第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、個人消費は消費増税後の駆け込み需要の大幅な反動減は生じず、雇用情勢も高水準を維持するなど緩やかな回復が続いておりますが、足元では輸出鈍化の影響を受け企業の景況感は弱含みとなっております。また海外においては、米国の景気は堅調を維持しておりますが、アジア地域においては中国の景気は減速が続き、インドの景気も鈍化傾向にあります。一方で、当社の主要顧客である自動車業界を取り巻く環境は、米中貿易摩擦の長期化による世界経済への影響、中国やインド経済の先行き懸念などに加え、各国の自動車に対する政策変更の影響もあり、自動車販売の減速が続いております。当社のダイカスト事業の販売量も、自動車販売の減速を受け国内・海外ともに前年を下回る状況になっています。

こうした状況に対し、当社グループでは今年度からスタートした1921中期経営計画に基づく施策展開を着実に進め、原価低減・経費削減や生産性改善による収益性の改善に努めてまいります。

この結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

①財政状態

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、123,741百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,480百万円の減少となりました。流動資産は36,024百万円で、前連結会計年度末に比べ6,243百万円減少となり、その主な要因は、売上債権が4,674百万円、たな卸資産が1,973百万円減少したことによるものです。固定資産は87,717百万円で、前連結会計年度末に比べ1,763百万円増加となり、その主な要因は、有形固定資産が1,738百万円増加したことによるものです。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債は、65,219百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,709百万円の減少となりました。流動負債は43,713百万円で、前連結会計年度末に比べ2,776百万円減少となり、その主な要因は、短期借入金が3,752百万円増加した一方、仕入債務が2,950百万円、1年内返済予定の長期借入金が2,347百万円減少したことによるものです。固定負債は21,505百万円で、前連結会計年度末に比べ1,067百万円の増加となり、その主な要因は、長期借入金が795百万円増加したことによるものです。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産は、58,522百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,770百万円の減少となりました。その主な要因は、利益剰余金が472百万円、為替換算調整勘定が2,059百万円減少したことによるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末47.7%から47.1%となりました。

 

②経営成績

(売上高)

売上高は、米中貿易摩擦の長期化や中国、インドにおける経済成長の鈍化に加え、各国の自動車に対する政策変更等の影響もあり、自動車販売が減速した中で、当社の受注量も前年同四半期比で減少したこと等により92,019百万円(前年同四半期比16.8%減)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

売上原価は、受注減少に伴う販売重量の減少等の影響から前第3四半期連結累計期間から16,885百万円減少し、83,101百万円(前年同四半期比16.9%減)となりました。

販売費及び一般管理費は、前第3四半期連結累計期間から276百万円減少し、8,406百万円(前年同四半期比3.2%減)となりました。

以上の結果、営業利益は512百万円(前年同四半期比73.5%減)となりました。

(経常利益)

営業外収益は前第3四半期連結累計期間から172百万円減少し、327百万円(前年同四半期比34.5%減)となりました。これは主に、受取配当金が81百万円、スクラップ売却益が31百万円及び為替差益が22百万円減少したことによるものです。

営業外費用は前第3四半期連結累計期間から179百万円増加し、630百万円(前年同四半期比39.7%増)となりました。これは主に、為替差損が189百万円発生したことによるものです。

以上の結果、経常利益は209百万円(前年同四半期比89.4%減)となりました。

(特別利益)

特別利益は前第3四半期連結累計期間から195百万円減少し、391百万円(前年同四半期比33.3%減)となりました。これは主に、退職給付制度改定益が155百万円発生し、補助金収入が93百万円増加した一方、投資有価証券売却益が246百万円、保険差益が160百万円減少したことによるものです。

(特別損失)

特別損失は前第3四半期連結累計期間から3,229百万円減少し、201百万円(前年同四半期比94.1%減)となりました。これは主に、前年同四半期にアーレスティウイルミントンCORP.で減損損失3,015百万円が発生したことによるものです。

(親会社株主に帰属する四半期純利益)

当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は106百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,285百万円)となりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における1株当たり四半期純利益は4円17銭(前年同四半期は1株当たり四半期純損失49円63銭)となりました。

(EBITDA)

当第3四半期連結累計期間のEBITDA(営業利益+減価償却費)は11,258百万円(前年同四半期比21.2%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(ダイカスト事業 日本)

日本自動車市場では、当社主要顧客である自動車メーカーの生産量が、北米、アジアでの販売低迷により前年割れとなる中で、当社の受注量も前年同四半期比での減少が続いております。また、アルミ地金市況が下落に転じたこともあり、売上高は44,921百万円(前年同四半期比13.1%減)となりました。収益面においては、製造コストの削減等に努めたものの、売上高減少の影響が大きく、セグメント損失342百万円(前年同四半期はセグメント利益574百万円)となりました。

(ダイカスト事業 北米)

北米自動車市場では、当社主要顧客を含む自動車メーカーの生産量が僅かながら前年割れとなる中で、当社においても受注が減少しています。米国工場では、一部顧客におけるストライキによる稼働停止の影響、また販売低迷の影響を受け、売上が大きく減少しています。一方のメキシコ工場においても、新規部品の量産本格化による受注拡大はあったものの、同様に主要顧客である自動車メーカーの販売低迷影響を受け、受注が大きく減少しました。また、北米両拠点にて、アルミ地金市況が下落している事もあり、その結果、北米セグメントでの売上高は23,998百万円(前年同四半期比20.5%減)となりました。収益面においては、販売量減少の影響があるものの、減価償却費の負担軽減等により、セグメント利益536百万円(前年同四半期はセグメント損失283百万円)となりました。

(ダイカスト事業 アジア)

中国では、自動車販売が昨年下期より減少に転じている中で、特に中国ローカルメーカーの販売減少が、当社の受注量に大きく影響を及ぼしております。一方インドでも、自動車保有や購入における各種制度の変更や、環境規制導入前の買い控え等により、好調であった自動車販売が下落に転じ、前年を割り込む状況が続いております。こうした中国、インドでの自動車販売の減少に加え、アルミ地金価格の下落や為替の影響も受け、アジアでの売上高は18,051百万円(前年同四半期比21.2%減)となりました。収益面においては、中国における売上高減少の影響が大きく、セグメント損失98百万円(前年同四半期はセグメント利益1,382百万円)となりました。

(アルミニウム事業)

アルミニウム事業においては、前年同四半期に比べ販売量は微増となりましたが、7月~9月に引続き、アルミニウム相場の影響で販売単価が低い水準であったことにより、売上高は3,081百万円(前年同四半期比10.9%減)となりました。収益面においては、アルミニウム相場の下落で原材料価格が下がり、セグメント利益は135百万円(前年同四半期比87.2%増)となりました。

(完成品事業)

完成品事業においては、主要販売先である半導体関連企業のクリーンルーム物件や通信会社のデータセンター向け物件等の受注が減少し、売上高は1,966百万円(前年同四半期比17.5%減)となりました。収益面においても、主に受注減による影響等により、セグメント利益は172百万円(前年同四半期比25.8%減)となりました。

 

(2) 中期経営計画

当社グループを取り巻く経営環境におけるビジネスチャンスやリスク、また「1618中期経営計画」での課題・振返りを踏まえて2019年度から「1921中期経営計画」(計画期間2019年度~2021年度)をスタートしました。「1921中期経営計画」では、2025年をターゲットとする「10年ビジョン」の達成に向けて、ものづくりを究め進化させ、アーレスティプロダクションウェイを確立し、顧客ニーズを先取りする信頼されるサプライヤーになるために、次の3つを柱として、全力で取り組んでまいります。

1.将来の自動車市場を見据えた戦略

グローバルでの市場の変化に対応し、拡大する内燃機関や電動化部品だけでなく、内燃機関を持たないEVでも社会に貢献していくために、従来からの当社の主力製品であるエンジン、トランスミッション向け製品に加えて構造部材の営業・開発・生産にも注力し、10年ビジョンの売上目標達成とお客様からの高い評価をいただけるよう取り組んでまいります。

2.生産性向上、品質向上による稼ぐ力のアップ

ダイカストの競争力を強化するために、最適な良品製造条件でのものづくり実現による生産性の向上、製造原価の低減を推進していきます。また、生産体制の合理化・省人化の追及、在庫の削減などの取組みではグループの総力を結集し、それぞれの活動がグループ全体の競争力強化、稼ぐ力のアップに結びつくように取り組んでまいります。

3.企業の成長を支えるひとづくり

全従業員が安全に心身ともに健康で働きやすい職場の実現に向けて、作業環境の改善に取り組み、常に生きいきと活動できる働きがいを感じられる風土づくりを進めてまいります。また、将来のお客様のニーズや当社の事業を見据えて、戦略的に人材を育成・配置してまいります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、409百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの主要事業であるダイカスト事業を取り巻く全世界の自動車需要については、今後も中国・新興国を中心に成長が続くと予測されております。一方で環境規制が各国・地域で強化されていくため、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車が増加し、更には電気自動車や燃料電池車という全く内燃機関を使わない車へのシフトも予測されますが、電池の蓄電能力や大きさと価格の改善、充電時間や充電インフラの整備、燃料電池車では価格に加えて水素ステーションのインフラ整備など課題は多く、少なくとも2030年ごろまでは従来型とハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などの内燃系エンジン搭載車も引き続き需要の拡大が見込まれます。

しかしながら、長期的にはエネルギーの電気シフトは必至と考えられ、小型化や車体構造の変更の他、軽量化材料への転換が進むものと考えられておりますが、当社グループでは軽量でリサイクル性に優れ、設計自由度や生産性に優れるアルミダイカストが車の軽量化分野で大きく貢献できると考えております。

また、エンジンやトランスミッション以外の車体や足回りなどの軽量化ニーズにも応えるために、専門チームを立ち上げ営業活動と市場調査をおこなっており、顧客の求める軽量化対象部品やその要求機能を理解し、それらに対応するものづくり力の強化に繋げ、当社グループの専門分野の拡大と将来の需要構造変化への準備を進めております。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資金需要及び財務政策

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び事業拡大のための設備投資資金、配当金の支払等であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として金融機関からの借入金と自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)により事業活動に必要な運転資金や将来の設備投資等に向けた充分な資金を確保しております。

資金調達手段としては、金融機関からの短期借入金、長期借入金で行っており、短期借入金については、月次の売上高の2分の1程度を運転資金として借入を行っております。長期借入金については、設備投資に3年~5年の借入期間で調達を行っております。また、短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行い、長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。

 

②資金の流動性

当社及び国内連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っており、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。