(1)経営成績に関する分析
当連結会計年度における我が国経済は、政府の金融経済政策により企業収益・雇用情勢の改善が進む一方、中国をはじめとするアジア新興国の減速の影響等が残ることから不透明な状況で推移いたしました。
このような環境の中、当社グループにおきましては、従来からの基本戦略である「販売エリアの拡大」と「販売シェアの向上」の一環として、4月に鹿児島営業所倉庫取得、1月には愛媛県松山市に四国営業所倉庫新設、茨城県神栖市に東京支店鹿島センターの新設、千葉県浦安市に東京支店浦安センターの増設と設備投資を行いました。また、10月に福岡県久留米市に久留米営業所、1月に愛媛県新居浜市に新居浜営業所、3月に香川県丸亀市に丸亀営業所を新たに開設いたしました。業績につきましては、当連結会計年度の売上高は鋼材販売数量の増加ならびに完成工事高は増加しましたが、鋼材市況の下落により1,896億77百万円(前年同期比0.4%減)となりました。損益面におきましては売上原価の低減に努めたことにより、営業利益42億92百万円(前年同期比3.8%増)、経常利益44億88百万円(前年同期比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億4百万円(前年同期比11.1%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
①九州・中国エリア
前期に対し鋼材販売数量の増加ならびに完成工事高が増加した結果、売上高は増加いたしました。利益につきましても売上高の増加ならびに完成工事高の増加により増加いたしました。その結果、外部顧客への売上高は1,009億3百万円(前年同期比2.2%増)セグメント利益は31億16百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
②関西・中京エリア
前期に対し鋼材販売数量の増加ならびに完成工事高が増加したものの、鋼材市況の下落により売上高は減少いたしました。利益につきましても倉庫新設による経費の増加により減少いたしました。その結果、外部顧客への売上高は488億27百万円(前年同期比1.0%減)セグメント利益は4億1百万円(前年同期比12.1%減)となりました。
③関東・東北エリア
前期に対し完成工事高は増加したものの、鋼材販売数量の減少と鋼材市況の下落により売上高は減少いたしました。利益につきましては倉庫新設による経費が増加したものの、売上原価の低減に努めたことにより増加いたしました。その結果、外部顧客への売上高は399億46百万円(前年同期比5.7%減)セグメント利益は7億47百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
(2)財政状態に関する分析
①資産、負債および純資産の状況
(資産の部)
前連結会計年度末比49億14百万円減少し、1,281億46百万円となりました。主な要因は、新倉庫建設による固定資産の増加はあったものの、鋼材市況の下落による商品及び製品の減少ならびに受取手形及び売掛金の減少によるものです。
(負債の部)
前連結会計年度末比72億39百万円減少し713億53百万円となりました。主な要因は、買掛金の減少ならびに運転資金の減少に伴う短期借入金の減少によるものです。
(純資産の部)
前連結会計年度末比23億24百万円増加し567億93百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加によるものです。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の減少及びたな卸資産の減少による収入があったものの、有形固定資産の取得による支出及び短期借入金の減少による支出があったことにより前連結会計年度末に比べ62百万円減少し、当連結会計年度末は25億34百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は128億74百万円(前連結会計年度は51億62百万円の使用)となりました。
これは主に、売上債権の減少及びたな卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は89億87百万円(前連結会計年度は88億23百万円の使用)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は39億49百万円(前連結会計年度は142億70百万円の獲得)となりました。
これは主に、短期借入金の減少によるものであります。
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
当社は、内部留保の充実による企業体質の強化をはかりつつ、安定かつ高い水準の利益還元を継続的に行うことを基本方針としております。
当期につきましては、1株当たり19円の中間配当を実施し、期末配当につきましては今後のエリア拡大戦略を積極的に進めるべく新倉庫建設に投資する等、今後の安定的な利益確保のビジョンを元に総合的に判断し、1株当たり23円とさせていただきます。
この結果、通期におきましては1株当たり42円の配当となり、当期の連結配当性向は26.3%となりました。
また、内部留保金につきましては、市況・需要動向に迅速に対応できる在庫体制の拡充や新しい拠点施設の整備などに有効に利用し、結果として株主の方々へのさらなる利益還元を積極的に行ってまいります。
なお、次期の配当金につきましても引き続き同様の方針に基づき、1株あたり中間配当金20円、期末配当金25円の年間45円の配当を予定しております。
(1)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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九州・中国(百万円) |
107,979 |
1.9 |
|
関西・中京(百万円) |
52,371 |
△2.2 |
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関東・東北(百万円) |
40,745 |
△5.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
201,097 |
△0.8 |
|
連結財務諸表との調整額(百万円) |
△11,419 |
- |
|
合計(百万円) |
189,677 |
△0.4 |
(注)1.総販売実績に対し10%以上の販売を行っている相手先はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
九州・中国(百万円) |
98,949 |
0.2 |
|
関西・中京(百万円) |
45,649 |
△14.0 |
|
関東・東北(百万円) |
34,625 |
△16.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
179,225 |
△7.4 |
|
連結財務諸表との調整額(百万円) |
△11,257 |
- |
|
合計(百万円) |
167,967 |
△7.3 |
(注)1.仕入実績は、商品仕入及び材料仕入です。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
鉄鉱石・石炭・鉄スクラップ等の鉄鋼原材料価格の変動による鉄鋼商品市況の影響により、当社が属している鉄鋼流通業は市況の上昇による販売与信リスク、在庫金利負担の増加リスクの発生、もしくは市況の下落による在庫の販売損ならびに評価損の発生リスクが企業経営に大きな影響を及ぼし、販売力・財務力などの差異により企業間格差は拡大傾向にあります。
このような環境のなか、当社グループは企業間競争に勝ち残るため、下記の課題克服にチャレンジし続けてまいります。
(1) 「販売エリアの拡大」策として、出張販売から徐々に販売エリアを広げ、営業所の開設へとつなげることにより得意先への細やかな対応を目指してまいります。
(2) 「販売シェアの向上」策として、最終ユーザーをターゲットとした川下戦略により、販売先の件数増加をはかり、販売力の強化及び与信リスク分散に努めてまいります。
(3) 「大型物流倉庫の保有による多品種構成のスーパーマーケット型事業展開」を実現するため、各仕入先との関係強化、設備投資や在庫保有に必要な資金調達が柔軟に行えるよう財務体質の強化に尽力してまいります。さらに、付加価値の高い商品の販売や自社岸壁の保有など物流コストの削減を目指すことにより収益率を高めてまいります。
(4) 商品販売のみならず工事請負事業にも注力し、付加価値の向上と市況に影響を受けにくい体制づくりを目指してまいります。
(5) 与信管理の強化策として回収条件の変更、与信調査の強化をはかってまいります。
(6) 今後の事業展開を鑑み、人材の育成が急務であり、個々のレベルアップとともに組織力強化をはかるため、情報と業務の共有化の徹底に取り組んでまいります。さらに、人材確保におきましても少子高齢化社会が進むなか、人材の確保が難しくなっており、インターネット等を駆使し、幅広く会社の認知度を高め、世代のバランスを考えた新卒・中途の採用を積極的に行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループを取り巻く環境について
① 当社グループは、アジアを中心として鋼材の輸出入業務を行っております。国内はもちろん、世界的またはその国・その地域の景気後退、競争激化により、あるいは特定の国・地域における予測不可能な政策変更、規制強化、政情不安等により損失が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、外貨建取引を行うにおいては為替変動リスクを軽減するため、原則として為替予約等の措置を講じておりますが、当該リスクを完全に回避できる保証はありません。今後の為替変動によっては、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループは、鉄鋼商品の在庫販売を行っております。鉄鋼市況の変動への適宜な対応が出来なかった場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 当社グループは、主として金融機関からの借入金により事業資金を調達しております。今後の金利変動によっては、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 当社グループは、事業戦略の一環として、金融機関や販売または仕入に係る取引先の株式を保有しておりますが、今後の株価動向によっては、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 当社グループは、取引先に対し営業債権を保有しております。約3,000社にのぼる全販売先に対して与信枠を設定するとともに、定期的に見直しをはかり、貸倒リスクの低減に努めておりますが、全額回収を保証するものではありません。特定の取引先において、倒産等により債務不履行が生じた場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営上の重要な課題と位置づけており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化をはかっております。業務運営においては役員・社員の不正及び不法行為の防止に万全を期しておりますが、万一かかる不正行為が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制について
当社は、建設機材類の販売において、建設業者より建設工事の一部工事を請負う受注があり、そのために、「建設業法」に基づき国土交通大臣により特定建設業許可を受けております。
許可番号 国土交通大臣許可(特-24)第8648号
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、重要な影響を与える見積りを必要とする会計方針としては、以下のようなものがあると考えております。
① 貸倒引当金
当社グループは、業界の慣習から債権回収が手形もしくは延払現金が多いことから、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については、財務内容評価法によっております。将来、取引先の財務状況等が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
② 投資有価証券の減損処理
当社グループは、保有する有価証券について、時価のあるものについては、期末における時価が取得原価に比べ30%以上下落した場合には「著しく下落した」と判断して、その減損処理の対象としております。時価のない有価証券については実質価格が著しく低下した場合に減損処理を行っております。将来、株式市況または投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用の追加計上が発生する可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高1,896億77百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益42億92百万円(前年同期比3.8%増)、経常利益44億88百万円(前年同期比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益33億4百万円(前年同期比11.1%増)となりました。
① 売上高
鋼材販売数量の増加ならびに完成工事高は増加しましたが、鋼材市況の下落により売上高は減少いたしました。
② 営業利益
売上原価の低減に努めたことにより増加いたしました。
③ 経常利益
営業外収益は主に台風被害等による保険金入金が増加いたしました。また、営業外費用は主に短期借入金に係る支払利息が増加いたしました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益として固定資産売却益28百万円を計上いたしました。また、特別損失の主なものは固定資産除却損8百万円であります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要販売先は建設関連業者や機械製造業者等であり、公共投資や民間設備・住宅投資額の変動により需要動向が大きく影響を受ける傾向にあります。
このため、当社グループの売上高は、需要動向に対応する販売数量及び鉄鋼商品市況に高く依存しております。利益面におきましても、同業他社との販売競争は依然厳しい環境のなかで、収益向上は仕入価格の低減と在庫商品の市況動向に即応した数量調整をはかることが不可避であります。
また、当社グループが主に販売している建設関連業者は、資材価格や人件費が増加傾向にあり受注価格への転嫁が遅れていることから厳しい経営状況が続くものと予想され、今後も不良債権の発生リスクが高まっております。
このため、全取引先に対する与信限度額の見直しをはかるなど与信管理の徹底をはかり貸倒リスク低減に努めてまいります。さらに、図らずも発生した不良債権に対しては、当社グループが必要と考える引当金を積んでおります。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループといたしましては、これらの現状を踏まえて、主力である鉄鋼・建材商品販売事業については、「販売エリアの拡大」と「販売シェアの向上」を基本戦略とし、支店ならびに当社グループ間との同行営業・協同仕入を密にすることにより営業力に更なるシナジーを発揮してまいります。
工事請負事業につきましては、鉄鋼・建材商品の販売に伴う工事請負事業が今後も販売先からのニーズとして高まってくることから、特に鉄骨工事など当社グループの専門性を活かした営業を今後も強化してまいります。
不動産賃貸等事業については、新たな不動産取得による賃貸事業の推進ではなく、従来から行っている遊休不動産の有効活用を中心とした事業展開をはかってまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の減少及びたな卸資産の減少による収入があったものの、有形固定資産の取得による支出及び短期借入金の減少による支出があったことにより前連結会計年度末に比べ62百万円減少し、当連結会計年度末は25億34百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は128億74百万円(前連結会計年度は51億62百万円の使用)となりました。
これは主に、売上債権の減少及びたな卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は89億87百万円(前連結会計年度は88億23百万円の使用)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は39億49百万円(前連結会計年度は142億70百万円の獲得)となりました。
これは主に、短期借入金の減少によるものであります。
当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すことを基本とし、当社グループの成長のために将来必要な運転資金及び設備投資資金を柔軟性をもって調達して行きたいと考えております。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営環境は、中国経済の急速な台頭を背景として、国内のみならず東アジア全体が一体として変動していくグローバルな環境となっており、収益をいかに確保していくかは、価格の変動リスクに柔軟に対応し、販売数量を確保することができるかが大きな課題です。このような環境のなかで、販売力・財務体質が弱い企業は、衰退の一途であり、今後加速度的に淘汰が進み企業間格差がさらに拡大していくものと考えられます。
今後は、めまぐるしく変化する経営環境のなかで社内体制の一層の充実をはかり、従来から進めている「販売エリアの拡大」と「販売シェアの向上」を基本戦略とした、「存在感のある企業づくり」をさらに進めることにより、鉄鋼流通業界のなかで大きく飛躍できる絶好の機会を活かしてまいりたいと考えております。
また、その結果として、業績の向上とともに社会貢献と株主還元に積極的に取り組んでまいります。