第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、経営の基本方針として、<G&G>すなわち<Global(グローバル)&Green(グリーン=エコロジー)>を掲げています。グローバルでは、海外との取引や海外展開等にとどまらず、品質・コスト・サービス等でたえず世界の水準を見据えて、地球レベルの活動へのアクセスを目指すものです。

また、当社グループは、グリーン=エコロジーという言葉が市民権を得る以前から、リサイクルを柱とする企業活動を続けています。

<G&G>は、当社及びグループの企業アイデンティティです。

 

(2) 目標とする経営指標

前述の「会社の経営の基本方針」に記載のとおり、当社グループは<G&G>を着実に展開すべく、品質・コスト・サービス等でたえず世界水準を見据えて、地球レベルの活動へのアクセスを目指しております。経営指標としては経常利益の確保を重視し、効率的な経営に努めております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2030年に目指すべき姿『DAIKI∞NEXT∞』を策定し、2030年に想定される対応すべき外部環境(地球環境や社会環境)の変化と、当社グループの事業活動に及ぼす影響(リスクと機会)を考察した上で、「G&G」の経営コンセプトのもと、持続的に成長することを目指してまいります。また、社会のサステナビリティへの関心が高まる中、企業の社会的責任がより重視される事業環境を鑑み、マテリアリティ(重要課題)を特定し、これらを中期経営計画に組み込むことで、企業価値向上に努めてまいります。

 

(4) 経営環境及び会社の対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、欧米各国の金融政策の影響による世界的な消費の落ち込みや生産活動の停滞など、世界経済が減速することが懸念されます。

また、当アルミニウム二次合金業界は大手需要先である自動車メーカーの生産量が伸び悩むことも予想されます。

こうした中、当社グループは、海外連結子会社における製品と原料の価格差が縮小傾向で売上総利益が減少する見込みとなることから、需要に見合う効率的な生産体制、原材料の価格変動にも対応出来うる購買体制を構築するなど、経営環境の変化に敏速に対応し、社業の発展に万全を期する所存であります。
 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

基本方針

当社グループは、長年培ってきたアルミニウムのリサイクル事業を中心に、環境に優しい循環型社会の構築を目指して、リサイクルを通じた価値創造を続けていきます。

また、堅実・健全な事業活動により、すべてのステークホルダーとの信頼関係を構築していきます。

わたしたちは、「社会」と「事業」を同軸にとらえ、持続可能な社会と、地球が求める真の企業への持続的な成長を、ともに実現してまいります。

 


 

(1)ガバナンス

サステナビリティ推進体制

サステナビリティを推進する組織として、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、その下に分科会を設け、戦略、計画の策定、指標と目標の設定等全社的なサステナビリティ課題に対する分析や財務的影響および対応策を議論する体制を整備しました。

分科会で議論した内容は、サステナビリティ委員会を通じて定期的(原則年1回以上)に取締役会に上程・報告され、取締役会は必要に応じて対策を決議し、監督・指示を行っております。

 


 

(2)戦略

①気候変動への取り組みとTCFDへの対応

中長期的なリスクの1つとして「気候変動」をとらえ、関連リスク及び機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ、「2℃未満シナリオおよび4℃シナリオ」を参照し、2050年までの長期的な当社グループへの影響を考察し、当社の製品事業(国内)を対象にシナリオ分析を実施しました。

 

シナリオ

概 要

2℃未満シナリオ

今世紀末までの気温上昇を2℃未満に抑えるため、脱炭素社会に向けた大胆な政策や技術革新が進むシナリオ

4℃シナリオ

今世紀末までの気温上昇が4℃程度となり、気象災害等が激甚化し、物理的影響が生じるシナリオ

 

 

a.リスクと機会が及ぼす影響

2℃未満シナリオ、4℃シナリオにおいて、事業への影響が大きいと想定されるリスクと機会を特定しました。

 

シナリオ

要因

リスク/機会

当社事業への影響

インパクト評価

2℃

未満

(移行)

スクラップ原料の需要増

リスク

調達価格が上昇する


 

(リスク:大)

カーボンプライシングの導入

リスク

国内のScope1・2の排出量に応じて炭素税の支払コストが発生、増加する


 

(リスク:中)

再エネ調達

リスク

脱炭素目標の達成に向け、再エネ調達コストが増加する


 

(リスク:小)

高品位スクラップ原料の需要増

リスク

スクラップ原料の格上げ工程(不純物除去・無害化)のためのコストが増加する


 

(リスク:中)

二次合金地金の用途拡大につながる技術革新

機会

利用対象が広がり、特殊合金の需要が増加し、売上が拡大する


 

(機会:中)

EV市場の拡大

機会

車体軽量化のためアルミニウム化が進み、アルミニウム二次合金需要が増加し、車体用合金の売上が拡大する


 

(機会:大)

リスク

内燃機関用アルミニウム二次合金の需要が減少し、売上が縮小する


 

(リスク:大)

4℃

(物理)

生産拠点の被災

リスク

国内の自社工場が被災することで、製造が停止し操業が困難になり損害が発生する。また、損害保険料の負担が増加する


 

(リスク:小)

 

 

 

b.リスクと機会への対応策

 シナリオ分析を通じて特定されたリスクと機会への対応策を、今後、当社グループが注力すべきマテリアリティととらえ、取組を進めていきます。

 

シナリオ

要因

当社の対応策

2℃

未満

(移行)

スクラップ原料の需要増

・原料サプライチェーン構築によりスクラップ集荷体制を強化する

・主要地域(西日本・九州・北関東など)での集荷拠点を開設する

・地域に根差した集荷による、「回収」から「製品まで」のリサイクルループを確立する

カーボンプライシングの導入

・生産や流通過程における二酸化炭素排出量を削減する

再エネ調達

・生産過程での更なる再エネ移行を推進する

太陽光発電の設置を通じての外部調達コストの抑制

費用対効果の高い再生ECOプランの購入

・新規調達先の開拓など安定した再エネ調達体制を構築する

高品位スクラップ原料の需要増

・取扱量を増加させ、格上げ工程での原単位コストを削減する

二次合金地金の用途拡大につながる技術革新

・新塊合金の二次合金化を進めるための研究・技術開発を行う

・開発した二次合金について顧客のご要望に応じて調整し製品化する

・国内外の自動車メーカー・バッテリーメーカーへのアプローチとコネクション造りを行う

EV市場の拡大

・今後、EV分野向けに顧客と提携し、車体用アルミニウム二次合金の研究・技術開発を行う

・国内外の自動車メーカー・バッテリーメーカーへのアプローチとコネクション造りを行う

・従来のガソリン車用部品に加えて、新たにEV用部品に対応するアルミ二次合金地金を開発・販売する

4℃

(物理)

生産拠点の被災

・被災状況を想定した復旧計画の具体的な策定と継続的な見直し・実践を徹底する

・他拠点での代替生産の体制を強化する

 

 

 

②人材資本経営の取り組み

当社グループを取り巻く国内外の外部環境の変化がますます激しくなる中で、当社では、VISION 2030「DAIKI  ∞NEXT∞」の実現に向けて、その原動力である人材一人ひとりの活躍支援が不可欠と捉えております。

当社グループでは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性自認及び性的指向等にかかわらず、一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進する方針であります。そして、従業員の「個」の最大化を支援・育成し、その層を厚くすることが、人的資本の拡充に繋がると考えます。

これらの考え方を踏まえ、当社グループでは、人材の育成及び社内環境整備について推進しております。具体的方針については、次のとおりであります。

 

a.人材育成方針

 当社は、経営コンセプトとして「G&G」を掲げ、世界とリンクするGlobalな視点と活動、そして、地球環境と向き合うGreenの理念と実践に取り組んでおります。この取り組みに向けて、行動指針として掲げる3つの指針①お客様第一主義、②現場主義、③当事者意識の徹底を体現出来る人材を育成していくことが、人材育成の基本的なコンセプトと捉えております。

このような中で、当社では、2021年度発表の中期経営計画の柱の一つ、『人材の育成と活用』を基に「~100年企業 その先へ~」を人材育成コンセプトとし、未来を創造する人材、組織づくりが持続的成長に欠かせないと考え、研修体系を新たに作り直し、階層別研修プログラムを2022年度からスタートさせました。

新研修体系の目的は、異なる拠点社員との交流を図り、対面での研修受講をメインに、中堅層の主任研修では社内の上下階層を超えた働きかけを強めることが社内活性化に繋がるとの考えから、より一層の研修内容を整備しました。

全社員を対象としており、2022年度から2024年度の3年間を育成体系移行期とし、階層や経験を問わない育成体系運用で全社員に浸透させ、また、育成課題や階層別研修以外の新たなテーマの策定などを実施しております。

2025年度以降は定着期として、通常の育成体系運用へと移行し、人材の育成へと努めてまいります。

加えて、グローバルな視点と活動を実現するための戦略として、当社グループの海外子会社への積極的な若手参画の機会創出や、実践的な英語学習の自己啓発支援等にも注力しております。

 

育成体系図


 


 


 

b.社内環境整備方針

従業員満足や自発的貢献意欲の向上を図り、これを起点としてお客様満足の向上に繋げられるように、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境の整備に努めていくため、ダイバーシティへの取り組みとして、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲を持って活躍する活力ある組織の構築を推進していきます。

女性社員の活躍推進におきましては、当社は、女性がキャリアを止めることなく活躍できる環境を整えることが重要であると考え、2023年3月末時点において、女性の育児休業後復職率は100%であり、女性社員の仕事と育児の両立支援にも取り組んでおります。

 

(3)リスク管理

当社グループでは、サステナビリティ関連リスクの内、環境リスクの1つとして気候変動リスクを認識しております。

各リスクおよび機会についてはサステナビリティ委員会に設置された分科会及び各部門が分析、対策の立案と推進、報告を行い、その進捗管理を行うプロセスを構築しています。

分科会及び各部門と全社的なリスクを統括・管理するリスク管理室は互いに連携し、一元的なリスク管理を行っております。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、中期経営計画において、CO2排出量削減を指標とし、2030年度のCO2排出量を2019年度比25%削減※とする目標を掲げています。

※対象範囲:㈱大紀アルミニウム工業所のScope1・2および3(カテゴリー1・4の主要部分)

また、当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人的資本経営の取り組みについては、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

(単体)   

 

単位

2021年度~2022年度

合計(実績)

2023年度~2024年度

合計(目標)

研修・人材開発の総時間

時間

7,500

11,400

研修・人材開発の総コスト

万円

3,000

4,800

 

 

(単体)   

 

単位

2023年3月末

(実績)

2025年3月末

(目標)

有給休暇取得率(管理職含む)

69.7

80.0

離職率(定年退職除く)

 3.4

 3.0

女性社員比率

11.0

15.0

女性管理職比率

 8.3

10.0

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主要販売先への依存度について

当社グループの販売先は、産業界のなかでも、自動車業界を主体に限られた業態が対象となっており、売上に占める比重が大きな販売先が存在することから、その業態における景気動向或いは販売先個々の業績や社内事情に起因する取引関係の変化等が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 信用リスクについて

当社グループの販売先は、業界の頂点企業たる業容を有する先から中小企業まで多岐にわたっており、販売先の情報収集には日頃から注意を払っております。また、顧客からの代金回収については、金額、回収までの期間、回収の手段等をチェックし、常に、営業部門、管理部門の両面からチェック出来る体制としております。しかしながら、当社の全販売先に関して、財務面・資金面の状況を完璧に或いは常時把握することは困難であります。従いまして、当社の販売先が財務面・資金面で深刻な状況に直面し、その事態を当社が把握できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外での事業展開について

当社グループは、タイ・マレーシア・インドネシア・インド等に現地法人を設立し、アルミニウム二次合金地金(塊)の製造・販売事業を主体に推進しておりますが、政治的・経済的・社会的な事業環境の変化や予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原材料の調達及び市況変動について

アルミニウム事業における原料価格や販売価格は、国際市況を反映したLME(London Metal Exchange:ロンドン金属取引所)で決定された国際相場等の市況変動の影響を受けます。
当社グループが調達する原材料の一部には、環境変化により供給源の縮小化が避けられないものがあり、また、市場性の乏しさに起因して調達に制約を受ける可能性のあるものもあります。これらの原材料の調達に支障が生じた場合や市況が急激かつ大幅に変動し原材料の価格や販売価格に影響を受けた場合など、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(5) 自然災害・社会的混乱について

当社グループは国内及び海外に事業展開しています。大規模地震や自然災害、火災等の事故、新型ウイルス等の感染症が発生した場合には、生産活動をはじめとする企業活動全般や人的資源に重大な影響、損害を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 a 財政状態

(流動資産について)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ107億7千9百万円減少し、1,027億2千1百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が29億3千3百万円、商品及び製品が34億3千9百万円、原材料及び貯蔵品が36億8千4百万円それぞれ減少したことによるものであります。

(固定資産について)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ23億7千8百万円増加し、304億9千3百万円となりました。これは主に有形固定資産が17億2千3百万円、投資有価証券が8億2千8百万円それぞれ増加したことと、退職給付に係る資産が8千9百万円、繰延税金資産が1億2千6百万円それぞれ減少したことによるものであります。

(流動負債について)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ179億8千1百万円減少し、542億8千9百万円となりました。これは主に短期借入金が160億2千9百万円、未払法人税等が17億3千1百万円それぞれ減少したことによるものであります。

(固定負債について)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ2億8千3百万円減少し、105億5千5百万円となりました。これは主に長期借入金が6億1千万円減少したことと、退職給付に係る負債が4千8百万円、リース債務が2千5百万円、繰延税金負債が2億5千3百万円それぞれ増加したことによるものであります。

(純資産の部について)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ98億6千5百万円増加し、683億7千万円となりました。これは主に利益剰余金が70億9千3百万円、為替換算調整勘定が24億6千3百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

 b 経営成績

当連結会計年度における売上高は2,730億3千3百万円(前年同期比15.7%増)、売上原価は2,500億3千5百万円(前年同期比20.9%増)、販売費及び一般管理費は92億5千2百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は137億4千4百万円(前年同期比32.5%減)となりました。セグメント別売上高は、アルミニウム二次合金売上高は2,694億5千万円(前年同期比15.8%増)、その他売上高は51億1千5百万円(前年同期比5.4%増)となっております。

当連結会計年度においては、自動車メーカーは、世界的な半導体不足の長期化や部品の調達難が継続しており、引き続き生産計画の見直しにより自動車生産量が減少しました。また、海外連結子会社における製品価格と原料価格の価格差(スプレッド)が縮小したことと同時に、エネルギー価格上昇により製造コストが増加した結果、経常損益につきましては、138億9千万円(前年同期比32.8%減)の利益となり、親会社株主に帰属する純損益は97億2千6百万円(前年同期比34.6%減)の利益を計上することとなりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8千9百万円増加し、48億6千9百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、主に税金等調整前当期純利益を計上したことと、売上債権及び棚卸資産が減少したことによる資金の増加と、仕入債務が減少したことによる資金の減少により261億6千5百万円(前年同期は156億2千1百万円の減少)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、主に有形固定資産の取得による支出により45億8千万円(前年同期は34億1千7百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、主に短期借入金の純増減額が減少したことと長期借入れによる収入や返済による支出と配当金の支払いにより216億6千万円(前年同期は179億1千2百万円の増加)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社グループ(当社及び連結子会社)の生産、受注及び販売の状況につきましては、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列のアルミニウム製品を製造販売していることにより、セグメントの重要性が乏しいため、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に含めて記載することといたしました。

また、当社グループは主として見込生産によっておりますので、受注及び受注残高について記載すべき事項はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております

 

 a 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 b 固定資産の減損処理

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大や、ウクライナ情勢等の影響による原材料価格及び原油価格の高騰などに加え、諸物価上昇による消費の冷え込みが懸念されるなど、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。

こうした環境のもと、大手需要先である自動車メーカーは、世界的な半導体不足の長期化や部品の調達難が継続しており、引き続き生産計画の見直しにより自動車生産量が減少しました。

当社グループにおいては、販売数量が伸び悩んだ中で、原材料購入単価の適正化への努力をするとともに、製品の適正な在庫管理を徹底して取り組んでまいりました。

この結果、当社グループの連結売上高につきましては、前年同期に比して平均販売価格も上昇したことにより、アルミニウム二次合金地金1,826億3千2百万円(前年同期比15.6%増)、商品・原料他904億円(前年同期比15.8%増)で、これらを併せた売上高総額は2,730億3千3百万円(前年同期比15.7%増)となりました。しかしながら、収益面につきましては、海外連結子会社における製品価格と原料価格の価格差(スプレッド)が縮小したことと同時に、エネルギー価格上昇により製造コストが増加した結果、経常損益につきましては、138億9千万円(前年同期比32.8%減)の利益となり、親会社株主に帰属する純損益は97億2千6百万円(前年同期比34.6%減)の利益を計上することとなりました。

なお、当社グループの生産実績につきましては、アルミニウム二次合金地金1,595億2千1百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 

また、当社グループのアルミニウム二次合金地金の販売数量につきましては、51万6千トンと前期に比べ2.0%減となりました。 

事業別セグメントの状況は、次のとおりであります。

アルミニウム二次合金事業は、上記のとおり当社グループは販売数量が伸び悩んだ中で、前年同期に比して平均販売価格が上昇したことにより、売上高は2,694億5千万円(前年同期比15.8%増)となりました。また、製品価格と原料価格の価格差(スプレッド)が縮小したことにより、セグメント利益(営業利益)は131億9千2百万円(前年同期比32.7%減)の利益となりました。

その他の事業セグメントについては、ダイカスト製品事業が低調に推移したことにより、売上高は51億1千5百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益(営業利益)は5億3千5百万円の利益(前年同期比30.6%減)となりました。

 

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び原料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資の取得等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、事業戦略上重要課題となっている研究開発に取り組んでおり、その推進のために必要な種々の試験設備の充実につとめております。

現在、技術開発に従事している人員は12名であります。

主な研究開発

鋳造用アルミニウム合金材料の多様化に応えるため新合金材料の開発や既存合金材料の改良、溶湯処理技術の改善・強化及び原料前処理技術の開発に取り組んでおります。

また、よりコンパクトな溶解保持兼用炉、自動注湯装置などの開発を行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、130百万円であります。