第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社経営の基本方針

当社は、1924年(大正13年)の創業以来、金属製品の製造販売を通じて「社会のお役に立たせていただく」ことを経営の理念とし、常に消費者の立場に立った製品開発を行い、消費者のニーズに応えられる製品の提供に務めることを経営の基本としてまいりました。

近年、消費者は、製品の機能性だけでなく、環境との調和、美的感覚、快適性、安全性などを、より一層要望されるようになっており、当社製品にかけられる期待も大きいものがあります。当社といたしましては、開発・製造から販売への一貫体制の強化を図り、さらに優れた製品を提供し、創造開発型の企業として「人と社会、暮らし」に貢献していくことを基本方針とし、信頼性の高い、社会に貢献する企業として発展に努めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社では、創業100周年を前に更なる変化を目指し、生産性の向上と高収益体質への改善に取り組んでまいります。そのため、生産性の面において一人当たり生産性、利益面において売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)を経営指標として重要視しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、社会問題の解決を果たす製品の提供等により社会に貢献するとともに、売上の拡大と生産性の向上を図り、企業価値を高めてまいります。

製品開発におきましては、今後ますますニーズが高まる省エネルギー対策、高齢化社会におけるバリアフリー対策、セキュリティー対策を視野に入れた新製品の開発を進めてまいります。

営業販売体制におきましては、マーケティングの強化を図り、効果的かつ効率的な販売体制、流通網の構築により高収益体質への改善を図ります。

また、生産体制におきましては、工場間及び工場、支店・営業所間での協力体制の強化による輸送環境の効率化を推進し、内製化及び自動化を進めて生産性の向上を図ってまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

次期における当社の経営環境は、TPPやEUとのEPAの影響、堅調な外需、企業収益の改善などから、国内経済が緩やかに回復していくことが予測されるものの、実質所得の改善が弱い中での消費増税、英国のEU離脱問題や米中通商協議の行方など先行き不透明な状況が続くものと考えております。

建築関連製品事業におきましては、東京オリンピック・パラリンピックに係わる直接的又は間接的な需要と新設住宅着工戸数が消費増税前の需要や予定されている住宅購入支援策により緩やかな回復が見込まれる一方、原材料価格や運搬費の高騰、価格競争の激化などの厳しい状況が予測されます。そのため、多品種少量生産の中で利益を確保するための営業効率の向上と高品質、低コストの製品の開発・生産体制構築による原価低減が課題となっております。

当社におきましては、製造現場における4S活動などを通じて、製造作業の標準化、自動化などにより生産性を高め、小ロット生産体制を構築し、在庫コストを減らすことなどによって原価の低減を図ってまいります。また、工場間及び工場、支店・営業所間での情報共有を一層進めていくことで、物流コストの圧縮を進め、販売予測精度の向上を図ることにより、営業効率を高めていくことに努めてまいります。

また、不動産賃貸事業におきましては、少子高齢化の進む中で単身者世帯のニーズをとらえて、高い水準にて入居率を確保、維持していくことが課題となります。

これらの課題に対しましては、所有物件周辺の単身者世帯のニーズを反映した効率的な改修、設備投資を行うことで対応を図ってまいります。

また、これらの対応に加えて、社会問題解決、地域貢献を果たすべく、ユーザー視点に立った新製品の開発及びその販売の拡大を図っていくことで、高収益体質の企業として、また、投資家をはじめとするステークホルダーや社会の期待に応えていく企業として成長、発展に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、以下に記載のリスク項目は、当社の事業に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。また、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経済動向による影響

当社の事業は、国内の建設及び住宅建築における市場に大きく依存しており、例えば企業収益の悪化により企業の設備関連投資が減少した場合、政府及び地方自治体の財政状態の悪化により公共投資が削減された場合、人口動態の少子化傾向が将来の世帯減少をもたらし、住宅着工の減少に繋がる場合等、国内経済の動向に影響を受け、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 知的財産権に関するリスク

当社は、製品または技術について第三者の知的財産権を侵害しないよう注意を払っておりますが、当社の認識の範囲外において他社の知的財産権を侵害しているとされ、損害賠償を請求される場合、第三者のソフトウェアその他の知的財産の使用に際し、何らかの事情により制約を受ける場合等のリスクにより、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 公的規制に関するリスク

当社は、生産活動における排気、排水、廃棄物等の処理の規制、建設業等の事業許認可、独占禁止、租税等に関する法令等の適用を受けております。これらの法令・規制等を遵守できなかった場合、事業許可の取り消しや入札停止などにより事業活動に制限を受け、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原材料の市況変動による影響

当社の製品の製造に使用している主な原材料は、アルミ、ステンレス、スチール等であり、それら原材料の価格が円安などにより高騰し、製品の価格にタイムリーに転嫁できない場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 特定顧客への依存

当社の製品販売は、全国の代理店を通じて行っておりますが、そのうち杉田エース株式会社に対する売上高が19%程度あります。当該会社に急な事業方針の変更、業績等の変化が生じた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の欠陥

当社は、製品及びサービスの品質管理に鋭意邁進しておりますが、不測の事態により製品の欠陥やリコールが生じる場合があります。また、製造物責任における賠償について、PL保険に加入しておりますが、保険の不担保や賠償額を十分に補填できない場合があります。

このような状況が生じた場合、多大なコストの発生、顧客の購買意欲の低下による売上高の減少等によって、当社の業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報管理に関するリスク

当社は、顧客や一般ユーザーの個人情報や機密情報の保護について、社内管理体制の整備、外部委託業者の指導及び当社従業員に対する情報管理やセキュリティ教育などの対策を推進しております。

しかしながら、当社の想定外の事象により情報の漏洩が起きる場合があります。この場合、当社の信用の低下や賠償責任の発生等により、当社の業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 自然災害等

当社は、災害時行動要領を規定するなどしておりますが、地震や風水害等の自然災害や火災等の事故災害などの発生により、当社の生産体制や事業活動に著しい支障が生じる場合等があります。このような場合、災害復旧のための費用や事業活動停止などにより、当社の業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

a. 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴い、緩やかな回復基調にあるものの、消費者マインドの低迷などから個人消費は弱く、企業業績に関しましても原油高騰に起因する変動費の増加などから力強さを欠くものとなりました。海外情勢におきましても、英国のEU離脱問題、米中通商協議の行方や北朝鮮における地政学的リスクの高まりもあり、先行きの不透明感の強い状況で推移いたしました。

このような中、当社は、新製品の販売拡大を進めるべく、エクステリア・エキシビション2018やKENTENなどの展示会へ積極的に参加し、さらにカタログの内容を刷新し、利用者の見易さを改善する等により拡販に努めてまいりました。また、原価の低減に努めるとともに、製品価格の適正化を図り、関東エリアにおける生産・物流の拠点としての機能をより一層充実させるべく千葉工場を改修いたしました。

以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、自然災害の復旧需要もあって、前事業年度比1.2%増の10,797百万円となりました。利益面では、運搬費の高騰への対応が追い付かず、営業利益は前事業年度比35.6%減の252百万円、経常利益は前事業年度比32.7%減の269百万円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ33.8%減の176百万円となり、自己資本利益率は前事業年度比0.7ポイント減の1.5%となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(セグメント売上高):当事業年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

構成比(%)

建築関連製品

10,631,404

101.2

98.5

不動産賃貸

165,789

100.3

1.5

合計

10,797,194

101.2

100.0

 

 

(建築関連製品)

建築関連製品におきましては、新設住宅着工戸数について分譲住宅などは前事業年度に対して増加しているものの、貸家は大きく減少しており、全体として減少傾向で推移いたしました。また、慢性的な職人不足による工期の遅延等のある中、運搬費の高騰や原材料価格の高止まりが続く厳しい経営環境となりました。

当セグメントでは、自転車置場ルーフ及びラックについて、製品導入の検討をより手軽に行ってもらえるように、簡易見積システム「みつもりダイちゃん」をホームページ上に公開し、サービスを開始いたしました。

また、ネット販売や集合住宅向け販売に注力していくことで、ごみ収集庫などのエクステリア製品の販売が比較的好調に伸長し、ドアハンガーや点検口など主力製品につきましても堅調に推移いたしました。

コスト増加に対しては、製造工程や運送業者の見直し、効率化に努めるとともに、自助努力では現状のコスト維持が困難な状況に達した製品群に関しまして、6月以降に価格の改定を順次行っていく等の対応を図ってまいりました。

その結果、売上高は10,631百万円(前事業年度比1.2%増)、セグメント利益(営業利益)は、コスト増加への対応が追い付かず、495百万円(前事業年度比19.0%減)となりました。

 

 

(不動産賃貸)

不動産賃貸関連につきましては、近隣の賃貸住宅や分譲マンションの増加、改修が進む中で、ワンルームマンションの入居率を高い水準に維持することができたため、前事業年度とほぼ横ばいの売上高となりました。

一方で、台風21号の影響により予定外の修繕費が発生したものの、入居者の入れ替わりが少なかったこともあり、各部屋のハウスクリーニングや原状回復に関する費用が前事業年度比で減少いたしました。

その結果、売上高は165百万円(前事業年度比0.3%増)、セグメント利益(営業利益)は92百万円(前事業年度比5.5%増)となりました。

 

b. 財政状態

 

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度に比べ175百万円増加し、9,676百万円となりました。これは、事業年度後半の売上高が前事業年度を上回ったことから売上債権が136百万円増加したこと、また、原材料価格の高止まりや工期の遅延等による未出荷在庫の増加などから製品等のたな卸資産が47百万円増加したことが主因であります。

 

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ169百万円減少し、5,526百万円となりました。これは、減価償却などにより有形固定資産が110百万円減少したことや時価評価によって投資有価証券が62百万円減少したことが主因であります。

 

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ24百万円減少し、2,766百万円となりました。これは、仕入債務の回転期間が短縮した結果、仕入債務が23百万円減少したことが主因であります。

 

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ12百万円減少し、334百万円となりました。これは、役員退職慰労引当金が10百万円増加したものの、投資有価証券の時価が下落したことなどから繰延税金負債が24百万円減少したことが主因であります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ43百万円増加し、12,102百万円となりました。これは、投資有価証券の時価の下落により、評価・換算差額等が45百万円減少したものの、配当の支払いによる減少と当期純利益による増加によって、繰越利益剰余金が88百万円増加したことが主因であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ14百万円減少し、3,107百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は342百万円(前事業年度は587百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益269百万円、減価償却費340百万円などの収入と売上債権の増減額136百万円、法人税等の支払額111百万円などの支出によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は268百万円(前事業年度は415百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出217百万円、無形固定資産の取得による支出26百万円などの支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は88百万円(前事業年度は89百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額88百万円によるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2015年2月期

2016年2月期

2017年2月期

2018年2月期

2019年2月期

自己資本比率

77.2%

78.5%

78.8%

79.4%

79.6%

時価ベースの自己資本比率

25.8%

24.3%

29.7%

32.2%

25.5%

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

40,080.9倍

59,329.7倍

10,975.3倍

13,479.6倍

67,205.8倍

 

(注)1.各指標は、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率           :自己資本÷総資産

時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額÷総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー÷利払い

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

セグメントのうち、建築関連製品において生産活動を行っており、当事業年度における生産実績を示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

品目

 

 

 建築金物

2,535,436

 外装用建材

1,139,497

 エクステリア

2,792,835

 その他

50,118

建築関連製品計

6,517,887

103.1

 

(注) 1 金額については、製造原価で記載しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当事業年度より製品の各品目への分類を変更したことから、前年同期分を変更後の分類によって品目別の生産実績を算定することが困難であるため、品目別の前年同期比は記載しておりません。

 

 

b. 受注実績

セグメントのうち、建築関連製品の外装用パネルについては、受注生産を行っており、当事業年度における受注実績を示すと次のとおりであります。

 

品目

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

外装用建材
 外装パネル

41,288

48.3

500

7.9

 

(注) 1 当社は、外装用建材の外装パネル以外の品目は見込生産で行っております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

品目

 

 

 建築金物

4,168,458

 外装用建材

1,915,126

 エクステリア

3,646,251

 その他

901,567

建築関連製品計

10,631,404

101.2

不動産賃貸計

165,789

100.3

合計

10,797,194

101.2

 

 

(注) 1 主な相手別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

杉田エース株式会社

2,155,884

20.2

2,081,381

19.3

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当事業年度より製品の各品目への分類を変更したことから、前年同期分を変更後の分類によって品目別に販売実績を算定することが困難であるため、品目別の前年同期比は記載しておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しております。

 

② 経営成績の分析

 

a.前事業年度実績との比較

 

(売上高)

当事業年度の売上高は、前事業年度と比べ123百万円増加し、10,797百万円となりました。これは、ごみ収集庫や物置などのエクステリア関連製品の販売が好調であったことから建築関連製品事業の売上高が122百万円増加したことが主因であります。

 

(売上原価)

当事業年度の売上原価は、前事業年度と比べ145百万円増加し、7,439百万円となりました。これは、材料価格の上昇や円安傾向にある為替相場の影響を受けて、材料費が増加したことや需要対応に伴う外注費の増大などから商品及び製品売上原価が149百万円増加したことが主因であります。なお、不動産賃貸事業につきましては、ハウスクリーニング費用等が抑えられたことから、不動産賃貸原価は4百万円減少し、72百万円となっております。

 

(販売費及び一般管理費)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ116百万円増加し、3,105百万円となりました。これは、人手不足の影響により運搬費が63百万円、また労務費が31百万円増加したことが主因であります。

 

(営業外収益、営業外費用)

当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べて9百万円増加し、44百万円となりました。これは、受取配当金が3百万円増加したことが主因であります。

当事業年度の営業外費用は、前事業年度とほぼ横ばいの27百万円となりました。

 

(特別利益、特別損失)

当事業年度におきまして、特別利益及び特別損失は発生しておりません。

 

(当期損益)

当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べて130百万円減少し、269百万円となりました。これは、材料費の増大により売上原価が増加し、また、高騰を続ける運搬費を抑えられず、販売費及び一般管理費が増加したことが主因であります。その結果、売上高経常利益率は、1.3ポイント低下し、2.5%となり、自己資本利益率は0.7ポイント低下し、1.5%となりました。

 

b.業績予想との比較

 

当事業年度におきましては、当初の計画として、売上高11,000百万円、営業利益400百万円、経常利益410百万円、当期純利益250百万円の業績を見込んでおりましたが、人材不足等の影響から着工の遅れや長尺製品を筆頭に輸送コストの著しい増加など、計画時点での予測を超える厳しい経営環境となり、2018年9月14日に業績予測を売上高10,800百万円、営業利益280百万円、経常利益290百万円、当期純利益175百万円に修正いたしました。

修正後の予想との比較・分析は以下のとおりであります。

売上高に関しましては、業績予想を2百万円下回り、10,797百万円となりました。建築関連製品事業におきまして、物置のモデルチェンジや集合住宅向けの販売に注力していったものの、建築現場物における他社との競争の激化や人材不足からの工期遅延の影響もあり、開示した予想売上高を達成することができませんでした。なお、不動産賃貸事業におきましては、予想売上高を達成しております。

利益面に関しましては、経常利益が業績予想を20百万円下回り269百万円となりました。当期純利益は業績予想を1百万円上回り176百万円となりました。これにより、売上高経常利益率は業績予想2.7%に対して、0.2ポイント減少し2.5%となり、自己資本利益率は業績予想1.4%に対して、0.1ポイント増加し1.5%となりました。当社では、利益確保のため、アルミニウム等の原材料の高止まりや輸送コストの高騰に対し、製造工程や運送業者の見直し、効率化に努めるとともに、自助努力では現状のコストに維持していくことが限界に達した製品群について、6月以降に価格の改定を行っていくなどの対応を図ってまいりました。しかしながら、対応策がコスト増大に追いつかず、上半期の損失を生じさせ、下半期においてこれを挽回するに至らなかったことが減益の要因であります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております各事項によって、さまざまな影響を受けることが考えられます。

なお、自然災害等に関しましては、大型台風や震災等の重大な天災等の場合、地域経済や国内経済に影響を与えるような甚大な被害によって、人的及び物的被害並びに生産活動等の事業継続への影響が存在すると考えられます。また、被災状況によっては、国内経済への影響度により当社の売上高に影響を与えることが考えられます。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

(資金の需要)

当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料、商品等の購入や外注加工費等の製造費用のほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資等の資金需要の主なものは、建築関連製品事業の機械装置や金型などの工具等の生産設備への投資によるものであります。

(財務政策)

当社は、運転資金及び設備投資資金について、自己資金及び金融機関からの借入によって調達する方針であります。また、より機動的な資金調達手段を確保するため、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計3,050百万円の当座貸越契約を締結しております。

なお、当事業年度末において借入金の残高はありません。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社は顧客第一に徹し、住環境や都市環境の向上に貢献するため、住宅やビル等へ提供する顧客ニーズに合った製品開発に積極的に取り組んでまいりました。当社の研究開発は、既存製品の改良などは元より、新機能の組み合わせや加工技術の考案、アイデアやデザイン面にも重点を置いております。

当事業年度における研究開発費の総額は165百万円であります。

 

セグメントのうち、建築関連製品において研究開発活動を行っており、当事業年度のその概要と成果は次のとおりであります。

 

(1)建築金物分野

(点検口関連)

浅型収納ボックスタイプで、スピードグリッパー対応のマンション用床下収納庫「PKCM型」など付加価値の高い、機能性点検口を開発に注力しました。また、床点検口の枠打ち込み用型枠を開発し、施工性の高い製品を開発いたしました。ほこり等の目詰まりによる蓋の開けにくさを解消した防塵タイプの床点検口「FAGM型」、屋外仕様の要望に対応した軒天対応仕様の天井点検口「CDZN型」を発売するなど顧客の期待に対応する製品の開発にも努めました。

(引戸金物関連)

スライデックスシリーズにおいて、限られた開口寸法で有効開口を広くとれる2枚連動引戸に自閉装置を付けた自閉式2枚連動引戸「HCS-JSC50X2型」を開発し、既存の手動式の「SD10-X2型」と引込装置付きの「ECK-X2型」とともに製品ラインナップの充実を図りました。

(その他)

内装用建材商品では、樹脂製グレーチング「GPF型」を発売し、また、木質合板材に対応する鋼製下地用ピット「AHS5型」を発売して選択肢の幅を広げました。

ハイツ・アパート向け宅配ボックスでは、「TBX-E型」をリニューアルし、意匠性の向上と捺印機構を改良した「TBX-F型」を発売いたしました。

当分野における研究開発費の金額は105百万円であります。

 

(2)外装用建材分野

アルミ軽量庇RSバイザーにおいて、薄型広角LED照明と排水機能を向上させた先端見切り「RS-KS型」を発売し、製品群の高付加価値化を図りました。笠木では、笠木本体の見付寸法を大きくすることで、隠せる部分を増やし、意匠性を高めた仕様を発売いたしました。

当分野における研究開発費の金額は22百万円であります。

 

(3)エクステリア分野

(ごみ収集庫関連)

大容量のごみ収集庫として開発した「DM-Z-CK型」において、大量にごみが保管される場合に、問題なく扉を開け閉めできるように、内扉オプション「DM-Z-UT型」を発売いたしました。また、「CKE型」について、製造方法や部材の見直し等による原価低減を図りました。

(自転車置場関連)

自転車置場ラックでは、設置場所の自由度を高め、自転車の仕様の多様化に対応したサイクルスタンド「CS-C型」及び「CS-D型」を発売いたしました。また、幼児用自転車が収納できる「CS-RC型」を発売し、製品ラインナップを充実させました。

垂直昇降式ラックでは、従来品よりも安全性の向上と操作音低減を図るとともに、収納可能自転車の範囲を拡大した「VR-A4型」を開発し、デベロッパーからの要望に対応いたしました。

当分野における研究開発費の金額は37百万円であります。