文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは以下4項目を経営理念とし、東邦亜鉛グループの経営を行っております。
① “顧客”を満足させる良質の製品・サービスを提供する。
② “株主”の期待に応える業績をあげ、企業価値の増大を図る。
③ “従業員”の生活を向上させ、働き甲斐のある会社にする。
④ “地域”の一員として認められ、地域にとって存在価値のある会社を目指す。
これらの経営理念を土台に、2021年度から「再生から新たな挑戦へ」をスローガンに第12次中期経営計画をスタートさせるにあたり、さらに長期的観点から「金属事業で培った技術・開発力をベースに、ニッチ分野での輝きと拡大に挑戦を続ける会社」を10年後の当社のありたい姿として描きました。このありたい姿の実現に向かって、グループ一丸となって取り組んでまいります。
第11次中期経営計画の最終年度となる2020年度における当社グループを取り巻く経営環境は、具体的には「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」の《経営環境》に記載したとおりとなりますが、販売面では新型コロナウイルス感染症による世界的な経済の混乱による影響を全事業部において一定程度受けることとなったものの、製錬事業・資源事業ともに、世界的な金融緩和政策や非鉄金属の最大消費国である中国経済の早期回復等の影響から金属相場が上昇したことや財政状態の改善を目的とした国内外の資産売却益の計上もあり、業績は好転しました。
一方で、2018年度・2019年度においては、継続的な金属相場の下落が製錬事業では巨額の在庫評価損を実現させるなど、在庫管理を含めリスク管理に課題を残し、資源事業では営業損失・減損損失の計上を余儀なくするなど、市況リスクに対して脆弱であることを露呈しました。また、川下事業が相対的に成長しておらず、市況リスクの大きい資源・製錬事業という川上・川中事業への依存度が高いことも、業績悪化の要因となっております。結果、二期連続で最終赤字となり財政状態を大きく棄損するに至りました。
2021年度から始まる第12次中期経営計画においては、これら第11次中期経営計画期間の振返りを踏まえ、財政状態の健全性回復に注力し、諸課題に対する諸施策を着実に実行してまいります。また、SDGsへの対応といった社会的要請に対しても成長の機会と捉え、金属事業で培った技術・開発力を活かして、社会により貢献できる企業を目指してまいります。
(a) 当社の主要事業である製錬事業は、過去の在庫評価損益のマネジメントに改善の余地があったことを鑑み、在庫管理の厳格化による市況リスクへの耐性構築に加え、市場リスク管理委員会を新たに設立し、市場変動リスクを定期的、定量的にモニタリングすることで、リスク管理を厳格に進めてまいります。
(b) 資源事業においては、将来的に鉱山ポートフォリオの入れ替えを検討し、全体での市況リスクの適正化に努めてまいります。
(a) 電解鉄事業は、未開拓市場への注力等による増販、原料転換によるコスト削減を図ってまいります。
(b) 電子部品事業は、エネルギー変換の高効率化を支える商品の開発に注力し、電動車やロボット分野での増販を図ってまいります。
(c) 開発部を増強し、資源リサイクル及び電池材料、高純度電解鉄に関わる新製品の開発を推進してまいります。
③ 製錬事業の基盤強化
(a) 亜鉛製錬においては、国内市場の成熟化に適応すべく、コンパクトな製錬工程(設備稼働効率アップや工程合理化)への転換に加え、原料の多様化によるコスト競争力強化を図ってまいります。
(b) 鉛製錬においては、原料構成の最適化に加え、金・銀の増産により収益拡大を図ってまいります。
上記対策を通じてフリー・キャッシュフローの増大に努め、過去の業績で棄損した財政状態の早期改善に努めてまいります。
これまで当社グループでは、良き企業市民として存続し行動していくための行動指針である「東邦亜鉛グループ行動指針」に基づいたCSRへの取り組みを実行してきました。これを一層強化し、実現するべく国際連合によって採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を成長の機会と位置付け、金属事業で培った技術・開発力を活かし、社会により貢献できる企業を目指します。特にカーボンニュートラルについては、産業界と同様の方向性の中で、個社として実現に向けた体制強化を進めます。また、コンプライアンス及びリスク管理の重要性を改めて認識し、内部統制システムの一層の整備・充実を通じて持続的な発展と企業価値の増大を図るため、総力を挙げて取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
製錬事業の亜鉛及び鉛や銀の原料鉱石価格と製品価格は、LME(ロンドン金属取引所)やその他の国際市場の価格を基準としております。国際市場の価格は、需給バランスや投機筋の思惑、政治や経済の状況などから影響を受けて変動し、価格が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
亜鉛及び鉛の製錬事業の主原料である鉱石は、海外から輸入しておりますが、その買鉱条件である製錬費(T/C)は米ドル建てとなっていることと、各製品の国内販売価格は米ドル建て価格を円換算したものを基礎としているため、米ドルに対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。この関係は豪州で鉱山業を営む連結子会社CBH Resources Ltd.(CBH社)においても同様で、生産物である鉱石価格が米ドル建てであるため、豪ドル安が好影響をもたらします。そのため、為替相場が予想以上に急激かつ大幅に変動した場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループは根本的には市況の影響を相対的に受けにくい事業の収益拡大及び安定化を図っていくとともに、市況影響を受けやすい製錬事業・資源事業に多くを依存した当社グループの事業ポートフォリオの見直しが必要であります。また、当座の市況影響に対しては、市況変動のリスクヘッジを目的とした為替予約、商品先渡取引やオプション取引などを用いて対処いたします。市況の変動が2021年度業績に与える影響額については、以下の感応度を参照ください。
連結営業利益影響額のうち、( )内はCBH社の影響額であり、80.5円/豪ドルにより換算しております。
当社グループの主力事業である製錬事業の主原料である亜鉛及び鉛鉱石の確保は、経営上の重要課題です。亜鉛及び鉛鉱石は、すべてを海外の鉱山から調達しており、世界的な鉱石需給の状況や、鉱山における事故等不測の事態の発生は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には原料不足による減産による販売機会の喪失や、単位当たり原価の悪化による影響です。これらに対して、当社グループは自社鉱山の開発に努めるとともに、ペルー・豪州等の有力鉱山との間で長期買鉱契約を結ぶ等、安定的な原料確保を図っております。さらに、廃バッテリーの利用増等、鉱石以外の原料の多様化を図ってまいります。
当社グループの主力事業である製錬事業や資源事業は市況の影響を受けやすい業態です。市況のコントロールは難しいことから、計画通りの生産を行うことで販売機会を確保することが当社グループの業績には重要です。自然災害(地震や洪水などに加え新型コロナウイルス感染症の拡大といった病気の蔓延を含む)や操業上の事故・トラブルで操業に支障が生じて計画通りの生産が行えない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には減産による販売機会の喪失や、単位当たり原価の悪化による影響です。これらについては、長期的な計画に沿った予防的設備保守や、安全操業のための各種施策を確実に行ってまいります。
当社グループは、主に亜鉛・鉛・銀の原料鉱石の安定確保を目指して、豪州において自社開発鉱山を運営しております。しかしながら、鉱山の開発や運営には埋蔵量や操業状況などに関連して、想定外の採算や投資効率の悪化と言った不確実性リスクが不可避であり、経営成績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。具体的には採掘コスト増によるコスト高や減損損失の計上による影響です。
これらに対して当社グループは、現地の鉱山開発に精通した人員による慎重な採算性評価に基づく投資を行うとともに、投資後の開発においても不確実性の軽減に努めてまいります。また、鉱山開発には不確実性が伴うという性質を理解し、投資リスクを当社の財政状態の許容範囲内でコントロールしていくといった対応にも努めてまいります。
国内外の事業所においては、環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌、地下水等の汚染防止に努め、また、国内の管理鉱山については、鉱山保安法に基づき、坑廃水による水質汚濁の防止や堆積場の安全管理等、鉱害防止に努めておりますが、関連法令の改正等によっては、当社グループに新たな費用が発生する可能性があります。また、社会的要請としてのカーボンニュートラルへの取り組みにより、原材料の調達や製造工程等において、追加的な義務(コスト)や事業形態の変更などの可能性があり、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
なお、非鉄スラグの問題(当社が過去に出荷した非鉄スラグの一部における土壌汚染対策法の土壌環境基準超過及び不適切な使用・混入の問題)につきましては、再発防止のため、業務執行部門から独立した専門部署として「品質保証室」、「環境・安全室」を本社に新設しており、品質保証体制を強化するとともに、今一度、環境保全に対する意識を高め、これに取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は増収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに増益となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ」という。)拡大の収束が見通せないなか、前半は大きな影響を受けましたが、後半は早期に経済活動を再開した中国で順調に景気回復が進むと共に、欧米諸国における金融緩和政策の効果や、ワクチン接種の広がりもあり持ち直しに転じました。
日本経済も同様に、当初は、大幅に景気が落ち込む厳しい状況となりました。その後、政府による緊急経済対策や補正予算の効果も相まって、道半ばではありますが、回復基調となりました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、亜鉛の金属相場は、前年度末のコロナ影響による急落から一転して、中国での経済活動の早期回復もあり、期を通じて上昇相場となりました。しかしながら、期中平均では、期を通じて下落相場だった前期とほぼ同水準となりました。鉛についても、期中は緩やかな上昇基調でしたが、期中平均では前期比下落となりました。銀については、金相場に追随する形で8月以降大きく上昇し、期中平均でも前期比上昇となりました。
一方為替相場につきましては、米ドル/円相場は期を通じて緩やかに円高が進行し、期末に向けて米国長期金利上昇の影響により円安に転じたものの、期中平均では前期比円高となりました(円高は製錬事業の業績にマイナスの影響)。
豪州に鉱山会社(CBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」という。))を有する当社グループに影響を与える米ドル/豪ドル相場は、金属価格の上昇に伴い資源国通貨である豪ドルが強くなりましたが、期中平均(CBH社は12月決算であることから1月~12月)では前期並みとなりました。
当社グループの当連結会計年度の業績は、コロナ影響やCBH社エンデバー鉱山の休山はあったものの、内需の落ち込みを輸出で補い、加えて貴金属相場高及び増販もあり、売上高1,034億69百万円と前期比60億23百万円(6%)の増収となりました。
損益面では、買鉱条件や在庫評価損益の改善などから製錬セグメントで158億円の増益、エンデバー鉱山の休山等から資源セグメントで40億円の赤字縮小となりました。以上の結果、営業利益は58億94百万円と前期比201億11百万円、経常利益は54億19百万円と前期比198億57百万円の大幅増益かつ黒字転換となりました。また、将来を見据えたリストラ施策(CBH社ラスプ鉱山や国内製錬所設備の減損)を計上したものの、財務健全性の回復を目的とした国内外の資産売却に伴う売却益を計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は55億8百万円と前期比238億73百万円の増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
(単位:百万円)
亜鉛相場は、期を通じて上昇基調だったものの、期中平均では前期並みとなりました。販売面では、国内需要の落ち込みを輸出で補ったものの、前期比では減販となったこともあり、売上高は前期比3%の減収となりました。
鉛相場は、期中平均で前期比下落となりました。販売面では増販となったものの、売上高は前期比4%の減収となりました。
銀相場は、世界的な金融緩和政策等を受けて、金に追随する形で期中大きく上昇しました。加えて増販も寄与した結果、売上高は前期比51%の増収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、銀の相場高及び増販の影響が大きく、売上高は849億28百万円と前期比109億13百万円(15%)の増収となりました。損益面では、買鉱条件、加工費及び在庫評価損益の改善の影響が大きく、前期比158億58百万円の大幅な増益となり、営業利益は57億91百万円になりました。
なお、金属相場(月平均)及び為替相場(月平均)の推移は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
CBH社ラスプ鉱山においては、2020年7月より経済性向上を目的として約3割減産となる最適生産体制へ移行いたしました。これに伴い精鉱生産量が減少した事や、前期比(1月~12月)での金属相場安、エンデバー鉱山の休山等もあり、売上高は75億57百万円と前期比38億88百万円(34%)の減収となりました。一方当期の損益面では、エンデバー鉱山の営業損失が解消したこともあり、営業損益は14億36百万円の営業損失と、前期比40億8百万円の赤字縮小となりました。
(単位:百万円)
電動車への採用部品が多い電子部品事業では、電動車への転換が進んだことから車載向けの出荷が大幅に増えたものの、コロナ影響から民生向けが大幅減販となったこともあり、売上高は前期比4%の減収となりました。
自動車用特殊鋼向け及び電子・磁性材料向けの販売は順調であったものの、コロナ影響を大きく受けた航空機用特殊鋼向けの販売が不調となり、売上高は前期比37%の減収となりました。
《プレーティング》
プレーティング製品(各種電子機器の接点・接続端子に使用される金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、電動工具電池端子用が落ち込み、売上高は前期比7%の減収となりました。
タイヤ用バランスウエイトは自動車ライン向けが減少し、粉末冶金は一般産業機器向けが低調となったことから、売上高は前期比21%の減収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は41億33百万円と前期比7億95百万円(16%)の減収、営業利益は2億66百万円と前期比1億68百万円(39%)の減益となりました。
(単位:百万円)
主力製品の酸化亜鉛は、コロナ影響により主要ユーザーであるタイヤメーカーの生産が前期比大幅な減産となったことから、通期では前期比減販となりました。硫酸リサイクル事業もコロナ影響により低調に推移しました。以上の結果、当事業部門の売上高は37億11百万円と前期比4億69百万円(11%)の減収、営業利益は9億17百万円と酸化亜鉛のげんか低減もあり前期比1億54百万円(20%)の増益となりました。
(単位:百万円)
コロナ影響による受注減や工事進捗遅れ等で土木・建築部門は減収となりましたが、プラントエンジニアリング事業は前期にあった不採算案件に係る損失が解消したこともあり、前期比減収増益となりました。
(単位:百万円)
医療機関向けX線遮蔽用鉛板は需要の増加により増販となったものの、制振遮音材は住宅着工数の減少等により販売が振るわず、前期比で減収となりました。
運輸事業は、運送荷物やリサイクル原料等の扱い量の増加などにより、売上高は前期比15%の増収となりました。
以上のほか、環境分析事業を合わせた当事業部門の売上高は72億96百万円と前期比4億61百万円(7%)の増収、営業利益は5億83百万円と前期比1億67百万円(40%)の増益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、土木・建築・プラントエンジニアリング、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は499億1百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は59億34百万円となっております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、過去の業績悪化により棄損した財政状態の早期立て直しが当社グループの喫緊の課題となっております。この一環として2021年3月30日に、前期から引き続きシンジケート方式による160億円のコミットメントラインを契約し、財務基盤の強化を図っております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ36億97百万円減少し、1,136億35百万円となりました。これは金属相場上昇の影響から売上債権の金額は増加したものの、財務健全性回復を目的とした在庫圧縮や資産リストラによる減損などにより減少したものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ88億53百万円減少し、721億71百万円となりました。これは主に、在庫圧縮等の財務健全性回復施策により有利子負債を65億円削減したためです。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益55億8百万円の計上もあり、前連結会計年度末に比べ51億55百万円増加し、414億64百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において36.5%となり、前連結会計年度末に比べ5.5ポイント上昇しております。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ22億73百万円減少し、当連結会計年度末は59億34百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、43億13百万円の収入(前期比24億9百万円の収入減)となりました。前期比大幅な利益増となったものの、金属相場上昇に伴う運転資金需要増などもあり、営業活動によるキャッシュ・フローは収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、45百万円の収入(前期比114億64百万円の支出減)となりました。これは財政状態の改善の一環としての設備投資見直し、有価証券・海外事業の売却等を実施したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは66億13百万円の支出(前期比92億73百万円の支出増)となりました。これは主に、財政状態改善のために資産売却や在庫の圧縮等の有利子負債削減施策を行ったことによるものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは長年培ってきた素材、製錬等の技術をベースに工程効率化、原料多様化、製品品質安定化のための研究開発に努力しております。また、電子部品、電子材料など来るべき電化社会のニーズに合致した製品の開発を長期的視野に立って鋭意行っております。
研究開発拠点としては、安中製錬所内に技術開発本部開発部新事業創造ラボを設置し、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルのような中長期の社会的要求に合致した電池材料、資源リサイクル等に関する研究開発を経営のトップダウンにより進めております。特に高純度電解鉄のさらなる需要拡大と新規用途開発を目指した研究活動に注力しております。
その他各製錬所では現場密着型の研究組織を配置し、製錬プロセスの高度化・効率化のための研究開発に加えて、製錬インフラを活用した環境・リサイクル事業の推進に重点を置いた研究を行っております。また、電子部品に関しては東邦亜鉛テクニカルセンターが研究開発を担っております。同時に大学、外部研究機関との共同研究、提携研究も積極的に行っております。
なお、当連結会計年度中に支出した研究開発費は
セグメント別の主な研究開発の内容は、次のとおりであります。
① 製錬部門は徹底的なコストダウン及び品質向上のためのプロセス改善に取り組んでおります。特に電力代の大幅アップに対する技術改善やエネルギー改善に努力しております。今後とも工程効率化対策や省エネルギー対策に取り組んでまいります。
② 素材、製錬等の技術をベースとした廃棄物再資源化や、鉱石中有価金属の回収促進のための技術開発に努力しております。
電気電子機器の小型化、軽量化と高効率化に貢献できる様、最適構造を有する電子部品の開発はもとより、コイル、トランスの性能を決定づける高機能、高性能の磁性材料研究を進めています。
プレーティング材料は需要家ニーズに応えるため、より精密な製品についての技術開発を続けております。
電解鉄の優れた機能をより引き出して製品化するため、技術開発本部開発部新事業創造ラボにおいて、大学や外部研究機関と提携し研究を進めております。
低品位かつ難処理原料からの有価物回収に取り組んでおります。
以上のように、顧客ニーズへの対応を第一に、従来の技術の応用のほか、新規素材、新規製品を世に送り出すため、研究人員、研究インフラ、生産設備を並行して充実する努力を続けております。