第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項に記載した将来や想定に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ワクチン接種の普及等により昨年9月頃から感染者数の減少が続き、段階的な経済活動再開による持ち直しの動きが見られたものの、足元では新たな変異株による世界的な感染再拡大の懸念が広がっており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。住宅投資に関しては、新設住宅着工戸数は昨年3月以降10か月連続にわたり引き続き前年同期比で増加をみせており、持家及び貸家を中心に持ち直しの傾向がみられるものの、海外からの資材・部品の調達難による工期延長や物件引き渡しの時期の遅れなどの影響が懸念されております。

世界経済に関しては、ワクチン接種の進展に伴い全般的には回復傾向にありますが、国内と同様に変異株による感染再拡大の懸念に加え、資源・エネルギー価格の高騰や海運等を中心とした物流の混乱、及びこれらに伴う資材等の価格高騰や調達リスクの増大、半導体に代表される電子部品の供給不安、中国経済の成長鈍化、米中対立を軸とする地政学的リスクなどが継続、顕在化しており、先行きは一段と不透明感を増しております。

 

このような環境のもと、当第3四半期連結累計期間の売上収益は1兆744億5百万円(前年同四半期比3.8%増)と増収となりました。また、利益面においては、事業利益は617億51百万円(前年同四半期比36.6%増)、営業利益は599億53百万円(前年同四半期比61.3%増)、税引前四半期利益は584億39百万円(前年同四半期比66.2%増)となり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が最も顕著であった前年同四半期に比して増益となりました。

一方で、子会社の売却に伴い前年同四半期に計上した非継続事業からの四半期利益がなくなったこともあり、非支配持分を控除した親会社の所有者に帰属する四半期利益は415億1百万円(前年同四半期比7.3%増)となりました。

 

売上収益については前年同四半期比で3.8%増の1兆744億5百万円となりました。

国内事業の売上収益は、前連結会計年度に実施した子会社売却の影響などにより前年同四半期比2%減と若干の減収となりましたが、衛生面に対する関心の高まりや好調なリフォーム需要を背景に、非接触化や快適性を向上させる商品が引き続き堅調であったことから、売却の影響を差し引いた実質ベースでは1%の増収となっております。また、リフォーム商材の売上構成比率は前年同期比で2.7ポイント増加し、40%まで上昇いたしました。水まわり商品を手がけるウォーターテクノロジー事業は、タッチレス水栓やタッチレス水栓を標準搭載したキッチンや洗面化粧台などの需要が引き続き好調に推移した結果、4%の増収となりました。一方で、住宅建材商品を展開するハウジングテクノロジー事業は前述の子会社売却影響を除くと2%の増収となりましたが、「ニューノーマル」への対応と在宅時間が増えたことを背景とするリフォーム商材が引き続き好調で、特にリフォーム用ドア「リシェント」の売上は前年同四半期比で16%の増加、リフォーム用樹脂内窓「インプラス」は22%の増加となりました。また、「スマート宅配ポスト」は52%の増加となりました。

海外事業の売上収益は、ウォーターテクノロジー事業の欧米地域がけん引役となり、前年同四半期比20%の増収となりました。地域別にみますと、米国地域では全販売チャネルで好調でしたが特に卸向けが堅調であり、上半期に引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の水準を上回って伸長し、対前年同四半期比で15%の増加となりました。欧州・中東・アフリカ地域においても、同様に全販売チャネルと全商品カテゴリーで好調に推移し、前年同四半期比19%の増加となりました。中国地域ではビジネス構造の改革を推進しておりますが、小売り及びeコマースの販売チャネルにおけるGROHEブランド商品の売上が好調であり、前年同四半期比2%の増加で推移いたしました。一方、アジア太平洋地域は新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響によりベトナムやタイなどの一部地域では生産活動が制限される場面もありましたが、地域全体としては経済活動の回復が進展し、前年同四半期比で19%の増加となりました。

 

 

事業利益については、引き続き資材価格や輸送費の高騰、感染再拡大による部品調達難などの悪化要素があったものの、ウォーターテクノロジー事業における欧米市場を中心とした旺盛な需要に加え、国内外における販売価格の見直しや販管費の削減に努めた結果、前年同四半期比36.6%増の617億51百万円と増益となりました。その結果、事業利益率は前年同期比で1.4ポイント改善して5.7%に上昇、売上総利益率は1.0ポイント改善して34.8%に上昇いたしました。また、販管費比率は0.4ポイント改善しております。

 

(注)1.「事業利益」は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

2.「国内事業」「海外事業」については、当社グループの連結業績管理にて定義しているマネジメントベースの区分を使用しており、所在国による区分とは一部異なります。具体的には、ウォーターテクノロジー事業及びハウジングテクノロジー事業において、国内で管轄している一部の海外子会社を「国内事業」に含めております。

3.「海外事業」における地域別売上収益の前年同四半期比率の算出にあたっては現地通貨ベースで増減比較を実施しており、為替変動による影響は含まれておりません。また、増減比較の基礎となる地域別売上収益はセグメント間及び地域間取引の消去前で算出しております。

 

上記のとおり、当第3四半期連結累計期間は引き続き厳しい事業環境の中で、一部事業において部品調達難や物流ひっ迫の影響を受けたものの、欧米地域の好調な売上に支えられ、アジア太平洋地域においても経済活動の回復が進展したことなどにより増収増益となりました。一方、足元においては資材価格の更なる上昇に加え、特に国内において様々な部品の供給問題に対応したことでコスト増の傾向にあります。しかしながら、従来より進めてきたサプライチェーンの安定化、デジタル化の推進や構造改革などの施策により、こうした問題にも機動的に対応することができております。このような厳しい事業環境の中、逆境を勝ち抜くために、当社グループは明確な経営方針のもとで環境の変化に柔軟に対応できる体制を強化しつつ、強固な基盤を構築してまいりました。

また、持続的な成長の実現に向けて、当社グループでは収益性を高め、サプライチェーンを強化し、変化に対応する機動力とレジリエンスの向上に取り組んでおります。加えて、事業活動と商品・サービスを通じた気候変動へのより一層の対応が求められる中、これを事業機会として捉え、気候変動の緩和に向けた貢献につなげてまいります。特に国内においては、約90%の既存住宅が現行の省エネ基準を満たしておらず、高性能窓などの商品やサービスを提供することにより、住宅の断熱性を高め、省エネ化を推進するという重要な役割を果たすことができます。 さらに、アルミや樹脂サッシのリサイクルの推進や、リサイクル素材を活用した商品開発により、資源の持続可能 な利用を追求してまいります。当社グループは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」に向けて、差別化された商品やサービスの提供を通じて持続的な成長を達成し、ステークホルダーの皆様に長期的な価値を提供してまいります。

 

資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループは、健全な財政状態を維持しつつ、事業活動に必要な資金を安定的かつ機動的に確保すべく、営業活動によるキャッシュ・フローの創出や幅広い調達手段の実現に努めております。手元流動性に関しては、非常時の決済資金相当額を常に維持することを基本とし、財務柔軟性を確保するため、銀行などの金融機関からの借入や社債の発行に加え、コマーシャル・ペーパー発行枠及びコミットメントラインの確保、受取手形・債権の流動化といった取り組みを通じて、調達手段の多様化を図っております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い経営環境が急激に悪化した際のリスクに備えて、上記の基本方針とは別に短期資金の調達枠を設定しております。また、当社グループ内においても設備投資案件の優先順位付け、在庫管理の徹底、販管費の縮減方策などを通じてさらなる手元流動性の確保に努めております。

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。

 

[ウォーターテクノロジー事業]

ウォーターテクノロジー事業においては、国内、海外ともに前年同四半期における新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う需要減少から回復をみせており、海外事業、特に北米地域、欧州・中東・アフリカ地域の旺盛な需要に支えられ売上収益は6,471億97百万円(前年同四半期比12.1%増)、事業利益は売上収益の増加に伴う粗利増に加え、国内におけるリフォーム商品や中高級価格帯商品の売上構成比率の上昇効果、販売価格の見直しなどもあり645億22百万円(前年同四半期比39.1%増)と増収増益となりました。

 

[ハウジングテクノロジー事業]

ハウジングテクノロジー事業においては、「ニューノーマル」への意識の高まり、及び在宅時間が増えたことによる消費者心理の変化などを背景にリフォーム需要が堅調に推移しているものの、前連結会計年度における子会社売却の影響などもあり売上収益は3,544億15百万円(前年同四半期比3.2%減)と減収となりました。一方で、事業利益は資材価格の上昇によるさらなるコスト増があったものの、引き続き体質強化施策の進捗、販売価格の見直し、生産効率の向上などの改革推進効果により収益性の改善がみられ290億54百万円(前年同四半期比11.9%増)と増益となりました。

 

[ビルディングテクノロジー事業]

ビルディングテクノロジー事業においては、大型物件を中心とした工程の見直しに伴う建材供給時期の遅れなどから売上収益は657億17百万円(前年同四半期比7.2%減)と減収となりましたが、事業利益は体質強化への継続的な取り組み及び生産性向上施策の進展などにより利益率の改善に努めた結果19億60百万円(前年同四半期比1.5倍)と増益となりました。

 

[住宅・サービス事業等]

住宅・サービス事業等においては、前連結会計年度における子会社売却の影響が大きく売上収益は227億6百万円(前年同四半期比38.4%減)、事業利益は販管費の抑制に努めたものの子会社売却影響に加え資材価格の高騰もあり5億45百万円の事業損失(前年同四半期は19億42百万円の事業利益)と減収減益となりました。

 

なお、セグメント別の売上収益はセグメント間取引消去前であり、事業損益は全社費用控除前であります。

 

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて236億94百万円増加の1兆7,655億8百万円となりました。流動資産は、季節的要因による営業債権及びその他の債権の増加や棚卸資産の変動による影響などにより、前連結会計年度末に比べて621億15百万円増加の6,998億88百万円となりました。一方、非流動資産は、主に設備投資額の抑制や遊休資産の売却などによる減少に加えて、上場株式の売却に伴うその他の金融資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べて384億21百万円減少の1兆656億20百万円となりました。

また、資本は5,776億55百万円、親会社所有者帰属持分比率は32.6%(前連結会計年度末比0.9ポイント改善)であります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。なお、金額は非継続事業を含むキャッシュ・フローの合計額であります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、852億35百万円の資金増加となりました。前年同四半期に比べて160億61百万円の減少となり、この主な要因は、継続事業からの税引前四半期利益の増加があったものの、棚卸資産や営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務などの運転資本の変動に加え、前連結会計年度における子会社の売却による資金減少があったことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出や、有形固定資産の処分による収入があったことなどから195億89百万円の資金減少となりました。前年同四半期に比べて355億22百万円の資金増加であり、主に設備投資の抑制やプラットフォーム化による投資効率の向上に加えて、上場株式の売却に伴う収入があったことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金やリース負債の支払のほか、有利子負債の調達と返済を機動的に行ったことなどから669億81百万円の資金減少となりました。前年同四半期に比べて965億29百万円の資金減少であり、これは前年同四半期において社債の新規発行や長期資金の借換え、及びコロナ禍における手元流動性確保のための短期資金の調達を行ったことなどによるものであります。

これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、換算差額による影響などを含めると、前連結会計年度末に比べて1億65百万円増加の1,112億26百万円であります。

 

(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針及び経営環境に重要な変更はありません。また、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についても重要な変更はありません。

なお、株式会社の支配に関する基本方針は、次のとおりであります。

当社では、多数の株主に株式を中長期で保有していただくことが望ましいと考え、業績を向上し企業価値を高めて、株主の支持をいただけるような施策を打ってまいります。よって、敵対的買収防衛策については、特に定めておりません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、16,887百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。