に算出しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は累積され将来にわたって規則的に認識されていくため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高
 売上高は、主に円安基調にある為替換算影響等により、前連結会計年度から5,724百万円増加し、144,451百万円(前期比4.1%増)となりました

② 売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
 売上原価は、円安基調にある為替換算影響等により、前連結会計年度から2,405百万円増加し、128,271百万円(前期比1.9%増)となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は主に海外の拠点における生産性改善等の施策の影響により1.9ポイント減少し88.8%となりました
 販売費及び一般管理費は前連結会計年度から454百万円増加し、10,795百万円(前期比4.4%増)となりました
 以上の結果、営業利益は5,385百万円(前期比113.6%増)となりました

③ 営業外損益、経常利益
 営業外収益は前連結会計年度から11百万円増加し、482百万円(前期比2.4%増)となりました。
 営業外費用は前連結会計年度から420百万円増加して1,790百万円(前期比30.7%増)となりました。これは主に為替差損の増加398百万円によるものであります
 以上の結果、経常利益は4,077百万円(前期比151.4%増)となりました

④ 特別利益
 特別利益は前連結会計年度から69百万円減少し、80百万円(前期比46.3%減)となりました。これは固定資産売却益の減少35百万円、補助金収入の減少33百万円によるものであります

⑤ 特別損失
 特別損失は前連結会計年度から276百万円増加して397百万円(前期比228.4%増)になりました。これは主に退職給付制度移行に伴う退職給付制度改定損257百万円によるものであります

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
 当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益1,963百万円(前期比491.1%増)となりました。当連結会計年度の1株当たり当期純利益は75円97銭(前期は1株当たり当期純利益12円86銭)となりました

(3)当連結会計年度の連結財政状態の分析

 資産は、前連結会計年度末に比べ8,080百万円減少して139,496百万円となりました。主な要因は、円高基調にある為替換算影響などによる有形固定資産の減少2,327百万円、棚卸資産の減少2,244百万円、借入金の返済などによる現金及び預金の減少1,380百万円であります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ6,494百万円減少して80,233百万円となりました。主な要因は、借入金の減少4,390百万円、支払手形及び買掛金の減少2,322百万円であります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ1,586百万円減少して59,262百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,963百万円、為替換算調整勘定の減少2,373百万円、保有株式の株価減少によるその他有価証券評価差額金の減少593百万円であります。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末41.2%から42.4%となりました。

(4)当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローのプラス18,062百万円を、投資活動によるキャッシュ・フローに14,648百万円、財務活動によるキャッシュ・フローに4,372百万円使用し、換算差額326百万円を調整すると現金及び現金同等物は1,283百万円減少しました

(5)資金の調達、使途

国内連結子会社全社が参加したCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により、連結グループ内における効率的な資金運用と負債コストの削減に努め、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。

調達方法については、銀行からの短期借入金、長期借入金で行う予定であります。短期借入金については、月次の売上高の2分の1程度を運転資金として借入を行います。長期借入金については、設備投資に3年~5年の借入期間で調達を行います。

短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行います。長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。