第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 経営方針及び経営環境

私たちを取り巻く世界や日々の暮らしは変化を続けております。しかし、より豊かで快適な住まいで暮らしたいという人びとの願いは、いつの時代も変わりません。

「LIXIL’s Purpose」(存在意義)は、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」にあります。この存在意義こそが、当社グループが製品やサービスの提供を通じて人びとの住まいと暮らしを支え、持続的な成長を通じて社会に貢献するための指針となっております。

また、当社グループで働く従業員は強い目的意識を持ち、日々の業務の中で「LIXIL Behaviors」(3つの行動)を実践することで、存在意義の実現に取り組んでおり、当社グループの価値創造の原動力となっております。

 

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上記の「LIXIL’s Purpose」のもと、当社グループは、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水回り製品と窓、玄関ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しております。また、ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しております。世界150カ国以上で事業を展開する当社グループは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えております。

 

当社は、起業家精神にあふれ、高い競争力を持ち、持続的な成長を通じて社会に貢献できる組織の構築に向けて、様々な変革を進めてまいりました。当社の完全子会社であった株式会社LIXILとの合併を2020年12月に完了し、持株会社体制からより迅速な意思決定を可能にする事業会社体制へと移行して、新生LIXILとして新しいスタートを切りました。この合併は、このような組織変革における大きな節目であり、機動的な組織の構築、意思決定の迅速化やガバナンスの強化を通じてさらなる企業価値の向上につながるものと考えております。

 

 

この2年間、私たちは、2011年の5社統合によるスタート以来10数年間で最も大きな事業環境の変化に直面し、適応力と弾力性を兼ね備えた組織への転換を迫られました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、私たちのライフスタイルは大きく変わり、国内外の事業環境においても様々な変化が加速しました。各国・各都市におけるロックダウンにより、原材料から最先端の半導体部品に至るまで厳しい調達難に直面し、価格が高騰しました。また、サプライチェーンの寸断や物流のひっ迫を受け、生産の一部を日本に移管して部品の安定供給を確保いたしましたが、その反面、製造コストの増加につながりました。

さらに、コロナ禍において自宅で過ごす時間が増えたことで、消費者の購買行動のデジタル化が進みました。在宅勤務への移行が加速する中で、より柔軟な働き方を求める人が増えております。優秀な人材の獲得競争が激化する中、企業には、従業員が潜在能力を十分に発揮でき、キャリアを伸ばし、働き甲斐を実現できる環境を提供することが求められております。

加えて、年明けには現代において起こり得るとは誰もが予測し得なかった武力紛争が欧州で勃発し、混乱はさらに加速いたしました。これにより、さらなる原材料不足、資材・エネルギー価格の急騰、及び世界の輸送網の混乱を招きました。

 

過去40年で最も急速な物価上昇が発生している海外市場もあり、インフレ圧力に拍車がかかっております。これに対し、各国の中央銀行は政策金利の引き上げに踏み切りましたが、住宅や関連製品の需要への影響はいまだ計り知れない部分があります。私たちは今、大きなパラダイムシフトを経験しております。これまで長らく通用してきたビジネスの前提条件は、もはや成立しなくなってきております。

 

このような変化に対応するためには、価格の適正化をより柔軟に行うなどの短期的な施策と、グローバル人材戦略を推進するための長期的な施策の両方が必要です。これらの施策を通じて、顧客志向を徹底し、外部環境に対する組織の弾力性を高めることができると考えております。

原材料、生産、物流のコスト増に対しては、コスト低減を図るため、引き続き代替素材への転換などを進めるとともに、販売価格への転嫁を推進いたします。欧米などの海外市場では当たり前のことですが、日本ではこれまで、デフレ経済を背景に価格上昇への抵抗が強く、価格転嫁が思うように進みませんでした。しかしながら、多業種にわたる企業が卸・小売の双方において値上げを実施する中、消費者からも一定の理解が得られるようになってまいりました。

一方で、供給網の寸断に対応するため、サプライチェーンの冗長化を進めるとともに、ベトナムや中国で生産していた部品の一部を日本で代替生産することで納期を担保しております。また、原材料価格が高騰する中、一部の製品においては、銅から安価な亜鉛や樹脂製部品に代替していくなどの施策も進めております。

また、リスク低減のため、部品の共通化も進めてまいりました。さらに、コロナ禍の先行きが不透明な中で消費者の購買行動は変化し、馴染みがあり、安心感を与える製品が求められるようになりました。これにより、安定供給の確約ができる一定の製品への絞り込みが可能となりました。

事業へのインパクトはまだ限定的ですが、気候変動の影響も重要な問題です。既に生産施設に影響を及ぼしかねない異常気象が増加しております。気候関連リスクを低減し、レジリエンスを高めるために、固定費の削減やプラットフォーム化の拡充による柔軟な生産体制の構築を進めております。

気候変動の問題に根本から立ち向かうためには、私たちの職場や生活環境を抜本的に変える必要がありますが、当社グループはその変革を牽引してまいります。日本では、既存住宅の90%以上にあたるおよそ6,200万戸が現行の省エネ基準を満たしていないと言われておりますが、当社グループの高断熱の窓やドア、壁・天井・床など家全体の断熱性を高めるリフォーム工法により、こうした住宅のエネルギー効率を向上させることができます。それが冷暖房の節約につながり、日本の脱炭素化に大きく貢献することが可能となります。

また、当社グループでは、アルミサッシや樹脂サッシにおけるリサイクル素材の利用、廃プラスチックや廃木材を利用した循環型素材の開発・製品化を進めております。これらの事業活動を通じて、資源の循環利用を促進することで、環境負荷の低減と温室効果ガスの削減に貢献してまいります。

日本における高品質な住宅に対する需要、従来型の建替えにかかるコスト増は、リフォーム需要の拡大につながると考えております。リフォーム用商材を拡充し、リフォームのメリットを示すことで、新築市場が縮小する傾向にある日本においても、持続的な成長を実現することができます。

さらに、社内においても、本社の縮小と移転、生産体制の再構築、人員配置の最適化など、様々な取り組みを行っております。これらの施策により、無駄を省き、生産性と収益性を高めてまいります。

 

 

加えて、当社グループでは、ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを通じて社会に貢献することを目指し、当社グループにて培った技術や知見を活かして、グローバルな社会課題への対応を継続的に進めてまいりました。具体的には、事業を展開する地域で特に緊急性が高く、当社グループの専門性や事業を通じて貢献できる社会課題を特定し、その解決に向けて、コーポレート・レスポンシビリティ(CR)戦略に基づく重点的な施策を推進しております。事業活動を通じて社会に貢献することは、企業としての使命であり、社会全体に利益をもたらすだけでなく、当社グループの長期的な持続可能性を高める上でも非常に重要であると考えております。

当社グループは、CR戦略の3つの優先取り組み分野として「グローバルな衛生課題の解決」、「水の保全と環境保護」、「多様性の尊重」を掲げており、それに加えて「強固なガバナンス基盤の構築」を通じて、企業としての存在意義の体現を目指しております。

 

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[ 重要課題の特定について ]

当社グループは、持続可能な社会を実現するため、当社及びステークホルダーの皆さま、並びに社会にとって重要性が高く、持続可能な成長や企業価値の向上に向けて取り組むべき課題を「重要課題」として特定いたしました。これらの重要課題に対応する目標の進捗状況を確認しながら、事業活動を通じて解決に取り組んでおります。

 

重要課題は、社会の現状や課題とともに、LIXIL’s Purpose(存在意義)や価値創造プロセス、中期計画、コーポレート・レスポンシビリティ(CR)戦略などの事業戦略、ステークホルダーのニーズや期待などを踏まえ、リスク及び機会の両面から課題の抽出や評価を行い、特定されております。また、当社グループ及び社会を取り巻く環境の変化に合わせ、重要課題の見直しを行っております。起業家精神にあふれ、持続的な成長を通じて社会に貢献できる組織の構築を目指し、中期計画の4つの柱に基づいた主要施策を着実に推進しております。

 

前連結会計年度においては、所定のプロセスに基づき、2016年3月期に特定した重要課題の見直しを行い、20の重要課題を特定いたしました。各重要課題については、ESG評価機関における重みづけを踏まえたリスクの度合いや、当社及びステークホルダー、社会への影響度の観点から、下記の優先度を設定しております。

 

① 「優先」

当社が強みを活かして主体的に取り組むことにより、課題解決に大きく貢献し、ステークホルダー及び社会に大きな影響を与えうる領域。ステークホルダーのニーズに基づき、取り組みを強化すべき領域。

② 「高」

ステークホルダーのニーズへの対応、及び事業継続上の適正なリスク管理の観点から、取り組むべき領域。

③ 「中」

事業活動の基本として、ステークホルダーからも要請され、適切に取り組むべき領域。

 

「優先」に位置付けられた重要課題は、CR戦略の3つの優先取り組み分野に特に深く関連しており、これらの重要課題を基軸に、CR活動をさらに加速しながら取り組みを進めてまいります。

 

 

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[ 気候変動への取り組みとTCFD提言への対応について ]

「気候変動の緩和と適応」への対応については、当社グループは、2019年3月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明いたしました。TCFD提言を踏まえ、気候変動問題が当社グループに及ぼすリスクと機会を特定・評価し、執行役会及び取締役会へ報告・承認を経て、環境戦略に反映させる取り組みを進めております。

 

<ガバナンス>

当社グループでは、執行役会から任命を受けた担当役員が委員長を務める環境戦略委員会を設置しております。環境戦略委員会は、四半期に1回以上開催し、環境ガバナンスに関わる規程や方針の制定、気候変動から生じるリスクや機会を含む環境課題に対する施策の審議と決定、当社グループ全体の環境目標管理とモニタリングなど、環境戦略の構築と実行を実施しております。環境戦略委員会で協議・決議された内容は、CR委員会を通じて四半期ごとに執行役会に報告されております。執行役会は、環境課題を含めた重要課題に関する目標や実行計画について協議・承認し、取締役会は、それらに対する進捗状況を半期ごとに報告を受け、議論・監督を行っております。

 

<戦略>

当社グループでは、気候変動が短期・中期・長期の視点で自社のバリューチェーンにもたらす政策・規制や市場変化による移行リスク、異常気象などの物理リスクの中で、特に事業への影響が大きいと想定されるリスクと機会を特定するためにシナリオ分析を実施しております。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑える」ことを想定した政策移行の影響が大きいシナリオ(1.5℃シナリオ)、及び環境規制が強化されず物理的リスクが高まるシナリオ(4℃シナリオ)の2つの世界観を想定しております。この2つのシナリオにおいて気候変動がもたらすリスク及び機会を特定し、その財務影響を可能な限り定量化し、当社グループの環境戦略に反映させることで、事業の持続的成長や将来リスクの低減につなげ、企業としてのレジリエンスを高める取り組みを進めております。

 

主要な気候関連のリスクと機会

リスク

移行

① カーボンプライシング導入による操業コストの増加

② 市場の変化による原材料・部材調達コストの増加

物理

③ 台風や洪水等による自社工場の被災による売上機会の喪失

機会

④ 日本の家庭部門CO2削減目標実現に向け、新築住宅のZEH普及や既築住宅の省エネリフォーム拡大に向けた高断熱・省エネ・創エネ商材などの需要増加

⑤ 低炭素材料の利用や資源の環境性に配慮した商材などの需要増加

⑥ 災害対策・災害復興商材などの需要増加

 

■主要な気候関連のリスクと機会への対応状況

①  カーボンプライシング導入による操業コストの増加

事業所(特に製造拠点)のCO2排出量を削減するために、生産効率性の向上、不良率の良化、燃焼効率の改善、トップランナー機器への更新等を進めております。また、太陽光発電システムの設置や経済合理性のある再生可能エネルギーの調達を進めております。今後は、カーボンプライシング価格やグリーン電力証書価格等の動向を踏まえた再生可能エネルギー調達手段の最適化、中長期での戦略的な省エネルギー投資を後押しするためのより実効性のあるインターナルカーボンプライシング制度の導入検証、長期的な脱炭素技術の開発・導入を促進していくための製造技術や製品材料の開発を進めてまいります。

 

②  市場の変化による原材料・部材調達コストの増加

原材料・部材の調達によるCO2排出量を削減するために、市中アルミ資材をはじめとした低炭素原材料・部材への切り替え、製品の薄肉化、部品点数削減などを進めております。今後は、サプライヤーとの協働を通じた製品の安定供給と責任ある調達に加えて、CO2削減に向けた連携を強化してまいります。

 

 

③  台風や洪水等による自社工場の被災による売上機会の喪失

大規模自然災害を想定した際のリスクとして、当社の本社、事業所、工場含む全域における被害想定をもとに、各工場における事業継続計画(BCP)活動を実施し、災害リスクの最小化を進めております。また、製品供給における対策として調達先の適正化、適切な在庫確保、バックアップ生産体制の構築などを進めております。他にも当社及び国内の連結子会社が所有・使用・管理する固定資産が、火災や風水災等の不測かつ突発的な事故に遭った際に補償する保険プログラムに加入しております。

 

④  日本の家庭部門CO2削減目標実現に向け、新築住宅のZEH普及や既築住宅の省エネリフォーム拡大に向けた高断熱・省エネ・創エネ商材などの需要増加

世界の最終エネルギー消費のうち、約3割が建築に起因し、日本での一般的な住宅における消費エネルギーのうち約6割を冷暖房と給湯が占めています。また、日本の住宅の高性能化は欧州などに比べて遅れており、日本の既存住宅の約9割は現行の省エネ基準を満たしておらず、断熱効果の高い「窓」の果たす役割は非常に大きく、地球温暖化対策に向けたドライバーになり得ます。

当社グループは、高い断熱性能や節湯・節水性能、創エネ機能などCO2排出量の削減に貢献する製品・サービスを提供する企業として、住宅・建築物のCO2排出削減に果たす責任は大きいものと認識しております。特に、国内の新築市場は縮小傾向のため、既築住宅の高性能化リフォーム推進が重要な課題となります。住宅1棟をまるごと断熱改修する高性能住宅工法、開口部を簡単に断熱改修できるリフォーム窓・ドア、節湯・節水に貢献する節湯水栓・シャワーや節水型トイレなどの水まわり製品を通じてリフォーム活性化に貢献してまいります。また、新築住宅向けの製品についても、窓のリーディングカンパニーとして当連結会計年度にすべての窓シリーズ製品の刷新を行い、2026年3月期までに高性能窓比率100%を目指しております。

 

⑤  低炭素材料の利用や資源の環境性に配慮した商材などの需要増加

調達・製造時にCO2を多く排出する原材料・部品の価格高騰、石油由来のプラスチックに関する規制強化、サーキュラー・エコノミーの台頭による消費者嗜好の変化等の市場変化に対応していくために、製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、長寿命化とリサイクル性を考慮した設計を進めております。

樹脂フレームのリサイクル材使用率を従来品よりも約3倍に拡大した樹脂窓、再生樹脂及び再生木粉を利用した人工木デッキ、Cradle to Cradle認証を受けたGROHEブランドの水栓、スパウト(吐水口部分)だけを後から浄水機能付きスパウトに取り替えられるアップグレード可能なキッチン用水栓など、消費者の選択肢を広げサステナブルな暮らしを提案する製品・サービスの開発と提供を進めてまいります。

 

⑥  災害対策・災害復興商材などの需要増加

台風や豪雨といった自然災害被害の増加や猛暑による熱中症の増加に伴い、今の窓に簡単に取り付け可能で台風時の強い風による飛来物から窓を守るシャッター・雨戸、強い日差しを窓の外側でカットする「スタイルシェード」、断水時には洗浄水量を5リットルから1リットルに切り替えられるパブリック向け衛生陶器「レジリエンストイレ」等の気候変動への適応に資する製品の開発と提供を進めてまいります。

また、熱中症やヒートショックを引き起こす一因である室内温度と冷暖房の効率の重要性についてステークホルダーとともに考える多様な活動「THINK HEAT」や、災害から家族を守る家をつくるための活動「減災プロジェクト」を推進しております。

 

<リスク管理>

当社グループは、気候関連のリスク及び機会については環境戦略委員会の責任のもとでTCFDの提言に基づいたシナリオ分析を行い、重要なリスク及び機会を特定し、影響の度合いを評価しております。気候関連の移行リスク及び機会を事業等のリスクにおける戦略リスク、物理リスクをオペレーショナルリスクと紐づけることで、組織全体の総合的リスク管理との整合を図っております。

リスク管理においては、それぞれのリスクの重要性を判断した上で、あらゆる階層の組織で対応策を立案、実行し、進捗状況をモニターすることで、継続的に改善する活動を展開しております。特に、気候関連の移行リスク及び機会への対応については、環境戦略に反映させ、環境目標・実行計画に落とし込み、環境パフォーマンス向上やリスク管理に関わる施策を推進・展開し、その進捗の監視と振り返りを行うプロセス構築を進めております。

 

 

<指標と目標>

当社グループは、環境ビジョン「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、2050年までに事業プロセスと製品・サービスによるCO2排出量を実質ゼロにすることを目指しております。環境ビジョンに向けた中間目標である2030年までのCO2削減目標を従来のScience Based Targets (SBT)が示す2℃水準から1.5℃水準へ上方修正し、2031年3月期までにScope1,2によるCO2排出量を2019年3月期比で50%削減、Scope3によるCO2排出量を同期比で30%削減を目標としており、SBT認定を更新する計画であります。

一方、脱炭素社会の実現には住宅の高性能化・省エネ化が喫緊の課題であり事業機会となります。住宅・建築物で使用されるエネルギーや水の削減に貢献する環境配慮製品を拡充し、持続的な成長を達成していくため、気候関連の機会を評価する指標として、住宅・建築物で使用されるエネルギーや水の削減に貢献する環境配慮製品の販売構成比(高性能窓、節湯水栓、節水型トイレなど)を日本事業から優先的に設定いたしました。

 

気候関連のリスク及び機会を評価する指標

目標

リスクへの

対応

Scope1,2によるCO2排出量

2031年3月期までに50%削減(2019年3月期比)

Scope3によるCO2排出量(注)

2031年3月期までに30%削減(2019年3月期比)

Scope1~3によるCO2排出量

2051年3月期までに実質ゼロ

機会への

対応

戸建住宅向け高性能窓の販売構成比(日本)

2026年3月期までに100%

節湯水栓・節水型トイレの販売構成比(日本)

2031年3月期までに100%

(注)製品使用において間接的に消費される給湯エネルギーなどに由来した排出量は除いております。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、起業家精神にあふれ、持続的な成長を通じて社会に貢献できる組織の構築を目指し、中期計画の4つの柱に基づいた主要施策を着実に推進しております。

 

[ 中期計画の4つの柱 ]

1.持続的成長に向けた組織を作る

当社グループは、変化に俊敏に対応できる環境を構築するため、組織文化の変革を進めております。従業員が起業家精神を発揮し、活発な意見交換や実験的な取り組みを行える組織風土を醸成していきます。また、従業員が互いを尊重し、刺激を受け合い、熱意を持って取り組むことができる環境を作るとともに、社会的に意義のある大きな目標の達成を通じて従業員が一つになることができる企業を目指してまいります。

 

2.魅力ある差別化された製品の開発

当社グループは、多様なライフスタイル、ニーズや嗜好に対応する強いブランドを有し、これらのブランドに対する投資とその真髄となるDNAの強化を進めることで、利益ある成長につなげていきます。また、変化する消費者ニーズや嗜好に対応できるよう、イノベーション、デザイン、品質の向上をさらに追求していきます。さらに、製品開発のための強い知的財産の基盤を持ち、短いサイクルで差別化された製品を市場投入できるよう「アセットライト」のビジネスモデルへ移行するとともに、国内の組織構造の見直しを行い、製品開発、生産、販売の機能を一組織に統合することで、製品開発サイクルのスピード向上を図ってまいります。

 

3.競争力あるコストの実現

当社グループは、バランスシートと利益率の改善に向け、新技術やインフラの活用により、効率的で柔軟なサプライチェーン管理体制を構築し、コスト管理を向上させます。さらに、間接部門の生産性を高め、必要とする部門に人員の再配置を行うなどの施策推進を通じて、コスト効率の向上につなげてまいります。

 

4.エンドユーザー・インフルエンサーへのマーケティング

当社グループは、エンドユーザー及び工事業者、デザイナー、工務店等のインフルエンサーとの接点の拡充を図ります。また、新しいサービスの提供及び推進を通じて、リフォームに対するエンドユーザーの不安を取り除き、日本における新たなリフォーム需要を創出してまいります。

 

 

また、当社グループでは、企業としての存在意義(パーパス)を果たすため、高い競争力を持ち、持続的な成長ができる、より機動的で起業家精神にあふれた企業となるための取り組みを続けております。この達成に向けて、ガバナンス体制の強化や成長を加速させ、財務体質を強化するための事業ポートフォリオの最適化、基幹事業における生産性と効率性を高め、シナジーを創出するための積極的な取り組みなど、事業の変革を推進しております。これらの取り組みを通じて、中期的な指標としては事業利益率を7.5%まで高めること、及びネット有利子負債EBITDA倍率を3.5倍以下まで改善することを目標としております。

 

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こうした経営の基本的方向性のもと、まずは財務体質の改善と組織の簡素化に取り組むことで成長基盤を整備し、利益率の向上に注力してまいりました。当社グループでは、中長期的に目指す経営の方向性を「LIXIL Playbook」としてまとめ、全社で共有しております。LIXIL Playbookは、当社グループの持続的成長に向けて、以下の4つの優先課題に加え、従業員がその能力を存分に発揮できる環境の整備を、戦略実行を支える基盤として明確化しております。

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[ 「LIXIL Playbook」における4つの優先課題と進捗状況 ]

① 組織の簡素化と基幹事業への集中

当社グループが将来にわたって成長を続けていくには、市場ニーズに迅速に対応できる、無駄のない効率的な組織の構築が不可欠であると考えております。そのためには、基幹事業以外の事業からの撤退や組織の簡素化を進めるとともに、成長機会を捉えるための基幹事業の最適化に取り組む必要があります。

当連結会計年度においては、組織の簡素化及び基幹事業への集中に向けての施策も概ね完了し、業績の大きな変動要因となるリスクを大幅に低減することができております。加えて、過年度から継続してバランスシートの強化、キャッシュ・フローの改善や有利子負債の削減、運転資本効率の改善等により財務基盤の強化を図ることができ、基幹事業において収益性の高い成長分野にさらなる投資を行うことが可能となったと考えております。

 

② 日本事業の収益性改善

日本は当社グループにとって最大の市場であり、グローバルに展開するイノベーションを生み出すという重要な役割を担っております。一方で、国内では人口減少に伴い、新築住宅市場も縮小傾向にあります。そのような中、国内事業は高コスト体質と従来型の人事システムという課題を抱え、市場の変化に左右されやすい事業構造となっておりました。厳しい事業環境においても持続的な発展をしていくためには、国内事業の生産性と収益性を高め、キャッシュジェネレーターへと転換させていく必要があります。

当連結会計年度においては、国内のハウジングテクノロジー事業において生産ラインのプラットフォーム化が完了し、一つの生産ラインで複数の異なる製品を生産することが可能となり、生産性の向上を実現いたしました。また、国内のウォーターテクノロジー事業においては新たな価値創造及びエンドユーザーへのアプローチを強化することで、リフォーム需要をより一層喚起し獲得するための事業プロセスの整備を進めております。一方で、人事施策面においては、引き続き国内事業の活性化に向けた包括的な人事プログラム「変わらないと、LIXIL」を推進し、実力主義に基づく組織文化への転換を進めるとともに、顧客志向の徹底、あらゆる世代のキャリア開発支援、及び従業員のエンゲージメント強化を目的とした施策を実施しております。また、早期退職優遇制度(キャリアオプション制度)を通じて、多くの日本企業が直面する従業員の年齢構成の課題にも対応しております。

 

③ ウォーターテクノロジー事業における海外事業の成長促進

当社グループは、グローバルシェアの拡大を目指し、水回り事業を中心に各国、各地域で収益性の高いカテゴリへの参入に注力するとともに、グローバルな資産とブランドポートフォリオを活かして地域ごとの戦略を強化しております。また、当社グループは各地域の市場を牽引するパワーブランドで独自のポジションを築いており、ブランドの定義を明確化・差別化することによりグローバル市場を舞台にその強みや信頼性を最大限に活用し、さらなる成長を目指しております。

当連結会計年度においては、製品の安定供給のためのサプライチェーンの強化、当社グループ内の卓越した技術を活用した新製品開発、多様化・差別化された販売チャネルを活用した拡販等の諸施策を通じて、海外事業の成長を実現すべく、強固な基盤を確立し、新規市場の開拓、シナジーの向上や製品ラインナップの拡充に注力しております。

 

④ イノベーションによる長期的な成長基盤の確立

当社グループは、新規事業に時間とリソースを投入することで長期的に持続可能な成長を達成できるものと考えており、この取り組みを通じて将来に向けた成長につながる機会を生み出しております。よって、保有するリソースを効率的かつ機動的に投入していくことにより、常に変化するグローバル市場への対応に取り組んでいくとともに、将来性のあるイノベーションと現在有効なイノベーションの両方を創出することに注力しております。

当連結会計年度においては、国内の「LIXILオンラインショールーム」、及び欧州の「GROHE X」の展開に続き、国内で最新情報や家づくりに役立つ情報を届ける場として、動画配信サービス「LIXIL-X」をスタートさせました。これらにより、国内外でデジタル技術を活用した顧客・ブランド体験の向上とユーザー接点の強化を加速させ、業界全体のデジタルシフトを牽引することができるとともに、顧客志向の徹底によりエンドユーザーの抱える課題やニーズに沿った製品開発と市場投入が可能となったと考えております。

 

従業員をはじめとするステークホルダーからの支援と協力のもとで、当社グループは「ブランドの集合体」から「将来の課題を乗り越えることができる目標志向型の組織」へと変革してまいりました。この数年間、私たちが策定し、ともに実行してきた戦略は、感染症や戦争が引き起こす世界経済への深刻な影響に対して、既にその価値を証明しております。また、気候変動、経済の不確実性、そして私たちの生活の根本的な変化といった長期的な課題に対しても同様に、当社グループは力強く立ち向かっていくことができると確信しております。

2【事業等のリスク】

当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、グループ内での事業規模の違いや外部環境の変化等に基づき、経営者の目線からリスク間の相対的な関係を考慮した上で対処すべきリスクの優先順位を決定しております。

また、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれ以下のように定義しております。

 

戦略リスク

事業戦略の策定及び遂行により獲得を企図する成果が予定通り獲得できない程度及びその発生可能性であり、健全な範囲で事業成果を獲得するために敢えて選択して取るリスク

オペレーショナルリスク

戦略遂行を支えるオペレーション上の事象による損失額及び事象発生可能性であり、事業遂行上一定以下に抑制すべきリスク

 

これらに基づき、リスクにおける重要性を判断した上で、当社グループの各事業、管理部門、マネジメントの各レベルが当該リスクに応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニターし、継続的に改善する活動を展開しております。

また、監査委員会は取締役会、執行役会及び各委員会への参加、重要書類の閲覧、会計監査人とのコミュニケーション等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて適切な対策が実行されているかモニターしております。なお、上記に加えて、必要に応じて各事業及び子会社に対する往査も実施しております。

 

有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、影響度、発生可能性、重要性の前年からの変化をリスクマップに一覧化し、詳細な情報を記載しております。なお、当社グループでは、各リスクについてグループ共通の基準で評価した結果を一元的に管理するために、戦略リスクとオペレーショナルリスクを同一のリスクマップに表示しております。また、記載しているリスクや対応策が互いに強く連関している場合は参照リスクとして該当番号を記載しておりますが、すべての連関を網羅するものではありません。

各リスクに紐づいている重要課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針及び経営環境」に記載のとおりであります。紐づけにおいては、記載しているリスクもしくはその対応策の内容が、重要課題の記述・方針に関連しているかどうかを複数の部門で協議し、決定しております。

 

なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(新型コロナウイルス感染症に関するリスク)

2019年11月に発生が確認された新型コロナウイルス感染症は、新たな変異株の出現などにより一部地域においてはいまだに感染の拡大が続いているものの、国内及び海外の大半の地域の事業は前連結会計年度の下半期には回復基調がみられ、当連結会計年度における当社グループの事業活動へ与える影響は限定的であったことから、翌連結会計年度以降における当社グループの事業活動への影響も限定的であると想定しております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響については不確定要素が多く、状況変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。現時点においては日常のリスク管理の中で対応していることを踏まえ、個別のリスクとしてではなく関連するリスクに包含して記載しております。(参照リスク(3)、(12))

 

 

(リスクマップ及び凡例)

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事業等のリスク

2022年3月期の以下に関するリスク

発生

可能性

(注)

影響度

重要性の

前年からの変化

戦略リスク

事業横断的な

リスク

(1)

経済状況、為替相場・金利の変動

同水準

(2)

新製品の開発

低→中

増加

(3)

原材料等の供給

低→中

増加

(4)

環境(気候変動、水、資源)

同水準

(5)

事業再編

同水準

(6)

他社との連携・企業買収等

同水準

(7)

人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進

低→中

増加

(8)

設備等の操業度

同水準

事業特有のリスク

ウォーターテクノロジー事業

(9)

販売チャネル

同水準

(10)

ブランド

同水準

ハウジングテクノロジー事業

(11)

競合他社との競争・製品価格

同水準

オペレーショナル

リスク

(12)

災害・事故・感染症等

同水準

(13)

情報セキュリティ

中→高

増加

(14)

訴訟その他法的手続

同水準

(15)

製造物責任や補償請求

同水準

(16)

繰延税金資産の回収可能性

同水準

(注)前連結会計年度の評価から変更のあったリスクについて、前連結会計年度の発生可能性を併記しております。

 

[戦略リスク  事業横断的なリスク]

(1) 経済状況、為替相場・金利の変動に関するリスク

当社グループは、グローバルに販売活動を行っており、その売上収益は世界における需要、景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。特にアルミ、銅、樹脂、半導体など原材料価格やコンテナ不足による物流コストの上昇は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

日本国内においては、新設住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動が、また、海外諸国においては、戦争、内乱、紛争、暴動、テロ等が発生した場合も、同様に当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

さらに、為替相場の変動は、当社グループの外貨建取引により発生する資産及び負債の円貨換算額や外貨建で取引されている製品の価格や売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入や社債の発行等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの資金調達に係る金利負担が増加し、借入や社債発行による資金調達の難航や支払利息・社債利息が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

日本での販売活動においては、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数減少の予想を踏まえ、新築市場におけるシェアの拡大の取り組みのみならず、中高級品市場への拡販、リフォーム戦略の強化を進めております。また、海外での生産・販売活動においては、外部の第三者機関等を通じて政治情勢、政策変更等をモニターすることにより、政情不安等の地政学リスク顕在化の兆候の早期把握や、代替調達先の確保による製品・原材料を含めた適切な在庫水準の維持により、安定的な供給体制の構築に努めております。(参照リスク(3))

さらに、日本の財務部門において、運転資金及び投融資による資金需要を把握し、投資審査委員会等で案件を審査する体制を構築しております。また、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において為替相場の動向を月次でモニターするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替相場の変動影響を低減しております。当該「リージョナル・トレジャリー・センター」に各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めております。

重要課題

との関連性

 高 :サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント

 

 

[戦略リスク  事業横断的なリスク]

(2) 新製品の開発に関するリスク

当社グループは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」のために、常に技術と顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品開発を行っております。しかしながら、市場や業界のニーズ変化に対応できない、あるいは十分な開発投資を維持できず上市に至らない、上市に至ったとしても新製品の価値が顧客ニーズに十分訴求できない等の場合、将来の成長鈍化と売上収益の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、顧客ニーズをより意識した開発を進める一方、エンドユーザーの価値観は多様性や変化に富むことを鑑み、発生可能性を「低」から「中」へ変更しております。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

増加

対応策

革新的なスタートアップ企業との提携やグローバル情報ネットワークの活用を通じて、消費者ニーズの変化に迅速に対応する体制を構築しております。自宅にいながら来館時と同様のサービスが受けられる「LIXILオンラインショールーム」や欧州における「GROHE X」など、当社グループ独自のデジタル技術を組み合わせ、エンドユーザーとビジネスパートナーをつなぎ、新たな価値を提供するエコシステムを確立しております。開発にはデザインの総合力を重視し、デザインとテクノロジーを融合させることで新たな価値を生み出す製品開発を加速させております。また、顧客志向を強化するインクルージョン文化の醸成として、日本では「LIXILユニバーサルデザインコンセプト」を取り入れ、誰もが使いやすい製品の開発、提供に努めております。加えて、世界的な人口増加に伴い、水や資源の責任ある利用が企業や個人に求められていることを踏まえ、製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、製品使用時における水やエネルギーの効率性を高め、長寿命化とリサイクル性を考慮した設計を行うなど、製品やサービスの設計においても責任ある水や資源の使い方を推進し、消費者のニーズに訴求しております。

開発プロセスにはステージゲートの設定・運用、上市後は新製品業績の管理により、市場トレンドと開発戦略が適合しているか確認しております。

その他の取り組みとして、クラウドファンディングを活用し、市場に対して新しい価値を提供する製品を試験的に販売することで、消費者のニーズや嗜好のトレンドの収集を行っております。

また、コストや納期よりも品質を最優先する風土の醸成に努めております。具体的には、「お客様から選ばれるLIXIL Qualityを実現しよう!」という品質テーマを掲げ、すべての組織が「お客様の満足」という同じ方向を向き、相互にカバーしながら結果につながるよう努めております。

重要課題

との関連性

優先:グローバルな衛生課題の解決、気候変動の緩和と適応、水の持続可能性の追求、

資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、多様性の尊重

 高 :製品の安全性、顧客満足、ステークホルダーエンゲージメント

 中 :情報セキュリティ

 

 

[戦略リスク  事業横断的なリスク]

(3) 原材料等の供給に関するリスク

当社グループの生産活動においては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。そのため、業界の需要増加や事業展開国におけるインフレ等による原材料価格の高騰、コモディティの価格変動や重要な物的資源(アルミ、銅、ステンレス等)の調達可能性の変動の結果、売上原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、生産・販売活動と密接に関わる物流業務に関して、新型コロナウイルス感染症拡大による供給遅延や石油価格の変動、人件費の高騰などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、昨今の原材料価格の高騰や調達可能性の変動を鑑み、発生可能性を「低」から「中」へ変更しております。(参照リスク(4))

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

増加

対応策

原材料価格高騰部分の販売価格への転嫁、価格変動のヘッジを目的としたデリバティブの活用、複数購買の実施、有事における対応力の強いサプライヤーへの集約、取引先の信用情報調査や人権を含んだ責任ある調達アンケートの実施、取引先との定期的なコミュニケーションの実施、2次サプライヤーも考慮したカントリーリスク対応の推進、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等により、BCPの観点を踏まえた安定的な供給体制の構築に努めております。また、製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、長寿命化とリサイクル性を考慮した設計や製品のCradle to Cradleの認証取得を推進するなど、循環型社会への移行を目指しております。さらに、物流効率の改善に取り組むことで物流費の安定化を図っております。

重要課題

との関連性

優先:資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響

 高 :製品の安全性、人権、サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント

 

[戦略リスク  事業横断的なリスク]

(4) 環境(気候変動、水、資源)に関するリスク

当社グループは、製品開発から調達、生産、販売活動に至る事業活動において地球環境保全に向け様々な活動を行っております。特に近年においては、気候変動が自社のバリューチェーンにもたらす政策・規制や市場変化による移行リスク、異常気象などの物理リスクが顕在化する可能性が高くなっております。さらに、今後世界的な水問題への対応、原材料・部材の価格高騰、石油由来のプラスチックに関する規制強化、サーキュラー・エコノミーの台頭による消費者嗜好の変化等の市場変化に柔軟に対応していかなければ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

当社グループでは、執行役会から任命を受けた担当役員が委員長を務める環境戦略委員会を設置し、環境ガバナンスに関わる規程や方針の制定、気候変動を含む環境重要課題に対する施策の審議と決定、当社グループ全体の目標管理とモニタリングなど、環境戦略の構築と実行を実施しております。

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言を踏まえ、気候変動問題が当社グループに及ぼすリスクと機会を特定・評価し、執行役会・取締役会へ報告・承認を経て、環境戦略に反映させる取り組みを進めております。移行リスクに対しては、生産活動におけるエネルギー使用効率化や積極的な再生可能エネルギー活用に加えて、今後はサプライチェーン全体での環境負荷削減の取り組みを強化してまいります。さらに、インターナルカーボンプライシングのより実効的な運用に向けた検証や、2050年に向けた長期的な脱炭素技術の開発や導入を促進していくための製造技術や製品材料の研究を進めております。また、物理リスクに対しては、BCP計画によるリスク最小化、生産バックアップ体制整備、固定資産への保険、渇水対策のための取水管理などを進めております。

気候関連を含めた移行リスク及び機会への対応においては、環境目標・実行計画に落とし込み、環境パフォーマンス向上やリスク管理に関わる施策を推進・展開し、その進捗の監視と振り返りを行う管理プロセスの構築を進めております。また、ISO14001もしくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に内部監査を実施しており、内部監査で指摘があった事項については、フォローアップを行い、改善の実施を確認することで、環境マネジメントシステムの効果的な運用につなげております。

環境ビジョン2050「CO2ゼロと循環型の暮らしを」を掲げ、2050年までのCO2排出ネットゼロ及び水の恩恵と限りある資源を次世代につなぐことを目指した活動を推進しております。その中間目標である2030年までのCO2削減目標(Science Based Targets)については、従来の2℃水準から1.5℃水準へ上方修正し、認定を更新する計画です。さらに、住宅・建築物で使用されるエネルギーや水の削減に貢献するための機会管理の指標として、環境配慮型製品の販売構成比の向上を進めております。

重要課題

との関連性

優先:気候変動の緩和と適応、水の持続可能性の追求、

資源の循環利用の促進、製品ライフサイクルを通じた環境への影響、環境マネジメント

 高 :サプライチェーンマネジメント、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント

 

パリ協定及びSDGsの目標13に掲げられているとおり、CO2削減のため、製造・販売活動の見直しや気候変動による影響を低減するための取り組みを実施することが以前にも増して企業に求められております。また、世界的な人口増加や経済成長に伴い、SDGsの目標12や目標6に掲げられているとおり、持続可能な資源利用や節水・浄水技術に対する需要が高まっております。

 

このようなニーズに対応するために、当社グループは、「環境ビジョン2050」を定め、①気候変動対策を通じた緩和と適応(事業プロセスと製品・サービスによる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)、②水の持続可能性を追求(節水や水の循環利用、浄水技術などを通じて、水の環境価値を創造する)、③資源の循環利用を促進(循環型社会への変革に貢献し、限りある資源を未来につなぐ)の分野に注力いたします。事業プロセスにおいては、工場やオフィスでの徹底した省エネ活動や、再生可能エネルギーの利用、製造プロセスのエネルギー効率化に向けた技術開発を推進してまいります。また、各地域の水関連の問題に対する事業へのリスクを把握し、水使用効率の改善や循環利用、排水管理などの適切な施策を実施することで、事業を行う地域で継続した水の利用を可能にする環境の維持に努めております。さらに、廃棄物の削減や適切な管理を徹底するとともに、サプライヤーと協働し、新規に投入する資源の最小化や、リユース・リサイクルをさらに促進することで、社会とともに資源の循環利用を加速させる仕組みを構築してまいります。

 

[戦略リスク  事業横断的なリスク]

(5) 事業再編に関するリスク

当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員配置等の適正化による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、事業再編後の組織において全社的な戦略上の優先順位が劣後し、経営資源が適切に配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

さらに、投融資等の意思決定の際に、事業戦略、領域、展開国等に内在するリスクが的確に識別されず、投資実行後に当初想定していた利益やシナジー効果を実現できないことや、経営における優先順位の変更による意思決定の遅延等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

経営陣と従業員とのコミュニケーション強化を図ることにより、当社グループの経営戦略の浸透を図っております。

事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することを通じて経営資源配分の優先順位を明確にすることにより、事業再編後の組織において、シナジー効果の最大化や戦略実効性の向上が早期に実現するよう努めております。事業再編後のスムーズな組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMIを強化しております。その一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社のガバナンス強化を推進しております。さらに、当社又はその子会社による会社の新設、事業再編等を含む投融資に関する事項(投融資案件)については、その内容や金額的重要性に応じて適時適切な判断ができるよう、投資審査委員会やM&A委員会による審査や決議をする体制を整えております。

重要課題

との関連性

 高 :企業倫理とインテグリティ、コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント

 

[戦略リスク  事業横断的なリスク]

(6) 他社との連携・企業買収等に関するリスク

当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがありますが、買収・投資実行後にグループ全体に内在するリスク及びオポチュニティを適時・的確に識別することができないことに加え、優秀な人材の離職や人材の融合が進まないことにより、当初想定した利益やシナジー効果を実現できない、あるいは買収後に偶発債務の発生や未認識の債務等が判明する可能性があります。さらに、事業拡大後、当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、全社的な戦略上の優先順位が劣後し、経営資源が適切に配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

統合時における対応策として、統合に関するグローバル共通のポリシーを策定し、統合後のレビューやモニタリングプロセスを効率的に整備・運用する体制を強化しております。また、環境や人権などのサステナビリティ項目についても、ポリシーに盛り込んでおります。統合後においては、シナジー創出に向けて効率的でフラットかつシンプルな組織構造の構築を目的とし、意思決定の迅速化を含めた組織変革を推進するとともに、対象事業の従業員が当社グループの一員としてすぐに活躍できるよう、インクルーシブな文化の醸成や環境整備に取り組んでおります。

投融資案件については、その内容や金額的重要性に応じて、投資審査委員会やM&A委員会による審査や決議をする体制を整えております。また、買収先企業のPMI強化の一環として、ガイドラインの策定を通じて、PMI推進体制及び進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用によりガバナンスを強化しております。

なお、対応策については2015年に発覚した当社の海外子会社であったJoyou AGにおいて不適切な会計処理が行われていた事実(Joyou問題)への再発防止策を踏まえたものであります。

重要課題

との関連性

優先:環境マネジメント、多様性の尊重

 高 :人材と能力開発、企業倫理とインテグリティ、人権、コーポレート・ガバナンス、

   リスクマネジメント

 

 

 

[戦略リスク  事業横断的なリスク]

(7) 人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク

当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要となります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ダイバーシティ推進における社内の人材育成の重要性が増したこと及び従業員の価値観は多様性や変化に富むことを鑑み、発生可能性を「低」から「中」へ変更しております。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

増加

対応策

当社グループにおいて、継続的な事業の発展のためにグループ全体で女性のさらなる活躍、障がいのある従業員のための取り組みや人種における平等、性的マイノリティに関する取り組み等を推進しており、地域ごとに人事制度の改定や拡充を行うほか、風土を醸成するために社内イベント等を行っております。

日本において、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系を充実させ、従業員の定着と育成に努めております。また、グローバルで活躍できる人材を育成するために、各プログラム(海外派遣研修、選抜型の育成プログラム、eラーニング等)を実施しております。多様なバックグラウンドを持つ従業員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう、ダイバーシティ・マネジメントを推進しており、多様な人材を受け入れる企業文化の醸成、在宅勤務等の職場環境の整備、エキスパート制度等の新たな人事制度の構築に取り組んでおります。

さらに、「シェアード・サービス・センター」をアジアのみならず、欧米諸国及び日本においても設立し、各地域におけるガバナンスを強化するとともに、間接業務の集約化や効率化を図ることにより、日本国内あるいはグローバルにおける将来の労働環境に左右されない柔軟な組織を構築することを目指しております。加えて、「報酬・福利厚生委員会」を設置し、グローバルでの処遇の公平性・透明性に向けた取り組みを強化しております。

重要課題

との関連性

優先:多様性の尊重

 高 :従業員の安全と健康、人材と能力開発、企業倫理とインテグリティ、人権

 

近年、高齢化の進行による高齢世帯の増加及び障がい者人口の増加に対応した製品の必要性が高まっております。また、SDGsの目標5にて掲げられているとおり、企業に対して高齢者や障がい者の雇用だけでなく、ジェンダー格差の是正に対する取り組みも求められております。

 

このようなニーズに対応するために、多様性から生み出される活力を起業家精神醸成の源と捉え、将来へ向けた成長とイノベーションを達成するために、「LIXILダイバーシティ&インクルージョン宣言」を採択し、グループ内にて実行しております。また、組織の変革と事業戦略の実現に向けてダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組みを加速させることを目的に、2020年9月にD&I委員会を設立いたしました。多様な人材を組織内に定着させるために、組織全体に平等性と包括性を浸透させるための施策を強化するとともに、インクルージョンの文化を醸成し、あらゆるレベルにおいて多様な人材の採用、登用を進めることができるよう、ベンチマークを設定し、進捗をモニターしてまいります。

これらの取り組みにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。

 

[戦略リスク  事業横断的なリスク]

(8) 設備等の操業度に関するリスク

当社グループの主要な事業では、多様な製品の製造を行っているため、製造拠点となる工場等の生産設備を数多く所有しており、その展開地域も多岐にわたっております。当該生産設備について、需給の変動、労働力の減少や災害の発生等をはじめとする様々な要因で操業度が低下する可能性があります。操業度の低下により、当初想定した収益を獲得できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てる体制を構築しております。また、当社グループ全体としての効率を重視した事業用資産の稼働状況や遊休状態の有無のモニタリング及び不動産管理を行っており、関係部署へ定期的に確認を行っております。

また、包括的な損害保険への加入により、財務的損失をカバーするよう努めております。(参照リスク(12))

重要課題

との関連性

 高 :リスクマネジメント

 

[戦略リスク  事業特有のリスク  ウォーターテクノロジー事業]

(9) 販売チャネルに関するリスク

当社の連結子会社であるASD Holding Corp.は様々な需要に応じて幅広い製品を展開しておりますが、近年特に北米を中心として流通構造の変革が起きております。具体的には、エンドユーザーへの直接的な販売の拡大が起きており、ASD Holding Corp.においても、ECを活用したウェブサイトでの自社製品の販売等を含め、ビジネスの転換を図り、売上の伸長やコスト構造の改革に努めております。しかしながら、このような販路の転換に対して、想定していた顧客数が確保できない等の理由により、その売上成長が鈍化、もしくはコスト構造の改革が計画通りに進まない場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

販売チャネルの拡大を進めるために、従来、外部の販売代理店が行っていた営業活動を内製化し、非住宅設備案件に影響力を持つ施工会社等のステークホルダーに専門性を持った担当者が直接アプローチすることで自社製品の販売促進に努めております。

また、自社のECサイトを活用し、エンドユーザーからの直接需要を効率的に取り込んでおります。さらに、取引先のECサイトへ新たな機能を追加し、エンドユーザーの購買行動の促進に努めております。

安定した販売活動を支え、運営上の安全性を担保するため、目的に応じ適切な管理システムを導入することで情報漏洩やサイト運営に支障が出ることを事前に防ぐ体制を整えております。また、コスト構造の改革については、当社グループ全体としての効率を重視した製造・物流拠点の選択など、ASD Holding Corp.のみに留まらない改革を進めております。

重要課題

との関連性

 高 :顧客満足、サプライチェーンマネジメント

 中 :情報セキュリティ、責任あるマーケティングと広告

 

[戦略リスク  事業特有のリスク  ウォーターテクノロジー事業]

(10) ブランドに関するリスク

当社グループの保有する数あるブランドのうち、GROHEブランドは富裕層をターゲットとした洗練されたブランドとして認知されておりますが、競争の激しい環境においてさらなる販路の拡大を目指し、従来の欧州中心のビジネスのみならず、アジアやアフリカ等の新興国への展開を進めております。新興国への販路拡大のためには従来よりも柔軟な価格対応や、地域特有のニーズに応える製品の開発が求められることがあります。しかしながら、これらの施策を実施した結果、様々な文化的背景を持つ地域で意図されたシグネチャーエレメンツに対する認識を維持できなくなる可能性があり、これまで当社の連結子会社であるLIXIL Europe S.à r.l.が維持してきたGROHEブランドの価値が毀損し、その売上成長が鈍化、もしくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。

また、GROHEブランドを維持する際に、テクノロジー内において一貫性のある戦略に基づいた管理がされない場合、GROHEのブランドやデザインの差別化がなされず、ブランド価値が毀損し、その売上成長が鈍化、もしくは利益率が低下した場合、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

継続的なブランド投資によりブランド価値の維持や、製品開発を実施しております。また、グローバルでGROHEブランド及び競合他社ブランドの販売価格を継続的にモニタリング・分析し、収集した情報を元にブランド戦略に沿った価格を設定・共有した上で、当社グループ全体において統一的な施策を立案・実行できる仕組みを整備しております。その結果、競争の激しい市場においてもブランド価値を反映した価格帯を維持できるよう対応しております。さらに、ウォーターテクノロジー事業におけるGROHEブランドの位置付けについて、事業内の他ブランドとの差別化を図るため、ブランドデザインの使用に関するルールを設け、ブランド価値の維持・管理に努めております。このような総合的なブランド戦略により、GROHEブランドの認知度を高め、市場でのトップポジションを維持することを目指しております。

重要課題

との関連性

優先:多様性の尊重

 高 :顧客満足

 中 :責任あるマーケティングと広告

 

[戦略リスク  事業特有のリスク  ハウジングテクノロジー事業]

(11) 競合他社との競争・製品価格に関するリスク

当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しております。特に日本国内の建材・建築資材市場は寡占市場となっており、売上収益は競合他社の価格設定に影響を受けます。当社グループは高品質で魅力的な製品を市場へ投入する能力を保持しておりますが、価格面において競争優位に展開できる確証はありません。これにより、当社グループの製品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

競合他社との激しい競争による市場価格の下落に対し、多様なニーズに寄り添った付加価値製品の市場投入による差別化を進め、販売価格の底上げに取り組んでおります。また、生産活動においても、インテリア、エクステリア、ドア製品においては、共通部分の生産を汎用設備で行うことで生産スペースを削減(プラットフォーム化)しており、当連結会計年度にはサッシ製品についてもプラットフォーム化が完了し、投下資本効率の向上を見込んでおります。プラットフォーム化により、新製品の早いサイクルでの市場投入を可能とし、時代に合った新しい価値を常に提供し続けることも可能となります。

その他の取り組みとして、クラウドファンディングを活用し、市場に対して新しい価値を提供する製品を試験的に販売することで、価格ではなく「価値」で顧客に選ばれる取り組みを実施しております。

重要課題

との関連性

優先:多様性の尊重

 高 :顧客満足

 中 :責任あるマーケティングと広告

 

 

[オペレーショナルリスク]

(12) 災害・事故・感染症等に関するリスク

当社グループは、日本国内及び海外諸国の複数の拠点において生産・販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害、未曽有の大事故や感染症によって、当社グループの生産、物流、販売活動や情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を受ける可能性があります。特に、災害・事故等の発生により、当社グループの国内及び海外工場の生産活動が停止することは、市場への製品供給に深刻な影響を及ぼし、売上収益に悪影響を与える可能性があります。また、感染症の発生や拡大は当社グループ従業員の健康状態悪化による労働力の低下の可能性や、取引先の生産・販売活動の一部停止等、当社グループの事業活動に支障が出る可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

特に国内拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、財務的損失をカバーするため包括的な損害保険への加入、工場の分散、耐震工事の実施、サプライヤーの分散や連携強化等により、自然災害等発生時のリスク分散体制を構築した上で、早期に復旧できるようBCP計画の策定及び定期的な見直しを実施しております。また、海外拠点についても、保険への加入等の予防策とともに、当該事象が発生した後に迅速な対応をとることができるような体制構築に努めております。

当社グループでは、従業員及び家族の命の安全確保を最優先に対応しております。ロシア・ウクライナ情勢に関しては、タスクフォースを早々に立ち上げ、従業員とその家族の避難等の支援、営業活動や経済制裁など幅広い論点に対応し、情報共有することで経営層が積極的に関与し必要なグローバル対応を行っております。

感染症対策に関しては、感染拡大を防止するため、出張・移動・出社の制限、感染予防法の周知、感染発生時の対応準備、感染発生時の報告フロー整備などを行っております。また、当社グループでは、在宅勤務の環境整備と運用を従来から推進しており、従業員が安心して働ける環境を構築するとともに、事業活動を従来通り継続することに努めております。

在宅勤務の推進とデジタル技術の活用を踏まえ、有事の際の安否確認、情報共有やコミュニケーションをよりタイムリーに行えるよう努めております。なお、災害発生時の行動や対策についても従業員への周知徹底を実施しております。

重要課題

との関連性

優先:気候変動の緩和と適応

 高 :従業員の安全と健康、サプライチェーンマネジメント、リスクマネジメント

 

 

[オペレーショナルリスク]

(13) 情報セキュリティに関するリスク

当社グループが行う生産・販売活動及び各種事業活動は、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しております。このため、通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェア、もしくは、ソフトウェアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによりシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。さらに、当社グループでは、業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められておりますが、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、売上収益の減少あるいは販管費の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、昨今の高度化・頻発化するサイバー攻撃やDXの推進によりエクスポージャーが高まっていることを鑑み、 発生可能性を「中」から「高」へ変更しております。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

増加

対応策

情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する社内規程の整備、不正アクセス等を未然に防止するための対策、従業員に対する教育等を実施し、さらにこれらの取り組みを定期的に評価・見直すことにより、情報セキュリティマネジメントの継続的な改善を実施しております。特に、効率的で安定した事業活動の遂行を担保するため、老朽化した基幹システムの刷新を進めており、また、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT (シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築いたしました。 IoT (Internet of Thing)やOT (Operational Technology)も含めたサイバーセキュリティ強化の構築も推進しております。また、個人情報保護に関する法令を遵守すべく、必要な社内規程の整備、EU一般データ保護規則 (GDPR)で要求されるデータ保護責任者を含む個人情報責任者の設置、適切な研修の実施を行っております。

さらに、在宅勤務につきましては、従前より導入を進めておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、推進されたことに伴い、情報漏洩防止に関するルールの周知・徹底、理解度向上のための従業員教育の強化に努めております。

重要課題

との関連性

 高 :リスクマネジメント

 中 :情報セキュリティ

 

[オペレーショナルリスク]

(14) 訴訟その他法的手続に関するリスク

当社グループが国内及び海外において事業展開をする上で、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。知的財産に関しては、第三者が当社グループの知的財産を侵害する可能性や、第三者から当社グループに知的財産に関する訴訟等を提起される可能性があります。当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合、多額の損害賠償金の発生や、事業に要するライセンスの取消し等につながる可能性があります。特に、海外においては、各国により求められる要件等が異なるため、意図せず当該要件等に違反してしまう可能性があります。上記の結果として、当社グループの信頼性や評判を損なう等、ブランドイメージの毀損により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

Legal部門が、契約審査や各国の要件調査等を通じて、訴訟その他法的手続の発生を未然に防止するよう努めるとともに、万が一訴訟その他法的手続が発生した場合には、必要に応じて外部専門家と連携しながら適時に対応し、当社グループへの悪影響を最小限に抑えることに努めております。

また、知的財産に関しては、知的財産部門と事業部門が連携し、SATOブランドをはじめとする事業展開に有用な知的財産権の取得を行うとともに、製品開発のステージゲートの中に知的財産権のリスクアセスメントを組みこむなど開発段階から第三者の知的財産権の調査分析を行い、訴訟その他法的手続の発生を未然に防止するよう努めております。

重要課題

との関連性

優先:グローバルな衛生課題の解決

 高 :リスクマネジメント

 

[オペレーショナルリスク]

(15) 製造物責任や補償請求に関するリスク

当社グループが提供する製品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの製品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、売上原価や販管費等が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

開発及び設計の各段階で品質に関するゲートを設け、当該ゲートで指摘された問題を解決しなければ次のゲートに進むことができないルールを定め運用することにより、製品・サービスが大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しております。また、コストや納期よりも顧客目線での品質を最優先する風土の醸成に努めております。(参照リスク(2))

重要課題

との関連性

 高 :製品の安全性、顧客満足、企業倫理とインテグリティ、リスクマネジメント

 

[オペレーショナルリスク]

(16) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク

当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対してそれらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において繰延税金資産を計上しております。

将来の課税所得は、マネジメントが確認した3か年分の見積りを基礎としております。当該見積りにおいて、日本国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数の減少が予想される中、粗利率の改善や販管費の削減による収益性向上を見込んでおり、これらの施策の達成には不確実性が伴います。また、税務上の繰越欠損金の繰越年数や使用上限割合が変更される等、当社グループにとって不利な税制改正が行われる可能性が否定できません。これらの結果、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

発生可能性

影響度

重要性の前年

からの変化

同水準

対応策

見積りの達成にあたっては、当社グループ全体の業績管理を担う企画管理部門によるモニタリングを強化しており、見積りの達成を阻む要因があれば、早期に対応できる体制を構築しております。

さらに、当社CFO直轄組織がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを強化することにより、業績悪化の兆候を早期に捉えるようにしております。また、税制改正にかかる情報については、当社税務部門において早期に捉えるようにしております。これらの部門が、業績悪化の兆候や税制改正にかかる情報を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門と協議を行い、繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しております。

重要課題

との関連性

 中 :税の透明性

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、一旦は沈静化がみられたことから経済活動は段階的に持ち直しの方向に向かったものの、新たな変異株の出現による感染の再拡大が続いており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。住宅投資に関しては、コロナ禍における住宅需要の高まりや政府による各種の住宅取得支援施策等を受けて堅調に推移し、新設住宅着工戸数は866千戸(前年同期比6.6%増)と3年ぶりの増加に転じ持ち直しの傾向がみられたものの、海外からの資材・部品の調達難による工期延長や物件引き渡し時期の遅れ等の影響が懸念されております。

世界経済に関しては、先進国を中心としたワクチン接種の普及に伴う行動制限緩和等により経済活動は回復傾向がみられ、正常化に向けて進みつつありますが、国内と同様に変異株による世界的な感染の再拡大に加え、半導体に代表される部品の調達・供給不安、サプライチェーンの寸断、資源・エネルギー価格の高騰及び海運等を中心とした物流費の大幅な上昇等の影響が継続、顕在化してきております。加えて、2月のロシアによるウクライナに対する軍事侵攻、及び各国の対ロシア経済制裁措置の発令による地政学的リスクも重なり、先行きは不透明感を増しております。

 

このような環境のもと、当社グループにおける当連結会計年度の業績は、国内事業における部品の調達難や物流のひっ迫の影響に伴う供給の遅れ等があったものの、海外事業においては特に欧州・中東・アフリカ地域及び北米地域で引き続き旺盛な需要に支えられ、加えてアジア太平洋地域でも経済活動の回復がみられたことから、売上収益は1兆4,285億78百万円(前年同期比3.7%増)と増収となりました。また、利益面においては、国内、海外とも特に下半期から顕著となった資材・エネルギー価格の高騰に加え、サプライチェーンの寸断に起因する物流費の上昇等外的要因による大幅なコスト増加があったものの、これまで重点的に取り組んできた構造改革や価格の適正化、収益性改善の施策等による成果に下支えされ、事業利益は648億75百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益は前連結会計年度に実施した希望退職プログラムにかかる一時費用の剥落の影響等もあり694億71百万円(前年同期比93.8%増)、継続事業からの税引前利益は672億62百万円(前年同期比99.0%増)となり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が最も顕著であった前連結会計年度に比してそれぞれ増益となりました。

これらの結果、子会社の売却に伴い前連結会計年度に計上した非継続事業からの当期利益がなくなったものの、非支配持分を控除した親会社の所有者に帰属する当期利益は486億3百万円(前年同期比47.1%増)となりました。

 

(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。なお、セグメント別の売上収益はセグメント間取引消去前であり、事業損益は全社費用控除前であります。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

増減額

増減率

ウォーター
テクノロジー

事業

売上収益

783,805

862,157

78,352

10.0%

事業利益

62,148

76,615

14,467

23.3%

利益率

7.9%

8.9%

1.0%

 

ハウジング
テクノロジー

事業

売上収益

474,291

466,662

△ 7,629

△ 1.6%

事業利益

31,435

28,203

△ 3,232

△ 10.3%

利益率

6.6%

6.0%

△ 0.6%

 

ビルディング
テクノロジー

事業

売上収益

93,375

89,321

△ 4,054

△ 4.3%

事業利益

2,611

3,495

884

33.9%

利益率

2.8%

3.9%

1.1%

 

住宅・

サービス
事業等

売上収益

46,556

30,274

△ 16,282

△ 35.0%

事業利益

2,136

△ 139

△ 2,275

利益率

4.6%

 

消去又は全社

売上収益

△ 19,772

△ 19,836

△ 64

0.3%

事業利益

△ 41,042

△ 43,299

△ 2,257

5.5%

利益率

 

合     計

売上収益

1,378,255

1,428,578

50,323

3.7%

事業利益

57,288

64,875

7,587

13.2%

利益率

4.2%

4.5%

0.3%

 

 

[ウォーターテクノロジー事業]

ウォーターテクノロジー事業においては、国内、海外ともに前連結会計年度における新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う需要減少から回復をみせており、海外事業、特に欧州・中東・アフリカ地域及び北米地域の旺盛な需要に支えられ、売上収益は8,621億57百万円(前年同期比10.0%増)、事業利益は売上収益の増加に伴う粗利増に加え、資材価格の高騰に対応した販売価格の見直し、国内におけるリフォーム商品や中高級価格帯商品の売上構成比率のアップによる利益率向上の効果等もあり766億15百万円(前年同期比23.3%増)と増収増益となりました。

 

[ハウジングテクノロジー事業]

ハウジングテクノロジー事業においては、「ニューノーマル」への意識の高まり、及び在宅時間の増加による消費者心理の変化等を背景にリフォーム需要が堅調に推移しているものの、前連結会計年度における子会社売却の影響等もあり、売上収益は4,666億62百万円(前年同期比1.6%減)、事業利益は引き続き販売価格の見直しや販管費の抑制、生産効率の向上等の体質強化に向けた各種施策の効果により収益性の改善がみられたものの、主原料であるアルミ地金の想定以上の価格高騰や物流費の上昇等のコストアップ影響を大きく受け282億3百万円(前年同期比10.3%減)と減収減益となりました。

 

[ビルディングテクノロジー事業]

ビルディングテクノロジー事業においては、大型物件を中心とした工程の見直しに伴う建材供給時期の遅れ等から、売上収益は893億21百万円(前年同期比4.3%減)と減収となりましたが、事業利益は体質強化への継続的な取り組み及び生産性向上施策の進展等により利益率の改善に努めた結果34億95百万円(前年同期比33.9%増)と増益となりました。

 

[住宅・サービス事業等]

住宅・サービス事業等においては、前連結会計年度における子会社売却の影響が大きく、売上収益は302億74百万円(前年同期比35.0%減)、事業損益は販管費の抑制に努めたものの、子会社売却影響に加え資材価格の高騰もあり1億39百万円の事業損失(前年同期は21億36百万円の事業利益)と減収減益となりました。

 

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて410億68百万円増加の1兆7,828億82百万円となりました。流動資産は、サプライチェーンの寸断による調達及び供給リスクを回避するための安全在庫確保や価格上昇などによる棚卸資産の増加に加え、次年度に予定している本社移転に伴い現社屋にかかる非流動資産を売却目的で保有する資産へ振り替えた影響などにより、前連結会計年度末に比べて768億34百万円増加の7,146億7百万円となりました。一方、非流動資産は、上記の流動資産への振替の影響に加え、主に設備投資額の抑制や遊休資産の売却などによる減少や、政策保有株式の売却に伴うその他の金融資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べて357億66百万円減少の1兆682億75百万円となりました。

また、資本は6,149億68百万円、親会社所有者帰属持分比率は34.3%(前連結会計年度末比2.6ポイント改善)であります。

 

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③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。なお、金額は非継続事業を含むキャッシュ・フローの合計額であります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,182億96百万円の資金増加となりました。前年同期に比べて327億47百万円の減少となり、この主な要因は、継続事業からの税引前利益の増加があったものの、棚卸資産や営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務などの運転資本の変動に加え、前連結会計年度における子会社の売却による資金減少があったことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出や、有形固定資産の処分による収入があったことなどから248億5百万円の資金減少となりました。前年同期に比べて293億46百万円の資金増加であり、主に設備投資の抑制やプラットフォーム化による投資効率の向上に加えて、政策保有株式の売却に伴う収入があったことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金やリース負債の支払のほか、社債の満期償還に加え、有利子負債の調達と返済を機動的に行ったことなどから1,080億94百万円の資金減少となりました。前年同期に比べて146億69百万円の資金減少であります。

これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、換算差額による影響などを含めると、前連結会計年度末に比べて106億57百万円減少の1,004億4百万円であります。

 

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④ 生産、受注及び販売の実績

生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

金額(百万円)

 前年同期比(%)

ウォーターテクノロジー事業

454,318

112.5

ハウジングテクノロジー事業

222,504

114.2

ビルディングテクノロジー事業

53,444

94.9

合計

730,266

111.5

 

商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

金額(百万円)

 前年同期比(%)

ウォーターテクノロジー事業

89,478

127.1

ハウジングテクノロジー事業

87,622

81.6

ビルディングテクノロジー事業

11,753

113.1

住宅・サービス事業等

25,831

75.2

合計

214,684

96.4

 

受注実績

 ビルディングテクノロジー事業の工事物件については、受注生産を行っております。当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高(百万円)

前年同期比

(%)

ビルディングテクノロジー事業

82,455

120.3

113,005

107.5

 

販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

金額(百万円)

 前年同期比(%)

ウォーターテクノロジー事業

862,157

110.0

ハウジングテクノロジー事業

466,662

98.4

ビルディングテクノロジー事業

89,321

95.7

住宅・サービス事業等

30,274

65.0

報告セグメント計

1,448,414

103.6

セグメント間取引

△19,836

100.3

合計

1,428,578

103.7

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。また、分析に記載した実績値は1億円未満を四捨五入して記載しております。

 

① 重要な会計上の見積り及び判断、重要な会計方針

重要な見積りを伴う会計方針とは、不確実性があり、かつ翌連結会計年度以降に変更する可能性がある事項、又は当連結会計年度において合理的に用いることができる他の見積りがあり、それを用いることによっては財政状態及び経営成績に重要な相違を及ぼすであろう事項の影響に関して見積りを行う必要がある場合に、最も困難で主観的かつ複雑な判断が要求されるものであります。また、当社グループを取り巻く市場の動向や為替変動などの経済情勢により、これらの見積りの不確実性は増大します。

 

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって利用する重要な会計上の見積り及び判断については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5)重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載のとおりであります。また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況に対して、事業全体及び主要なセグメントごとに重要な影響を与えた要因について経営者の視点から見た認識及び分析・評価は、次のとおりであります。

 

[当連結会計年度の業績に対する評価]

当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、資材・エネルギー価格及び物流費の高騰に加えてサプライチェーンの寸断への対応が求められるという極めて厳しい事業環境でありましたが、売上収益は前年同期比503億円増収の1兆4,286億円、事業利益は前年同期比76億円増益の649億円と、増収増益という結果となりました。期初の業績予想値に対しては残念ながら未達となったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益に関しては期初の目標を達成する事ができました。

事業利益について計画未達となった主な理由は、地政学的な問題の発展により、資材・エネルギー価格の上昇、物流の混乱とコスト上昇の加速、製品供給安定化コストの発生などによるものです。その利益悪化影響額のうちかなりの部分についてはこれまで取り組んできた構造改革の効果や価格の適正化、追加の販管費削減によりカバーすることができましたが、期初計画に届くまでには至りませんでした。ただし、仮にこうした多額かつ急激なコスト上昇影響を除外した場合、あるいは、遅れて発生する施策の効果を考慮した場合には、期初計画の達成も十分可能であったものと考えられます。この意味では、数年来取り組んできた様々な構造改革の結果、体質としては中期目標指標として目指してきた事業利益率7.5%を達成できるレベルまでには変革を進めることができたのではないかと考えております。こうした体質の強化は、資材・エネルギー価格及び物流費の高騰局面においても、売上総利益率を改善できたことにおいて、外部環境の変化に対する経営の弾力性が着実に強化されつつあることを実感しております。当連結会計年度においては、ハウジングテクノロジー事業におけるプラットフォームをベースとした生産体制への移行も完了しましたので、今後一層の強化につながることを期待しております。

 

[バランスシートの強化についての目標と進展]

一方、中長期的かつ持続的な成長のためには、安定的な財務基盤を固める必要があります。

当社グループでは、収益性の向上と財務体質の強化をともに図る上で、ネット有利子負債EBITDA倍率を3.5倍以下に、また親会社所有者帰属持分比率を35%以上に改善することを中期目標の指標として、アセットライト化の推進に基づく資本効率の向上と有利子負債の削減に取り組んでまいりました。当連結会計年度においては、ネット有利子負債EBITDA倍率2.9倍と前連結会計年度よりもさらに改善したことに加え、親会社所有者帰属持分比率についても34.3%と中期目標に迫る数字となってきており、財務体質の健全化に目処をつけることができました。

今後は引き続きネット有利子負債EBITDA倍率を重要視しつつ、将来のキャッシュ・フローや利益の源泉となるROICの高い成長領域に対して重点的に投資を行い、利益率のさらなる向上、財務体質の強化に努めてまいります。

 

[キャピタルアロケーション及び株主還元に対する考え方]

現在は、イノベーションによる将来成長の基盤を築くフェーズにあることから、とりわけ大型のM&Aや設備投資は検討しておりません。そのため、当面は大型の借入や増資の計画はありませんが、引き続き当社グループの長期的かつ持続的な成長につながるITや人材、デザイン、ブランドなどの無形資産を中心とした成長投資により営業キャッシュ・フローの増加を図るとともに、保有資産の最適化を通じて成長投資に必要な資金の創出を図る予定です。また、次期においては、本社移転のほか、近年増加するサイバー攻撃に対するセキュリティの強化などを目的としたIT投資などの一時的な設備投資額の増加を見込んでおりますが、こうした一時的な増加を除けば、資本効率が高く、将来成長に資する投資案件により多くの資本を投下する方針を継続いたします。

株主還元につきましては、連結配当性向30%以上を配当方針とするとともに、財務状況や利益水準を総合的に勘案した上で、株主の皆さまに対し安定的に利益の還元を行うことを基本方針としております。次期については、財務体質の健全化に目処をつけることができたことに加え、構造改革のさらなる推進の結果、営業キャッシュ・フローの安定的な成長についても自信が持てる段階に入ったことから、期末配当については5円増配し1株当たり年間85円とすることを決定いたしました。また、次期の配当予想額についてもさらに5円増配の1株当たり年間90円といたしました。

また、アセットライト化の推進による資本効率の向上と、現在の事業ポートフォリオ内におけるシナジーの一層の創出に注力するという経営の方向性と財務体質強化の進捗に照らし、資本効率の向上と株主還元の強化の観点から当社グループの企業価値の向上に資するものと判断し、自己株式の取得、及び従来保有している金庫株も含む自己株式の消却を決定いたしました。

今後も資本コストを上回るリターンを継続的に創出していくことで、株主の皆さまにより高い還元ができるよう努めてまいります。

 

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(注)1.当社は、2022年4月28日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づき、自己株式取得に係る事項を決議するとともに、会社法第178条の規定に基づき、自己株式消却に係る事項を決議いたしました。ROEは、本自己株式の取得影響考慮前の数値であります。

ROE :親会社の所有者に帰属する当期損益 ÷((親会社の所有者に帰属する持分(前期末)+

親会社の所有者に帰属する持分(当期末))÷ 2)

2.ROIC:営業利益 ×(1-実効税率)÷ (営業債権及びその他の債権 + 棚卸資産 +

固定資産(のれん等無形含む)- 営業債務及びその他の債務)

 

 

[次期の見通しと通期業績予想値]

次期の見通しにつきましては、国内、海外ともワクチン接種の普及や治療薬の開発等の新型コロナウイルス感染症の拡大防止策が講じられる中で経済環境は持ち直しの動きが続くことが期待されますが、一方でロシア・ウクライナ紛争等の地政学的リスクに起因する世界的な情勢不安に加え、引き続き資材・エネルギー価格の高騰やコンテナ不足による物流費の上昇等の業績圧迫要因が継続することも懸念され、依然として先行きが不透明な状況が続くと見込まれます。

このような事業環境のもと、当社グループにおいては組織としての機動力や環境変化への対応力を強化してきたことに加え、経営の基本的方向性で定めた4つの優先課題への取り組みの進展が着実に成果として現れてきております。今後も不透明な事業環境が続くものと思われますが、中長期的には持続可能な成長を達成できると確信しております。また、コーポレート・レスポンシビリティ戦略で定めた目標に向かって取り組みを進めることで、ステークホルダーの皆様に提供する価値をさらに高め、ひいては、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」という当社グループの存在意義を実現するために邁進してまいります。

 

このような中、次期の通期業績予想値につきましては、上記のような事業環境・経営戦略を反映させた結果、売上収益は1兆5,200億円(前年同期比6.4%増)、事業利益は810億円(前年同期比24.9%増)、営業利益は780億円(前年同期比12.3%増)、継続事業からの税引前利益は760億円(前年同期比13.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は510億円(前年同期比4.9%増)と、増収増益を見込んでおります。とりわけ、事業利益率につきましては前年同期比0.8ポイント増の5.3%とさらなる伸長を計画しております。

また、さらなる株主還元を図るため、1株当たりの配当金は中間・期末それぞれ45円、年間90円に増配を計画しております。加えて、資本効率の向上と株主還元の強化の観点から、当社の企業価値の向上に資するものと判断し、自己株式の取得及び消却の実施を決定しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 42.後発事象」に記載のとおりであります。

 

なお、上記の次期見通しは現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、リスクや不確実性を含んでおります。実際の業績は、様々な要因によりこれらの見通しとは異なる結果となることがあります。

 

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(注)1.EPS(基本的1株当たり当期利益)の2023年3月期予想値の算定上の基礎となる期中平均株式数については、2022年3月31日現在の発行済株式数(自己株式数を除く)を使用しております。

2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。また、各指標は、以下により算出しております。

ROE :親会社の所有者に帰属する当期損益 ÷((親会社の所有者に帰属する持分(前期末)+

親会社の所有者に帰属する持分(当期末))÷ 2)

ROA :親会社の所有者に帰属する当期損益 ÷((総資産額(前期末)+ 総資産額(当期末))

÷2)

ROIC:営業利益 ×(1-実効税率)÷ (営業債権及びその他の債権 + 棚卸資産 +

固定資産(のれん等無形含む)- 営業債務及びその他の債務)

ネット有利子負債:有利子負債 - 現金及び現金同等物

3.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループは、健全な財政状態を維持しつつ、事業活動に必要な資金を安定的かつ機動的に確保すべく、営業活動によるキャッシュ・フローの創出や幅広い調達手段の実現に努めております。手元流動性に関しては、非常時の決済資金相当額を常に維持することを基本とし、財務柔軟性を確保するため、銀行などの金融機関からの借入や社債の発行に加え、コマーシャル・ペーパー発行枠及びコミットメントラインの確保、受取手形の流動化といった取り組みを通じて、調達手段の多様化を図っております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い経営環境が急激に悪化した際のリスクに備えて、上記の基本方針とは別に短期資金の調達枠を設定しております。また、当社グループ内においても設備投資案件の優先順位付け、在庫管理の徹底、販管費の縮減方策などを通じてさらなる手元流動性の確保に努めております。

その結果、当連結会計年度末におけるネット有利子負債は前連結会計年度末に比べて601億円減少し4,243億円となり、前期に引き続き改善されております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,004億円となりました。

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なお、財務状況に関する主要指標の推移は、次のとおりであります。

 

 

2020年

3月期

2021年

3月期

2022年

3月期

売上収益事業利益率(%)

3.5

4.2

4.5

親会社所有者帰属持分比率(%)

24.0

31.7

34.3

ネット有利子負債/EBITDA(倍)

5.5

3.5

2.9

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。なお、各指標は、以下により算出しております。

ネット有利子負債:有利子負債-現金及び現金同等物

EBITDA     :事業利益+減価償却費及び償却費

2.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債及び転換社債型新株予約権付社債を対象としております。また、EBITDAの算出に用いた減価償却費及び償却費には、非継続事業に分類したPermasteelisa S.p.A.及び同社子会社並びに株式会社LIXILビバに係る金額を含めておりません。

 

4【経営上の重要な契約等】

本社移転について

当社は当社の本社をWINGビル(東京都江東区)から住友不動産大崎ガーデンタワー(東京都品川区)に移転すること及びWINGビルの建物及び土地を売却することを決定いたしました。

売却予定時期は翌連結会計年度中を想定しているため、当連結会計年度の連結財政状態計算書においては、WINGビルの建物及び土地を売却目的で保有する資産に分類しております。

なお、売却の概要については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 12.売却目的で保有する資産」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

当社グループでは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」という企業としての存在意義「LIXIL’s Purpose」を明確化し、ステークホルダーの皆様と社会に対する持続的な価値創造の実現に取り組んでおります。また、CR戦略の推進を通じて、国連が策定した2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献し続けるよう、専門知識や規模を活かしながら社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。

商品開発においては確かな品質、高い技術に基づいて、快適な住生活・都市環境を実現しお客様に喜ばれる商品を市場に送り出すことを大きな役割と考えており、研究開発部門では、開口部商品、住設機器、内装建材や外装建材から住宅のパネル工法に至るまで、健康、環境負荷低減、高齢者配慮、省資源・省エネルギーなどの様々な視点から研究を重ねております。これらの基礎研究、技術開発、商品開発は当社グループの各社における技術研究所、研究開発部門及び商品開発部門が品質保証部門等と連携のもとに取り組んでおります。

 

当連結会計年度の研究開発費のセグメント別の実績及び総額は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

金額

ウォーターテクノロジー事業

16,162

ハウジングテクノロジー事業

6,047

ビルディングテクノロジー事業

655

住宅・サービス事業等

0

合計

22,864

 

[ウォーターテクノロジー事業]

トイレでは、「サティスSタイプ」をフルモデルチェンジいたしました。従来からの空間への調和しやすさに加え、清掃性にも配慮したシンプルでコンパクトなデザインとなっております。浴室では、アクアフィール肩湯を進化させ肩ほぐし湯・腰ほぐし湯を新たに追加した、人生を豊かに潤すシステムバスルーム 新「SPAGE」を発売いたしました。水栓では、 既存のシャワーヘッドから簡単に交換でき、ミスト・マッサージ・スプレーの3種の吐水方法を備えた節水型の「エコアクアシャワーSPA」を発売いたしました。タイルでは、イタリアの最新デザインデータを用いた高精細加飾を施し、より素材感・質感をUPさせた「グラヴィナNX」などの床タイル6商品を発売いたしました。

 

[ハウジングテクノロジー事業]

サッシドアでは、樹脂窓並みの断熱性能、スリムフレームによるデザイン性、ハイブリッド窓特有の強靭性を高い次元で融合させた高性能ハイブリッド窓「TW/TW防火戸」、欧州Profine社と協働開発したリサイクル材使用量3倍の樹脂窓「EW」、トリプルガラス採用で断熱性能を向上させた取替窓「リプラス高断熱汎用枠」、施工性を大きく向上させ業界最高水準の断熱性能も兼ね備えた「リシェント玄関ドア3」を発売いたしました。エクステリアでは、熱容量の少ない素材と発泡技術で熱の伝わりを軽減し”熱く感じにくい”デッキを発売いたしました。ZEH対応商品の分野では、太陽光発電システムと蓄電池の導入を容易にする「建て得でんち」、住宅1棟の断熱リフォームを実現する「まるごと断熱リフォーム」を発売いたしました。内装建材では、「ラシッサD ヴィンティア」シリーズに自然の雰囲気を感じるリゾートのような空間「VillaRetreat(ヴィラリトリート)」スタイルを投入いたしました。また高齢者施設向け商品として「ラシッサUD」を発売いたしました。また高齢者施設向け商品として「ラシッサUD」を発売いたしました。ハイエンドブランドNODEAは、〈WINDOW〉〈EXTERIOR〉〈ENTRANCE〉〈INTERIOR〉の4つの領域を横断し、開口部とその空間を革新する新発想のコレクションを展開しております。

 

[ビルディングテクノロジー事業]

冬場の室温低下によるヒートショック発生リスクの低減などの健康寿命延伸につながる、断熱リフォーム向け商品として、業界最高クラスの断熱性能を有するビル用アルミ・樹脂ハイブリッドカバー改修サッシ「PRESEA-H・RF」を先行発売いたしました。また、お家時間が増える中、室内の快適性向上・省エネに貢献する自然換気ユニット「シーガルスリット」の発売など、カーボンニュートラルの実現に向けた環境配慮型商品の拡充を行っております。さらに、店装建材では意匠性、機能性、拡張性に優れたアルミパーテーション「Multi Work Studio」が国内外で3つのデザイン賞、及びキッズデザイン賞を受賞し、市場でも高く評価されております。

 

[住宅・サービス事業等]

アイフルホームは、感染症対策を強化し、家族が安全・安心で健康・快適に暮らせる「すごい家。」を全国販売いたしました。本商品は、前年度に販売開始した「FAVO for DAYS+」とともに、キッズデザイン賞(子どもたちを産み育てやすいデザイン部門、子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門)を受賞いたしました。また、省エネルギーやCO2削減に優れた主力商品のアイフルホーム「FAVO(フェイボ)」、フィアスホーム「arietta(アリエッタ)」、GLホーム「WoodxHill(ウッズヒル)」のマイナーチェンジを実施し、同3商品で、ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2021特別優秀賞、省エネ住宅特別優良企業賞などを受賞いたしました。