文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2007年に「古河電工グループ理念」を制定しましたが、当社グループの事業を取り巻く環境の急速な変化を捉え、2019年5月に行動指針をCore Valueに整理し直し、同時にグループビジョンを刷新いたしました。引き続き、グローバルに成長して企業価値を高めるよう努力してまいります。
世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。
私たち古河電工グループは、人と地球の未来を見据えながら、
・ 公正と誠実を基本に、常に社会の期待と信頼に応え続けます。
・ お客様の満足のためにグループの知恵を結集し、お客様とともに成長します。
・ 世界をリードする技術革新と、あらゆる企業活動における変革に絶えず挑戦します。
・ 多様な人材を活かし、創造的で活力あふれる企業グループを目指します。
Core Value
古河電工グループ理念を達成し持続的に成長していく上で、特に大事にし、より強化していきたい価値観を
<正々堂々><革新><本質追究><主体・迅速><共創>の5つに定め、「Core Value」としております。
古河電工グループ ビジョン2030
当社グループの事業を取り巻く環境の急速な変化を捉え、目指す時間軸と事業領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)を2019年5月に策定いたしました。今後、次期中期経営計画に落とし込み、存在感のある企業を目指してまいります。

2021年度は、事業の変革、新規事業立上げ・育成強化、資本効率重視経営の強化、を進める年と位置付け、現中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」における経営指標の更なる改善を進めてまいります。次期中期経営計画においては、資本効率を更に重視した財務指標(ROIC等)など企業価値向上につながる経営指標導入を検討してまいります。
1)中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の取組み
当社グループでは、2020年度を最終年度とする中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」に基づき、次の財務目標値の達成に向け、様々な取組みを進めてまいりました。
[「Furukawa G Plan 2020」に掲げた2020年度の各種財務目標値]
2016年度から開始した本中期経営計画では、①事業の強化と変革、特に重点領域と位置付けるインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野の強化、②グローバル市場での拡販推進、及び③新事業の開拓加速を重点施策として取り組んでまいりました。
① 事業の強化と変革、特に重点領域である情報通信分野において当社が技術的優位性を持つ光ファイバ及び光ファイバ・ケーブル(以下、あわせて「光ファイバ等」という)の北米での拡販推進やデジタルコヒーレント関連の新製品の開発、南米拠点におけるソリューションビジネスの展開に取り組みました。また、主に北米の光ファイバ等の拠点において製造能力増強の設備投資を実施しました。エネルギー分野では国内の超高圧地中線需要の着実な取り込みや需要拡大が見込まれる再生可能エネルギー向けの海底線の受注に注力したほか、海底線の長尺化対応や生産性向上のための設備投資も実施しました。自動車分野では、グローバル車種向けのワイヤハーネスの受注獲得に努め、アジア地域での生産体制の最適化及び生産能力の増強を推進しました。
当社では事業資産営業利益率*を指標とした低採算事業・製品群の改善に取り組み、当社の重点領域との事業シナジー等を総合的に勘案し、事業ポートフォリオの見直しも実行しました。
*事業資産営業利益率…営業利益/事業資産(棚卸資産+有形・無形固定資産)
② グローバル市場での拡販推進では、情報通信ソリューション事業において光ファイバ等の生産及び供給体制をグローバルに一括で管理する体制の確立に努めました。また、タイ子会社に東南アジア地域を統括する機能を持たせグローバルに事業活動を行うための体制整備を実施したほか、海外子会社を含めた将来の経営人材候補のグループ横断的な人材育成に取り組みました。
③ 新事業の開拓では、重点領域であるインフラ/自動車分野への成長投資を加速し、光ファイバの低損失化・高密度化に向けた製品開発、再生可能エネルギー向けの海底線の要素技術開発や、CASE*の進展に対応するための周辺監視レーダやアルミワイヤハーネス等の開発に注力しました。
*CASE…Connected(つながる化)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、
Electric(電動化)
さらに、新しいビジネスモデル創出の取組みとして、ファイバレーザ技術と素材技術の知見を活かしたモビリティの電動化に貢献する産業用レーザを事業化しました。その他、非接触電力伝送技術を活用した給電システム、再生可能エネルギーにより発電された電力の安定供給に貢献するバイポーラ型蓄電池やラムネ触媒™を用いたLPガス創出技術などの研究開発にも注力しました。また、「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)の達成に向け、長年培ってきた自社技術に外部の技術やアイデア等を組み合わせるオープンイノベーションにも積極的に取り組みました。
本中期経営計画開始当初はインフラ分野において北米における光ファイバ等の旺盛な需要を着実に取り込んだことや、自動車分野でのワイヤハーネス関連の売上増加などから業績は好調に推移しました。2017年度には連結営業利益は448億円、親会社株主に帰属する当期純利益は285億円となり、計画当初の目標値を前倒しで達成したことから、2018年5月に目標値を上方修正しました。その後、中国に端を発する光ファイバ等の需給バランスの悪化や北米拠点の光ファイバ・ケーブル生産性改善の遅れによる拡販機会の逸失により、情報通信ソリューション事業で収益が悪化しました。さらに2020年以降は新型コロナウイルスの世界的流行によるグローバルでの経済活動の停滞が大きく影響し、修正後の目標値を達成することはできませんでしたが、財務体質改善の取組みや経営基盤強化に向けた全社的な変革活動の取組みを推進し、一定の成果を得ることができました。本年3月には㈱格付投資情報センターの信用格付が2002年6月以来19年ぶりに「A-」へ復帰しました。
当社では、本中期経営計画の取組み・成果を踏まえた分析を、今後の計画に反映させてまいります。なお、2021年度から開始予定であった次期中期経営計画は、新型コロナウイルスの流行により当社グループを取り巻く経営環境が大きく変化したことから計画の策定を中断し、同計画の開始を延期しました。2021年度は「ビジョン2030」の達成に向け、次期中期経営計画の実行に向けた基盤づくりに取り組んでまいります。2022年度を初年度とする次期中期経営計画は現在策定中であり、準備が整い次第、公表し、同計画に基づく各種施策に取り組んでまいります。
2)次期中期経営計画に向けた基盤づくり
2021年度から開始することを予定しておりました次期中期経営計画は、新型コロナウイルスの流行により当社グループを取り巻く経営環境が大きく変化したことから計画の策定を中断し、同計画の開始を延期しました。「ビジョン2030」の達成に向け、2021年度は次期中期経営計画の実行に向けた基盤づくりとして、環境変化を先取りした事業の変革、新事業の立上げ・育成に加え、引き続き資本効率を重視した経営の強化を進めてまいります。2022年度から2025年度までの4ヶ年の次期中期経営計画は現在策定中であり新型コロナウイルスの状況及び事業環境を見極めたうえで、公表することを予定しております。
世界経済は、長期化し激化する米中間の貿易摩擦並びに欧州や中東における政治的・地政学的な緊張等、さらに昨年1月以降の新型コロナウイルスの感染拡大による世界規模での経済活動の停滞や、その回復過程における半導体供給不安の深刻化などにより、先行き不透明な状況が続くと予想されますが、当社グループが重点領域と位置づけているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野は中長期では継続的な市場成長が見込まれます。
情報通信分野は、5GやIoTなど、クラウドをベースとしたサービスが様々な分野で成長しておりましたが、それに加えて新型コロナウイルスの感染拡大を受けたテレワークの急速な浸透なども踏まえ、データセンタ及びデータセンタ間を結ぶ光ネットワークの建設が今後も続くと考えられます。足元では、世界的な光ファイバ等の需給バランスが悪化しておりますが、中長期では継続的な市場成長が見込まれます。
エネルギー分野は、国内に関してはオリンピック需要ピーク後の需要減や人手不足による工期遅れが懸念される一方、新エネルギーや電力会社のリプレース需要が見込まれ、海外に関しては欧米、新興国での旺盛な需要が継続する見通しであります。
自動車分野は、CASEというキーワードに代表されるように大変革期を迎えており、今後も当該分野は継続的に成長する見通しであります。
(5) 会社の対処すべき課題
「古河電工グループ ビジョン2030」達成に向けたESG経営の推進
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」が示す社会課題の解決を念頭に置き、目指す時間軸と事業領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)を定めております。その達成に向け、当社グループに関わるすべてのステークホルダーとの共創により、当社グループの中長期的な企業価値向上に加え、社会的価値向上を目指し、ESG経営の推進に取り組んでおります。「ビジョン2030」を達成するために当社グループが対処すべき経営上の重要な課題を「マテリアリティ」と定義し、収益機会とリスクの観点から次のとおり特定しました。これらのマテリアリティに取り組み「ビジョン2030」を達成することで、SDGsの達成にも貢献してまいります。

収益機会の観点から、当社グループが事業活動を通じて様々な社会課題を解決していくためには、従来のプロダクト・アウトの考え方からアウトサイド・イン・アプローチへの転換が必要不可欠と考え、「社会課題解決型事業の創出」をマテリアリティとして特定しております。その具体例として、「ビジョン2030」で描く社会の基盤となる「次世代インフラを支える事業の創出」、脱炭素社会・資源循環型社会の実現に貢献する「環境配慮事業の創出」などがあります。自ら積極的に変革する企業を目指すという想いを表した「Open, Agile, Innovative」と、外部との共創に注力する「多様なステークホルダーとのパートナーシップの形成」を通じて「社会課題解決型事業の創出」の取組みを進めてまいります。2021年4月に当社グループ全体の新事業創出を推進する部署を設置しており、取組みを加速してまいります。
次に、リスクのマテリアリティとして特定した「気候変動に配慮したビジネス活動の展開」への取組みとして、TCFD*提言に沿ったシナリオ分析を「Furukawa G Plan 2020」で注力している3つの事業で実施しました。気候変動による収益機会の取り込み及びリスクへの適切な対処の重要性を認識し、今後、シナリオ分析の対象事業を拡大し、財務影響度開示に向けたより具体的な分析に取り組んでまいります。
また、2021年3月に「古河電工グループ環境ビジョン2050」を公表しました。チャレンジ目標として2050年に事業活動における温室効果ガス排出量*ゼロを設定しております。環境に配慮した製品・サービスの提供及び循環型生産活動を通じ、バリューチェーン全体で持続可能な社会に貢献してまいります。2020年における当社グループの気候変動に関するリスクと機会への取組みが評価され、CDP*から最高評価である「気候変動Aリスト企業」と「サプライヤーエンゲージメント評価」のリーダーボードに選定されました。
*TCFD…Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略称であり、企業等に対し気候関連リスク及び機会に関する開示等を推奨している民間主導の気候関連財務情報開示タスクフォース
*事業活動における温室効果ガス排出量…自社工場・オフィスからの直接排出及び自社が購入した電力・熱などの使用による間接排出の排出量
*CDP…環境情報開示に取り組む国際的な非営利団体
「人材・組織実行力の強化」への取組みとして、2018年11月に策定した「古河電工グループPeople Vision」に沿い、人材育成と組織風土改革を進めております。新型コロナウイルス収束後を見据えた「働き方改革」を全社横断的に推進したほか、成果のあがるチームを作るリーダーとなるための心構え・行動原則を定めた「古河電工流上司心得七則~フルカワセブン」を策定しております。人材育成と組織実行力の強化が当社グループの文化として定着することを目指し、順次対象層を拡大し取組みを推進してまいります。外部からの評価として、女性活躍推進の取組みが評価され、「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄への採用や厚生労働大臣より「えるぼし」の認定を受けております。また、経済産業省より優良な健康経営を実践している法人として「健康経営優良法人」に認定されました。引き続き従業員の健康増進に向けた取組みを進めてまいります。
「リスク管理強化に向けたガバナンス体制の構築」への取組みとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、コーポレートガバナンスの強化に注力しております。2020年6月の定時株主総会において、公認会計士の資格を有する女性の社外監査役が就任し、取締役・監査役全体としての知見・経験の充実と多様性の実現を図りました。また、2020年度も取締役会実効性評価を実施し、重要課題として指摘された、事業環境の変化を踏まえた中長期的な成長戦略の議論の充実や社外役員への情報提供の質・量の改善等に取り組むことで、引き続き取締役会の実効性向上を図ってまいります。さらに、グループガバナンスの強化の取組みとして、グループ全体のリスクアセスメントの高度化に引き続き取り組んでまいります。上場子会社である古河電池㈱及び東京特殊電線㈱では、当社と当該上場子会社の少数株主との間には構造的な利益相反リスクがあることを踏まえ、取締役会における独立社外取締役の比率を3分の1以上に高め、親会社との取引についてその合理性・公正性等を審査する機関として独立社外取締役が過半数を占める「利益相反管理委員会」を設置しております。また、2021年2月に「古河電工グループCSR調達ガイドライン」を改訂し、CSRの観点からもサプライチェーンマネジメントの強化に取り組んでおります。
ESGに関する各種取組みの実行と積極的な情報開示を行い、「FTSE4Good Index Series*」及び「FTSE Blossom Japan Index*」の構成銘柄に初選定されました。
* FTSE4Good Index Series及びFTSE Blossom Japan Index
…英国ロンドン証券取引所グループの一企業であるFTSE Russellが定める株式指標

当社グループの経営成績は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影響を受けます。
当社グループの業績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。また、当社グループの経営のリスク認識を示すものとして、当社グループのマテリアリティ・ESG経営との整合を念頭に、前連結会計年度から記載項目及び内容について見直しを行っております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(注)当社は、自動車用部品カルテルに関し、ブラジル競争法当局の調査を受けております。また、米国での一連の自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める集団訴訟や、自動車用部品カルテルに関して米国の一部の州の司法当局から提起された訴訟などにおいて、当社や当社連結子会社がその被告となっております。このほか、自動車用部品カルテルを含む過去の競争法違反行為に関して、自動車メーカーなどの顧客から現在請求されているものも含め、当社または当社関係会社が民事賠償金を支払う可能性があります。
(業績等の概要)
(1) 業績
当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の世界的流行が各地に大きな影響を与え、経済環境は急速に悪化しました。米国では、政府による新型コロナ感染拡大への大規模な対策が景気を下支えしているものの、景気回復のペースは緩やかなものとなりました。欧州では、英国をはじめ各国で実施した外出規制の措置が個人の消費行動や企業の生産活動を大きく制限し経済活動は大幅に縮小しました。中国では、一旦経済規模が大きく縮小したものの、その後は回復基調で推移しましたが、欧米諸国をはじめとする各国との政治的緊張の高まりもあり不透明な経済環境が続きました。
わが国でも、新型コロナ感染拡大により緊急事態宣言が発出され、経済活動は大きな影響を受けました。下期にかけて、新型コロナの感染拡大傾向は落ち着いたものの、本年1月に新型コロナ感染者数が大幅に増加に転じたことで景気の先行き不透明感が強まりました。
しかし、新型コロナ感染拡大を契機に、社会全体でのデジタル化の加速やESG経営*/SDGs*への関心の高まり、グローバルでのサプライチェーン見直しの進展など新型コロナ収束後の世界を見据えた環境変化がありました。
*ESG経営…Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)に配慮した経営手法
*SDGs…国連で採択されたSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称であり、17のゴール・169のターゲットで構成される国際目標
このような環境の下、当社グループでは、中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」に基づく施策の推進に加え、新型コロナの影響を最小限に留めるべく緊急経営対策チームを設置し、様々な対策を講じてまいりました。新型コロナの流行が各事業分野に与える影響の調査と複数の回復シナリオの策定を行い、収益悪化予想を踏まえた棚卸資産の管理徹底や原価低減及び経費の抑制、設備投資計画の見直しによる営業キャッシュ・フローの改善等に努めました。また、新型コロナ感染防止と勤務に関するガイドラインを策定し、リモートワークの促進や職場での感染対策を徹底するなど従業員及びその家族の安全を確保する勤務体制を構築したほか、本年予定している新本社への移転に向けて新型コロナ収束後の新たな働き方を見据えた新本社のレイアウト見直し等に取り組んでまいりました。
当期の業績につきましては、情報通信ソリューション事業をはじめ当社事業全般で新型コロナの影響による売上の伸び悩みや、銅管事業の譲渡及び巻線事業の一部の再編を実施し、これらの事業が当社グループの連結対象から外れたことにより、グループ全体の売上は減少しました。損益面では、緊急経営対策チームを中心に対応した原価低減及び経費抑制等の取組みの成果はあったものの、新型コロナの影響によるグローバルでの経済活動の停滞が大きく影響し、減益となりました。
これらの結果、連結売上高は8,116億円(前期比11.2%減)、連結営業利益は84億円(前期比64.2%減)となりました。また、連結経常利益は52億円(前期比77.2%減)となりました。さらに固定資産処分益など334億円を特別利益に、製品補償引当金繰入額など173億円を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は100億円(前期比43.3%減)となりました。なお、海外売上高は3,764億円(前期比10.1%減)で、海外売上高比率は46.4%(前期比0.6ポイント増)となりました。
単独の業績につきましては、売上高は3,926億円(前期比10.9%減)、営業損失は69億円(前期比75億円悪化)、経常利益は56億円(前期比53.4%減)、当期純利益は243億円(前期比33.9%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
〔インフラ〕
情報通信ソリューション事業では、北米の光ファイバ等の需要は引き続き堅調であったものの、依然として厳しい競争環境が継続しました。新型コロナの影響による国内工事着工の抑制や顧客の投資抑制によるネットワーク関連製品や産業用レーザ等の売上減少に加え、主に南米での為替の影響もあり、減収減益となりました。エネルギーインフラ事業では、国内の再生可能エネルギー関連並びに国内外の地中線案件の売上及び利益は好調に推移しました。しかし、新型コロナの影響により建設・電販市場向け汎用線は国内の市場環境が厳しく、また中国の子会社では外出規制等による建設工事着工の遅延や物流の停滞が発生したことから、減収減益となりました。
これらの結果、当セグメントの連結売上高は2,592億円(前期比7.7%減)、連結営業損失は21億円(前期比38億円悪化)となりました。また、単独売上高は883億円(前期比6.3%減)となりました。
情報通信ソリューション事業では、北米の堅調な光ファイバ等の需要を着実に取り込めるよう生産性改善に努めていくとともに、北米においてさらに拡大が予想される光ファイバ・ケーブル市場で省スペース・高施工性製品の需要が高まっており、当社に技術的優位性がある多心高密度ローラブルリボンケーブルの拡販を目指してまいります。また、デジタルコヒーレント関連製品に関しても、高出力品の拡販及び次世代製品への転換促進に取り組んでまいります。エネルギーインフラ事業では、利益確保を重視した受注活動の推進や人材確保を含めた製造・工事施工能力の向上等に取り組み、引き続き需要の拡大が予想される国内の再生可能エネルギー分野をはじめとする当社の注力市場での受注拡大に努めてまいります。
〔電装エレクトロニクス〕
自動車部品事業では、上期において海外子会社の一時操業停止や再開後の稼働率低迷など新型コロナの影響を大きく受けたことで減収減益となりました。しかし、下期以降、自動車市況の回復によりワイヤハーネスをはじめ当事業全般で想定以上の水準で収益が回復しました。
電装エレクトロニクス材料事業では、上期において新型コロナの影響により自動車関連、建設・電販関連向けの製品の売上が落ち込みましたが、下期以降、車載及びエレクトロニクス関連の製品を中心に需要は回復しました。しかし、上期までの売上の落ち込みの影響が大きかったことのほか、銅管事業の譲渡及び巻線事業の一部の再編を実施したことによりこれらの事業が当社グループの連結対象から外れたことも影響し、減収減益となりました。
これらの結果、当セグメントの連結売上高は4,330億円(前期比15.0%減)、連結営業利益は59億円(前期比60.5%減)となりました。また、単独売上高は2,421億円(前期比14.9%減)となりました。
自動車部品事業では、自動車の軽量化に貢献するアルミワイヤハーネス及び防食端子の受注拡大及び生産体制の構築に引き続き取り組み、また、主力製品のステアリング・ロール・コネクタに関して、エアバッグ法規制の強化により市場拡大が見込まれる地域の需要取り込みや次世代自動車を想定した新製品の開発を推進してまいります。電装エレクトロニクス材料事業では、当社の材料開発の強みを生かした市場開拓を行い、高付加価値製品の拡販を強化してまいります。
〔機能製品〕
サーマル・電子部品事業及びメモリーディスク事業は、データセンター関連製品の需要が好調に推移しました。AT・機能樹脂事業では新型コロナの影響により国内建設工事の着工が抑制されたことで機能樹脂製品の需要が減少し、銅箔事業では2019年に台湾子会社で発生した火災からの復旧途上であることや、上期に車載向け電池用銅箔の需要が低迷したことで、当セグメントの事業全体で減収減益となりました。
これらの結果、当セグメントの連結売上高は1,147億円(前期比1.0%減)、連結営業利益は63億円(前期比15.7%減)となりました。また、単独売上高は601億円(前期比0.8%増)となりました。
AT・機能樹脂事業では、半導体製造用テープの新用途の提案に取り組み、新規市場開拓を推進してまいります。また、銅箔事業では、回路用銅箔と電池用銅箔の最適な製品ミックスにより収益向上に努めてまいります。
〔サービス・開発等〕
物流、不動産の賃貸、水力発電、新製品の研究開発、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート等を行っております。
当セグメントの連結売上高は387億円(前期比23.1%減)、連結営業損失は17億円(前期比14億円悪化)となりました。また、単独売上高は21億円(前期比5.7%減)となりました。
また、本年4月に、当社子会社である古河物流㈱の株式の一部を、SBSホールディングス㈱へ譲渡することを決定しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、872億円(前連結会計年度比+321億円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益+213億円、固定資産処分損益△208億円等により△5億円(前連結会計年度比△424億円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△334億円、投資有価証券の売却及び償還による収入+148億円、固定資産の売却による収入+224億円等により、△19億円(前連結会計年度比+312億円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の増加等により+351億円(前連結会計年度比+353億円)となりました。
当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしておりません。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
当連結会計年度末の資産の部は、合計が前連結会計年度末に比べ374億円増加して8,320億円となりました。流動資産は前連結会計年度末比436億円増加の4,298億円、固定資産は前連結会計年度末比62億円減少の4,022億円でした。現金及び預金が300億円、たな卸資産が50億円、無形固定資産が42億円増加しましたが、繰延税金資産が78億円減少しました。流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は、前連結会計年度末に比べ481億円増加して1,146億円となりました。
有形・無形固定資産は、資本的支出で400億円の増加、減価償却で322億円の減少のほか、除売却による減少等により変動しております。
負債の部では、合計が前連結会計年度末に比べ188億円増加して5,404億円となりました。借入金、社債、コマーシャル・ペーパーを含む有利子負債が2,906億円と前連結会計年度末比で395億円増加しましたが、製品補償引当金が137億円減少しました。
純資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ186億円増加して2,916億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の増加等により利益剰余金が34億円増加し、その他の包括利益累計額が159億円増加しました。その結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比1.0ポイント上昇し31.2%となりました。
キャッシュ・フローの概況については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度比11.2%減の8,116億円、連結営業利益は、前連結会計年度比64.2%減の84億円となりました。情報通信ソリューション事業は、北米での光ファイバ等の需要は堅調であったものの、新型コロナウイルスの影響による顧客の設備投資抑制や南米での為替影響により減益、エネルギーインフラ事業は、国内の再生エネルギー関連や国内外の地中線案件は好調であったものの、新型コロナウイルスの影響による国内建設・電販市場向け等の製品の減収、中国子会社での顧客工事計画延期等に伴う売上繰延べ等により減益、また電装エレクトロニクス事業や機能製品事業は、データセンタ関連製品の需要が好調だったものの、新型コロナウイルスの影響による海外子会社の一時操業停止や稼働率低迷、事業再編の影響を受けて減益となりました。
営業外損益では、持分法による投資損益が34億円減少しました。この結果、連結経常利益は前連結会計年度比77.2%減の52億円となりました。
特別損益は、161億円の利益(純額)となりました。固定資産処分益など334億円を特別利益に、製品補償引当金繰入額や事業譲渡損など173億円を特別損失として計上いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比43.3%減の100億円となりました。
なお、セグメント別の概況は、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要)(1)業績」に記載しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループでは、事業活動の継続及び発展のための成長投資や運転資金需要に対して、営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の負債性調達や、資産の流動化等により、資金調達を実施しております。具体的な調達手段については、市場環境や当社のバランスシート状況を踏まえ、経済合理性や財務構造の安定化の観点から判断しております。
また、日本、中国及びタイにおいては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、効率的な資金活用に努めております。
手元流動性については、手元現預金とコミットメントラインにより、短期的な支払リスクをカバー出来うる水準を確保しております。なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス影響への備えとして、一時的に手元現預金水準を引き上げております。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
以下の技術導入契約が、2020年10月13日に対象特許権が満了したことに伴い終了いたしました。
当社グループは、新商品、新技術開発による新規事業の創出と展開を図るべく、国内の当社研究所等(サステナブルテクノロジー研究所、自動車・エレクトロニクス研究所、情報通信・エネルギー研究所、インキュベーター統括部、デジタルイノベーションセンター)及び海外の OFS Laboratories, LLC (米国)、 Furukawa Electric Institute of Technology Ltd.(ハンガリー)、SuperPower Inc.(米国)、 Silicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electric (米国)を中心とした研究体制を有し、積極的に研究開発へ取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費は、前連結会計年度比6.6%減の
①次世代の大容量光デジタルコヒーレント通信向け超小型狭線幅制御回路付信号光源(Nano ITLA)の製品化を進めております。本製品は、大幅な小型化と低消費電力化に対応し、かつ超高速光通信に用いられる多値変調の光デジタルコヒーレント通信に要求される狭線幅の特性を有しております。また、光ファイバ通信の伝送特性向上及び伝送距離拡大に有効なインコヒーレント光を用いたラマン増幅用の新しい励起光源FRSi4XXシリーズの製品化も進めております。これらの技術は、5G時代の急激なトラフィックの増大を見据えて世界的に開発が進む600Gbps超の光デジタルコヒーレント通信を支えるキーデバイスです。引き続き次世代光ファイバ通信システムの高速化・大容量化・長距離化を支える技術開発を進め、5Gなど人々の生活利便性の向上に大きく貢献してまいります。
②光ファイバ及び光ファイバケーブルについては、長距離用途におけるさらなる高性能化・低コスト化を進めております。また、データセンタや大都市ネットワーク用途で光ファイバネットワークの大容量化・多心化が求められていることから、省スペース化が可能な「ローラブルリボンを搭載した光ファイバケーブル」のさらなる高密度化を推し進めております。国立研究開発法人情報通信研究機構からの委託研究である「空間多重フォトニックノード基板技術の研究開発」及び「マルチコアファイバの実用化加速に向けた研究開発」、並びに総務省からの委託研究である「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」を活用し、将来の超大容量光通信における空間多重技術の長距離幹線系・加入者アクセス系への適用に向けて、光ファイバ及び光ファイバケーブルの製造技術やこれらの性能検証、光ファイバの接続技術並びにマルチコア光増幅技術の検討を行っております。
③ファイバレーザの製品群として、12kWのマルチモードファイバレーザを製品化しております。ビーム品質を良好に維持しつつ高出力化を行うことで、金属の厚板溶接や薄板の高速溶接が可能となり、高付加価値加工の実現及び製造コスト削減に大きく貢献しております。かねてより開発を進めているビームモード制御技術を活用することで、10kW超の高出力レーザを用いた厚板溶接で課題となるスパッタ飛散の抑制、自動車用亜鉛めっき鋼板やアルミニウム合金の高速かつ高品質な溶接を可能としております。また、日亜化学工業株式会社と共同開発した高輝度青色レーザダイオードモジュールを搭載したBlue-IRハイブリッドレーザ「BRACE™」を開発しました。本製品は、電動モビリティ向け主要部品であるリチウムイオン電池、モータ、インバータ等の導体となる銅の溶接工程の生産性向上(品質・加工速度の向上)や製造工程の省人化に貢献することができます。これまで、光反射率が極めて高い純銅は難加工素材とされておりましたが、本製品は銅加工において高水準の品質・深度・加工速度を実現しました。さらに、溶接品質管理のためのモニタリング技術等の開発も引き続き進めております。これらの研究開発により、自動車や船舶における難接合材の溶接等、高度な加工技術でものづくり競争力を支援し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
④国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「高温超電導高安定磁場マグネットシステム技術開発」に参画し、国立研究開発法人産業技術研究機構と共同で高温超電導線と低温超電導線の接続の開発を実施しました。高温超電導線ではMRI マグネットで要求される10 -12Ω 以下の抵抗を達成し、超電導コイルの永久電流実現に成功いたしました。また、低温超電導線と高温超電導線を組み合わせたNMRコイルにおいても永久電流実現に向けた検証を実施しております。今後も、低温超電導と高温超電導を融合した応用開発を進めてまいります。
⑤情報/エネルギー/モビリティが融合した次世代の新しいインフラを考案し社会実装を目指す組織として設立した次世代インフラ創生センターでは、「古河電工グループ ビジョン2030」を具現化するため、安全・安心・快適で地球環境にやさしい社会基盤の創出、さらに社会的受容性のあるコストでのスマートコミュニティの実現を目指し、パートナーの皆様との共創により活動を行っております。再生可能エネルギーにより発電した電力の安定供給に貢献するため、バイポーラ型蓄電池の開発を推進しております。本製品は、シンプルな構造のため電池の高容量化が実現でき、稼働時に空調レスとすることも可能であり電力貯蔵用リチウムイオン蓄電池と比してトータルコストを2分の1以下に抑制できる高い経済性も持ち合わせた電力貯蔵用蓄電池です。また、グリーントラフを地表面に配置し歩車共存の実現に貢献する「インテリジェント歩道®」を自動車技術に関する展示会で出展いたしました。
以上、当該事業に係る研究開発費は
①自動車用ワイヤハーネスについて、環境対応、性能向上及び車両軽量化へのニーズに応えるため、アルミ電線のさらなる適用部位拡大を進めております。また、 CASE (Connected:つながる化、 Autonomous:自動運転、 Shared & Services:シェアリング、 Electric:電動化)の進展に対応するため、次世代製品の開発を行っております。
②自動車用バッテリ状態検知センサについて、過充電抑制による燃費向上及び過放電によるバッテリ上がり防止等に貢献しており、拡販及び受注活動とともに、高機能化に向けた開発を継続しております。また、今後予測される車載電子機器の増加やソフトウェアアップデート、自動車の電動化、自動運転化に対して、電源品質を維持する電源マネジメントシステムに関連した製品の開発を行っております。
③雨、雪等の環境下でも安定して物体検知可能な車載用の 24GHz 帯周辺監視レーダの量産を行っております。先進安全運転支援システム高度化に適応するため、後方監視だけでなく前方監視まで機能を拡張した次世代品の量産開始を予定しております。また、建機・農機等向け周辺監視レーダの量産開始も予定しており、作業エリアの安全性向上に貢献する周辺監視レーダの開発も進めてまいります。
④新しいワイヤレス電力伝送方法として期待される電界共振結合方式を用いて、世界で初めて 4.7kW の電力の伝送に成功しております。本方式は、軽量かつ金属異物を加熱し難い特徴を有しており、次世代の電動小型モビリティ、ロボット、無人搬送車などへのワイヤレス給電の適用を想定しております。今後は、窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス開発の経験を活かし、さらなる小型・軽量化と大電力・高効率化により、モビリティの電動化に貢献してまいります。
⑤シミュレーション技術及び分析技術を有効活用し、研究開発の効率化を推進しております。ワイヤハーネスなどの自動車用部品は変形・応力シミュレーション、電子機器開発は振動・熱流体シミュレーション、レーダ開発は電磁界シミュレーションを活用したほか、車載ソフト用のアルゴリズム構築についてのモデルベース開発等を行いました。また、触媒等の新材料に対しては、反応器設計のための流体計算や、先端電子顕微鏡を活用しております。 Furukawa Electric Institute of Technology Ltd. (ハンガリー)では、先進的なシミュレーション技術開発に取り組んでおり、車載バッテリの環境負荷を考慮した基礎シミュレーションの構築や触媒構造解析のための分子動力学シミュレーションを実施しました。引き続き、シミュレーション技術及び分析技術を活用し、メカニズムの解明や設計の最適化に加え、試作代替による環境負荷低減への取組みを推進してまいります。
⑥高強度・高導電な銅合金及び貴金属めっきの開発を引き続き行っております。本開発により、電子機器における小型化・大容量化に伴う接続部品(コネクタ、端子等)の多極化・高密度化、発熱の制御、自動車の電動化や車載電子機器の増加に伴う電装品(ワイヤハーネス等)の高電圧化・大電流化への対応が可能となります。
以上、当該事業に係る研究開発費は
①セルロース繊維の高剛性及び軽量性の特長を活かし、自動車分野など様々な用途での活用が期待されるセルロース繊維強化樹脂の高効率製造法の実用化に向けた検証を行っております。また、プラスチック海洋汚染の対策やCO2排出量削減に取り組むべく、プラスチックパッケージごみをセルロース繊維強化材料にし、当社ケーブル関連商品に使用しております。さらに家庭用消費財の材料に関する開発も行い、環境省の「プラスチック・スマート」にも取り組んでおります。
②ヒートシンク・ヒートパイプを活用した熱マネジメント(均熱・熱輸送・熱交換)技術により、情報/エネルギー/モビリティ分野の製品(データセンタ、スマートフォン、太陽光発電システム、鉄道、自動車等)の薄型化・軽量化を可能とする研究開発を進めております。エレクトロニクス機器の薄型化、軽量化、高発熱化に対応する製品や、次世代モビリティに向けた熱技術を応用した製品の開発に注力しております。
③通信ネットワークの高速化、高周波数化に対応するインフラ用大型高速サーバー・ルーター向けのプリント基板の需要の高まりから、さらなる高速化に対応した次世代高周波基板用銅箔F1N-WSを開発いたしました。今後、高周波基板用銅箔の製品群を拡充し、高速通信ネットワークの需要に対応してまいります。
以上、当該事業に係る研究開発費は
①超電導製品部では、高機能低温超電導線材の開発・量産化を進めており、お客様の巻線後にコイルを固定するプロセスを不要にする新商品の量産化を開始しております。また、SuperPower Inc.(米国)と連携し、低温超電導線材及び高温超電導線材の新製品の開発を進めております。
②研究開発子会社である SuperPower Inc.(米国)において、イットリウム高温超電導線材の研究開発を継続しております。高温超電導線材は、当社製低温超電導線材と併せて用いることにより、次世代エネルギー源と期待される核融合炉や、新素材や先端医薬の開発に欠かせない高磁場マグネットなど、各方面への応用が期待されます。また、顧客の旺盛な需要に応えるため、現工場の近隣地区に新工場を建設、2020年8月に再稼働し、増産体制の構築を行っております。
③オープン・イノベーションによる新事業創出を目的に営業部門と研究部門の連携組織として設立した先行開発センター(現 ソーシャルデザイン統括部)では、VOC(Voice Of Customer)から顧客ニーズを捉え迅速にコンセプトサンプルを作製し、新たな価値を提案する活動を推進しております。新事業の創出に繋げるべく、エネルギーインフラ・モビリティインフラ・ヘルスケア分野などにおいて、当社の技術を活かした実証実験を行っております。
④米国カリフォルニア州のシリコンバレーに開設したSilicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electricでは、「古河電工グループ ビジョン2030」の実現につながる新技術を獲得することを目的として、スタートアップ企業とのオープン・イノベーションを積極的に推進しております。シリコンバレーを拠点とするアクセラレータや自動車技術協議会などが主催するイベントを通じて、スタートアップ企業情報や最新の技術動向を調査し、実証実験を実施しております。
⑤地球規模の社会課題である温室効果ガス削減に向けて北海道大学との共同研究を進めており、バイオガスをLPガスに変換する技術の開発に取り組んでおります。家畜のふん尿から得られる二酸化炭素とメタンから貯蔵・輸送しやすいLPガスへの創出によって、一般家庭や酪農場等でのエネルギーとしての利用や、災害時用のエネルギーとしての利用も可能となります。本技術は脱炭素社会への貢献に加え、エネルギーの地産地消を促す社会基盤の創出にもつながり、地域循環共生圏の形成にも貢献が期待されます。本技術を社会実装すべく、今後は実証試験を進めていく予定であります。
以上、当該事業に係る研究開発費は