(1)業績
当期の世界経済は、米国や欧州においては緩やかな景気回復が持続し、減速気味であった中国においても景気が緩やかに回復しております。新興国においては各国ばらつきがありますが、全体としては回復基調であります。我が国経済は、企業部門並びに家計部門も、緩やかな回復基調が続いております。
しかしながら、米国新政権が保護主義的政策を鮮明にしていること、並びに地政学的リスクの高まりにより、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当期の当社グループの連結業績につきましては、販売量は前期を上回ったものの、対前期での地金価格下落の影響や為替換算の影響等により、売上高は568,316百万円(前期比1.3%減)と、ほぼ前期並となりました。一方、損益面におきましては、地金価格下落に伴う棚卸評価関係による悪化影響が前期より縮小したことやコストダウン等により、営業利益25,869百万円(同70.1%増)、経常利益19,819百万円(同65.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,715百万円(同70.7%増)となりました。
セグメント別の状況については、以下のとおりであります。
アルミ圧延品事業
国内アルミニウム圧延品業界の需要については、板類では、最大需要分野である飲料缶用で、低アルコール飲料用やボトル缶の需要増が継続しましたが、ビール系飲料用で減少し、ほぼ前期並みとなりました。自動車分野においては、乗用車の国内生産が堅調であったことから外板パネルを中心にアルミ板材の需要が伸長いたしました。さらには半導体及び液晶製造装置の需要が好調を継続しており、部材として使用されるアルミ厚板の数量も大幅増となりました。これらの結果として、内需全体で前期を上回る実績となりました。また、内需と輸出の合計出荷量でも3年連続で対前期増加となりました。
押出類に関しては、トラック・バス関連需要の好調継続に加え、建築関連需要の復調もみられ、出荷総量は3年ぶりに前期を超える結果となりました。
国内当社グループの売上数量についても、上記全体需要とほぼ同様の傾向であり、板押出ともに前期を超える結果となりました。
また、タイ王国の板圧延工場(UACJ (Thailand) Co.,Ltd.)の一貫生産本格化や米国ローガン工場から自動車パネル用アルミニウム材事業合弁会社(Constellium-UACJ ABS LLC)向けに母材の供給を開始したことにより、グループ全体での売上数量についても大幅に増加いたしました。
このような販売状況であったものの、対前期での地金価格下落の影響や為替換算の影響等により、当期のアルミ圧延品事業の売上高は451,253百万円(前期比2.1%減)となりました。一方、営業利益は、上記の販売量の増加やコストダウンの効果、地金価格下落に伴う棚卸評価関係による悪化影響が縮小したこと等により、26,763百万円(同47.7%増)となりました。
伸銅品事業
当事業の主力製品である空調用銅管の主要用途である家庭用エアコン及び業務用パッケージエアコンの国内生産は堅調に推移し、国内出荷台数もともに前期を上回ったこと等により、当社グループの銅管の売上数量は前期を上回りました。一方で、銅地金価格は期末にかけて上昇しましたが、対前期比での地金価格下落の影響等により、当期の伸銅品事業の売上高は43,174百万円(前期比7.9%減)となりました。営業利益は棚卸評価関係による悪化影響が前期より縮小したことやコストダウン等により、703百万円(同107.5%増)となりました。
加工品・関連事業
当期にSRS Industries, LLC(以下「SRS」、現 UACJ Automotive Whitehall Industries, Inc.)の買収を行いましたが、既存事業の需要減少が受注に影響し、当期の加工品・関連事業の売上高は166,745百万円(前期比0.2%減)、営業利益は3,742百万円(同0.1%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より22,311百万円増加し、41,125百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前当期純利益が増加したことや、仕入債務が減少から増加に転じたこと等により、前連結会計年度比5,882百万円(前連結会計年度比26.1%)増加し、28,393百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、SRSの持分取得や関係会社出資金の取得等により、前連結会計年度比20,697百万円(同59.5%)増加し、55,456百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により調達した資金は、新株式の発行による収入や長期借入金による調達の増加により、前連結会計年度比38,301百万円(同342.7%)増加の49,478百万円となりました。
生産、受注及び販売実績
当社グループの生産実績及び受注実績は、グループ内の会社間で前工程生産と後工程生産を行っている場合があり、各社の取引額の単純合計がそのまま連結生産実績とはならないこと、また受注生産形態をとらない製品もあることから、事業ごとに生産規模及び受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。なお、販売実績については、「1 業績等の概要」において記載しております。
なお、当連結会計年度において、いずれの相手先についても総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
(1) 会社の経営の基本方針
①経営理念
UACJグループは、お客様の満足と信頼を得る製品とサービスの提供に努め、堅実・健全な事業発展を通じて広く社会に貢献します。
②行動指針
UACJグループは、経営理念を実現させるため、以下の指針に基づいて行動するとともに、その体制を整備します。
1.あらゆるステークホルダーと積極的かつ公正なコミュニケーションをはかるとともに、その信用・信頼を得ることを第一と考えて行動します。
2.高い倫理感に基づき行動し、法令・規則を遵守するとともに、環境問題や社会貢献活動などに積極的に取り組み、また反社会的勢力・団体との関係遮断も徹底し、企業としての社会的責任を果たします。
3.お客様の満足と信頼を得るため、品質・技術開発力・現場力の向上に不断の努力を払います。
4.人を育てるとともに、安全で働きやすい環境を整備します。
5.常にグローバルかつ長期的な視野を持ち、あらゆる環境変化に柔軟に対応し、グローバル化にあたっては、各国の法律・文化・習慣を尊重し、その社会の発展に寄与します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略等および対処すべき課題
今後の経済情勢の見通しは、国内においては金融緩和政策の継続、輸出の持ち直し、底堅い消費・設備投資に支えられた内需の回復が緩やかに継続しているものの、OPECの減産合意に伴う原油価格の上昇に加え、米国新政権によるドル安誘導懸念などエネルギー価格が上昇するリスクがあり、今後の見通しは不透明です。また、少子高齢化の進行、顧客の生産拠点の海外移転等により需要構造は変化しており、中長期的に国内の事業環境は厳しいものと想定されます。一方、海外においてはシリアをはじめとした中東情勢、朝鮮半島情勢など地政学的リスクが強まる中、米国新政権による保護貿易主義、移民政策、通貨戦略などの政策の行方に加え、欧州諸国のEU離脱懸念、中国経済の下振れリスク等、世界経済全体としても一層不透明感が増すものと想定されます。
このような経済環境の中、平成29年度は、「世界的な競争力を持つアルミニウムメジャーグループ」の実現に向けて、平成26年12月10日に発表いたしました、UACJグループ中期経営計画「Global Step Ⅰ」<2015年度~2017年度(平成27年度~平成29年度)>の最終年にあたります。引き続き、そこで掲げた内容を具体的に各事業へ展開し、環境変化に強い収益基盤の確立と持続的な成長に取り組んでまいります。
その重点方針として、
①自動車を中心とした輸送分野、エネルギー分野などの成長製品の拡大とアジアを中心とした成長地域の事業強化
②各事業の最適生産体制の構築及び技術融合の推進
③先端基礎研究の強化と豊富な蓄積技術の活用による新技術・新製品の開発
の3つを掲げ、今後これらの取り組みを強力に推進し財務体質の改善と成長投資の両立を図ってまいります。そして目指すべき企業の姿に向けて当社グループの総力を結集し、統合効果を早期かつ最大限に発揮してまいります。
これにより国内外の事業をより強固なものとし、世界のアルミニウムメジャー会社や新興圧延会社との競争に打ち勝ち、拡大していくマーケットの中で継続的な成長の実現を目指し、企業価値の更なる向上を図ってまいります。
また、当社グループは、CSRへの取り組みにより、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループであり続けたいと考えております。
基本的な考え方として、
・社会に役立つ安全な製品や技術、サービスを継続的に創出・提供し、お客様や取引先の信頼を獲得
・健全な企業活動を通じて、株主の皆様、従業員や地域社会などに貢献
を掲げ、経営理念、行動規範の実践を通した企業倫理の確立やコンプライアンス及びリスク管理の徹底等によりコーポレート・ガバナンスを実践するとともに、地球環境の保全や資源再生利用の推進等によりサステナビリティに取り組むなど、様々な視点から、グローバルカンパニーとしての社会的責任を果たしてまいります。今後とも、良き企業市民として、持続可能な社会の構築に取り組んでまいります。
当社グループの経営成績は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影響を受けます。当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済情勢、景気動向等
当社グループでは、技術的に優位な特徴のある製品群への注力を進める一方で、総合アルミニウム圧延メーカーとして、広く様々な需要に対応し、特定の需要分野の業況に業績が左右されないような事業基盤の確立を目指してはおりますが、日本及び世界経済全般の景気後退あるいは冷夏・暖冬等による製品需要の停滞・減少により、営業成績等が影響を受ける場合があります。
(2)原材料の調達
当社グループが購入する補助的な原料のうち、マグネシウムやシリコンなどは、主に生産コストの優位性などから、中国に一極集中の様相があります。また、主要原料であるアルミニウム地金の中でも、特殊な用途に使用する高純度の地金については、供給元も限定的であり、品質を含む生産者自体の要因でコストが上昇したり、供給量が制約される可能性があります。
(3)原料価格及び原油価格の変動
当社グループの主要原料であるアルミ・銅地金は、相場商品であり、世界情勢や市場の動向で予想外の価格変動を起こす可能性があります。製品販売価格は、基本的には「地金価格+加工賃相当」となっており、地金価格は顧客とあらかじめ取り決めたルールに従い、市況を反映して変動することから、相場が変動した場合でも概ね転嫁できると考えておりますが、短期間での急激な変動時には、転嫁ルールと都度の購買量によっては、その全てが転嫁できない場合もあります。また、未だ地金の変動制が採用できていない顧客も極一部ですが存在しますので、価格改定が遅れる可能性があります。一方、合金成分となる各種の金属原料や原油価格の上昇、各種副資材関係の価格上昇につきましては、当社にとっては使用する燃料費及び加工コストの増大、あるいは広く電力料金の増加、という状況に至ることとなり、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(4)為替変動
当社グループの事業活動において、現在、為替の影響を受けるものは、アルミ・銅地金を中心とした原料の購入と輸出向けの販売等があります。当社グループは、為替予約等により外国為替相場の変動による経営成績への影響が軽微になるよう努めておりますが、当社グループの想定を超える外国為替相場の変動があった場合等には当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)金利の上昇リスク
長期の有利子負債については、金利変動リスクへの対応を目的として、金利スワップを実施すること等により、固定金利による調達割合が過半を占めておりますが、変動のリスクを完全に排除することは困難であり、金利の変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産権、その他第三者の権利侵害
当社グループでは、製品やソフトウェア等の開発、製造、使用及び販売、その他の事業活動によって、第三者の知的財産権、その他の権利を侵害しないよう、あらかじめ調査を行ない、必要に応じて実施許諾を受ける等の措置を講じておりますが、第三者からの知的財産権、その他の権利を侵害したとして訴訟を提起される等、第三者との間に紛争が生ずることはないという保証はありません。第三者の権利の侵害により、製造・販売等が差し止められたり、多額の損害賠償金や和解金の支払いを余儀なくされたりした場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(7)製品の欠陥
当社グループは、国内外の各種規制・基準及び長年の経験で培われた品質管理基準に従って各種製品の製造、サービスの提供を行なっています。しかし、その全てについて欠陥が無く、将来に損失補償が発生しないという保証はありません。とりわけ、飲料用缶、自動車用部品等に関する製品については、欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性があります。また、製造物責任賠償についてはリスクが予想されるものに対し保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模な損失補償や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(8)資産の減損
市況や事業環境の悪化によって、当社グループが保有する資産の市場価格が著しく低下する場合や、資産から生み出される収益力が低下する場合には、当該資産について減損損失が発生する可能性があります。
(9)環境問題対応
当社グループでは、国内外を問わず、各地の環境規制等に即した資材の使用、製造環境の維持に努めておりますが、過去の製造状況等に伴う土壌汚染やアスベストの処理などについて新たな浄化対策、除去対策に関わる費用が必要となる場合があります。これらについては、当該部分の環境の維持向上を最優先として対処してまいります。また生産活動の過程において廃棄物、副産物等が発生しております。当社グループは法規制を遵守し、的確な対応を行なっておりますが、関連法規制の強化によって業績が影響を受ける可能性があります。
(10)事故による操業への影響
鋳造炉、焼入炉など主要設備では高温、高圧での操業を行なっております。これらを原因とする事故の防止対策には万全を期しておりますが、万一重大な事故が発生した場合には、当社グループの生産活動に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)海外の政治環境の変化
当社グループは、海外の各国において十分な経営環境及び事業継続性の検討の下で事業展開をしておりますが、政治的な方針変更による為替政策や各種優遇税制等の変化、社会情勢による操業上の問題など想定を超えるリスクの発生により、当該子会社、ひいては、投資を行なった当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(12)投資有価証券の価値変動
上場株式の株価変動などに伴う投資有価証券の価値変動は、当社グループの業績に影響を及ぼします。
(13)自然災害
地震、台風などの大規模災害により、当社グループの施設、設備、人員が被災したり、あるいは当社協力会社が同様の損害を蒙る事態に至った場合、その程度によっては当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点では予測できない上記以外の事象の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(1)豪州におけるアルミ製錬事業参加契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
|
当社 |
RIO TINTO ALUMINIUM LIMITED 他5社 |
オーストラリア |
豪州におけるアルミ 製錬事業参加契約 |
昭和54年8月27日 但し、平成6年3月30日に 更新 |
平成40年12月31日 |
(2)米国におけるアルミニウム製品の製造に関する合弁事業契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
|
Tri-Arrows Aluminum Inc. |
Novelis Corporation |
アメリカ |
米国におけるアルミニウム製品の製造に関する合弁事業契約 |
昭和60年1月18日 |
定めなし |
(3)米国における自動車パネル材の製造・販売に関する合弁事業契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
|
Tri-Arrows Aluminum Holding Inc. |
Constellium U.S. Holdings I LLC |
アメリカ |
米国における自動車パネル材の製造・販売に関する合弁事業契約 |
平成26年5月9日 |
定めなし |
(4)欧州における自動車用熱交換器材の販売に関する合弁事業契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
|
当社 |
Elval Hellenic Aluminium Industry S.A. |
ギリシャ |
欧州における自動車用熱交換器材の販売に関する合弁事業契約 |
平成27年4月27日 |
定めなし |
(5)中国における自動車用熱交換器材等の製造・販売に関する合弁事業契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
|
当社 |
広東東陽光科技控股股份有限公司 |
中国 |
中国における自動車用熱交換器材等の製造・販売に関する合弁事業契約 |
平成21年10月8日 但し、平成28年2月16日に 改訂 |
定めなし |
技術開発研究所では、お客様の多様なニ-ズや環境・エネルギーの社会変動に対応するため、材料設計・生産プロセスに関する基盤技術の開発から製品および利用技術の開発まで、一貫した研究開発を推進しています。また、世界最先端の研究機関とも積極的に連携し、時代を先取りした革新的な製品・技術開発のスピードアップを図るとともに、グローバルに対応できる人材の育成とコンプライアンスの徹底にも注力しております。
当連結会計年度の費用総額は、4,412百万円であります。各セグメントの研究状況は次の通りです。
アルミ圧延品事業
当社の主力であるアルミ板製品に関わる研究開発では、アルミ缶等の容器をはじめ、自動車ボディシート、自動車構造部品、自動車用熱交換器、ルームエアコン、IT関連機器、メモリーディスク、印刷版、船舶用厚板、電解コンデンサ、リチウムイオン電池用集電体などに使われるアルミ板について注力し、多様化・高度化するお客様のニーズにお応えしております。また、生産性の向上や製造コスト・環境負荷の低減のため、ハード、ソフト両面から新規製造プロセスの開発やIoT技術導入を進めております。基盤技術については、シミュレーション技術の更なる展開、分析機器の利用高度化などに精力的に取り組んでおります。さらに、経済産業省委託事業である「革新的新構造材料等研究開発プロジェクト」では、Phase1の最終年を向かえ、次世代航空機への適用を目指した新合金の開発を加速しています。
アルミ板事業と並ぶ当社グループの中核事業であるアルミ形材・管・棒製品に関わる研究開発では、自動車用熱交換器材料の開発とともに、航空機や自動車構造部材、スマートフォン用筐体の新規需要に向けたアルミ合金材料の開発を進めております。また、鋳鍛製品に関わる研究開発では、世界でも数社しか生産できないコンプレッサホイールなど、付加価値の高いアルミニウム製部材の開発に積極的に取り組んでおります。
摩擦撹拌接合の差厚接合を駆使したアルミテーラードブランク材の開発では、太平洋工業(株)とともに,超モノづくり部品大賞の「自動車部品賞」を受賞しました。
アルミ圧延品事業に係る当連結会計年度の研究開発費は、4,308百万円であります。
伸銅品事業
伸銅品事業では、エアコン用高強度銅管の開発を進め、より一層の高性能省エネ型エアコンの開発・量産に大きく貢献しております。エアコン用あるいは建築配管用銅管については、蟻の巣腐食対策材の開発を進め、新合金の量産を開始いたしました。蟻の巣腐食対策材については,そのメカニズムの解明が高く評価され,日本銅学会第50回論文賞を受賞しました。
伸銅品事業に係る当連結会計年度の研究開発費は、100百万円であります。
加工品・関連事業
加工品・関連事業では、高性能かつ精密なパワーコントロールユニットなどの冷却デバイスの開発を進め、サンプル出荷を開始しております。今後更なる需要拡大が期待される高性能用途への拡販を図ってまいります。空調熱交換器分野におきましても、UACJグループの技術総合力と蓄積技術(材料・評価技術)を駆使してオールアルミ熱交換器の量産を昨年より開始し、さらなる拡販に向けた開発を進めております。また、自動車部品分野では、量産を開始した全世界対応型超軽量アルミニウム製バンパーシステムのさらなる拡販を図ってまいります。さらには,国内、北米での自動車構造部品の需要増大に向け、アルミ化部品の適用拡大に取り組んでまいります。
加工品・関連事業に係る当連結会計年度の研究開発費は、5百万円であります。
中期経営計画「Global Step Ⅰ」の最終年度にあたる平成29年度は、昨年に引き続き、社会に役立つ安全な製品や技術、サービスを継続的に創出・提供し、お客様や取引先の信頼を獲得するための「基盤強化」を進めるとともに、次期中期経営計画に向けて新たな価値創造を図ってまいります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当り、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、SRSの持分を取得したこと等により、資産合計で725,443百万円(前
連結会計年度末比9.5%増)となりました。
負債合計につきましては、上記の買収及び米国ローガン工場やUACJ (Thailand) Co.,Ltd.への戦略投資等に伴
う長期借入金等の増加により527,083百万円(同8.9%増)となりました。
純資産につきましては、新株式を発行したことによる資本金及び資本剰余金の増加や、親会社株主に帰属する
当期純利益の計上による利益剰余金の増加等により、198,360百万円(同11.1%増)となりました。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末の連結有利子負債残高は、前連結会計年度末より34,819百万円増加し、323,825百万円となりました。これは戦略投資等に伴う長期借入金等の増加によるものです。