文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) グループ経営理念
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2019年に、当社グループは、企業活動の根本的な考え方となる「企業理念」を見つめ直し、社員が物事を判断する際の拠りどころとなるグループ理念体系を再定義いたしました。 「企業理念」 素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。 「目指す姿」 アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。 「価値観」 相互の理解と尊重 誠実さと未来志向 好奇心と挑戦心 2020年度には、グループ理念体系の社内浸透を図るため、社長を始めとする経営陣幹部と従業員との理念対話会を国内外合わせて50回以上実施しました。理念対話会は、従業員に理念を伝えるだけではなく、従業員の声を経営に活かし、また従業員のエンゲージメントの向上にも資することから、今後も積極的に実施してまいります。 この企業理念を世界中の従業員と共有することで、国境や世代を超えて永続的に社会・生活を支える企業グループになることを目指してまいります。 |
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(2) 経営戦略等
当社グループは、グループ理念における目指す姿の実現に向け、2030年における当社グループのありたい姿を描いた「UACJ VISION 2030」(以下、VISION2030)及び2021年度を初年度とする中期経営計画<2021年度~2023年度>(以下、第3次中計)を策定し、2021年5月に公表しております。
(長期経営ビジョン UACJ VISION 2030)
足元の市場動向は、新型コロナウイルス感染症の影響により見通し難い状況にありますが、中長期の視点では、世界的な人口増加と経済成長や、気候変動への対策の必要性の高まりから、地球環境に優しい循環型素材であるアルミニウムの需要は伸長する見込みです。このようなマクロ環境認識のもと、企業理念に掲げた「持続可能で豊かな社会の実現」にむけて、2030年に当社グループが目指していく4つの貢献を定めたVISION2030を策定しました。
UACJ VISION 2030
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1.成長分野や成長市場での需要捕捉により、より広く社会の発展に貢献する 2.素材+αでバリューチェーン及びサプライチェーンを通じた社会的・経済的な付加価値の向上に貢献する 3.新規領域への展開により、社会課題の解決に貢献する 4.製品ライフサイクルでのCO2削減により、環境負荷の軽減に貢献する |
まず、成長市場や成長分野においては、積極的に新たな需要を捕捉し、これまで培ってきた経営資源や強みを生かした製品の提供を通して、より広く社会の発展に貢献していきます。また、素材製品の提供のみでなく、原料を有効活用するリサイクルや、ひとつ下工程の素材加工を手掛けるなどの施策により、バリューチェーン及びサプライチェーンを通した「素材+αの価値創出」に取り組んでいきます。さらに、2030年に向けて拡げていく新規領域としては、グループの中堅社員25名によりVISION2030委員会を結成し、10年後の2030年社会においてアルミニウムが活躍する領域として、「モビリティ」「ライフスタイル・ヘルスケア」「環境・エネルギー」の3つを選定しました。今後は、アルミニウムの可能性が最大限に引き出されるこれら3つの領域を重点的に拡げてまいります。また、アルミニウムはリサイクルすることで、製造に要するエネルギーを97%節約できる、優れた循環型素材です。当社は、アルミニウムの循環利用を推進することで、製品ライフサイクルでのCO2排出量の削減を図り、地球の環境負荷軽減に貢献してまいります。
これら4つの貢献を通じて、「持続可能で豊かな社会の実現」を目指してまいります。
(中期経営計画)
VISION2030で掲げた4つの貢献を目指していくにあたり、2021年からの3年間において当社グループが取り組むべきこととして、第3次中計を策定いたしました。第3次中計では、今後3年間を、構造改革を完遂し、その先の成長とVISION2030の実現に向けた基盤を確立するための期間と設定し、3つの重点方針を掲げました。
第3次中期経営計画<2021年度~2023年度>
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重点方針 1.構造改革の完遂 2.成長への基盤の強化 3.軽やかな世界の実現への貢献(サステナビリティ推進) |
① 構造改革の完遂
2018年後半以降、米中貿易摩擦等による市場環境の急変により、当社業績は大変厳しいものとなりました。これを受けて、2019年9月から収益構造の抜本的な改革を含む「構造改革の実行」に着手しております。構造改革では、「稼ぐ力の向上」「財務体質の改善」「経営のスピードと質の向上」を掲げ、各施策を着実に実行することで環境変化に強い筋肉質な体質の確立と業績回復の実現を目指してまいりました。
第3次中計においても、引き続き、構造改革の遂行及び達成を重点方針と設定しました。まず、国内においては、生産拠点集約、最適生産体制・品種構成改善、間接費削減に向けた施策を実行し、損益分岐点の引き下げによる収益構造の改革を図ります。海外においては、これまでに実施してきたUACJ (Thailand) Co., Ltd.やTri-Arrows Aluminum Inc.などへの大型投資を2019年までに完了しており、増強した生産能力を最大限に活用して、投資を着実に回収してまいります。また、第3次中計の期間においては、投資の絞り込みや資産の効率化によるキャッシュフローの創出により、有利子負債を削減するとともに、D/Eレシオ(負債資本倍率)の改善を目指します。これらの施策により、構造改革完遂予定の2022年度に向けて、収益構造の抜本的改革と財務体質の改善を図ってまいります。
② 成長への基盤の強化
成長市場を北米及び東南アジア、成長分野を缶材及び自動車材と捉え、日本、タイ、北米の3大拠点における既存の生産設備を最大限に活用することで、拡大する需要を捕捉することを目指します。
北米においては、特に缶材の旺盛な需要が継続する見込みであり、国内拠点及びタイ拠点からの北米市場への缶材販売拡大や、北米拠点の能力増強検討により対応していきます。東南アジアにおいては、年間32万トンの生産体制を有する東南アジア唯一の最新鋭アルミ圧延工場というUACJ (Thailand) Co., Ltd.ラヨン工場の優位性を活かし、グローバル顧客への安定供給という点で、競合メーカーとの差別化を図ります。拡大する自動車分野においては、福井製造所に導入した自動車板材用仕上ラインの活用により販売量を拡大していきます。また、自動車部品については、2020年9月に設立したモビリティテクノロジーセンターを中心に、顧客ニーズに対して、企画から設計、製造、販売、品質保証までをワンストップで応える体制を整え、北米市場における需要を中心に捕捉していきます。
あわせて、従来のビジネスモデルだけでなく、加工やリサイクルといった素材に+αの付加価値を加えたビジネス領域を広げ、自動車部品事業の拡大や、アルミニウム製品の循環利用率向上による環境価値提供などを進めていきます。さらに、VISION2030に掲げた新領域の実現に向けて、社内ベンチャー制度など新事業創生の活動を更に強化してまいります。
③ 軽やかな世界の実現への貢献(サステナビリティ推進)
当社グループは、企業理念の実現に向けて、当社が持続可能な社会に貢献するためのサステナビリティ基本方針を定めました。この基本方針に基づき、当社グループが社会とともに持続的に成長していくうえで優先的に取り組むべき「重要課題(マテリアリティ)」を特定し、アクションプラン及びKPIを設定しました。今後は、アルミニウム製品のリサイクルや生産活動の省エネ化を通じ、サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減に取り組む「気候変動への対応」をはじめとする重要課題へ取り組んでまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、連結での売上高、営業利益、経常利益、営業利益率、ROIC(投下資本利益率)、ROE、CO2排出量であります。それぞれの目標値は、下表に示すとおりであります。
<第3次中計及びVISION2030の目標値(連結)>
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現状 2020年度実績 |
第3次中計 2023年度計画 |
VISION2030 2030年度目標 |
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売上高 |
5,698億円 |
7,000億円 |
8,000億円以上 |
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営業利益 |
111億円 |
300億円 |
― |
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経常利益 |
60億円 |
250億円 |
― |
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売上高営業利益率 |
2.0% |
4.2% |
6%以上 |
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ROIC(税引前) |
2.2% |
6.0% |
10%以上 |
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ROE |
△1.8% |
7.5% |
10%以上 |
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CO2排出量※ |
― |
― |
2019年度比22%削減 |
※基準年度の生産量及び品種構成を維持したと仮定した状態に対しての、サプライチェーン全体でのCO2排出量
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2019年9月より着手しております「構造改革の完遂」を、優先的に対処すべき課題と位置付けております。構造改革においては、環境変化に強い筋肉質な体質の確立と業績回復の実現を目指し、完遂予定である2022年度に向けて諸施策を進めております。また、第3次中計においても重点方針として掲げ、中期経営計画の一環としても実行してまいります。
(5) サステナビリティ基本方針
当社グループは、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」という企業理念を掲げています。この理念を実践していくために、「アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。」を目指す姿として掲げ、アルミニウムの製造・加工という本業を通じて、また、アルミニウムの特性を活かした製品とサービスの提供を通じて環境負荷削減などに努めています。
環境問題をはじめ、現代社会が抱えるさまざまな課題を将来に残さず、子どもたちの世代が、今より軽やかで楽しい未来を過ごすことができるように、当社グループは、これからも、120年以上にわたり受け継いできた叡智と情熱、そして社員一人ひとりの多様な個性を活かしながら、ステークホルダーの皆さまとともに、さまざまサステナビリティ活動を推進していきます。
サステナビリティ基本方針
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1.受け継いできた叡智と情熱で 創業以来の探求心と、技術と知恵を結集したイノベーションでより便利な社会、持続可能な地球環境を追求 します。 2.すべてのステークホルダーの皆さまとともに 事業を通じて向かい合う関係者はもとより、いろいろな形で関わりあう社会を思い、グループ内外の人々と 協調・協働して持続可能な世界への貢献を実現します。 3.一人ひとりの多様な個性で 国籍、性別、年齢、障がいの有無などの違いに関わらずさまざまな人材を尊重し、その考えやスキルを活か すことで、既成概念にとらわれない自由な発想で課題解決に取り組みます。 |
[リスク管理体制]
当社グループは、企業理念の実現を不確実にする全ての事象を「リスク」と認識して、グループ全体で、リスク管理に取り組んでいます。
グループ全体のリスク管理体制としては、社長執行役員を最高責任者とするCSR委員会において、次のような活動を実施しています。
①グループリスクマネジメント活動の課題・PDCA(*)確認
②グループ全体のリスクをアセスメントし、重要度が高いリスクについては、優先的に対応すべく、執行役員クラスのリスクオーナーを選任して対策推進
③グループ各社のリスク管理活動の確認
当社を含むグループ各社では、グループ全体の方針を受け、それぞれリスク管理を進めています。2020年度は、各事業・各機能部門にリスクマネジメント推進担当者を設置し、リスクマネジメントの実践強化に取り組みました。
また、リスクマネジメント担当責任者とリスクマネジメント専任の事務局部門(リスクマネジメント部)を設置し、各事業・各機能部門との連携を図りながら、グループ全体のリスク管理を推進・支援しています。
このようなグループのリスク管理活動については、定期的に取締役会に報告しています。
*PDCA:Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)の略
[主要なリスク]
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、発生の可能性・影響度等から、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると当社が考える主要なリスクには、以下のようなものがあります。
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[凡例]「1.外部に主要因のあるリスク」「2.内部に主要因のあるリスク」では、次の項目を表形式で記載しています。 「リスクの内容とその影響・対応」:
(1)「リスクの内容とその影響」:各リスクの具体的な内容と当該リスクが顕在化した場合に当社グループの 「●」:「影響」のうち、当社グループの事業に対する脅威となり得るもの (2)「対応」:当該リスクに対する主な対応策 |
1.外部に主要因のあるリスク
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リスク |
リスクの内容とその影響・対応 |
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新型コロナウイルスの流行等の新型感染症のまん延 |
[リスクの内容とその影響] ●○新型コロナウイルスの世界的な感染の状況によって、生活様式が変化することによる需要動向の変化 ● 新たな感染症の蔓延により従業員の感染拡大や行政機関等からの操業停止等の要請を受け、操業が遅延・中断・停止 [対応] ・従業員への感染症対策の徹底 ・各拠点での感染症BCP策定推進 ・支出抑制・コミットメントライン設定等による資金の確保 |
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気候変動その他の地球環境の変化 |
[リスクの内容とその影響] ● 地球温暖化や気候変動への影響に対する温室効果ガス(CO2)排出削減その他の対応が不十分と評価された場合の信頼失墜や事業機会の喪失 ○アルミニウムの、軽量・熱伝導性等の金属素材としての特性に加え、循環型素材としての特性を活かした製品とサービスの提供による社会課題解決への貢献機会拡大 [対応] ・UACJマテリアリティの一つとして特定し、アクションプランとKPIを設定 ・長期経営ビジョンUACJ VISION 2030にて、当社グループが目指す4つの貢献の一つとして気候変動問題への貢献を定義 ・第3次中計でも気候変動問題への貢献を重点課題と認識、「軽やかな世界の実現への貢献」を重点方針として定義 ・経営層での気候変動対応に特化した検討・審議の場として、気候変動対策推進委員会を組成(2021年4月から) ・アルミニウム製品のリサイクル推進や、製造工程でのCO2排出量削減、省エネルギー活動の継続 |
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異常気象や大地震等の災害 |
[リスクの内容とその影響] ● 世界各地での地震、津波、台風、洪水などの自然災害、テロ等の人的災害による従業員等の安全確保、設備の安定稼働への影響 ● 自然災害や人的災害により、当社グループだけでなく、お客様やサプライチェーンに影響が発生した場合、当社グループの生産活動や事業が停滞 [対応] ・CSR委員会による経営層でのBCM活動の確認・審議の継続 ・各拠点での防災訓練の実施等の防災・減災対策の継続 ・各拠点でのBCP策定によるBCMの拡充 |
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政治環境・経済動向の変化 |
[リスクの内容とその影響] ● 製造、販売先国又は仕入先国での政治状況、経済状況、規制等の急変、米中貿易摩擦に代表される地政学的リスクによる原材料の調達困難、調達コストの上昇 ●○政治環境・経済動向の変化を受けた需要変化による事業機会の変動 ● 変化への対応費用の発生・増加 [対応] ・構造改革による損益分岐点の引き下げ等、外部環境変化への対応力向上策の実施継続 ・日本・米国・タイ・中国等のグローバルな供給網の整備と需要に合わせた最適製造拠点の選定 ・原材料の分散購買 |
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リスク |
リスクの内容とその影響・対応 |
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技術変化や需要変動 |
[リスクの内容とその影響] ●○デジタル化等の技術の急速な変化・深化、地球環境・社会情勢等の変化に対する当社グループの競争力・成長力の発揮 ○技術や社会情勢の変化に伴うお客様のニーズの多様化によるアルミニウムの特性を活かした製品・サービスへの期待増 [対応] ・第3次中計の中でも、技術、デジタル基盤は、当社グループの社会への貢献を支える基盤と認識し、強化 ・DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進のため、デジタルイノベーション部を設置(2020年4月) ・アルミニウムの特性を活かしたモビリティ開発のため、「モビリティテクノロジーセンター」を設立(2020年10月)・社内ベンチャー制度の制定、社外とのコラボレーション等を通じた新規事業創出 ・技術・市場動向のモニタリングの継続 |
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市場変動 |
[リスクの内容とその影響] ●○アルミ地金価格、添加金属原料・各種副資材等の価格変動による調達コストの変動 ※地金価格については、顧客と予め取り決めたルールに従い、相場が変動した場合でも顧客に転嫁できる仕組みになっておりますが、短期間での急激な変動等が発生した場合、棚卸資産の評価により会計上の利益又は損失等が発生する可能性があります。 ●○エネルギー価格等の加工コストの変動 ●○為替・金利の変動による経営成績等への影響 [対応] ・顧客との地金価格等の転嫁ルールの取り決めの継続、拡大 ・燃料転換、省エネルギー化の推進継続 ・為替予約、金利の固定化等の市場変動の影響低減化継続 |
2.内部に主要因のあるリスク
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リスク |
リスクの内容とその影響・対応 |
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製品の品質 |
[リスクの内容とその影響] ● 品質保証に関わる不正や不適切な処理、品質規格未達製品の発生・流出による顧客その他のステークホルダーからの信用失墜 ● 品質仕様未達発生による顧客や市場での不具合、 供給責任の未達成 ○品質管理の徹底によるお客様や市場の信頼・支持の更なる獲得 [対応] ・UACJマテリアリティとして特定し、アクションプランとKPIを設定 ・品質委員会による経営層の確認・審議の継続 ・品質管理方針の策定と課題への取り組み の継続 ・コンプライアンス教育の継続 ・品質確認試験の自動化拡大 ・グループ内品質相互監査の継続 |
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安全衛生 |
[リスクの内容とその影響] ● 業務上の事故や疾病に伴う人的・物的被害の発生による従業員等の安全衛生確保への影響 ● 被災による当社グループの生産活動への支障の発生 [対策] ・「安全とコンプライアンス」はUACJウェイの基盤となる当たり前の行動原則であることを確認し、安全と健康を最優先とした事業活動の継続 ・UACJマテリアリティとして特定し、アクションプランとKPIを設定 ・安全衛生委員会による経営層の確認・審議の継続 ・安全衛生に関する規則の整備、教育の実施の継続 ・火災・爆発リスクのアセスメント等、職場の危険有害要因排除のための経営資源の配分と対策活動の取り組み継続 |
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リスク |
リスクの内容とその影響・対応 |
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戦略的な人材育成・配置 |
[リスクの内容とその影響] ● 日本での少子高齢化による人材の確保 ●○グローバルな事業展開に伴う人材需要・必要スキルの変化 ●○適材適所での活躍 [対応] ・UACJマテリアリティとして特定し、アクションプランとKPIを設定 ・計画的・組織的に人材を発掘し育成する後継者計画 ・多様性を活かすダイバーシティー&インクルージョンの推進 ・求める人材像に沿った人材開発・育成 ・働き方改革を通じた従業員のエンゲージメントと働き甲斐の向上 ・社内公募制度による社内人材の有効活用 ・「ものづくり学園」等、現場作業技能伝承を図る教育システムの構築・活用の拡大 |
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コンプライアンス |
[リスクの内容とその影響] ● 環境保全、法令遵守の対応が不十分である場合、処罰・損害補償の支払 ● 人権対応等の社会的要請への対応が不十分である場合、ステークホルダーからの信用失墜、社会的制裁 ● 法規制の制定・変化への対応コスト [対応] ・グループ企業理念体系の中で、「安全とコンプライアンス」はUACJウェイの基盤となる当たり前の行動原則であることを確認 ・「グループ行動規範」の浸透 ・人権への配慮は、UACJマテリアリティとして特定し、アクションプランとKPIを設定 ・人権デューデリジェンスの実施検討開始 ・安全衛生、品質、環境、CSRの各委員会でのグループ内部統制強化の継続推進 ・各種法規制遵守活動等の継続実施 ・CSR調達ガイドラインに基づく調達先への要請 |
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戦略投資案件の回収 |
[リスクの内容とその影響] ●○アジア・北米を成長市場、缶材、自動車を成長分野と位置付け、拡大する需要への対応のため実施した生産能力増強の先行投資の回収とそれによる事業計画の達成 ● 投資立案時の想定を超える市況変化や事業環境の悪化等による事業計画の未達 [対応] ・北米での缶材、自動車部品、東南アジアでの缶材等、各地域での旺盛な需要の取り込み、適切な品種構成、地域・顧客の構成の実現による早期の回収化 ・財務部の投資案件を精査する部署を拡充し、投資の評価、アジア・北米・国内等において実施した投資案件の実績トレースを実施 |
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グループガバナンス |
[リスクの内容とその影響] ●○国内外に広がるグループ各拠点へのグループとしての方針や戦略の徹底・浸透やグループ各拠点を統合した運営の巧拙によるグループとしての総合力の発揮への影響 [対応] ・当社グループ企業理念の浸透 ・安全衛生、品質、環境、CSRの各委員会でのグループ内部統制強化の継続推進 ・社長とグループ従業員との理念対話会の実施 ・「新しい風土をつくる部」を設置(2020年4月) ・内部統制監査・業務監査の継続実施 |
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リスク |
リスクの内容とその影響・対応 |
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情報管理 |
[リスクの内容とその影響] ● 顧客から提供された情報・個人情報・営業秘密・技術情報等の情報漏えいが発生した場合の賠償責任、信用失墜とそれによる取引機会の喪失 ● サイバー攻撃等による情報システムの停止による操業の中断、復旧その他の対応コストの発生 [対応] ・「グループ情報管理規程」、「グループ電子情報セキュリティ規程」による管理 ・「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」に基づいたアセスメントや各種セキュリティレベルの向上策の実施 |
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資金調達 |
[リスクの内容とその影響] ● 事業環境、金融環境の変化による資金調達の制約、資金調達コストの上昇 [対応] ・銀行借入におけるコミットメントラインによる流動性枠の設定、コマーシャル・ペーパーによる直接調達、アセットファイナンス等の資金調達手段の多様化推進 ・事業収益性、資本効率性の向上等でキャッシュ・フローの創出力を強化 ・不採算分野、ノンコア分野撤退の継続的検討 |
3.会計上の評価・見積りに関するリスク
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リスク |
リスクの内容 |
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固定資産の減損 |
固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、市況や事業環境の悪化等によって、当社グループが保有する固定資産の市場価格が著しく低下する場合や固定資産の収益性が低下する場合には、当該資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
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繰延税金資産の回収可能性 |
繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら、市況や事業環境の悪化等によって将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループの経営成績等への影響が大きいリスクを取り上げていますが、全てのリスクを網羅している訳ではありません。また、各リスク以外にも、現時点では予測できないリスクの発生により、当社グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。当社グループでは、上述の[リスク管理体制]や各リスクに関する記載の中の対応等を講じておりますが、それらの対策が当社の意図する通りに実現できない可能性もあります。
なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がある場合を除き、当連結会計年度末現在において判断したものです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期の世界経済は、中国を中心として回復の兆しはありますが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響を受けて、不安定な状況が継続しております。国内経済においても、足元で持ち直しの動きが出ているものの、変異株による感染の再拡大や緊急事態宣言の再発令により、当社を取り巻く経営環境は依然として不透明な状況にあります。
このような情勢の中で、当社グループは2018年5月に公表した中期経営計画<2018年度~2020年度>(以下、第2次中計)で掲げた重点方針及び2019年9月に発表した「構造改革の実行」で掲げた主要施策の達成に向け、総力をあげて取り組んでまいりました。
(財政状態の分析)
当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度において大型戦略投資が完了したことに伴い、当連結会計年度の設備投資を厳選したこと等により、732,960百万円(前連結会計年度末比2.6%減)となりました。
負債については有利子負債の返済を進めたこと等により536,514百万円(同2.5%減)となりました。
純資産については、親会社株主に帰属する当期純損失の計上や為替換算調整勘定の減少等により、196,445百万円(同3.1%減)となりました。
(経営成績の分析)
連結売上高については、第2次中計で掲げた重点方針の1つである成長市場(東南アジア・北米)、成長分野(缶材・自動車)への注力の結果、Tri-Arrows Aluminum Inc.やUACJ (Thailand) Co., Ltd.で販売数量は増加したものの、アルミ圧延品事業における国内向け販売数量の減少や上半期におけるアルミ地金価格の下落等により569,756百万円(前期比7.4%減)となりました。損益については、棚卸評価関係の好転等により連結営業利益11,144百万円(同10.1%増)、連結経常利益5,958百万円(同57.3%増)となりました。また、構造改革損失や税金費用の計上等により、親会社株主に帰属する当期純損失は3,269百万円(前期は2,038百万円の利益)となりました。なお、前期は関係会社株式等評価損及びそれに係る繰延税金資産を計上しております。
セグメント別の状況については、以下のとおりであります。
アルミ圧延品事業
アルミニウム圧延品業界について、板類の国内需要は箔関連で底堅く推移しましたが、飲料缶は前期比微減、建設分野は前期比減少、板類全体としては前期比減少となりました。押出類に関しては、バストラック、自動車用熱交換器、産業機械の分野で前期比減少、押出類全体としても前期比減少しました。
当社グループの国内向け販売数量は、前期比で板類は減少となりました。IT分野は堅調でしたが、缶材や自動車関連材、電気機械や精密機械関連で減少し、また押出類でも減少しました。
一方、当社グループの海外向け販売数量は、Tri-Arrows Aluminum Inc.やUACJ (Thailand) Co., Ltd.などの缶材の増加により前期を上回り、当社グループのアルミ圧延品総量では前期より微増の結果となりました。
以上の結果、国内向け販売数量の減少や上半期におけるアルミ地金価格の下落等により、当期のアルミ圧延品事業の売上高は477,780百万円(前期比5.2%減)となりました。営業利益については、棚卸評価関係の好転等により17,150百万円(同36.7%増)となりました。
加工品・関連事業
上半期において自動車分野を中心に、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたこと等により、当期の加工品・関連事業の売上高は165,122百万円(前期比12.5%減)、営業損失は569百万円(前期は3,142百万円の利益)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より304百万円増加し、28,085百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前当期純利益が増加したものの、売上債権の増加額等の影響により、前期比19,491百万円(同33.5%)減少し38,623百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、UACJ (Thailand) Co.,Ltd.やTri-Arrows Aluminum Inc.における設備投資を中心とした有形固定資産の取得による支出が減少したことにより、前期比9,071百万円(同30.2%)減少し20,950百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、借入金の返済を進めたこと等により、前期比8,844百万円(同34.2%)減少し17,008百万円となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等であります。また投資を目的とした資金需要は、主として設備投資によるものであり、これらの所要資金は自己資金及び借入金等により手当てしております。
UACJ発足以来、国内・海外の成長市場・分野への設備投資を実施してきましたが、当連結会計年度においては、成長市場・分野への設備投資及び維持更新のための設備投資を減価償却費の範囲に抑えることで、フリー・キャッシュフローの黒字化を前期に引き続き維持しております。有利子負債残高(※)については前連結会計年度末344,011百万円から当連結会計年度末335,789百万円と8,222百万円の削減をおこない、財務状況の改善をすすめております。
資金調達については、設備投資等の長期資金と運転資金(短期資金)を区分し、資金使途に見合った資金調達方法を実施しております。また、当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染拡大の影響による資金調達環境の悪化も懸念されたため、新型コロナ対策資金の借入を実施するとともに、引き続きコミットメントライン枠も維持することにより資金調達リスクへの対応と管理をしております。
(※)有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産実績及び受注実績は、グループ内の会社間で前工程生産と後工程生産を行っている場合があり、各社の取引額の単純合計がそのまま連結生産実績とはならないこと、また受注生産形態をとらない製品もあることから、事業ごとに生産規模及び受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。なお、販売実績については、「(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」において記載しております。
なお、当連結会計年度において、いずれの相手先についても総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(1) 豪州におけるアルミ製錬事業参加契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
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当社 |
RIO TINTO ALUMINIUM LIMITED 他5社 |
オーストラリア |
豪州におけるアルミ 製錬事業参加契約 |
1979年8月27日 但し、1994年3月30日に 更新 |
2028年12月31日 |
(2) 米国におけるアルミニウム製品の製造に関する合弁事業契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
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Tri-Arrows Aluminum Inc. |
Novelis Corporation |
アメリカ |
米国におけるアルミニウム製品の製造に関する合弁事業契約 |
1985年1月18日 |
定めなし |
(3) 欧州における自動車用熱交換器材の販売に関する合弁事業契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
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当社 |
Elval Hellenic Aluminium Industry S.A. |
ギリシャ |
欧州における自動車用熱交換器材の販売に関する合弁事業契約 |
2015年4月27日 但し、2018年4月2日に 改訂 |
定めなし |
(4) 中国における自動車用熱交換器材等の製造に関する合弁事業契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約年月日 |
契約期限 |
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当社 UACJ製箔 |
広東東陽光科技控股股份有限公司 |
中国 |
中国における自動車用熱交換器材等の製造に関する合弁事業契約 |
2009年10月8日 但し、2016年2月16日、2019年2月20日に改訂 |
2052年6月17日 但し、合弁当事者の合意により延長可 |
当連結会計年度における、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は次のとおりであります。
(1) 当社連結子会社(株式会社UACJ物流)の株式譲渡契約
当社は、当社連結子会社の株式会社UACJ物流の発行済株式の66.7%をセンコー株式会社に譲渡することについ
て合意し、2020年12月1日付で譲渡を完了しております。
(2) 当社連結子会社(PT.UACJ-Indal Aluminum)の株式譲渡契約
当社は、保有する連結子会社のPT.UACJ-Indal Aluminumの全株式を、PT.Indal Investindoへ譲渡することについて合意し、2020年12月23日付で譲渡を完了しております。
(3) 当社連結子会社(Tri-Arrows Aluminum Holding Inc.)の株式追加取得契約
当社は、当社連結子会社のTri-Arrows Aluminum Holding Incの発行済株式の5%を追加取得する契約を締結し、20
21年1月29日付で追加取得を完了しております。
R&Dセンターでは、お客様のニ-ズの多様化や環境・エネルギー・輸送等の分野での社会・技術変化に対応するため、材料設計・生産プロセスに関する基盤技術の深化から製品及び利用技術の開発までの一貫した研究開発、及びDX促進のためにもデータサイエンスのさらなる展開を推進しています。
2020年度は、年度初めから新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面での交流は難しくなりましたがオンラインも積極的に活用して、グループ各社、各事業部と緊密に協働し、お客様のご要望に迅速に応える新製品の開発や更なる高品質化を推進しました。さらに、5年後、10年後、30年後を見据え、各製品・技術分野毎の研究開発ロードマップを作成しました。個別の市場情報を踏まえており公表できませんが、今後の全グループの技術戦略に資していきます。また、国内外の先端研究機関と連携し、最新の技術や知見の獲得を通じて、研究開発力の継続的な向上を図ってまいりました。具体的には、2018年度に産業技術総合研究所 中部センター内に設立した「UACJ-産総研アルミニウム先端技術連携研究ラボ」において、プロセス技術の改良から新規用途探索、データサイエンスの活用に至るまで幅広い分野での共同研究で成果を挙げ、2021年度以降も同ラボを発展継続致します。また、国内各有力大学との協業も継続して推進しており、北海道大学とは、同大学 産学・地域協働推進機構に『次世代アルミニウムイノベーション推進部門講座』を開設して、アルミニウムに関する新規化学プロセスの開発等に着手しました。
SDGsに代表される企業の社会的責任の実行に寄与すべく、安全・コンプライアンスの最優先はもちろんのこと、コロナ禍におけるアルミフレームと銅フィルムで構成した抗ウィルスフェイスシールドの医療機関への寄付、開封検知箔を用いた服薬管理システムの開発促進など、健康に関わる問題の解決、環境負荷を低減する各種研究開発テーマに取組んでおります。さらに、朝日新聞社主催の「地球教室」、日本経済新聞社主催の「日経エデュケーションチャレンジ」等の教育企画への講師派遣も継続しております。
当連結会計年度の費用総額は、
アルミ圧延品事業
当社の主力であるアルミ板製品に関わる研究開発では、アルミ缶等の容器をはじめ、自動車ボディシート、自動車構造部品、自動車用熱交換器、エアコン、IT関連機器、メモリーディスク、船舶用厚板、半導体製造関連厚板、電解コンデンサ、リチウムイオン電池用集電体等に使われるアルミ材の開発に注力し、多様化・高度化するお客様のニーズにお応えしております。アルミニウムは、資源量が多くリサイクルしやすく軽い材料で、またリサイクル材の多用は環境対応にもつながり、今後の世の中の成長に大きく貢献する材料です。お客様と相談しながら、過剰品質ではなく最適品質を追求し、CAN TO CANをはじめとする水平リサイクルをより積極的に推進します。
2020年度には、上述の積極的推進のひとつの成果「低CO2リサイクルアルミ材の開発」に対して、令和2年度日本アルミニウム協会賞開発賞をトヨタ自動車様と共同で頂きました。社内生産現場へのデータサイエンスの適用を推進し生産性向上、製造コスト・環境負荷低減に貢献致し、CPS(サイバーフィジカルシステム)構築に向けた検討を開始しました。経済産業省委託事業である「革新的新構造材料等研究開発プロジェクト」では、参画する4テーマで後半5年間を実施中であり、今後のアルミニウムの自動車材への需要拡大をにらみ、高強度材の自動車部品への応用、アルミニウムハイアップグレードリサイクルプロセスの開発、接触腐食防止関連技術の開発を加速しました。
アルミ板事業と並ぶ当社グループの中核事業であるアルミ形材・管・棒製品に関わる研究開発では、自動車用熱交換器材料や空調用材料の開発とともに、航空機材や自動車構造部材、二輪車用高性能材の開発を進めております。また、鋳鍛製品に関わる研究開発では、世界でも数社しか生産できないコンプレッサホイール等、付加価値の高いアルミニウム製部材の開発に積極的に取り組んでおります。
アルミ圧延品事業に係る当連結会計年度の研究開発費は、
加工品・関連事業
当社が今後の大きな成長分野と位置付ける自動車部品事業においては、2020年10月に、事業本部直属の開発組織としてモビリティテクノロジーセンター(以下、MTC)を発足させました。MTCでは、引き続き材料や接合等の基礎技術の開発を担うR&Dセンターとも連携し、バンパーや骨格部品と言った現行製品の開発と共に、電気自動車用部品に代表される将来製品の開発に精力的に取り組んでおります。また、北米の自動車部品製造拠点であるUACJ Automotive Whitehall Industries, Inc.に研究者を常駐させる他、中国CITICグループ関連会社との合弁で設立した戴卡優艾希杰渤鋁汽車零部件有限公司にも技術者を派遣する等、同事業の国際的な技術競争力強化に貢献しています。
加工品・関連事業に係る当連結会計年度の研究開発費は、
2021年度につきましては、全社一丸となって進めている構造改革の完遂を最優先とし、お客様との丁寧な交流や事業部との緊密な連携を通してUACJグループの成長につながる技術・製品を研究開発するとともに、新規に制定致しました会社理念が目指す「持続可能で豊かな社会」の実現に向けて、基盤技術の深化と探索に取り組んで参ります。