文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは以下4項目を経営理念とし、東邦亜鉛グループの経営を行っております。
① 顧客を満足させる良質の製品・サービスを提供する。
② 株主の期待に応える業績をあげ、企業価値の増大を図る。
③ 従業員の生活を向上させ、働き甲斐のある会社にする。
④ 地域の一員として認められ、地域にとって存在価値のある会社を目指す。
しかしながら、2019年度の業績や後述の非鉄スラグ問題などは、残念ながらこれらの理念に反する結果となりました。今後は新型コロナウイルス感染症の拡大により生活様式の変化が求められる等、社会が大きな転換期を迎えることが想定される中、当社グループの経営においては上記理念の本質が変わることは無く、今後も同理念の実現に向けて、ステークホルダーの皆様の期待にお応えするべく、グループ一丸となって総力を挙げて取り組んでまいります。
2019年度の当社グループを取り巻く経営環境は、具体的には「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」の《経営環境》に記載したとおりとなりますが、製錬事業、資源事業ともに、金属相場の下落が業績には逆風となりました。主力製品の販売価格が亜鉛価格に影響を受ける環境・リサイクル事業においても同様の状況です。電子部材事業においても、そのユーザーが自動車業界、一般産業機器メーカー、航空業界など多岐にわたり、米中貿易摩擦の長期化に大きな影響を受けました。製錬事業の原料であり、資源事業の製品でもある精鉱の売買条件(製錬費)は、製錬事業(特に亜鉛)にとっては大きく改善したものの、これは逆に資源事業にとっては不利な状況となります。
2020年度においても新型コロナウイルス感染症の拡大と、これに伴う世界的な経済の混乱の早期解決が見通せない中で、金属相場の動向には不確実性が伴います。また、当社製品の多くは自動車産業や建設産業などに用いられることから、同産業の状況を考慮すると、需要面でも厳しいものが想定され、販売動向にも注視が必要となります。
当社の主要事業である製錬事業は、2018年度・2019年度と2年連続でセグメント損失(営業利益ベース)を計上しております。特に2019年度は100億円を超える損失を計上しており、同事業の業績の立て直しが急務であります。電力料金の高止まりなど依然として厳しい環境が続くなか、リサイクル原料の活用や製造プロセスの改善など、最適な操業体制を構築することでコスト低減を図ってまいります。また、同事業の収支は金属相場や為替相場といった市況に大きく左右されることから、金属相場の下落影響を最小化するため、棚卸資産量の適正化に努めるとともに、市況変動リスクをヘッジする手段として商品先渡取引や為替予約等を機動的に用いてまいります。
資源事業についても2019年度は赤字となりました。山命の終焉を迎えた豪州のエンデバー鉱山は、2019年末をもって休山に移行し、今後は撤退に向けて最適な方法を検討し進めてまいります。豪州のラスプ鉱山については、投資を抑制するとともに、金属相場下落に対応して、採掘数量と鉱石品位の最適なバランスを図る生産体制を構築してまいります。また、新たな収益源泉として豪州Abra鉛鉱山開発事業への参画を決定しましたが、今後は開発環境等を見定めたうえで同事業の順調な開発及び生産開始を目指します。一方、CBH社のキャッシュ・フロー改善を目的として、一部資産の売却を進めてまいります。
全体としては、資源事業の市況変動リスクを減らすべく、鉱山ポートフォリオの適正化を図ってまいります。
上述のように当社グループは2019年度において多額の赤字を計上したこともあり、財政状態の改善が喫緊の課題となっております。これについては、本業の業績回復はもちろんのこと、在庫圧縮、遊休資産の売却等可能な限りの対策を実行し、早急に改善を図ってまいります。
当社の非鉄スラグ製品の一部における土壌汚染対策法の土壌環境基準超過及び不適切な使用・混入につきましては、地域住民や関係者の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけする事態となりました。本件については、今後とも関係各所と協議のうえ、誠意をもって適切な対応を行ってまいります。また、再発防止のため、業務執行部門から独立した専門部署として「品質保証室」、「環境・安全室」を本社に新設しており、品質保証体制を強化するとともに、今一度、環境保全に対する意識を高め、これに取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
製錬事業の亜鉛及び鉛や銀の原料鉱石価格と製品価格は、LME(ロンドン金属取引所)やその他の国際市場の価格を基準としております。国際市場の価格は、需給バランスや投機筋の思惑、政治や経済の状況などから影響を受けて変動し、価格が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
亜鉛及び鉛の製錬事業の主原料である鉱石は、海外から輸入しておりますが、その買鉱条件である製錬費(T/C)は米ドル建てとなっていることと、各製品の国内販売価格は米ドル建て価格を円換算したものを基礎としているため、米ドルに対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。この関係は豪州で鉱山業を営む連結子会社CBH Resources Ltd.(CBH社)においても同様で、生産物である鉱石価格が米ドル建てであるため、豪ドル安が好影響をもたらします。そのため、為替相場が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループは根本的には市況の影響を相対的に受けにくい事業の収益拡大及び安定化を図っていくとともに、市況影響を受けやすい製錬事業・資源事業に多くを依存した当社グループの事業ポートフォリオの見直しが必要であります。また、当座の市況影響に対しては、市況変動のリスクヘッジを目的とした為替予約、商品先渡取引やオプション取引などを用いて対処いたします。
なお、コロナウイルス感染症の影響により今後の金属相場や為替相場の動向を見通すことは困難でありますが、市況の変動が2020年度業績に与える影響額については、以下の感応度を参照ください。
連結営業利益影響額のうち、( )内はCBH社の影響額であり、67.0円/豪ドルにより換算しております。
当社グループの主力事業である製錬事業の主原料である亜鉛及び鉛鉱石の確保は、経営上の重要課題です。亜鉛及び鉛鉱石は、すべてを海外の鉱山から調達しており、世界的な鉱石需給の状況や、鉱山における事故等不測の事態の発生は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には原料不足による減産による販売機会の喪失や、単位当たり原価の悪化による影響です。これらに対して、当社グループは自社鉱山の開発に努めるとともに、ペルー・豪州等の有力鉱山との間で長期買鉱契約を結ぶ等、安定的な原料確保を図っております。さらに、廃バッテリーの利用増等、鉱石以外の原料の多様化を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大で一部の鉱山が停止するなど、今後の動向によっては当社の生産計画に影響を与える可能性があります。
当社グループの主力事業である製錬事業や資源事業は市況の影響を受けやすい業態です。市況のコントロールは難しいことから、計画通りの生産を行うことで販売機会を確保することが当社グループの業績には重要です。自然災害(地震や洪水などに加え新型コロナウイルス感染症の拡大といった病気の蔓延を含む)や操業上の事故・トラブルで操業に支障が生じて計画通りの生産が行えない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には減産による販売機会の喪失や、単位当たり原価の悪化による影響です。これらについては、長期的な計画に沿った予防的設備保守や、安全操業のための各種施策を確実に行ってまいります。
当社グループは、主に亜鉛・鉛・銀の原料鉱石の安定確保を目指して、豪州において自社開発鉱山を運営しております。しかしながら、鉱山の開発や運営には埋蔵量や操業状況などに関連して、想定外の採算や投資効率の悪化と言った不確実性リスクが不可避であり、経営成績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。具体的には採掘コスト増によるコスト高や減損損失の計上による影響です。
これらに対して当社グループは、現地の鉱山開発に精通した人員による慎重な採算性評価に基づく投資を行うとともに、投資後の開発においても不確実性の軽減に努めてまいります。また、鉱山開発には不確実性が伴うという性質を理解し、投資リスクを当社の財政状態の許容範囲内でコントロールしていくといった対応にも努めてまいります。
国内外の事業所においては、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の管理鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めておりますが、関連法令の改正等によっては、当社グループに新たな費用が発生する可能性があります。
なお、非鉄スラグ製品の問題(当社が過去に出荷した非鉄スラグ製品の一部における土壌汚染対策法の土壌環境基準超過及び不適切な使用・混入の問題)につきましては、再発防止のため、業務執行部門から独立した専門部署として「品質保証室」、「環境・安全室」を本社に新設しており、品質保証体制を強化するとともに、今一度、環境保全に対する意識を高め、これに取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は減収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純損益ともに減益となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、消費税増税に伴う個人消費の縮小等に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により年度末に向けて急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、金属相場、特に当社の主力製品である亜鉛の相場は、米中貿易摩擦の長期化等による世界経済の減速傾向と亜鉛鉱石需給の緩和などから上期において下落傾向が続きました。さらに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う市場の混乱から3月になって急落し、期中平均では前期比で下落となりました。鉛は上期において一時上昇したものの、下期になって下落傾向に転じ、亜鉛同様コロナショックから3月に急落しました。この結果、期中平均では前期比で下落となりました。銀については、金相場に追随する形で第2四半期以降は上昇基調となり、3月に急落はあったものの、期中平均では前期比で上昇となりました。
一方為替相場につきましては、円/米ドル相場は米中貿易摩擦に反応したものの狭いレンジで推移し、期中平均では前期比で若干の円高(円高は製錬セグメントの業績にマイナスの影響)となりました。豪州に鉱山会社CBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」という。)を有する当社グループに影響を与える米ドル/豪ドル相場については、期を通じて概ね豪ドル安に推移し、期末にはコロナショックから一段安となり、期中平均でも前期比豪ドル安(豪ドル安は資源セグメントの業績にプラスの影響)となりました。
また、買鉱条件につきましては、亜鉛は前期に比して大幅に改善し、鉛・銀についても亜鉛ほどではないものの、一時の厳しい水準からは改善しました。
当社グループの当連結会計年度の業績は、金属相場の下落や亜鉛の減販、CBH社エンデバー鉱山の減産などの影響から製錬事業及び資源事業で大きく減収となったことにより、売上高974億45百万円と前期比201億6百万円(17%)の減収となりました。
損益面では、在庫評価損の計上に加え、非鉄スラグ製品の処理費用の計上などから製錬セグメントで59億円、エンデバー鉱山の計画減産等の影響から資源セグメントで79億円の減益となりました。環境・リサイクル事業も亜鉛価格の下落などにより減益となりました。以上の結果、営業損失は142億17百万円と前期比147億48百万円、経常損失は144億37百万円と前期比154億6百万円の大幅減益となりました。さらに、金属相場の前提に対する下振れ及び採掘計画の見直しの結果、CBH社ラスプ鉱山で18億95百万円、エンデバー鉱山で12億74百万円の減損損失を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純損失は183億64百万円と前期比158億14百万円の減益となり、最終赤字を計上するに至りました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
(単位:百万円)
LME(ロンドン金属取引所)相場は、期初3,018ドル/トンでスタートしたのち、5月以降は鉱石需給のタイト感が薄まるにつれて下落基調となり、9月には2,200ドル近辺まで下落しました。その後は米中通商交渉の前進で一時持ち直したものの、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の減速懸念から再び下落傾向となり、3月には世界的な感染拡大を受けて一時1,800ドルを切る水準まで急落しました。以上の結果、期中平均では2,405ドルと前期(2,746ドル)を下回りました。国内価格も期中平均313千円/トンと前期(354千円)を40千円下回り、これに減販の影響も加わって、売上高は前期比18%の減収となりました。
LME相場は、期初2,022ドル/トンでスタートしましたが、その後は下落傾向が続きました。6月以降は海外主要鉛製錬所の操業停止等により持ち直したものの、12月以降はふたたび下落に転じ、3月にはコロナショックから一時1,600ドルを切る水準まで急落しました。以上の結果、期中平均では1,950ドルと前期(2,122ドル)を下回りました。国内価格も期中平均276千円/トンと前期(299千円)を23千円下回った結果、売上高は前期比で5%の減収となりました。
ロンドン銀相場は、期初15.1ドル/トロイオンスでスタートしたのち、一時14ドル台に低迷しましたが、その後は金相場の上昇に追随する形で上昇基調となりました。年度末にコロナショックから一時12ドル台まで急落したものの、期中平均は16.5ドルと前期(15.4ドル)を上回り、国内価格も期中平均59,273円/キログラムと前期(56,315円)を上回りました。以上の結果、売上高は前期比10%の増収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、金属相場の下落に加えて亜鉛の減販もあり、売上高は740億15百万円と前期比81億78百万円(10%)の減収となりました。損益面では、急激な亜鉛相場の下落による多額の在庫評価損や、非鉄スラグ製品の処理費用を計上したことから、前期比59億17百万円の大幅な減益となり、100億67百万円の営業損失に転じました。
なお、金属相場(月平均)及び為替相場(月平均)の推移は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
エンデバー鉱山では、鉱量減少による計画減産及びそれに伴う粗鉱品位低下で製造原価が上昇し、採算が悪化する結果となりました。また、山命延長を目指した深部探査は経済性評価の観点から不十分な結果となり、2019年末より休山に移行しました。このため、原状回復費用の積み増しや資材の評価減等のリストラ費用を計上するに至りました。ラスプ鉱山でも、難易度の高い採掘条件の下、高品位鉱の採掘遅れ等の要因により粗鉱品位が低下し、生産性が悪化する結果となりました。これに加えて金属相場の下落や(鉱山サイドから見た)買鉱条件の悪化、さらに決算期ずれ(CBH社の決算期は2019年1月~12月)の調整による悪化なども重なり、当事業部門の業績は、売上高は114億46百万円と前期比116億34百万円(50%)の減収、営業損益は前期比79億33百万円の大幅な減益により54億44百万円の営業損失となりました。
(単位:百万円)
ハイブリッド車向けの新製品販売は順調であったものの、米中貿易摩擦の影響を受けた産業機器向けの販売減や、車載電装向けに複数の出荷終了案件があったことから、売上高は前期比17%の減収となりました。
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、航空機用特殊鋼が昨年実績を上回ったものの、米中貿易摩擦の影響を受けてその他の用途向けが減販となり、売上高は前期比若干の減収となりました。
《プレーティング》
プレーティング製品(各種電子機器の接点・接続端子に使用される金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、電動工具電池端子用は順調であったものの、自動車部品等その他の用途向けが不調であり、売上高は前期比27%の減収となりました。
タイヤ用バランスウエイト部門は自動車ライン向けが減少し、粉末冶金部門は一般産業機器向けが低調となったことから、売上高は前期比19%の減収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は49億28百万円と前期比9億33百万円(16%)の減収、営業利益は4億34百万円と前期比1億54百万円(26%)の減益となりました。
(単位:百万円)
主力製品の酸化亜鉛は、亜鉛の国内価格が前期比で下落したこと及び減販により減収となりました。使用済みニカド電池の処理や硫酸リサイクル事業についても前期比減収となり、当事業部門の売上高は41億81百万円と前期比5億21百万円(11%)の減収、営業利益は7億62百万円と前期比5億63百万円(43%)の減益となりました。
(単位:百万円)
プラントエンジニアリング事業で前期に不採算案件に係る損失を計上しましたが、当期は当該案件の損失が大幅に減少したこともあり、前期比7億17百万円の増益となりました。
(単位:百万円)
防音建材事業は、住宅着工数減等の影響で減収となったものの、医療向けX線遮蔽材鉛板の需要が回復したことに加え、原材料価格の低下により、前期比で増益となりました。
運輸事業は、運送荷物やリサイクル原料等の扱い量の減少などにより、売上高は前期比13%の減収となりました。
以上のほか、環境分析事業を合わせた当事業部門の売上高は68億35百万円と前期比11億62百万円(15%)の減収、営業利益は4億16百万円と前期比8百万円(2%)の減益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、土木・建築・プラントエンジニアリング、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は564億36百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は82億7百万円となっております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の通り、2019年度の業績悪化などもあり、財政状態の早期立て直しが当社グループの喫緊の課題となっております。この一環として2020年3月31日に、シンジケート方式による160億円のコミットメントラインを契約し、財務基盤の強化を図っております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ128億98百万円減少し、1,173億33百万円となりました。これは金属相場下落の影響から売上債権や在庫の金額が減少したことによるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ62億93百万円増加し、810億24百万円となりました。これは業況悪化に伴うフリーキャッシュフローの赤字ファイナンスによるものです。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失183億64百万円の計上もあり、前連結会計年度末に比べ191億92百万円減少し、363億9百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において30.9%となり、前連結会計年度末に比べ11.6ポイント下落しております。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20億41百万円減少し、当連結会計年度末は82億7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、67億23百万円の収入(前期比14億30百万円の収入減)となりました。金属相場の下落を背景とした製錬事業や資源事業での前期比大幅減益もあり、営業活動によるキャッシュ・フローは収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、114億18百万円の支出(前期比12億81百万円の支出増)となりました。これは主に既存鉱山開発によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは26億60百万円の収入(前期比42億19百万円の支出減)となりました。これは主に、業況悪化に伴うフリーキャッシュフローの赤字ファイナンスによるものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、翌年度の公表利益の前提となった数値を、経営環境等の外部要因(金属相場や為替相場といった市況の状況、買鉱条件など)に関する情報や、当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係) 2.(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、翌年度の公表利益の前提となった数値を、経営環境などの外部要因(金属相場や為替相場といった市況の状況、買鉱条件など)に関する情報や、当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。翌年度以降の期間の将来キャッシュ・フローは、翌年度の公表利益の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢や過去の実績を踏まえて見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※7 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(3,172百万円)を計上いたしました。回収可能価額は使用価値により算定しておりますが、その際に用いられる税引前の割引率は、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクの両方を反映したものであり、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関する影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは長年培ってきた素材、製錬等の技術をベースに鉱石中の未回収有価金属の再資源化技術の研究開発に努力しております。また、電子部品、電子材料の開発など社会のニーズに合致した製品開発のため長期的視野に立って研究開発を鋭意行っております。
研究開発拠点としては、各製錬所に現場密着型の研究組織を配置し、製錬プロセスの高度化・効率化のための研究開発を行うとともに、製錬インフラを活用した環境・リサイクル事業の推進と開発に重点を置いた研究を行っております。また、電子部品、電子材料、高純度電解鉄については、東邦亜鉛テクニカルセンターが研究開発を担っており、高レベル化を目指しています。同時に大学、研究機関との共同研究、提携研究も積極的に行っております。特に電解鉄のさらなる需要拡大と新規用途開発を目指した研究活動に注力しております。
なお、当連結会計年度中に支出した研究開発費は
セグメント別の主な研究開発の内容は、次のとおりであります。
① 製錬部門は徹底的なコストダウン及び品質向上のためのプロセス改善に取り組んでおります。特に電力代の大幅アップに対する技術改善やエネルギー改善に努力しております。今後とも工程効率化対策や省エネルギー対策に取り組んでまいります。
② 素材、製錬等の技術をベースとした鉱石中の未回収有価金属の再資源化技術の研究開発に努力しております。
① 電子部品
電気電子機器の小型化、軽量化と高効率化に貢献できる様、最適構造を有する電子部品の開発はもとより、コイル、トランスの性能を決定づける高機能、高性能の磁性材料研究を進めています。
② 電子材料・電池材料
プレーティング材料は需要家ニーズに応えるため、より精密な製品についての技術開発を続けております。
③ 高純度電解鉄
電解鉄の優れた機能をより引き出して製品化するため、大学、研究機関と提携し研究を進めております。
低品位かつ難処理原料からの有価物回収に取り組んでおります。
以上のように、顧客ニーズへの対応を第一に、従来の技術の応用のほか、新規素材、新規製品を世に送り出すため、研究人員、研究インフラ、生産設備を並行して充実する努力を続けております。