文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
当社は、1924年(大正13年)の創業以来、金属製品の製造販売を通じて「社会のお役に立たせていただく」ことを経営の理念とし、常に消費者の立場に立った製品開発を行い、人に豊かさをもたらす製品の提供に務めることを経営の基本としております。この経営理念を柱として、多様性と変化の速度の増す社会において、常に変化し続け、環境に適応していく企業として「人と社会、暮らし」に貢献していくことを経営方針としております。
当社では、経営方針に基づいて、開発・製造から販売を一貫して行う体制の強化を図り、高収益体質企業への変革を着実に実施していくことで、企業価値の向上、また本業を通じた社会貢献に努めてまいります。
わが国経済におきましては、2月から新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が開始されるなど、感染拡大への取り組みが進み、経済活動についても徐々に改善していくことが見込まれます。
しかしながら、同感染症の変異株の影響や米中貿易摩擦等の地政学的リスク要因などから、景気の回復は大きく遅れるおそれがあり、先行き不透明な状況で推移するものと考えられます。
また、当社の属する建築金物業界におきましても、少子高齢化に伴う世帯数の減少から、国内市場は縮小傾向にあり、厳しい経営環境が続くものと予測しております。
なお、不動産賃貸事業における事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響から、ヒトの移動が制限を受け、需要の悪化が見込まれ、厳しい状況で推移することが予測されます。
当社の属する建築金物業界におきましては、縮小傾向にある国内市場と先行き不透明な経済情勢の中、厳しい経営環境で推移するものと見込まれます。
当社といたしましては、2024年の創業100周年を見据えて、成長を続ける組織へと、また高収益体質の企業へと変革を進めてまいります。
建築関連製品事業では、新設住宅着工戸数は減少傾向を続けることが予想され、厳しい事業環境となる中、アフターコロナなどの時代や環境の変化に対応し、世の中から求められる製品を適宜に提供していくことが課題となっております。
当事業におきましては、引き続き海外の外注先を含めたサプライチェーンの再構築による生産の最適化を図り、業務の標準化や生産工程の検討情報の共有化による生産性の向上に努めてまいります。また、新たにマーケティング本部を設置し、市場のニーズに応える付加価値の高い製品の開発、販売に努めるとともに、ダイケンブランドの海外知名度の拡大や製品の利用用途提案による新たな市場の開発に取り組んでまいります。
不動産賃貸事業におきましては、高い水準にて入居率を確保、維持していくために、老朽化への対応と入居者のニーズに対応する設備投資の実施が課題となります。
これらの課題に対しましては、所有物件周辺の単身者世帯のニーズを反映した効率的な改修、設備投資などの対応を進めるほか、企業や各種学校の寮としての需要獲得に努め、入居率の維持、向上を図ってまいります。
また、新型コロナウイルス感染症に対しましては、今後の状況を注視しながら、時差出勤やリモートシステムを活用した商談などを適切に活用するなど、感染拡大に細心の注意を払い、事業活動に取り組んでまいります。
当社では、創業100周年を前に更なる変化を目指し、生産性の向上と高収益体質への改善に取り組んでまいります。そのため、生産面において一人当たり生産性、利益面において売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)を経営指標として重要視しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。また、以下に記載のリスク項目は、当社の事業に関するすべてのリスクを網羅するものではなく、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
新型コロナウイルス感染症に関しましては、国内におけるワクチン接種が開始され、経済が再び動き始める兆しが見られるものの、変異株の発生などもあり、未だ予断を許さない状況にあります。
当社では、政府・自治体等の方針に従い、感染拡大の防止に努めております。しかしながら、今後、変異株などによる感染拡大や事態の長期化により、経済活動の自粛に伴う消費の低迷や景気の悪化、工場及び営業所等の活動が制限される事態が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業活動は、そのほとんどを国内市場において展開しており、国内の建設及び住宅建築の市場に大きく依存する経営環境にあります。当社では、新製品の開発、製品用途の新たな提案などにより事業領域の拡大に努めております。
しかしながら、公共投資や企業の設備投資の減少、少子高齢化に伴う人口や世帯数の減少による住宅需要の縮小など、国内経済の動向によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、製品または技術について、特許等を出願することで自社の知的財産権を保護するとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう注意を払っております。
しかしながら、出願する特許等が認められず、権利の保護が得られない、あるいは、第三者より知的財産権について提訴されるなどの事態が生じる場合があります。そのような事態が生じた場合、多額の訴訟関連費用等の発生や知的財産権の利用に何らかの制約を受けることなどにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、生産活動における排気、排水、廃棄物等の処理の規制、建設業等の事業許認可、独占禁止、租税等に関する法令等の適用を受けております。これらの法令・規制等を遵守できなかった場合、事業許可の取り消しや入札停止などにより事業活動に制限を受け、売上高の減少や課徴金等の支払いなどにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、コンプライアンス推進体制の構築に努めるとともに、全役職員への教育啓蒙活動を随時実施していくことで、コンプライアンスへの意識向上を図っております。
当社の製品製造に使用している主な材料は、アルミ、ステンレス、スチール等であり、それら原材料の価格は市況の影響を受けて変動し、当該変動を適切に販売価格へ反映させる必要があります。また、当社は原材料やその加工品等を海外からも調達しております。そのため、投機的な市況の変動や地政学的な世界情勢の変化などにより、原材料価格の想定を超えた変動やサプライチェーンが停滞し原材料等の確保が困難となるなど、予期せぬ事態が生じた場合は、材料費や売上原価等のコスト増大などから当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社としましては、顧客との適切な価格での取引を進めるとともに、幅広い調達先からの柔軟な供給を図るなど安定的なサプライチェーンの構築に努めております。
当社では、一部原材料について海外からの輸入により調達するとともに、海外顧客に対して製品の輸出により販売を行っております。また、当該輸出入取引について、一部を米ドルによって取引しております。そのため、為替レートの変動によっては、売上高や利益及びキャッシュ・フローなど当社の経営成績及び財政状態に想定外の影響及ぼす可能性があります。
当社としましては、為替レートの変動に細心の注意を払うとともに、幅広い調達先を確保することなどにより、安定した取引を行える体制の構築に努めております。
当社は製品販売において、多様なニーズに応える製品提供により、幅広い顧客獲得に努めておりますが、そのうち、杉田エース株式会社に対する売上高が20%程度あります。当該会社に急な事業方針の変更、業績等の変化が生じた場合には、当社の売上高や売上債権の評価など経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、ISO9001の品質マネジメントシステムのもと品質管理体制を整備、運用するとともに、製造物責任における賠償については、PL保険に加入しております。
しかしながら、不測の事態により製品の欠陥やリコールが生じる場合、PL保険の不担保や賠償額を十分に補填できない場合などの状況が生じるおそれがあります。
このような場合、クレーム関連の多大なコストの発生、売上の減少など、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります
(9) 情報管理に関するリスク
当社は、顧客や一般ユーザーの個人情報や機密情報の保護について、社内管理体制の整備、外部委託業者の指導及び当社従業員に対する情報管理やセキュリティ教育などの対策を推進しております。
しかしながら、当社の想定外の事象により情報の漏洩が起きる場合があります。この場合、当社の信用の低下による売上高の減少や賠償責任の発生等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害等
地震や風水害等の自然災害や火災等の事故災害などの発生により、従業員への被害や建物・設備の損壊などにより、当社の生産体制や事業活動に著しい支障が生じる場合等があります。また、治療法の確立していない感染症等の拡大によって、経済状況の悪化や感染症のパンデミックによる一部事業の停止など円滑な事業運営が困難になる可能性があります。
当社では、従業員の安全確保のため、災害時行動要領を規定するとともに、社内業務のデジタル化の推進、状況に係わらず製品を提供し続けることのできる生産体制の構築に努めておりますが、上記のような状況が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
a. 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、緊急事態宣言が発令されるなど、経済活動に大きな制約が課され、個人消費が低迷、また企業収益の悪化による設備投資が減少いたしました。海外におきましても、一部ロックダウンがなされるなどの経済活動の著しい制限が生じており、厳しい状況で推移いたしました。
当社が属する建築金物市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、経済活動の自粛などから店舗や事務所などの着工戸数が減少するとともに、企業収益低迷による投資減少などから工場などの着工も減少いたしました。ワクチン接種が開始されるなど経済回復の兆しはみられるものの、新設住宅着工戸数も減少するなど、需要の落ち込みによる厳しい経営環境となりました。
このような中、当社におきましては、リモートシステムを活用した商談など感染症拡大防止の対応を継続しながら、営業活動を展開してまいりました。また、展示会等の延期・中止に対して、LINEやFacebookなどのSNSを通じた新製品特集や最新情報の配信などのPR活動を展開し、受注の確保に努めました。さらに、当社ホームページにおいて、簡易見積りシステム「みつもりダイちゃん」の対象製品の拡充やグローバルサイトを1月にリニューアルするなど、海外を含めたお客様の利便性の向上を図ってまいりました。
以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、前事業年度比5.5%減の10,102百万円となりました。利益面では、為替レートや原材料価格の低下から材料コストが減少し、また、コロナ禍の影響による販売活動の制約などから販売費が抑制され、営業利益は前事業年度比4.1%増の418百万円、経常利益は前事業年度比3.6%増の436百万円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ4.9%増の296百万円となり、自己資本利益率は前事業年度比0.1ポイント増の2.4%となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(セグメント売上高):当事業年度(自 2020年3月1日 至 2021年2月28日)
(建築関連製品)
建築関連製品におきましては、非接触対応や巣ごもり需要が高まる中で、宅配ボックスや自転車ラックなどの製品が比較的堅調に推移いたしました。また、ハウスメーカーに対してアプローチを展開していったことで、エクステリア関連製品の受注が伸長いたしました。
一方で、2019年10月の消費税増税の影響に新型コロナウイルス感染症の拡大も相まって、建築工事物件が大幅に減少したことなどから外装用建材などの現場金物の販売が減少いたしました。また、海外への販売につきましても、コロナ禍による世界的な経済活動の停滞を受けて、低迷いたしました。
その結果、売上高は9,935百万円(前事業年度比5.6%減)、輸送コストの改善や展示会等の中止・延期など営業活動の制約などにより販売費が抑えられたものの、セグメント利益(営業利益)は、647百万円(前事業年度比3.7%減)となりました。
(不動産賃貸)
不動産賃貸関連につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、人の移動そのものが小さくなる中で、収益の主力でありますワンルームマンションでは、学校寮としての需要が一時的に低下したことなどから、入居率が低下いたしました。一方で、法人向けテナントに関しましては、軽微な影響にとどまり、比較的安定した収益を確保いたしました。
経費に関しましては、第3四半期以降に入居率の改善がみられ、入退去時対応の清掃等に関するコストを要したことなどから増加いたしました。
その結果、売上高は前事業年度とほぼ横ばいの166百万円(前事業年度比0.5%減)、セグメント利益(営業利益)は91百万円(前事業年度比3.2%減)となりました。
b. 財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ72百万円増加し、9,954百万円となりました。これは、売上高が前事業年度に比べて減少したことにより、売上債権が318百万円、またそれに伴って、生産を調整したことなどから製品等のたな卸資産が86百万円減少したものの、現金及び預金が488百万円増加したことが主因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ5百万円減少し、5,339百万円となりました。これは、時価評価により投資有価証券が47百万円増加した一方で、有形固定資産が50百万円減少したことが主因であります。なお、有形固定資産の減少は、生産設備等を233百万円取得したものの、減価償却や設備更新に伴う除売却により284百万円減少したことによるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ110百万円減少し、2,676百万円となりました。これは、生産量の減少に伴って原材料等の仕入が減少し、仕入債務が44百万円、未払金が12百万円減少し、課税所得が小さく抑えられたため未払法人税等が17百万円減少したことが主因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ4百万円減少し、211百万円となりました。これは、退任役員へ退職慰労金を支払ったことから役員退職慰労引当金が2百万円減少したことが主因であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ181百万円増加し、12,405百万円となりました。これは、自己株式が6月に開催した取締役会決議に基づく取得により56百万円増加し純資産を減少させたものの、当期純利益による増加などによって、繰越利益剰余金が208百万円増加したことが主因であります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ488百万円増加し、3,913百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により得られた資金は802百万円(前事業年度は589百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益436百万円、売上債権の回収による318百万円及び減価償却費304百万円などの収入と仕入債務の減少152百万円、法人税等の支払額149百万円などの支出によるものであります。
投資活動により支出した資金は168百万円(前事業年度は183百万円の支出)となりました。これは主に、事業投資に関する有形固定資産の取得による支出126百万円、及び無形固定資産の取得による支出17百万円などの支出によるものであります。
財務活動により支出した資金は144百万円(前事業年度は87百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額87百万円及び自己株式の取得による支払額57百万円によるものであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1.各指標は、以下の計算式により算出しております。
自己資本比率 :自己資本÷総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー÷利払い
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
5.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を2020年2月期の期首から適用しており、2019年2月期のキャッシュ・フロー関連指標については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。
セグメントのうち、建築関連製品において生産活動を行っており、当事業年度における生産実績を示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額については、製造原価で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
セグメントのうち、建築関連製品の外装用パネルについては、受注生産を行っており、当事業年度における受注実績を示すと次のとおりであります。
(注) 1 当社は、外装用建材の外装パネル以外の品目は見込生産で行っております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(注) 1 主な相手別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
a.前事業年度実績との比較
当事業年度の売上高は、前事業年度と比べ588百万円減少し、10,102百万円となりました。これは、集合住宅やホテル、工場などの建築需要の低下によって、外装用建材関連など現場金物製品の販売が低調となったことや新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、海外への販売が不振であったことなどから、建築関連製品事業の売上高が前事業年度比で587百万円減少したことが主因であります。
当事業年度の売上原価は、前事業年度と比べ371百万円減少し、6,914百万円となりました。これは、建築関連製品事業の売上高の減少に伴って、その製品生産量が減少したことが主因であります。なお、建築関連製品事業では、当該生産量の減少に伴い、単位当たり固定費が増加したことなどから製品原価率は悪化しております。
また、不動産賃貸事業につきましても、経年劣化による修繕費や入居率維持のための広告費、入退去に伴うハウスクリーニング費用等が増加したことなどから、不動産賃貸原価は前事業年度比で2百万円増加し、75百万円となっております。
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ233百万円減少し、2,768百万円となりました。これは、輸送コストの削減への取り組みなどから運搬費が49百万円、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響による展示会等の中止や延期などにより広告宣伝費が24百万円、販売活動の制約などから労務費が88百万円減少したことが主因であります。
当事業年度の営業外収益は、前事業年度と比べ1百万円減少し、42百万円となりました。これは、保険金等の受領が3百万円増加したものの、受取配当金等が4百万円減少したことが主因であります。
当事業年度の営業外費用は、前事業年度とほぼ横ばいの24百万円となりました。
当事業年度におきまして、特別利益及び特別損失は発生しておりません。
当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べて15百万円増加し、436百万円となりました。これは、売上高の減少により売上総利益が216百万円減少したものの、販売労務費や運搬費が抑えられたことなどから販売費および一般管理費が233百万円減少したことが主因であります。その結果、売上高経常利益率は、0.4ポイント増加して4.3%となり、当期純利益は13百万円増加して296百万円、自己資本利益率は0.1ポイント増加して2.4%となりました。
b.業績予想との比較
当事業年度におきましては、建築需要は減少を続けるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響についても限定的な範囲において生じることを想定し、売上高10,700百万円、営業利益400百万円、経常利益420百万円、当期純利益280百万円の業績を見込んでおりました。
当該業績予想との比較・分析は以下のとおりであります。
売上高に関しましては、業績予想を597百万円下回り、10,102百万円となりました。建築関連製品事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響は限定的な範囲でとどまり、事業年度後半には経済活動は再開されるものと見込んでおりました。しかしながら、二度にわたる緊急事態宣言の発令など経済活動の停滞は続き、事業年度を通じて、営業活動に制約を課す状況となり、建築需要につきましても低迷したことなどから、開示した予想売上高を達成することができませんでした。なお、不動産賃貸事業におきましては、事業年度の後半に学校寮としての需要が改善し、予想売上高を達成しております。
利益面に関しましては、経常利益が業績予想を16百万円上回り436百万円、当期純利益は業績予想を16百万円上回り296百万円となりました。これにより、売上高経常利益率は業績予想3.9%に対して、0.4ポイント増加し4.3%となり、自己資本利益率は業績予想2.3%に対して、0.1ポイント増加し2.4%となりました。これは、原価や販売費が抑えられたことに起因するものであります。製造原価につきましては、生産量減少に伴い、単位当たり固定原価は増加しましたが、原材料価格が年間を通じて比較的低価格帯にて推移したことなどから材料コストが減少し、増加幅を小さく抑えられました。また、販売費につきましても、労務費及び広告宣伝費が抑えられ、売上高減少を上回るコストの減少が生じたことが主因であります。
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(主な資金の需要及び財源)
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料、商品等の購入や外注加工費等の製造費用のほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資等の資金需要の主なものは、建築関連製品事業の機械装置や金型などの工具等の生産設備への投資によるものであります。
これらの資金需要につきましては、主に営業キャッシュ・フロー及び自己資金による他、金融機関からの借入を財源として調達する方針であります。当社としましては、強固な財務基盤を有し、また適切な財務情報の開示などを通して金融機関と良好な関係を維持しており、運転資金及び投資資金の調達に関して、問題なく調達することが可能であると判断しております。
(資金の流動性)
当社は、手元資金を売上高の3ヶ月分相当に維持することで運転資金需要に対応しており、流動性リスクを管理しております。また、突発的な資金需要が生じた際には、機動的に調達可能なように、複数の金融機関との間で合計3,050百万円の当座貸越契約を締結しております。
なお、当事業年度末において借入金の残高はありません。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたり、会計方針の選択、資産、負債、収益及び費用の報告額及び開示に影響を及ぼす見積りを行っております。経営者は、これらの見積もりが必要な事項について、過去の実績、経験や見積もり時点までに入手しうる情報などを総合的に勘案して、合理的に判断しておりますが、見積もり特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 (重要な会計方針)」に記載しております。また、財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する見積りの仮定は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 (追加情報)」に記載しております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産につきまして、過去の実績や利益計画等の将来情報を含めて勘案し、将来の課税所得を予測し、その回収可能性について検討しており、回収可能性に関する不確実性が高いと判断した部分について、評価性引当額を計上しております。将来の課税所得に関しましては、当社が合理的であると判断する仮定に基づいて、予測しておりますが、当該予測が異なり、繰延税金資産の計上に関して修正を要する場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼします。
(固定資産の減損)
当社は、管理会計上の区分に基づいて資産のグルーピングを行っております。当該資産グループについて、事業計画等に基づく将来に獲得されるキャッシュ・フローの額によって、投資金額を回収できないことが見込まれる場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減損しております。当社が保有する固定資産について、収益性の低下などから減損損失を計上するべきとの判断を行った場合、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼします。
該当事項はありません。
当社は顧客第一に徹し、住環境や都市環境の向上に貢献するため、住宅やビル等へ提供する顧客ニーズに合った製品開発に積極的に取り組んでまいりました。当社の研究開発は、既存製品の改良などは元より、新機能の組み合わせや加工技術の考案、アイデアやデザイン面にも重点を置いております。
当事業年度における研究開発費の総額は
セグメントのうち、建築関連製品において研究開発活動を行っており、当事業年度のその概要と成果は次のとおりであります。
(1)建築金物分野
(ハンガーレールシリーズ)
ハンガーレールシリーズにおいては、顧客からの多様な要望に対応するべく製品開発を行っており、製品や治工具の移動を省力化し、作業の効率化及び改善に役立つ製品を提供してまいりました。また、より複雑な搬送ルートを必要とされるケースには、3次元にも曲げやすいパイプレール仕様の部品を充実し、その要望に応えてまいりました。
(点検口関連)
デザイン性の高い建物など建築の多様性が高まる中、様々な顧客ニーズに対応するため、色やデザインの幅を広げる製品開発を実施してまいりました。また、ホーム床点検口における施工性、安全性の向上や天井点検口の換気性能を高める製品改良など、品質向上を図る開発も行いました。
(その他)
新型コロナウイルス感染症対策として換気への注目が高まる中、内装用建材商品においても、フロア換気口の換気調整を改善するなどの顧客要望に応える開発を行うとともに、製品ラインナップの充実を図ってまいりました。
当分野における研究開発費の金額は105百万円であります。
(2)外装用建材分野
生産効率の向上を図るため、製品のリニューアルを実施していくとともに、アルミ庇において、コーナー仕様を追加するなど選択肢に幅を持たせる開発を行ってまいりました。
当分野における研究開発費の金額は13百万円であります。
(3)エクステリア分野
(ごみ収集庫関連)
戸建て向けのデザイン性を重視したクリーンストッカーを発売するとともに、新型コロナウイルス感染症への対応として非接触開閉仕様の製品の開発を実施いたしました。
(自転車置場関連)
コロナ禍により自転車の利用が高まる中、自転車ラック3機種を開発し、主婦層を中心に利用が増えている子供乗せ自転車に対応する製品については、一般社団法人自転車駐車場工業会における「子乗せ自転車スライド式ラック」の基準で認定を受けております。
また、海岸地域、積雪地等の特別な要望にも応えられるよう、自転車ルーフについて、風雪等への対応の選択肢を広げる製品開発を行いました。
当分野における研究開発費の金額は44百万円であります。