当事業年度におけるわが国経済は、政府、日本銀行による経済・金融政策を背景に、企業収益や雇用、所得環境の改善の兆しがあるものの、経済情勢は、平成27年10~12月期の国内総生産(GDP)が年率換算で1.4%減と2四半期ぶりのマイナス成長となりました。また、中国やアジア新興国経済の下振れ等といった不確実性の高まりや、金融資本市場の変動による影響等のリスクも存在しており、先行きは依然として不透明な状況となっております。
需要先である建設業界全般におきまして、住宅ローン減税の拡充や省エネ住宅ポイント制度の実施に加え、住宅取得資金にかかる贈与税の非課税措置の拡充等、政府による各種施策が実施されましたが、新設住宅着工戸数はほぼ横ばいの状況となりました。一方、相続税の税制改正を背景に賃貸住宅の建設に対する需要は底堅く、堅調に推移しました。
建築金物業界では、当業界におけるシェア確保のための企業間競争などから依然として厳しい状況が続いております。
このような中、当社は、北関東地域の営業力の強化を図るため、高崎駐在所の新設を行いました。また、住宅メーカーやアパートメーカーへの取引強化を図り、従来の営業活動に加え、新規顧客開拓に積極的に取り組んでまいりました。
また、代理店での製品説明会の実施及び自社工場の見学会開催や設計事務所等に対しPRを積極的に実施いたしました。また、リフォーム関係の展示会にも積極的に参加すると共に、官庁関係、デベロッパーへの自社製品採用依頼に努めてまいりました。
以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、前事業年度比1.3%減の107億70百万円となりました。利益面では、製造経費や販売管理費の軽減に取り組みましたが、円安に伴う原材料費の高騰や高止まりしている運搬費等の影響を販売価格へ完全に転嫁できなかったこと、また、業界自体が未だデフレから脱却できていないため、価格競争が続いていることもあり、営業利益は前事業年度比30.6%減の4億98百万円、経常利益は前事業年度比30.5%減の4億96百万円となりました。当期純利益は、保険解約益などが発生したため、前事業年度比19.4%減に留まり、3億49百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(セグメント売上高):当事業年度(自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日)
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | 構成比(%) |
建築関連製品 | 10,626,065 | 98.7 | 98.7 |
不動産賃貸 | 143,945 | 100.9 | 1.3 |
合計 | 10,770,011 | 98.7 | 100.0 |
(建築関連製品)
建築関連製品につきましては、省エネや温暖化対策等の規制がますます厳しくなることで、製品市場は環境志向が高まっていることから、ハウスメーカーをはじめ建築ユーザー向けに庇や高付加価値型点検口の需要が堅調でありました。
しかしながら、エクステリア関連では、賃貸集合住宅の堅調な新築需要があったものの、分譲マンションの新築着工戸数が低迷している影響もあり、自転車置場ルーフ、ラックにおいて、企業間競争が激化しております。こうした中、集合住宅向けのごみ収集庫が堅調に推移しましたが、自転車置場の減少を補うまでに至りませんでした。
その結果、売上高は106億26百万円(前事業年度比1.3%減)、セグメント利益(営業利益)は7億21百万円(前事業年度比22.9%減)となりました。
(不動産賃貸)
不動産賃貸関連につきましては、収益の主力でありますワンルームマンションについて、雇用や企業業績の状況が好転する兆しにより入居率に若干の回復が見られました。学生向けの単身者世帯の入居増加が厳しい状況が続いていた中、来期4月に入居予定の近隣企業の独身寮や各種学校等の学生寮向けの新規契約が増加したため、居室内設備更新や改装による営繕費用等の支出が先行しました。
その結果、売上高は1億43百万円(前事業年度比0.9%増)、セグメント利益(営業利益)は65百万円(前事業年度比4.4%減)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ8億52百万円増加し、28億59百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により得られた資金は7億83百万円(前事業年度は4億56百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益を5億84百万円計上したことや売上債権の減少により3億51百万円の収入となったものの、法人税等を2億41百万円支払ったことによるものです。
投資活動により得られた資金は1億64百万円(前事業年度は3億77百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1億58百万円あったものの、保険積立金の解約による収入が3億73百万円あったことによるものです。
財務活動により支出した資金は94百万円(前事業年度は82百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額94百万円によるものです。
セグメントのうち、建築関連製品において生産活動を行っており、当事業年度における生産実績を示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
品目 |
|
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建築金物 | 2,717,243 | 102.3 |
外装用建材 | 1,161,840 | 104.9 |
エクステリア | 2,294,205 | 94.5 |
その他 | 94,269 | 127.2 |
建築関連製品計 | 6,267,559 | 100.0 |
(注) 1 金額については、製造原価で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
セグメントのうち、建築関連製品の外装用パネルについては、受注生産を行っており、当事業年度における受注実績を示すと次のとおりであります。
品目 | 受注高 | 受注残高 | ||
金額(千円) | 前年同期比(%) | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
外装用建材 | 70,814 | 144.3 | 7,500 | 89.8 |
(注) 1 当社は、外装用建材の外装パネル以外の品目は見込生産で行っております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
品目 |
|
|
建築金物 | 4,484,491 | 98.1 |
外装用建材 | 1,994,375 | 106.6 |
エクステリア | 3,073,790 | 94.1 |
その他 | 1,073,409 | 101.5 |
建築関連製品計 | 10,626,065 | 98.7 |
不動産賃貸計 | 143,945 | 100.9 |
合計 | 10,770,011 | 98.7 |
(注) 1 主な相手別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前事業年度 | 当事業年度 | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
杉田エース株式会社 | 2,199,654 | 20.2 | 2,275,766 | 21.1 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
建築金物業界に密接な建設業界の需要の中で、新設の住宅着工は消費税増税に伴う需要の反動減が長引いておりましたが、デフレ脱却を目指す政府の施策と、円安を背景に大手の輸出関連企業等を中心に国内景気の持ち直しに期待が高まっております。しかしながら、職人の不足により、需要の高まりに反して工事着工の遅れや建設コストの上昇が発生し、今後の建築金物業界に関連する国内の設備投資の動向につきましては、依然として予断を許さない状況が続くと予想されます。
このような経営環境の中、東北地方の復興需要の本格化や東京オリンピック・パラリンピックに関連した民間設備計画の具体化が見られるようになってきたことより、今後も関東圏で景気が賑わう可能性が高まっております。そのため、関東圏への出店を引き続き進め、きめ細かい営業活動を実施してまいります。製品の物流費用の高止まりや円安による為替の問題など、難しい課題ではあるものの最適化を図ってまいる所存であります。
また、ユーザーの視線に立った商品開発を最重要課題のひとつと捉え、当社製品群のニーズや市場価格の変化に対応するため、生産及び調達方法や販路を見直すと共に、今後も開発部を強化することで付加価値の高い事業構造へ改善してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の事業は、国内の建設及び住宅建築における市場に大きく依存しており、例えば企業収益の悪化により企業の設備関連投資が減少した場合、政府及び地方自治体の財政状態の悪化により公共投資が削減された場合、人口動態が少子化傾向を強めつつあり、それが将来の世帯数の減少となり住宅着工の減少に繋がる場合等、国内経済の動向に影響を受け、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の製品または技術については、他社の知的財産権を侵害しているとされる場合、また、第三者のソフトウェアその他の知的財産の使用に際し、何らかの事情により制約を受ける場合等のリスクがあり、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、生産活動における排気、排水、廃棄物等の処理の規制、建設業等の事業許認可、独占禁止、租税等に関する法令等の適用を受けております。これらの法令・規制等を遵守できなかった場合、事業許可の取り消しや入札停止などにより事業活動に制限を受け、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の製品の製造に使用している主な原材料は、アルミ、ステンレス、スチール等であり、それら原材料の価格が円安などにより高騰し、製品の価格にタイムリーに転嫁できない場合には、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の製品販売は、全国の代理店を通じて行っておりますが、そのうち杉田エース株式会社に対する売上高が20%程度あります。当該会社に急な事業方針の変更、業績等の変化が生じた場合には、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、製品及びサービスの品質管理に鋭意邁進しておりますが、欠陥やリコールが全く発生しないという保証はなく、顧客に深刻な損失をもたらす危険性があります。この場合、製造物責任における賠償については、いわゆるPL保険に加入しておりますが、内容によっては保険の不担保となる可能性があります。また、賠償額を十分カバーできるという保証はありません。従いまして、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品またはサービスの欠陥は、多大なコストの増加が発生し、また、顧客の購買意欲の低下につながり、結果として売上が低減し、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の顧客や一般ユーザーの個人情報や機密情報の保護について、当社では、社内管理体制を整備し、外部委託業者の指導及び当社従業員に対する情報管理やセキュリティ教育など、情報の保護についての対策を推進しておりますが、情報の漏洩が全く起きないという保証はありません。万一、情報の漏洩が起きた場合、当社の信用は低下し、賠償責任が発生するなど、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社は顧客第一に徹し、住環境や都市環境の向上に貢献するため、住宅やビル等へ提供する顧客ニーズに合った製品開発に積極的に取り組んでまいりました。当社の研究開発は、既存製品の改良などは元より、新機能の組み合わせや加工技術の考案、アイデアやデザイン面にも重点を置いております。
当事業年度における研究開発費の総額は1億90百万円であります。
セグメントのうち、建築関連製品において研究開発活動を行っており、当事業年度のその概要と成果は次のとおりであります。
(建築金物分野)
天井点検口商材では、屋根裏収納出入り口に最適な梯子付き気密型大型天井点検口「CXTW型」の商品化と大規模公共施設等の高所天井裏点検時に足場・高所作業車等が無くても開閉できる「CQT型」を発売し、商品の充実を図りました。
床点検口では、アルミ目地・スチール底板タイプ「4HA2型」の錠付タイプ「K4HA2型」及び引き上げ取手がねじ固定できる簡易ロックタイプの「4HA2L型」を発売し、選択肢に幅を持たせました。
内装用建材商品では、フロア換気口に気温変化で自動開閉する自動換気調整板仕様「B5NDA型」を発売しました。また、床材にマッチする木目仕様も追加販売しました。
HACCP(ハサップ)対応ピットでは、集積部の底面を直線的にした廉価版を発売しました。また、現場ごとに変わる納まりに対応する別作仕様に設定を行い、あらゆる現場納まりに対応できる品揃えを行いました。
当分野における研究開発費の金額は1億16百万円であります。
(外装用建材分野)
アルミ製庇RSバイザーにおいては、出幅1,500㎜までステー材なしで対応できる「RS-K2型」にコーナー仕様を設定し、現場形状に柔軟な対応がとれるようにしました。
また、「RS-K型」、「RS-F型」には天井木目仕様を設定し、建物に合わせたデザインの選択ができるラインナップとしました。
外装ルーバーにおいては、鋼板製木目ルーバーを発売し、短納期、低価格対応ができるラインナップとしました。
アルロード水切りにおいては、樹脂製コーナー部材を商品化し、短納期対応が可能な仕様を追加しました。
当分野における研究開発費の金額は23百万円であります。
(エクステリア分野)
自転車置場ラックにおきましては、垂直吊り下げラックの「CF-B型」を発売しました。自転車前輪を吊るという収納方法で、コンクリート床面で奥行寸法の取れない場所や天井が低い場所などに設置できる商品としております。自転車置場はあるが、更に収納台数を増やしたい場合、ちょっとしたスペースに設置提案できるように開発しております。
また、サイクルスタンドの「CS-G型」を発売しました。近年、電動アシスト自転車の普及から、自転車の質量対策(30㎏まで収納)や特有の車輪構造(小径20インチタイヤ・速度センサーなど)について対応しております。さらに、「CS-GL型」として、3人乗り自転車で自転車質量35㎏までを収納できる商品を同時に開発しております。
当分野における研究開発費の金額は50百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況、2 財務諸表等、(1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しております。
当事業年度の売上高は、前事業年度と比べ1億38百万円減少し、107億70百万円となりました。これは、エクステリア関連製品市場における自転車置場の販売が不調であったことが主因であります。
当事業年度の売上原価は、前事業年度と比べ81百万円増加し、74億31百万円となりました。これは、円安による輸入材やアルミ等の原材料の高止まりが主因であります。
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度とほぼ横ばいの28億40百万円となりました。
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べて3百万円増加し、40百万円となりました。これは、受取補償金が増加したことが主因であります。
当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ2百万円増加し、41百万円となりました。これは、固定資産除却損が増加したことが主因であります。
当事業年度において特別利益は、87百万円となりました。これは、保険解約益が発生したことが主因であります。
当事業年度の特別損失は、発生しておりません。
当事業年度の法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額は、前事業年度と比べ41百万円減少し、2億35百万円となりました。これは、課税所得が減少したことが主因であります。
当事業年度のキャッシュ・フローの客観的な事項につきましては、「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2)キャッシュ・フローの状況」及び「第5 経理の状況、2 財務諸表等、(1)財務諸表、④キャッシュ・フロー計算書」に記載のとおりであります。
当事業年度末における資産、負債及び純資産の状態に関する分析は以下のとおりであります。
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ4億75百万円増加し、92億29百万円となりました。これは、売掛金等の売上債権が3億52百万円減少したものの、現金及び預金が8億52百万円増加したことが主因であります。
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ3億96百万円減少し、54億6百万円となりました。これは、保険金の解約によって保険積立金が2億82百万円減少したことや売却等により投資有価証券が38百万円減少したことが主因であります。
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ1億53百万円減少し、28億99百万円となりました。これは、支払手形等の仕入債務が66百万円、賞与引当金が33百万円、未払法人税等が23百万円それぞれ減少したことが主因であります。
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ6百万円減少し、2億54百万円となりました。これは、役員退職慰労引当金が10百万円増加したものの、繰延税金負債が21百万円減少したことが主因であります。
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ2億39百万円増加し、114億82百万円となりました。これは、繰越利益剰余金が当期純利益により3億49百万円増加したものの、剰余金の配当により93百万円減少したことが主因であります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況、4 事業等のリスク」に記載しております各事項によって、さまざまな影響を受けることが考えられます。
なお、大型台風や震災等の重大な天災等の場合、地域経済や国内経済に影響を与えるような甚大な被害によって、人的及び物的被害並びに生産活動等の事業継続への影響が存在すると考えられます。
また、被災状況によっては、国内経済への影響度により当社の売上高に影響を与えることが考えられます。
「第2 事業の状況、3 対処すべき課題」をご参照ください。
当社の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、7億83百万円の収入となりました。なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
経営者の問題認識と今後の方針のうち、当社の競争戦略については、「第2 事業の状況、3 対処すべき課題」、株主還元方針については、「第4 提出会社の状況、3 配当政策」にそれぞれ記載のとおりであります。