第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、政府による各種政策の効果や円安、原
油価格の下落等を背景に景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社事業につきましては、当事業年度の売上高は41,149百万円(前年同期比2.0%増)と増収となりました。一方、利益につきましては、チタンの販売増はありましたものの、ポリシリコンの生産トラブルの影響が大きく、営業損失は1,643百万円(前年同期は2,764百万円の利益)、経常損失は2,058百万円(前年同期は3,496百万円の利益)と減益となりました。また、ポリシリコン製造設備について、市場環境の悪化と今回の生産トラブルを踏まえた今後の販売見込量の見直しに伴い95億円の減損損失を計上したため、当期純損失は8,840百万円(前年同期は2,666百万円の利益)と減益となりました。
事業別の業績は以下のとおりであります。
<チタン事業>
チタン事業では、国内向けにおいてユーザーでの在庫調整が前事業年度末で概ね終了したことに加え、造船用プレート式熱交換器、発電プラント向けを中心に一般産業用展伸材需要が回復基調で推移したこと、また中東海水淡水化プラント向けスポット需要があったことにより販売数量は大きく増加しました。輸出向けにおいても在庫調整の影響はありましたが、航空機の製造は堅調に推移しております。この結果、チタン事業の売上高は27,918百万円(前年同期比19.5%増)となり、営業利益につきましては1,237百万円(同12.7%減)となりました。なお、輸出、国内向けともに回復基調が確かになったことを受けて第2四半期より着手していたスポンジチタンの増産につきましては計画どおり完了しております。
<ポリシリコン事業>
ポリシリコン事業では、半導体用ポリシリコンの需給調整が依然として継続しております。また、国内主要顧客
向け製品の生産に関わるトラブルが発生したことにより当事業年度の下期に予定していた当該顧客向けの出荷が遅延するとともに、操業損や歩留損等トラブルに伴う増加コストが発生しました。この結果、売上高は10,838百万
円(前年同期比26.1%減)となり、3,296百万円の営業損失(前事業年度は1,000百万円の利益)となりました。
<高機能材料事業>
高機能材料事業では、半導体需要の増加に伴う高純度チタンの需要増や液晶分野でのTILOP(タイロップ)
の堅調な需要により販売数量が増加したため、売上高は2,391百万円(前年同期比3.3%増)となり、営業利益につきましては416百万円(同20.2%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ1,431百万円減少し、2,036百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純損失となったものの売上債権の減少等による資金の増加に加え、減損損失及び減価償却費等により6,077百万円の収入となりました(前事業年度は16,809百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により2,129百万円の支出となりました(前事業年度は4,019百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済等により5,283百万円の支出となりました(前事業年度は10,338百万円の支出)。
(1)生産実績
当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
チタン事業 |
23,189 |
13.1 |
|
ポリシリコン事業 |
12,238 |
△15.7 |
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高機能材料事業 |
2,688 |
15.2 |
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合計 |
38,116 |
2.0 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
チタン事業 |
26,222 |
30.8 |
6,141 |
△21.6 |
|
ポリシリコン事業 |
15,579 |
10.8 |
2,573 |
△17.9 |
|
高機能材料事業 |
2,361 |
△4.4 |
589 |
△4.9 |
|
合計 |
44,162 |
20.8 |
9,303 |
△19.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
チタン事業 |
27,918 |
19.5 |
|
ポリシリコン事業 |
10,838 |
△26.1 |
|
高機能材料事業 |
2,391 |
3.3 |
|
合計 |
41,149 |
2.0 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
第18期 |
第19期 |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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住友商事㈱ |
17,055 |
42.3 |
18,212 |
44.3 |
|
㈱SUMCO |
4,041 |
10.0 |
6,267 |
15.2 |
|
神鋼商事㈱ |
- |
- |
5,875 |
14.3 |
|
丸紅㈱ |
- |
- |
4,163 |
10.1 |
|
三井住友ファイナンス&リース㈱ |
8,467 |
21.0 |
- |
- |
(注) 第18期の神鋼商事㈱と丸紅㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合10%未満であるため記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、昨年5月に2015年度から2017年度までの中期経営計画(2015-2017)を策定し、その後2015年度にポリシリコン事業に係る固定資産の減損損失を計上したことを受け、本年4月にポリシリコン事業の基本方針、事業戦略及び同事業の業績目標を修正しました。
修正後の計画の概要は以下のとおりであります。
Ⅰ 中期経営計画(2015-2017)の基本方針
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1.航空機需要の拡大が見込まれるチタン事業を成長の核とし、グローバル市場において
3.高機能材料事業の拡大
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Ⅱ 分野別事業戦略
1.チタン事業
① 国内外大手顧客との関係強化とニーズ汲み取りによるシェア拡大
・エンジン用・機体用の購入仕様差別化 →機体用(ボリュームゾーン)の拡販強化
・競争力強化と上方対応力確保の成果活用
・顧客ニーズへの対応
→ 市場の成長率を上回る拡販を目指す
② 競争力強化
◎ 生産性の更なる向上
・現状実力生産能力年産44,000トン(公称40,000トン)を2017年度に47,000トンまで向上させる。
・大型還元炉のみで40,000トン体制の確立
→ 世界No.1の生産能力による上方対応力の確保と世界No.1の生産性を実現
◎ 徹底したコスト合理化 → コスト合理化目標 20億円(2014→2017年度)
③ 生産量40,000トン超えへの対応
◎ 年産47,000トンまでは休止中の予備還元炉の再稼動により対応
◎ 年産47,000トン超えへの対応として海外生産拠点を視野にグローバル供給体制を検討
2.ポリシリコン事業
① 品質管理体制の徹底強化
→ 品質ロスコスト、機会損失の削減
② 主要顧客との関係強化
③ 高品質ポリシリコンの安定生産技術の確立と拡販
3.高機能材料事業
(高純度チタン)① 顧客との戦略的パートナーシップによる拡販
② 高品質ニーズへの積極的対応
(TILOP) 市場ニーズに合わせたコストミニマム生産技術の確立
(新規事業) 積層造形用チタン粉末事業等への展開
Ⅲ 業績目標
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本年4月にポリシリコン事業の業績目標を修正 |
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<2017年度 業績目標> |
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億円 |
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2015/5月策定 |
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修正後目標 |
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チタン |
330 |
|
330 |
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ポリシリコン |
170 |
|
140 |
|
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|
高機能材料 |
30 |
|
30 |
|
|
売上高 |
530 |
|
500 |
|
|
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|
チタン |
50 |
|
50 |
|
|
|
ポリシリコン |
10 |
⇒ |
3 |
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|
|
高機能材料 |
10 |
10 |
|
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営業利益 |
70 |
63 |
||
|
|
経常利益 |
70 |
|
63 |
|
|
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当期純利益 |
47 |
|
40 |
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ROE |
10% |
|
10% |
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借入金残高 |
300 |
|
320 |
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D/Eレシオ |
0.6倍 |
|
0.8倍 |
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配当性向 |
25~35%目安 |
|
同 左 |
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為替レートの前提 |
110円/$ |
|
110円/$ |
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文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、次のとおりであります。
(1)需要変動等によるリスク
(チタン事業)
当社の輸出向け金属チタン(スポンジチタン、インゴット)の全社売上高に対する割合は、当事業年度で4割弱を占めておりますが、その主要用途は高品質の航空機用であります。従って、航空機メーカーの受注並びに航空機のメンテナンス需要の変動により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
一方、国内向け金属チタンの全社売上高に対する割合は、当事業年度で3割弱を占めておりますが、その多くは電力・化学・海水淡水化等プラント物件向けや船舶用のプレート熱交換器向け等の一般産業用として、展伸材メーカーから海外向けに直接または間接的に輸出されております。従って、世界経済の変動により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(ポリシリコン事業)
当社は、半導体用ポリシリコンを主体に製造・販売しておりますが、半導体の景況により当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2)為替変動によるリスク
全社売上高に対する輸出売上高の割合は、当事業年度において約5割を占めております。当社の輸出売上高の殆どが米ドル建てで、輸入原材料の米ドル建てでの仕入や、電力、LNG等の間接的な米ドルでの支払いを含めても、米ドルの受取超過になる傾向にあり、為替の変動により、当社の経営成績に影響をもたらす可能性があります。
(3)電力供給制限及び料金の変動によるリスク
当社の製造工程においては、大量の電力を消費するため、電力の供給に制限があった場合、また電力会社の発電構成の見直しや原油価格の変動等により電力料金の大幅改定があった場合、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(4)原料市場の需給変動及び価格変動によるリスク
チタン原料の需給バランスが崩れることにより調達量が制約されたり購入価格が大きく変動する場合、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。
(5)自然災害によるリスク
当社の製品は全て自社工場で生産しておりますが、自然災害の発生により、設備の損傷、生産販売活動の停止等の事態が発生した場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)重大な生産トラブルによるリスク
当社では、全ての設備の予防保全に努めるとともに設備の安全審査、保安管理体制の強化を図り、その維持及び改善に万全を期しておりますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、設備の調整不足や操業条件の不具合による生産トラブルが発生し所定の生産性や製品品質が確保できない場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)財務制限条項への抵触リスク
当社の借入金のうち、財務制限条項付融資契約について、財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し当社の財務状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)繰延税金資産の取崩しによるリスク
将来の課税所得の予測・仮定に変動が生じた場合、繰延税金資産の取崩しが発生し当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、ポリシリコンの製品販売に関し、一部の顧客との間で長期販売契約を締結しております。
当社の研究開発活動は、チタン及びポリシリコン分野での業界トップクラスの技術開発力をベースに、製品品質
の向上、生産性の向上、製造コストの低減に取り組んでおります。
また、高機能材料分野では、チタンやシリコンに関連した新商品の開発にも注力しております。
当事業年度の研究開発費は495百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。
<チタン事業>
電解工程での電力消費量の低減、還元分離工程での生産性向上、製造設備の長寿命化や生産能力の拡大などの
ための研究開発を行っております。
なお、当事業年度のチタン事業の研究開発費は209百万円であります。
<ポリシリコン事業>
微量元素のコントロール技術の向上、安定生産と製品品質の維持向上などのための研究開発を行っております。
なお、当事業年度のポリシリコン事業の研究開発費は55百万円であります。
<高機能材料事業>
高機能材料分野では、高純度チタンの品質改善、歩留まり向上のための研究開発に注力している他、リチウム
二次電池負極材用SiOについても研究開発を行っております。
また、近年注目されている3Dプリンタ用途などを主なターゲットとして、粉末チタンの新規用途開拓のための研究
開発にも力を入れております。
なお、当事業年度の高機能材料事業の研究開発費は230百万円であります。
当事業年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。
(1)財政状態の分析
(資産)
当事業年度末の総資産の残高は、88,905百万円と前事業年度末と比べ13,489百万円減少いたしました。これは、売掛金及び有形固定資産が減少したことが主な要因であります。
(負債)
当事業年度末の負債の残高は、55,083百万円と前事業年度末と比べ3,773百万円減少いたしました。これは、借入金が減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当事業年度末の純資産の残高は、33,822百万円と前事業年度末と比べ9,716百万円減少いたしました。これは、当期純損失及び配当金の支払により利益剰余金が減少したことが主な要因であります。
(2)キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動の収入が6,077百万円、設備投資を中心とした投資活動の支出が2,129百万円、借入金の返済等による財務活動の支出が5,283百万円となり、全体として支出が収入を上回りましたので、現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末と比べ1,431百万円減少し、2,036百万円となりました。それぞれのキャッシュ・フローの前事業年度からの増減につきましては、「第2 事業の状況1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(3)経営成績の分析
当事業年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要(1)業績」に記載いたしましたとおり、売上高は41,149百万円(前事業年度比2.0%増)、営業損失1,643百万円(前事業年度は
2,764百万円の利益)、経常損失2,058百万円(前事業年度は3,496百万円の利益)、当期純損失8,840百万円(前事業年度は2,666百万円の利益)と減益となりました。
売上高の減少要因は、「第2 事業の状況 1.業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。
売上原価につきましては、前事業年度の32,988百万円から4,576百万円増加し37,565百万円となりました。売上原価率は、販売数量の減少等により9.5%上昇し91.3%となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、一般管理費の増加を主体に前事業年度の4,603百万円から623百万円増加し5,227百万円となりました。
この結果、営業利益につきましては、前事業年度の2,764百万円の利益から4,407百万円減少し
1,643百万円の損失となりました。
営業外損益につきましては、補助金収入の減少及び為替差損の計上などにより、営業外損益合計で、前事業年度に対し1,147百万円悪化いたしました。
特別損益につきましては、ポリシリコン製造設備の減損損失計上などにより、特別損益合計で、10,249百万円悪化いたしました。
この結果、経常利益は前事業年度の3,496百万円の利益から5,555百万円減少し2,058百万円の損失となり、当期純利益は前事業年度の2,666百万円の利益から11,507百万円減少し8,840百万円の損失となりました。