文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
当社は、1924年(大正13年)の創業以来、金属製品の製造販売を通じて「社会のお役に立たせていただく」ことを経営の理念とし、常に消費者の立場に立った製品開発を行い、消費者のニーズに応えられる製品の提供に務めることを経営の基本としてまいりました。
近年、消費者は、製品の機能性だけでなく、環境との調和、美的感覚、快適性、安全性などを、より一層要望されるようになっており、当社製品にかけられる期待も大きいものがあります。当社といたしましては、開発・製造から販売への一貫体制の強化を図り、さらに優れた製品を提供し、創造開発型の企業として「人と社会、暮らし」に貢献していくことを基本方針とし、信頼性の高い、社会に貢献する企業として発展に努めてまいります。
当社では、創業100周年を前に更なる変化を目指し、生産性の向上と高収益体質への改善に取り組んでまいります。そのため、生産性の面において一人当たり生産性、利益面において売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)を経営指標として重要視しております。
当社は、社会問題の解決を果たす製品の提供等により社会に貢献するとともに、売上の拡大と生産性の向上を図り、企業価値を高めてまいります。
製品開発におきましては、今後ますますニーズが高まる省エネルギー対策、高齢化社会におけるバリアフリー対策、セキュリティー対策を視野に入れた新製品の開発を進めてまいります。
営業販売体制におきましては、マーケティングの強化を図り、効果的かつ効率的な販売体制、流通網の構築により高収益体質への改善を図ります。
また、生産体制におきましては、工場間及び工場、支店・営業所間での協力体制の強化による輸送環境の効率化を推進し、内製化及び自動化を進めて生産性の向上を図ってまいります。
次期におけるわが国経済は、現在世界的な広がりをみせている新型コロナウイルス感染症による影響から、その見通しを立てにくく、政府による追加の経済対策等を勘案しましても、当社の経営環境は不透明な状況が続くものと予測されます。
建築関連製品事業におきましては、新設住宅着工戸数は緩やかな減少傾向が続くものと思われ、建築金物業界だけでなく、新たな市場を開発していくことを重要戦略と捉え、取り組んでまいります。また、これらの環境の変化を受けて、サプライチェーンや海外への輸出販売の再構築が喫緊の課題となっております。
当社におきましては、市場に対して価値を提案できる製品の開発に努めるとともに、設計段階での部材選定、生産工程の検討情報を共有化し、生産効率の向上を図ってまいります。また、お客様のニーズに対してより柔軟に対応していくため、販売形態の拡大に取り組むとともに、引き続き、製造原価及び物流コストの圧縮を進め、販売予測精度の向上を図ることにより、営業効率を高めていくことに努めてまいります。
また、不動産賃貸事業におきましては、少子高齢化の進む中で単身者世帯のニーズをとらえて、高い水準にて入居率を確保、維持していくことが課題となります。
当社といたしましては、所有物件周辺の単身者世帯のニーズを反映した効率的な改修、設備投資などの対応を進めるほか、お客様へ宅配ボックスやトランクルーム等の自社製品を活用した付随設備を利用して、入居率向上を図ってまいります。
また、これらの対応に加えて、災害などが生じた際にも機能を失わない、お客様へ価値を提供し続けることができる組織の構築に努め、お客様に必要とされる企業として、ステークホルダーや社会の期待に応えていく企業として成長、発展に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、以下に記載のリスク項目は、当社の事業に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。また、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の事業は、国内の建設及び住宅建築における市場に大きく依存しており、例えば企業収益の悪化により企業の設備関連投資が減少した場合、人口動態の少子化傾向が将来の世帯減少をもたらし、住宅着工の減少に繋がる場合、政府及び地方自治体の財政状態の悪化により公共投資が削減された場合等、国内経済の動向に影響を受け、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、製品または技術について第三者の知的財産権を侵害しないよう注意を払っておりますが、当社の認識の範囲外において他社の知的財産権を侵害しているとされ、損害賠償を請求される場合、第三者のソフトウェアその他の知的財産の使用に際し、何らかの事情により制約を受ける場合等のリスクにより、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、生産活動における排気、排水、廃棄物等の処理の規制、建設業等の事業許認可、独占禁止、租税等に関する法令等の適用を受けております。これらの法令・規制等を遵守できなかった場合、事業許可の取り消しや入札停止などにより事業活動に制限を受け、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の製品の製造に使用している主な原材料は、アルミ、ステンレス、スチール等であり、それら原材料の価格が円安などにより高騰し、製品の価格にタイムリーに転嫁できない場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の製品販売は、全国の代理店を通じて行っておりますが、そのうち杉田エース株式会社に対する売上高が19%程度あります。当該会社に急な事業方針の変更、業績等の変化が生じた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、製品及びサービスの品質管理に鋭意邁進しておりますが、不測の事態により製品の欠陥やリコールが生じる場合があります。また、製造物責任における賠償について、PL保険に加入しておりますが、保険の不担保や賠償額を十分に補填できない場合があります。
このような状況が生じた場合、多大なコストの発生、顧客の購買意欲の低下による売上高の減少等によって、当社の業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客や一般ユーザーの個人情報や機密情報の保護について、社内管理体制の整備、外部委託業者の指導及び当社従業員に対する情報管理やセキュリティ教育などの対策を推進しております。
しかしながら、当社の想定外の事象により情報の漏洩が起きる場合があります。この場合、当社の信用の低下や賠償責任の発生等により、当社の業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、災害時行動要領を規定するなどしておりますが、地震や風水害等の自然災害や火災等の事故災害などの発生により、当社の生産体制や事業活動に著しい支障が生じる場合等があります。このような場合、災害復旧のための費用や事業活動停止などにより、当社の業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度より適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
また、当事業年度より、たな卸資産の評価に関して、先入先出法から総平均法に会計方針を変更しておりますが、これに伴う影響額が軽微であるため、遡及適用は行っておりません。したがって、前事業年度については、先入先出法に従った数値を前提として、当事業年度との比較・分析を行っております。
a. 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、東京オリンピック・パラリンピック関連工事及び企業の設備投資関連の需要や雇用・所得環境の改善により消費が底堅く推移する中で、比較的堅調に推移いたしました。
しかしながら、職人不足による工期遅延や消費税増税前の駆け込み需要の反動、米中貿易摩擦問題による景気動向の影響により、経済の先行きは不透明な状況となりました。
当社が属する建築金物業界では、前事業年度に比べて新設住宅着工戸数は減少しており、店舗、工場の着工も減少しました。また、消費税増税の駆け込み需要に伴う耐久財需要の反動減や台風等の自然災害による工期延長など、厳しい経営環境となりました。
このような中、ハンガーレールを建築金物市場以外の分野へ用途提案していくなど、製品の利用用途の拡大を図り、機械工具ルート及び大手メーカーへ直接PRを行うなど積極的に活動を展開いたしました。また、時代のニーズに応えるべく、ホームページの充実を進め、稼働中の見積もり支援システム「みつもりダイちゃん」の対応製品を拡充するとともに、AR(拡張現実)技術を利用した製品設置イメージシミュレーションを公開いたしました。さらに、1月にLINE公式アカウントを開設し、幅広い媒体による情報発信に取組んでまいりました。
以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、耐久財等の消費税増税の影響による駆け込み需要の反動減などから、前事業年度比1.0%減の10,690百万円となりました。利益面では、内製化などによる原価低減や一部製品において運賃等をお客様にご負担いただくことや販売価格の見直しに努めることにより、営業利益は前事業年度比59.5%増の402百万円、経常利益は前事業年度比56.3%増の421百万円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ59.8%増の282百万円となり、自己資本利益率は前事業年度比0.8ポイント増の2.3%となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(セグメント売上高):当事業年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)
(建築関連製品)
建築関連製品におきましては、2020年4月からの改正健康増進法の全面施行を受けて、受動喫煙防止目的で店舗・工場・事務所において、自転車置場ルーフを活用した喫煙所の販売が伸長しました。また、東京オリンピック・パラリンピック関連における工事が佳境に入り、建築現場金物が比較的好調に推移しました。
また、国内の新設建築着工戸数が減少する中で、自社製品の販路のすそ野を広げるため、工場設備現場への提案商品として「パイプマテハンレール」等新製品の発売や展示会等でPRを展開してまいりました。
一方で、集合住宅の着工減の影響からクリーンストッカーの販売に不透明さが出る中、消費税増税の駆け込み需要の反動もあって物置、収納庫等の個人向け需要が伸び悩むなど、エクステリア関連製品において販売が低迷しました。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、海外への輸出販売の減少や原材料等の輸入の遅延などありましたが、その影響は限定的なものとなっております。
その結果、売上高は10,523百万円(前事業年度比1.0%減)、セグメント利益(営業利益)は、コストの販売価格への転嫁や原価低減を進めたこともあり、671百万円(前事業年度比35.6%増)となりました。
(不動産賃貸)
不動産賃貸関連につきましては、収益の主力でありますワンルームマンションにおいて、比較的堅調な景気動向を背景に企業の独身寮や各種学校等の学生寮などの需要により、前事業年度に続き高い入居率を維持するとともに、単身者世帯のニーズを満たすよう、設備投資を行ってまいりました。
なお、高い入居率を維持できたことから部屋の入れ替わりが少なかったこともあり、ハウスクリーニングや募集広告、仲介に関する費用が前事業年度比で減少いたしました。
また、法人向けテナント契約は長期契約により安定した収益を維持しております。
その結果、売上高は前事業年度とほぼ横ばいの167百万円(前事業年度比1.0%増)、セグメント利益(営業利益)は94百万円(前事業年度比1.2%増)となりました。
b. 財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度に比べ292百万円増加し、9,881百万円となりました。これは、事業年度後半の売上高が前事業年度に比べて減少し、その販売量に合わせて、生産を調整したことなどから製品等のたな卸資産が26百万円減少したものの、売上債権については、大きな滞りなく回収ができたことから現金及び預金が317百万円増加したことが主因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ181百万円減少し、5,344百万円となりました。これは、生産設備等を164百万円取得したものの、減価償却や従業員用社宅の売却など293百万円の減少が生じたことにより、有形固定資産が128百万円減少したことや時価評価によって投資有価証券が98百万円減少したことが主因であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ20百万円増加し、2,786百万円となりました。これは、仕入債務の回転期間が短縮した結果、仕入債務が103百万円減少したものの、消費税の増税により未払消費税等が50百万円、前事業年度に比べて利益額が増加したことより未払法人税等が36百万円増加したことが主因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ31百万円減少し、216百万円となりました。これは、退任役員へ退職慰労金を支払ったことから役員退職慰労引当金が24百万円減少したことが主因であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ121百万円増加し、12,223百万円となりました。これは、投資有価証券の時価の下落により、評価・換算差額等が72百万円減少したものの、当期純利益による増加などによって、繰越利益剰余金が194百万円増加したことが主因であります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ317百万円増加し、3,425百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により得られた資金は588百万円(前事業年度は342百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益421百万円、減価償却費308百万円などの収入と仕入債務の減少111百万円、法人税等の支払額101百万円などの支出によるものであります。
投資活動により支出した資金は182百万円(前事業年度は268百万円の支出)となりました。これは主に、事業投資に関する有形固定資産の取得による支出154百万円、及び無形固定資産の取得による支出18百万円などの支出によるものであります。
財務活動により支出した資金は87百万円(前事業年度は88百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額87百万円によるものであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1.各指標は、以下の計算式により算出しております。
自己資本比率 :自己資本÷総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー÷利払い
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
5.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、2019年2月期のキャッシュ・フロー関連指標については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。
セグメントのうち、建築関連製品において生産活動を行っており、当事業年度における生産実績を示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額については、製造原価で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
セグメントのうち、建築関連製品の外装用パネルについては、受注生産を行っており、当事業年度における受注実績を示すと次のとおりであります。
(注) 1 当社は、外装用建材の外装パネル以外の品目は見込生産で行っております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(注) 1 主な相手別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しております。
a.前事業年度実績との比較
当事業年度の売上高は、前事業年度と比べ106百万円減少し、10,690百万円となりました。これは、集合住宅の着工戸数の減少などにより、ごみ収集庫や物置などのエクステリア関連製品の販売が振るわなかったことから建築関連製品事業の売上高が107百万円減少したことが主因であります。
当事業年度の売上原価は、前事業年度と比べ153百万円減少し、7,286百万円となりました。これは、アルミ地金等の材料価格の低下や円高傾向にある為替相場の影響を受けて、材料費が減少したことや製品の内製化を進めたことによる外注加工費の減少などから商品及び製品売上原価が154百万円減少したことが主因であります。
なお、不動産賃貸事業につきましては、ハウスクリーニング費用等が抑えられたものの、入居者の維持獲得のため設備投資を進めたことから、不動産賃貸原価はほぼ横ばいの、73百万円となっております。
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ102百万円減少し、3,002百万円となりました。これは、在庫保管地の効率化など輸送ルートや運送業者の見直しによる輸送コストの削減により運搬費が44百万円、カタログ等の見直しにより広告宣伝費が25百万円、また労務費が21百万円減少したことが主因であります。
当事業年度の営業外収益は、前事業年度とほぼ横ばいの44百万円となりました。
当事業年度の営業外費用は、前事業年度と比べ1百万円減少し、25百万円となりました。これは、固定資産除却損が1百万円減少したことが主因であります。
当事業年度におきまして、特別利益及び特別損失は発生しておりません。
当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べて151百万円増加し、421百万円となりました。これは、材料価格の低下や内製化による外注費の削減による製造原価低減を図ったこと、また、輸送コストの削減に努めるとともに販売価格への転嫁を図ったことが主因であります。その結果、売上高経常利益率は、1.4ポイント増加し、3.9%となり、自己資本利益率は0.8ポイント増加し、2.3%となりました。
b.業績予想との比較
当事業年度におきましては、当初の計画として、売上高11,000百万円、営業利益320百万円、経常利益330百万円、当期純利益200百万円の業績を見込んでおりました。これは、世界経済が回復基調で推移する中で、EUとのFTAやTPP11などの影響で、企業の設備投資など需要が喚起されること、東京オリンピック・パラリンピック及び消費税増税前の駆け込み需要をもとに売上高を想定し、また、原材料価格の高止まりが続くことを見込み利益額を想定したものでありました。
当該業績予想との比較・分析は以下のとおりであります。
売上高に関しましては、業績予想を309百万円下回り、10,690百万円となりました。建築関連製品事業におきまして、東京オリンピック・パラリンピック需要による宿泊施設への建築現場金物が比較的堅調に推移する中、ハンガーレールについて、製品の利用用途を提案していくことで機械工具ルートでの販売拡大を図ってまいりました。しかしながら、2019年10月以降の消費税増税による耐久財需要の反動減や集合住宅の着工減などの影響からエクステリア関係の製品販売が伸び悩みました。また、慢性的な人材不足からの工期遅延の影響もあり、開示した予想売上高を達成することができませんでした。なお、不動産賃貸事業におきましては、予想売上高を達成しております。
利益面に関しましては、経常利益が業績予想を91百万円上回り421百万円となりました。当期純利益は業績予想を82百万円上回り282百万円となりました。これにより、売上高経常利益率は業績予想3.0%に対して、0.9ポイント増加し3.9%となり、自己資本利益率は業績予想1.6%に対して、0.7ポイント増加し2.3%となりました。当社では、利益確保のため、製品製造の内製化を進めることで、製造コストの削減に努め、また、アルミニウム等の原材料価格が低下したことから売上総利益率が改善しました。輸送コストに関しましても、輸送ルートの改善や業者の見直しをするとともに、販売価格への転嫁を行いました。以上の施策により、売上高が伸び悩む中、業績予想を上回る利益額を達成いたしました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております各事項によって、さまざまな影響を受けることが考えられます。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関しまして、世界的なサプライチェーンへの影響により、中長期的に経済の停滞を招くおそれがあります。また、当社において、人的被害及び生産活動等の事業継続への影響が生じることも考えられ、影響の度合いによっては、当社の売上高等の業績に悪影響を与えるおそれがあります。
(資金の需要)
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料、商品等の購入や外注加工費等の製造費用のほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資等の資金需要の主なものは、建築関連製品事業の機械装置や金型などの工具等の生産設備への投資によるものであります。
(財務政策)
当社は、運転資金及び設備投資資金について、自己資金及び金融機関からの借入によって調達する方針であります。また、より機動的な資金調達手段を確保するため、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計3,050百万円の当座貸越契約を締結しております。
なお、当事業年度末において借入金の残高はありません。
該当事項はありません。
当社は顧客第一に徹し、住環境や都市環境の向上に貢献するため、住宅やビル等へ提供する顧客ニーズに合った製品開発に積極的に取り組んでまいりました。当社の研究開発は、既存製品の改良などは元より、新機能の組み合わせや加工技術の考案、アイデアやデザイン面にも重点を置いております。
当事業年度における研究開発費の総額は
セグメントのうち、建築関連製品において研究開発活動を行っており、当事業年度のその概要と成果は次のとおりであります。
(1)建築金物分野
(ドアハンガー関連)
ドアハンガーマテハン部品の充実の観点から三次元パイプレール仕様のレール、吊車等の9種の部品を発売いたしました。丸形レールを採用し、小さな半径や上下方向のカーブなど自由度の高い設置を可能とするほか、吊車のフレキシブルな動きでスムーズな走行を実現し、製造・組立ラインの生産性、作業効率の向上に貢献する仕様として開発いたしました。
(点検口関連)
天井点検口において、簡単に開閉できるスライドロック機構を備え、デザイン性、施工性を高めたスリムな目地タイプ「CMJ2型」を開発・発売し、高品質化を図りました。また、選択肢の幅を広げるため、床点検口で、アルミ目地のリバーシブルタイプ「4HA2型」のサイズバリエーションを増加し、ホーム点検口・床下収納庫で、アルミ枠に樹脂カバーを被せ、接触時の冷感を抑えた「HXP型」「PKP型」を発売いたしました。天井点検口では、ブラック色の「CDZZ型」を発売いたしました。
(その他)
内装用建材商品では、樹脂製グレーチング「GPF型」でカラーバリエーションを増加し、ラインナップの充実を図りました。
ハイツ・アパート向け宅配ボックスでは、より多くの荷物の受け取りを可能にするよう既存製品の「TBX-D型」「TBX-BD型」について多段仕様を発売いたしました。また、「TBX-F型」にカラーバリエーションを追加するとともに、専有して使用できるモデルとして「TBX-G型」をラインナップに追加いたしました。
当分野における研究開発費の金額は120百万円であります。
(2)外装用建材分野
アルミ製軽量庇RSバイザーにおいて、カラーバリエーションの充実を図るため、「RS-K型」「RS-K2型」「RS-KB2型」のブラック色を発売いたしました。また、「RS-K2型」について、出幅2mの仕様や出隅コーナーの仕様においても固定用ステーが不要となるモデルを追加し、高付加価値化を図りました。
笠木では、施工性向上のため、鉄筋コンクリート躯体や押出成形セメント版(ALC)などの二重壁に笠木の取り付けを可能にする「二重壁用ブラケット」を開発、発売いたしました。
雪庇発生軽減装置スノーテクターにおいて、強度向上を図り、標準仕様で7段まで対応可能な仕様を開発するとともに、オープン笠木仕様の施工性向上を図りました。
当分野における研究開発費の金額は16百万円であります。
(3)エクステリア分野
(ごみ収集庫関連)
省奥行きのスリムタイプごみ収集庫「CKE-R型」に市場での需要の大きい850ℓの容量を持つ「CKE-R1606型」を追加いたしました。
(自転車置場関連)
自転車置場ルーフにおいて、多様化した設備環境に対応するため、後ろ側に柱を設ける設計にし、丸柱で屋根を柱に合わせたR加工タイプの「CY-LLM型」と角柱に直線的なデザインの屋根タイプの「CY-LFK型」を開発いたしました。開口、奥行き、高さを組み合わせできる仕様で多様な製品サイズに対応するとともに、部材の共有化による生産効率向上も図っております。
また、「CY-DL-PG型」「CY-DT-PG型」をマイナーチェンジし、一般財団法人ベターリビングの優良住宅部品の認定を取得しました。
自転車置場ラック関係では、特殊自転車の保管や自転車置場ラックが設置できない場所などの需要に対応するため、自転車置場用車止め「CY-KC型」を開発、発売いたしました。現場調整可能な仕様にしており、施工性の高い製品となっております。
当分野における研究開発費の金額は44百万円であります。