第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、独創的なアイデアのもとに開発した製品を、経済的に生産して、適正なる価格で販売することにより、株主をはじめとする社会の方々に貢献するとともに、社業の発展をはかることを基本目的としております。経営活動においては、信用を第一とし、堅実経営に徹する一方で進取的な経営姿勢をとり、常に新しい分野へのチャレンジを行っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、すべての企業活動の源泉となる利益の確保のため、売上高経常利益率6.5%以上を第1の目標としております。そして経営の安定化及び将来のいかなる変動にも対応できるように実質無借金経営を維持します。

 

(3) 経営戦略

当社グループはステンレス管、同条鋼、同加工品を主力製品としており、ステンレス業界ではユニークな存在として評価されております。経営的には、川上作戦、川下作戦を展開しており、ステンレス帯鋼の冷間圧延、スリット加工から最終は家庭用金物製品(物干し竿など)まで幅広く事業を展開し、付加価値の拡大と新需要の開拓に努めております。また、社内で使用している専用設備の大半は自社で設計製作しており、経営面の大きな強みとなっております。さらに、販売面におきましても各地に配送センターを設置し、流通機能取り込みによる物流コストの削減と情報収集の強化など、販売力の強化を実行しております。

現在、この流通機能取り込みによる販売拡大を経営の最優先課題としております。また、製品の品質を高め、自動車関係などのユーザーを開拓することを第二の課題としております。

 

(4) 会社の対処すべき課題

次連結会計年度は、米中貿易摩擦および中国景気の低迷等により厳しい状況が予想されます。当連結会計年度第4四半期は前年同期に比べ販売数量は約10%低下しておりますが、前連結会年度の材料価格の上昇に伴う売価の値戻しを行ったため、売上高は約5%の低下にとどまっております。次連結会計年度は、当連結会計年度第4四半期のような状況が継続すると予想されるため販売数量の減少による工場稼働率の低下等による減益を予想しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載いたしました事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、パイプ製造設備などを自社で設計し製作することで技術力を維持向上させ、また、原材料の冷間圧延・スリット加工から家庭用金物製品に代表される主にパイプを使用した一般顧客向け製品の開発までを手がけ、付加価値の向上に努めております。

しかしながら、上記の戦略ですべての状況に対応できる保証はなく、たとえば海外製品の流入などにより販売価格が下落して採算が悪化し、又は顧客の海外進出に伴って販売量が減少するなどにより、その製品の製造販売からの撤退を余儀なくされ、売上高が減少したり、製造設備の廃棄などに伴う損失発生などにより、利益の確保が困難になる可能性は否定できません。

次に、当社グループの主力製品のパイプや条鋼の販売価格と主要な原材料であるコイル材等の仕入価格には当社グループではコントロールできない市場価格があり、絶えず需要と供給のバランスで変動しております。基本的には、原材料価格が上下すれば製品価格も上下する相関関係にはありますが、必ずしも同時にまた同程度で変動するとは限りません。そのため、原材料価格が上昇しても、同時にまた同程度で製品価格が上昇しないことになれば、製品価格が適正な価格に上昇するまでの間は収益が圧迫されることになり、その期間が長引き又はその状態が恒常化すれば、その製品の製造販売から撤退せざるを得ない状況になる可能性もあります。また、原材料価格と製品価格が同時にまた同程度で下落したときでも、同じ量を販売しても売上高が減少することになり、その程度によっては、いわゆる固定費を吸収しきれず利益が確保できない可能性があります。

また、原材料は輸入材に頼る部分も多いため、為替変動リスク、カントリーリスクなどにより業績に影響を与える可能性があります。

 

なお、上記は当社グループの事業の特性と考えられる部分について限定的に記述したものであり、当社グループの事業等のリスクを上記内容に限定するものではなく、また、これら以外のいかなる事態の発生及びリスクの可能性を否定するものではありません。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、概ね好調でありましたが、年明け以降は世界経済の減速感により、輸出、生産が弱含み、景況感も悪化傾向にあります。企業部門ではコストの増加影響もありますが、省力化投資など設備投資の増加基調は続いています。家計部門では、企業の人手不足感が強まる中、賃金、個人消費ともに緩やかに持ち直しています。世界景気は、米中貿易摩擦の影響が徐々に米中両国の実体経済にダメージを与えつつあり、先行き不透明感が高まっています。

当社グループが属しておりますステンレス業界は、概ね需要が堅調に推移しましたが、年明け以降は一部流通での在庫調整の動きがあり、先行きは注視が必要です。

このような状況下におきまして、当社グループの当連結会計年度における売上高は440億12百万円(前年同期比4.3%増)となりました。販売数量は伸び悩みましたが製品価格の値上がりにより、売上高は増収となっております。また収益面におきましては、材料価格の値上がり等による製造コストの増加により、営業利益は46億68百万円(前年同期比9.8%減)、経常利益は為替差益等により、50億47百万円(前年同期比4.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、耐震対策費用等により、34億10百万円(前年同期比8.0%減)となりました。

 

各セグメントの状況は次のとおりです。

(日本)

日本事業の売上高は422億48百万円(前年同期比4.0%増)、セグメント営業利益は44億95百万円(前年同期比10.4%減)となりました。製品部門別の売上高は以下のとおりです。

ステンレス管部門は、配管用・建材用は材料価格の値上がりを製品価格に転嫁し、加えて、自動車向けや給湯器向けの小径管も好調であったため、売上高は224億21百万円(前年同期比4.4%増)となりました。

ステンレス条鋼部門は、数量は微減となりましたが、製品価格の値上がりにより、売上高は116億65百万円(前年同期比3.7%増)となりました。

ステンレス加工品部門は、物干竿等の家庭用金物製品が不振で、売上高は18億83百万円(前年同期比2.4%減)となりました。

鋼管部門は、建設仮設材用の数量は減少しましたが、製品価格の値上がりにより、売上高は51億98百万円(前年同期比2.7%増)となりました。

機械部門は、取引先の旺盛な設備投資意欲に支えられ、販売台数を伸ばし、売上高は10億79百万円(前年同期比17.7%増)となりました。

 

(インドネシア)

インドネシア事業は、好調な四輪向けに加え、二輪にも復調の兆しがあり、売上高は12億57百万円(前年同期比17.9%増)となりました。セグメント営業損益は1百万円の損失と、前年度に比べ17百万円の改善となり、黒字化まであと一息というところまできました。

 

(その他)

その他事業の自転車販売は、セール等を試みるも消費に盛り上がりを欠き、売上高は5億5百万円(前年同期比0.0%増)となり、不採算店1店を閉鎖したため、セグメント営業損益は36百万円の損失となりました。

 

 

② 財政状態の状況

当社グループの当連結会計年度末の総資産は535億69百万円となり、前連結会計年度末に比べて25億70百万円増加いたしました。これは、現金及び預金の増加22億80百万円、受取手形及び売掛金の減少6億8百万円、電子記録債権の増加3億62百万円、たな卸資産の増加8億6百万円、投資有価証券の減少5億46百万円、退職給付に係る資産の増加1億31百万円などによるものであります。負債の部は2億88百万円増加いたしましたが、その増減の主なものは、電子記録債務の増加6億98百万円、未払法人税等の減少3億19百万円などであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動により40億44百万円の収入となり、投資活動により9億48百万円、財務活動により8億47百万円それぞれ支出となりました。これらの結果、現金及び現金同等物の残高は、期首に比べて22億80百万円増加し67億52百万円(前年同期比51.0%増)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の49億28百万円に加え、仕入債務が6億50百万円増加しましたが、たな卸資産の増加7億98百万円、法人税等の支払額17億68百万円などにより、営業活動全体では40億44百万円の収入(前年同期比6.9%増)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出9億10百万円などがあり、投資活動全体で9億48百万円の支出(前年同期は13億86百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払い4億76百万円、自己株式の取得による支出3億円などにより財務活動全体では8億47百万円の支出(前年同期は10億80百万円の支出)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

 

 

ステンレス管

21,854

4.3

ステンレス条鋼

6,155

4.3

ステンレス加工品

1,897

△2.8

鋼管

5,253

2.9

機械

1,085

20.3

インドネシア

1,266

18.8

その他

合計

37,513

4.6

 

(注) 1 上記金額は販売価額で示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記金額には消費税等を含めておりません。

 

b 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

 

 

ステンレス管

908

24.8

ステンレス条鋼

4,610

5.6

ステンレス加工品

鋼管

17

△17.2

機械

インドネシア

その他

316

△9.0

合計

5,853

7.2

 

(注) 上記金額には消費税等を含めておりません。

 

 

c 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

 

 

 

 

ステンレス管

 22,198

 △0.6

 3,141

△6.6

ステンレス条鋼

 11,670

 3.7

 75

 7.2

ステンレス加工品

 1,922

△0.3

136

39.3

鋼管

 5,312

5.0

706

19.3

機械

 1,038

 0.2

241

△14.6

インドネシア

 1,270

18.0

115

12.8

その他

 505

0.0

合計

 43,919

1.7

4,417

△2.1

 

(注) 1 受注残高には、継続的な取引先からの受注内示は含めておりません。

2 上記金額には消費税等を含めておりません。

 

d 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

 

 

ステンレス管

22,421

4.4

ステンレス条鋼

11,665

3.7

ステンレス加工品

1,883

△2.4

鋼管

5,198

2.7

機械

1,079

17.7

インドネシア

1,257

17.9

その他

505

0.0

合計

44,012

4.3

 

(注) 1 上記金額はセグメント間の取引については相殺消去しております。

2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

3 上記金額には消費税等を含めておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要となる事項は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載しております。

なお、この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は440億12百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は46億68百万円(前年同期比9.8%減)、経常利益は50億47百万円(前年同期比4.8%減)となりました。

当社グループは、中期計画等は作成しておりません。当社の主要製品であるステンレス鋼の主原料であるニッケルの市況価格は、需給関係のみならず、金融市場の状況によっても大きく変動します。また、アロイリンク方式によって、その原材料の変動を製品価格にある程度転嫁できる仕組みもあります。このため売上高がニッケル市況のみで上下する場合があり、中期計画の意味をなさなくなることがあります。そのため当社は年次計画のみを経営計画としております。また、経営成績等に関わる経営指標の目標として売上高経常利益率6.5%以上をクリアすることに努めております。

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「日本」セグメントにおける主な事業である「ステンレス関連」事業において、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおり、販売数量は伸び悩みましたが、製品価格の値上がりにより売上高は増収となりました。材料価格の上昇による製造コストの増加、固定費の増加等の要因により経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、減益となりました。

なお、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの主力製品のパイプや条鋼の販売価格と主要な原材料であるコイル材等の仕入価格には当社グループではコントロールできない市場価格がありますが、次連結会計年度は販売数量の減少による工場稼働率の低下等により減益を予想しております。

「インドネシア」セグメントは、好調な四輪向けに加え、二輪にも復調の兆しがあり、黒字化まであと一息というところまできました。

当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性については、運転資金並びにステンレス建材倉庫の新設及びステンレス管造管設備の新設及び改修などの設備投資資金を当期純利益及び減価償却費による内部留保でまかなったことにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は22億80百万円増加し67億52百万円(前年同期比51.0%増)となりました。金融機関からの資金調達につきましては、安定的な資金を調達できるように総額20億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、新製品の開発、生産性の向上のための生産方式の開発、製品の高付加価値化とコストダウンなどをテーマとして採り上げ、積極的に研究開発活動を推進しております。また、顧客からの高度化する要望に応えるために、基礎技術のレベルアップはもちろんのこと将来を見据えた生産方式の開発を進めることで高品質な製品の安定供給をめざしています。さらに、働き方改革を進めるために今まで以上の生産性向上に向けた取り組みを進めています。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は66百万円であります。

 

当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況は、次のとおりであります。

(日本)

ステンレス管部門では、給湯器熱交換器用に新しい材質を用いた新製品の開発に取り組み量産化に結び付けました。また、配管用の新サイズを製品化するとともに、昨年度開発した中径薄肉管の熱処理方式を小径薄肉管へ展開しました。

ステンレス条鋼部門では、生産性の向上とコストダウンに向けた工程の見直しを実施しました。また、リードタイムの短縮を主眼として社内工程比率をアップさせる改善を進めました。

ステンレス加工品部門では、要望が多かった室内用物干製品の機能アップ改良を加え発売を開始しました。また、新たな製品として加工管の開発を進め量産化の目途を立てました。

鋼管部門では、生産性向上の向け設備オペレーターの負荷軽減改良を実施するとともに、品質向上のための諸改善を進めました。また、工場拡張の際にレイアウトを見直すことで生産効率をアップさせました。

機械部門では、生産性向上のために切断機のサイクルタイム短縮への取り組みを開始しました。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は66百万円であります。

 

(インドネシア)

ステンレス管部門では、製品の競争力強化を主眼とした生産技術の革新などの研究開発を行っております。当連結会計年度では、特筆すべき成果はありませんでした。

なお、当連結会計年度における研究開発費の支出は僅少であります。