第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項に記載した将来や想定に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、個人消費や民間設備投資に持ち直しの動きが見られたものの、新たな変異株の発生による感染の再拡大や資材・エネルギー価格の高騰による影響が継続するとともに、急速に進行した為替変動(円安)及び物価上昇などもあり、これらが本格的な経済活動の回復への阻害要因となっております。また、住宅投資に関しては、新設住宅着工戸数が5月より前年同期比でマイナスに転じており、貸家及び分譲については底堅く推移しているものの、持家は弱含みの傾向が続いており、先行きは不透明な状況となっております。

世界経済に関しては、新型コロナウイルス感染症対策の進展と行動制限の緩和により経済活動の正常化が進んできているものの、国内と同様に変異株による感染の再拡大に加え、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資材・エネルギー価格の高騰や中国のロックダウンによる経済活動抑制の影響など、地政学的リスクによる景気回復の下振れの懸念が顕在化しております。また、サプライチェーンの寸断による海運等を中心とした物流費の上昇などもあり、いずれも沈静化の方向にはありますが、先行きは依然として不透明感が継続しております。

 

このような環境のもと、当第1四半期連結累計期間の売上収益は3,602億91百万円(前年同四半期比4.2%増)と増収となりました。一方で、利益面においては、事業利益は69億77百万円(前年同四半期比69.8%減)、営業利益は120億67百万円(前年同四半期比49.6%減)、継続事業からの税引前四半期利益は120億31百万円(前年同四半期比47.5%減)とそれぞれ減益となりました。

その結果、非支配持分を控除した親会社の所有者に帰属する四半期利益は57億34百万円(前年同四半期比65.9%減)となりました。

 

第1四半期連結累計期間の業績は、サプライチェーンの寸断や中国地域でのロックダウンの影響を受けたものの、為替の影響や国内事業におけるリフォーム売上の伸長などにより、前年同四半期比で増収となりました。一方で、インフレーションと円安による原材料及び物流費のコスト増を反映させるべく価格改定を推進してまいりましたが、当四半期連結累計期間における効果はまだ限定的であります。加えて欧米地域での物流のひっ迫による製品供給への影響などもあり、前年同四半期比で減益となりました。

現時点での見通しとして、価格改定、サプライチェーンの強靭化、営業政策の転換や固定費の削減など、かねてより推進してきました様々な施策の成果、及び直近では落ち着きつつある資材価格の下落の効果の発現は当連結会計年度の下期以降に本格化する見込みです。

厳しい事業環境が続く中、当社グループでは経営の基本的方向性である「LIXIL Playbook」の優先課題に沿って組織と事業の変革に注力してきたことで、より強靭で機動的な企業へと転換しつつあり、財務体質も改善しております。また、国内においてはリフォーム関連製品の売上が順調に拡大しつつあります。約90%の既存住宅が現行の省エネ基準を満たしておらず、住宅の断熱性を高め、省エネ化を推進することにより脱炭素化の目標により一層貢献するためにも、住宅の高性能化を実現するリフォーム関連製品の普及に向けた取り組みを強化してまいります。

今後も、事業活動と製品・サービスを通じて、社会・環境課題の解決に貢献するとともに、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」という当社の存在意義と持続的成長の実現に向けて、取り組みを推進してまいります。

 

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。なお、セグメント別の売上収益はセグメント間取引消去前であり、事業利益は全社費用控除前であります。

また、報告セグメントについては従来4区分で開示しておりましたが、当第1四半期連結累計期間より2区分に変更しております。このため、前年同四半期との比較は、変更後の報告セグメントに基づき組み替えて行っております。変更の詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.事業セグメント」に記載のとおりであります。

 

[ウォーターテクノロジー事業]

主に水まわり製品を手がけるウォーターテクノロジー事業においては、国内事業は前連結会計年度の下期に生じた一部製品の部品調達難の影響が概ね解消したことでリフォーム関連製品の売上が回復をみせたことなどから、前年同四半期とほぼ同水準の売上を確保いたしました。また、海外事業は欧米地域におけるサプライチェーンの断に起因した物流のひっ迫、中国地域におけるロックダウンの影響など外部環境要因があったものの、急激な円安による為替換算影響に加え、これまでコロナ禍で低迷していたアジア太平洋地域における経済活動の回復などもあり、対前年同四半期比で増収となりました。その結果、同事業の売上収益は2,209億79百万円(前年同四半期比4.9%増)と増収となりました。

一方で、事業利益は国内・海外とも価格改定効果による粗利増に加え、国内におけるリフォーム商品や中高級価格帯商品の売上構成比率の上昇がみられたものの、前連結会計年度から続いている資材・エネルギー価格の高騰影響に加えて製品の安定供給にかかるコスト増などもあり、132億25百万円(前年同四半期比44.1%減)と減益となりました。

 

[ハウジングテクノロジー事業]

主に国内にて住宅建材製品を展開するハウジングテクノロジー事業においては、住宅性能・快適性の向上を目的としたリフォーム需要の増加などにより売上収益は1,429億95百万円(前年同四半期比2.6%増)と増収となりました。

一方で、事業利益は前連結会計年度より引き続き取り組んでいる体質強化施策及び価格改定の推進、及びアセットライト化が軌道に乗ってきたことにより収益性の改善は着実に進んでいるものの、主として為替(円安)影響を背景とした想定を上回る資材価格の高騰によるコスト増などにより、31億30百万円(前年同四半期比68.5%減)と減益となりました。

 

(注)1.「事業利益」は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

2.「国内事業」「海外事業」については、当社グループの連結業績管理にて定義しているマネジメントベースの区分を使用しており、所在国による区分とは一部異なります。具体的には、ウォーターテクノロジー事業及びハウジングテクノロジー事業において、国内で管轄している一部の海外子会社を「国内事業」に含めております。

 

(2) 財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて736億9百万円増加の1兆8,564億91百万円となりました。流動資産は、主にサプライチェーンの寸断による調達及び供給リスクを回避するための安全在庫確保や価格上昇などによる棚卸資産の増加があったことから、前連結会計年度末に比べて529億46百万円増加の7,675億53百万円となりました。一方、非流動資産は、上場株式の売却によるその他の金融資産の減少などがあったものの、主にのれん及びその他の無形資産において円安による為替換算に伴う増加影響があったことなどから、前連結会計年度末に比べて206億63百万円増加の1兆889億38百万円となりました。

また、資本は6,360億0百万円、親会社所有者帰属持分比率は34.1%(前連結会計年度末比0.2ポイント減少)であります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。なお、金額は非継続事業を含むキャッシュ・フローの合計額であります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、165億34百万円の資金減少となりました。前年同四半期に比べて358億39百万円の減少となり、この主な要因は、継続事業からの税引前四半期利益の減少に加えて、棚卸資産や営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務などの運転資本の変動による資金減少があったことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出があったものの、上場株式の売却による収入があったことなどから39億74百万円の資金増加となりました。前年同四半期に比べて94億48百万円の資金増加であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金やリース負債の支払のほか、資本効率の向上と株主還元の強化を目的として自己株式の取得を実施した一方で、有利子負債の調達と返済を機動的に行ったことなどから141億68百万円の資金増加となりました。前年同四半期に比べて298億12百万円の資金増加であります。

これらの結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、換算差額による影響などを含めると、前連結会計年度末に比べて55億14百万円増加の1,059億18百万円であります。

 

なお、資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループは、健全な財政状態を維持しつつ、事業活動に必要な資金を安定的かつ機動的に確保すべく、営業活動によるキャッシュ・フローの創出や幅広い調達手段の実現に努めております。手元流動性に関しては、非常時の決済資金相当額を常に維持することを基本とし、財務柔軟性を確保するため、銀行などの金融機関からの借入や社債の発行に加え、コマーシャル・ペーパー発行枠及びコミットメントラインの確保、受取手形の流動化といった取り組みを通じて、調達手段の多様化を図っております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い経営環境が急激に悪化した際のリスクに備えて、上記の基本方針とは別に短期資金の調達枠を設定しております。また、当社グループ内においても設備投資案件の優先順位付け、在庫管理の徹底、販管費の縮減方策などを通じてさらなる手元流動性の確保に努めております。

 

(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針及び経営環境に重要な変更はありません。また、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についても重要な変更はありません。

なお、株式会社の支配に関する基本方針は、次のとおりであります。

当社では、多数の株主に株式を中長期で保有していただくことが望ましいと考え、業績を向上し企業価値を高めて、株主の支持をいただけるような施策を打ってまいります。よって、敵対的買収防衛策については、特に定めておりません。

 

(5) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、5,806百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

本社移転について

 当社は当社の本社をWINGビル(東京都江東区)から住友不動産大崎ガーデンタワー(東京都品川区)に移転すること及びWINGビルの建物及び土地を売却することを決定し、当第1四半期連結会計期間において、住友不動産大崎ガーデンタワーの賃貸借契約及びWINGビルの売却契約を締結しました。

 なお、WINGビルの売却予定時期は当連結会計年度中を想定しており、要約四半期連結財政状態計算書においては、WINGビルの建物及び土地を売却目的で保有する資産に分類しております。

 売却の概要については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.売却目的で保有する資産」に記載のとおりであります。