第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は以下の通りであります。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応しております。
 なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。

 

2)製品の欠陥

 当社グループは、国内外の各種規格・基準及び永年の経験に培われた品質管理基準に従って各種製品の製造、サービスの提供を行なっております。しかし、その全てについて欠陥が無く、将来に予期せぬ損失補償が発生しないという保証はありません。とりわけ、電力ケーブル、通信ケーブル、自動車用部品等に関連する製品については、欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性があります。大規模な損失補償や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 なお、当社連結子会社が製造した自動車用部品に関連し、当該部品を組み込んだ自動車について市場回収措置(リコール)が行われており、当社および当社連結子会社が部品の販売先から費用の一部の分担に関して協力を要請され、交渉を行っております。

 

11)法令違反等

 当社グループは、国内外で事業展開する上で、規制当局から様々な法規制を受けております。法規制の強化や法令解釈の厳格化があった場合には、事業の制限や費用の増加等の可能性があります。また、法令違反等の事象が生じた場合には、各規制当局からの処分・制裁、取引先関係者からの損害賠償請求、社会的評価の悪化等により、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社は、自動車用部品カルテルに関し、ブラジル競争法当局の調査を受けております。また、米国およびカナダでの一連の自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める複数の集団訴訟や、自動車用部品カルテルに関して米国の一部の州の司法当局から提起された州法違反に基づく訴訟などにおいて、当社や当社子会社がその被告となっております。このほか、一部の自動車メーカーとは、自動車用ワイヤハーネス・カルテルに関する損害賠償の交渉を行っております。

 上記のほか、電力ケーブル・カルテルに関し、当社の持分法適用の関連会社である㈱ビスキャスに対しブラジル競争法当局による調査が行われております。

 

 

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
 
 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13  日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。   

   

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、中国経済の成長鈍化による景気減速がほかの新興国にも波及し、米国や日本、欧州も含め全体としても徐々に不透明感が強まってきました。 

このような状況のもとで、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の当第3四半期連結累計期間の業績は、自動車部品での為替によるコスト増の影響などがあったものの、情報通信部門の北米における光ファイバ・ケーブル事業やエネルギー・産業機材部門の機能樹脂製品事業、電装・エレクトロニクス部門の電池事業が好調だったことなどから、売上高は前年同期比2.0%増6,449億円、営業利益は前年同期比65.9%増169億円となりました。経常利益は前年同期比33.6%増163億円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比123.3%増61億円となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

情報通信部門

情報通信部門においては、米国における光ケーブル需要が旺盛で、国内のファイバ輸出も好調に推移したことなどから、当部門の売上高は1,170億円前年同期比2.9%増)、営業利益は45億円前年同期比11.2%増)となりました。

 

エネルギー・産業機材部門

エネルギー・産業機材部門においては、中国での電力ケーブルがふるわなかったものの、スマートフォンなどに使用される半導体製造用テープが好調に推移したことなどから、当部門の売上高は2,090億円前年同期比3.1%減)、営業利益は50億円前年同期比99.5%増)となりました。

 

電装・エレクトロニクス部門

電装・エレクトロニクス部門においては、鉛蓄電池やアルミメモリーディスク材が好調に推移したものの、自動車部品での円安による輸入コスト増や北米向け事業でのコスト増の影響などにより、当部門の売上高は2,415億円前年同期比8.6%増)、営業利益は84億円前年同期比11.5%増)となりました。

 

金属部門

金属部門においては、銅条は、日光事業所の2015年1月の一貫生産再開により徐々に回復しております。銅箔も、自動車用リチウムイオン電池用銅箔の需要低迷は続くものの、民生用リチウムイオン電池用銅箔や回路用銅箔の回復により、当部門の売上高は936億円前年同期比4.9%減)、営業損失は13億円前年同期比25億円改善)となりました。

 

サービス・開発等部門

サービス・開発等部門においては、情報処理・ソフトウェア開発、物流、各種業務受託等による当社グループの各事業のサポート、不動産の賃貸、水力発電、新製品研究開発の推進等を行っておりますが、当部門の売上高は401億円前年同期比2.3%増)、営業利益は3億円前年同期比5億円改善)となりました。

 

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

①当第3四半期連結累計期間における、前事業年度の有価証券報告書に記載した「対処すべき課題」について重要な変更があった事項は以下のとおりであります。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 対処すべき課題」の項目番号に対応しております。

 

3)コーポレートガバナンスの強化

当社では、多様な知識・経験・能力に基づいた経営への貢献に期待して、様々な分野から社外役員を招聘するほか、取締役等の報酬等の審議・決定機関として委員の半数を社外役員とする報酬委員会を設置するなど、以前からコーポレートガバナンスを重視してまいりました。

昨年5月には、当社としての社外役員の独立性基準を策定するとともに、報酬委員会に代えて、取締役等の報酬に加えその選任等に関する審議機能を有し、委員の過半数を社外取締役とする指名・報酬委員会を設置いたしました。また、より一層のコーポレートガバナンスの充実を図るため、昨年12月に「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を定めたほか、当社取締役会全体の機能向上を図ることを目的として取締役会の実効性評価を実施し、その結果を公表するなどの取組みを、東京証券取引所が定めたコーポレートガバナンス・コードに沿って実施しております。

今後は、成長戦略投資や次世代新事業育成、財務体質の改善ならびに株主還元のバランスをとりつつ資本効率を重視した経営を目指すことを基本とする資本政策に基づき、平成28年度から開始する次期中期経営計画の施策を具体化させるなど、上記コードおよび当社の基本方針のもと、引き続きコーポレートガバナンスの強化に努めてまいります。

 

②会社の支配に関する基本方針
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、平成19年3月9日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)を次のとおり定めております。

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。

もっとも当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。

しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付の条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、株主共同の利益を毀損するものもありえます。

このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。

 

 

Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み

当社グループは、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献する」ことを基本理念としております。当社グループの事業領域は、「情報通信」、「エネルギー・産業機材」、「金属」、「電装・エレクトロニクス」など多岐にわたっておりますが、これらの事業は明治17年の創業以来培ってきた素材の加工・応用技術を基盤に、産業の発展に伴い創造してきたものです。その事業創造の過程で、当社グループは、独自の技術、経験および経営ノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員などの様々なステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてきました。これらは、当社グループの有形・無形の貴重な財産であり、これらを毀損することなく、中長期的な視野で企業価値と株主共同の利益の一層の向上に結びつけるよう努めております。

以上の方針を事業へ展開していくにあたり、当社では、2015年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画「Furukawa G Plan 2015」を策定し、新興国を中心とした電力・通信といったインフラ市場の旺盛な需要への対応、自動車関連分野におけるアジアを中心とした製造・販売体制の構築のほか、持続的成長に向けた基盤の構築や財務体質の改善に取り組んでおります。

当社では、多数の株主および投資家による当社への長期的な投資を促進するため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以上のような施策を実施しており、これらの取組みは、上記Ⅰの基本方針の実現にも資するものと考えております。

 

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、平成19年6月26日開催の第185回定時株主総会決議により、買収防衛策として「当社株式の大規模買付行為への対応策」を導入し、以降、一部内容を変更するとともに、買収防衛策を更新しております。現在の買収防衛策は平成25年6月25日開催の第191回定時株主総会決議により、更新されたものです。(以下、現在の買収防衛策を「本プラン」といいます。)

本プランは、当社株式の大規模買付が行われる場合の手続きを明確にし、株主が適切な判断をするために必要な情報や時間を確保したり、買付者との交渉等が一定の合理的ルールにしたがって行われることを確保することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としており、その概要は次のとおりです。

 

当社の発行済株式総数の20%以上となる株式の買付または公開買付を実施しようとする買付者には、必要な情報を当社に提出していただき、当該大規模買付行為は取締役会による評価期間(大規模買付行為の方法により、買付者からの必要情報の提供後60日または90日とします。)経過後にのみ開始されるものとし、買付者が本プランの手続きを遵守しない場合や当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう買付であると取締役会が判断した場合、例外的に対抗措置(大規模買付者等による権利行使は認められないとの行使条件を付した新株予約権の無償割当等)を発動する場合があります。ただし、取締役会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役および社外有識者からなる第三者委員会を設置し、第三者委員会は外部専門家の助言を得たうえで、買付内容の検討等を行います。取締役会は対抗措置の発動に先立ち、第三者委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、第三者委員会は十分検討したうえで対抗措置の発動の是非について勧告を行います。取締役会は、判断に際して第三者委員会の勧告を最大限尊重するものとします。

本プランの詳細は、当社ホームページ(http://www.furukawa.co.jp/)に掲載しております。

 

Ⅳ.基本方針の具体的取組みおよび本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて 

当社は、前述のとおり、厳しい経営環境の下、持続的成長に向けた基盤の構築や財務体質の改善等に努めております。これらは当社の業績、経営指標を向上させ、企業価値の増大、株主共同の利益の向上につなげようとする取組みです。また、本プランは、次の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致しており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

1)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足しております。

2)株主意思を重視するものであること

本プランは、平成25年6月25日開催の第191回定時株主総会決議により導入したもので、株主の意思が反映されたものとなっております。

3)合理的な客観的要件の設定

本プランにおける対抗措置は、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

4)独立性の高い社外者の判断の重視

本プランにおける対抗措置の発動等の運用に際しての実質的な判断は、独立性の高い社外者のみから構成される第三者委員会により行われることとされております。また、その判断の概要については株主に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

5)デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと

株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとしていることから、取締役の選任議案に関する議決権の行使を通じて、本プランに対する株主の意思を反映させることが可能となっております。したがって、本プランは、いわゆる「デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)」ではありません。また、当社は、取締役の任期を1年とし、期差任期制を採用しておらず、経営陣の株主に対する責任をより明確なものとしております。したがって、本プランは、いわゆる「スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)」でもありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費は124億円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしておりません。