第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を色濃く受け、経済活動の停滞に伴う内需の減少や輸出鈍化により大きく悪化することとなりました。第1四半期を底に回復基調にはありますが、新型コロナウイルス感染症の再拡大や半導体不足による自動車生産への影響など、先行きについては依然不透明な状況が続いております。海外においても、米中貿易摩擦の長期化などによる世界経済への影響や中国、インド経済の成長鈍化がみられた中で、新型コロナウイルス感染症拡大により各国経済活動が強く制限され、当社の主要顧客である自動車業界を取り巻く環境も大きく変化し自動車販売量は大きく減速することとなりました。

このような急激な市場環境の変化に対して、当社グループでは各国・地域の規制に応じコロナウイルス感染症拡大防止策を講じながら販売量の大幅な減少に合わせた休業の実施、操業の一部停止や勤務体制の見直し等の生産体制の調整、社内の遊休設備の活用等による設備投資の抑制、出張の原則禁止やWeb会議の活用等による経費削減等、緊急対策に取り組んでまいりましたが、急激かつ大幅な販売量の減少の影響は大きく国内・海外ともに営業損益は当初計画を上回るものの営業損失の計上を余儀なくされました。

自動車販売の回復ペースは各国及び顧客ごとに差異は見られるものの、経済活動の再開が進んだことを受け、当社グループの生産状況は第1四半期を底に回復基調にあります。第3四半期の3ヶ月間では日本・北米・中国での販売量は前期に近い水準まで回復してまいりました。また1921中期経営計画に基づく施策展開の加速により、原価低減・生産性改善活動を推進し、収益体質の改善が進んだことで、営業損益も黒字に転換しております。

当社グループでは、引き続き事業環境の不透明感が残る中、これまで2019年度より取り組んできた1921中期経営計画に基づく施策展開を更に加速し、原価低減・生産性改善による収益性のさらなる改善を進め、収益力の回復に努めてまいります。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

①財政状態

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の総資産は126,991百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,937百万円の増加となりました。流動資産は41,391百万円で、前連結会計年度末に比べ6,144百万円の増加となり、その主な要因は、たな卸資産が853百万円減少した一方、現金及び預金が6,341百万円、売上債権が750百万円増加したことによるものです。固定資産は85,599百万円で、前連結会計年度末に比べ2,206百万円の減少となり、その主な要因は、投資有価証券が1,380百万円増加した一方、有形固定資産が3,406百万円減少したことによるものです。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債は72,510百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,821百万円の増加となりました。流動負債は47,204百万円で、前連結会計年度末に比べ3,813百万円の増加となり、その主な要因は、仕入債務が2,260百万円、設備債務が1,880百万円減少した一方、短期借入金が8,380百万円増加したことによるものです。固定負債は25,306百万円で、前連結会計年度末に比べ3,007百万円の増加となり、その主な要因は、長期借入金が2,803百万円増加したことによるものです。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産は54,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,883百万円の減少となりました。その主な要因は、利益剰余金が3,114百万円減少したことによるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末46.5%から42.8%となりました。

②経営成績

(売上高)

売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により主要顧客である自動車メーカーのグローバルでの自動車販売が大幅に減少したことで、当社の受注量も前年同四半期比で減少したこと等により64,506百万円(前年同四半期比29.9%減)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業損失)

売上原価は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による販売量の減少等に伴い、前第3四半期連結累計期間から22,560百万円減少し、60,540百万円(前年同四半期比27.1%減)となりました。

販売費及び一般管理費は、前第3四半期連結累計期間から1,729百万円減少し、6,676百万円(前年同四半期比20.6%減)となりました。

以上の結果、営業損失は2,710百万円(前年同四半期は営業利益512百万円)となりました。

(経常損失)

営業外収益は前第3四半期連結累計期間から760百万円増加し、1,088百万円(前年同四半期比232.4%増)となりました。これは主に、雇用調整助成金834百万円が発生したことによるものです。

営業外費用は前第3四半期連結累計期間から106百万円減少し、523百万円(前年同四半期比16.9%減)となりました。これは主に、為替差損が69百万円減少したことによるものです。

以上の結果、経常損失は2,146百万円(前年同四半期は経常利益209百万円)となりました。

(特別利益)

特別利益は前第3四半期連結累計期間から290百万円減少し、100百万円(前年同四半期比74.2%減)となりました。これは主に、退職給付制度改定益が155百万円、補助金収入が67百万円、投資有価証券売却益が54百万円減少したことによるものです。

(特別損失)

特別損失は前第3四半期連結累計期間から540百万円増加し、741百万円(前年同四半期比269.8%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症関連損失が590百万円発生したことによるものです。

(親会社株主に帰属する四半期純損失)

当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損失は3,059百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益106百万円)となりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における1株当たり四半期純損失は119円63銭(前年同四半期は1株当たり四半期純利益4円17銭)となりました。

(EBITDA)

当第3四半期連結累計期間のEBITDA(営業利益+減価償却費)は6,769百万円(前年同四半期比39.9%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(ダイカスト事業 日本)

日本自動車市場では、今年度上半期は当社主要顧客である自動車メーカーを含む多くの顧客で、新型コロナウイルス感染症拡大による操業停止や生産調整が断続的に実施され、当社もこの影響を受け、受注量が大幅に減少しました。現在は受注量を取り戻しつつあり回復基調にあるものの、アルミ地金市況の下落も影響し、売上高は31,964百万円(前年同四半期比28.8%減)となりました。収益面においては、受注量減少の影響等によりセグメント損失2,338百万円(前年同四半期はセグメント損失342百万円)となりました。

(ダイカスト事業 北米)

北米自動車市場では、新型コロナウイルス感染症拡大による主要顧客の操業停止が、当社受注量に大きく影響を及ぼしました。

米国工場では、米国での新型コロナウイルス感染拡大が続く中で感染症拡大防止による主要顧客のシャットダウンが相次ぎ、当社も一時生産調整を余儀なくされましたが、現在は受注量を取り戻しつつあり回復基調にあります。

12月決算期のメキシコ工場においては、主要顧客である自動車メーカーの販売が低迷していたところ、感染防止策として政府によるロックダウンが行われた影響で、当社も操業停止を余儀なくされるなど、受注量が大幅に減少しました。

以上のことに加えて、アルミ地金市況も下落したことから、売上高は14,872百万円(前年同四半期比38.0%減)となりました。収益面においては、受注量減少の影響等によりセグメント利益126百万円(前年同四半期比76.4%減)となりました。

(ダイカスト事業 アジア)

12月決算期の中国工場では、第1四半期(1月~3月)における新型コロナウイルス感染症拡大による一部都市の封鎖や、各地での外出規制の実施、また、主要顧客である自動車メーカーの操業停止の影響により、自動車販売台数、生産台数共に大幅に減少しましたが、第1四半期での大きな落ち込みから徐々に回復の兆しが見え始め、現在は前期水準の売上高まで回復いたしました

一方、インド工場においては、新型コロナウイルス感染症拡大により、感染防止策として政府によるインド全土でのロックダウンが行われた影響で、当社も操業停止を余儀なくされるなど、受注量が大幅に減少しました。

以上のことにより、売上高は13,341百万円(前年同四半期比26.1%減)となりました。収益面においては、受注量減少の影響等によりセグメント損失827百万円(前年同四半期はセグメント損失98百万円)となりました。

(アルミニウム事業)

アルミニウム事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大が大きく影響し、10月~12月においては回復基調であったものの累計販売重量が前年同期と比較して16.3%減少したことで、売上高は2,412百万円(前年同四半期比21.7%減)となりました。収益面においては、売上高の減少による影響等により、セグメント損失5百万円(前年同四半期はセグメント利益135百万円)となりました。

(完成品事業)

完成品事業においては、主要販売先である半導体関連企業のクリーンルーム物件や通信会社のデータセンター向け物件等の受注が減少したことにより、売上高1,914百万円(前年同四半期比2.6%減)となりました。収益面においては、販売管理費の削減等により、セグメント利益は275百万円(前年同四半期比59.8%増)となりました。

(2) 中期経営計画

当社は2038年に創業100周年を迎えます。一層のCASEの進展が見込まれる17年後には、電動化を中心とした「自動車の軽量化に貢献するアーレスティ」を目指し、2019年度より「1921中期経営計画」(計画期間2019年度~2021年度)として次の三つを柱とし、取り組んでおります。

1.将来の自動車市場を見据えた戦略

従来の内燃機関だけの自動車に加え、電動車(HV、PHV、EV)向けなど電動化関連部品の受注活動を積極的に行うなど、地域ごと顧客ごとにニーズに合わせた最適な営業戦略を立案し活動を推進しております。主要顧客からは、従来のパワートレイン系部品に加え電動化関連部品も受注し、一部製品については既に量産開始しております。

2.生産性向上、品質向上による稼ぐ力のアップ

収益力の向上に向けて、生産性改善、リーンな生産体制の構築を推進しており、各工程の様々なムダやロスの削減による収益体質強化を図っております。生産性改善のためにOPCC(最適生産条件管理)を追求、エンジン部品やミッション部品で大幅な品質向上を達成しました。今後はOPCC活動を通じて得られた知見を全拠点に展開し、収益力向上へつなげてまいります。また、リーンな生産体制の構築のため、良品を効率的に生産するための仕組みをつくり、徹底した合理化、省人化生産体制を追求しています。改善や検査作業の自動化、からくり活用による工夫などでムダな工程や作業内容を見直し、生産性向上と原価低減を図っています。

3.企業の成長を支えるひとづくり

グローバルで活躍できる人材の育成に取り組み、やりがい・誇りを持ちながら会社と従業員がともに成長できる企業を目指します。人材育成については、従業員一人ひとりが仕事を通じて成長し、働きがいを感じられる風土づくりのために、戦略的人材育成計画(人材ロードマップ)に沿って推進しています。

作業環境の改善により、災害や事故のない安全で心身共に健康で働きやすい職場を実現していきます。作業負担の低く(エルゴノミクス)かつ快適な作業環境の実現に向け、身体的負荷の高い作業現場の改善、暑熱・寒冷を緩和する設備等の導入や騒音値の低減活動などを実施しております。また、安全道場による安全教育訓練や設備の安全機能改善などを重点的に行い、全社を挙げて安全で働きやすい職場を目指しています。

(3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。

当社グループでは、引き続き本感染症拡大の影響を受けた急速な販売量減少に対処するため、販売量の大幅な減少に合わせた休業の実施、操業の一部停止や勤務体制の見直し等の生産体制の調整、社内の遊休設備の活用等による設備投資の抑制、出張の原則禁止やWeb会議の活用等の経費削減等、緊急施策に取り組み、今後の収益性改善に一層努めてまいります。

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(6) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、368百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの主要事業であるダイカスト事業を取り巻く全世界の自動車需要については、今後も中国・新興国を中心に成長が続くと予測されております。一方で環境規制が各国・地域で強化されていくため、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車が増加し、更には電気自動車や燃料電池車という全く内燃機関を使わない車へのシフトも予測されますが、電池の蓄電能力や大きさと価格の改善、充電時間や充電インフラの整備、燃料電池車では価格に加えて水素ステーションのインフラ整備など課題は多く、少なくとも2030年ごろまでは従来型とハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などの内燃系エンジン搭載車も引き続き需要の拡大が見込まれます。

しかしながら、長期的にはエネルギーの電気シフトは必至と考えられ、小型化や車体構造の変更の他、軽量化材料への転換が進むものと考えられておりますが、当社グループでは軽量でリサイクル性に優れ、設計自由度や生産性に優れるアルミダイカストが車の軽量化分野で大きく貢献できると考えております。

また、エンジンやトランスミッション以外の車体や足回りなどの軽量化ニーズにも応えるために、専門チームを立ち上げ営業活動と市場調査をおこなっており、顧客の求める軽量化対象部品やその要求機能を理解し、それらに対応するものづくり力の強化に繋げ、当社グループの専門分野の拡大と将来の需要構造変化への準備を進めております。

(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資金需要及び財務政策

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び事業拡大のための設備投資資金、配当金の支払等であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として金融機関からの借入金と自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)により事業活動に必要な運転資金や将来の設備投資等に向けた充分な資金を確保しております。

資金調達手段としては、金融機関からの短期借入金、長期借入金で行っており、短期借入金については、月次の売上高の2分の1程度を運転資金として借入を行っております。長期借入金については、設備投資に3年~5年の借入期間で調達を行っております。また、短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行い、長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。

また今後、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化に備え、各取引金融機関との対話及び情報連携を常時行い資金調達の安定化・多様化に努めてまいります。

②資金の流動性

当社及び国内連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っており、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。