第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は以下のとおりであります。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

 (6) 製品の欠陥

当社グループは、国内外の各種規格・基準及び永年の経験に培われた品質管理基準に従って各種製品の製造、サービスの提供を行っております。しかし、そのすべてについて欠陥が無く、将来に予期せぬ損失補償が発生しないという保証はありません。とりわけ、電力ケーブル、通信ケーブル、自動車用部品等に関連する製品については、欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性があります。

上記のリスクに対応するため、当社グループは、製造物賠償責任保険に加入して損害賠償請求に備えているほか、一段上の品質の実現を目指し、「品質強化プロジェクト」と「RFDプロジェクト」(RFD=Risk Free Design)の2つのプロジェクトを推進し、品質の改善と未然防止設計、問題解決力の向上に努めております。しかしながら、保険の範囲を超える大規模な損失補償や損害賠償請求につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社連結子会社が製造した自動車用部品に関連し、当該部品を組み込んだ自動車について市場回収措置(リコール)が行われており、当社及び当社連結子会社が部品の販売先である㈱東海理化電機製作所から費用の一部の分担に関して協力を要請され、交渉を行ってまいりましたが、2020年8月21日に東海理化グループと当社グループとの間で、グローバルに双方の負担を定める和解が成立いたしました。なお、上記のリコールにかかる損失につきましては決算計上済みであります。

また、上記とは別に、当社連結子会社が製造した自動車用部品に関連し、当該部品を組み込んだ自動車について市場回収措置(リコール)が行われておりましたが、和解が成立し、現状、当社連結子会社への当該部品の納入業者と求償請求に係る協議を行っております。なお、上記のリコールにかかる損失につきましては決算計上済みであります。

 

 (12) 法令違反等

当社は毎年定期的にコンプライアンス自主点検を行うとともに、国内外でコンプライアンスセミナーを開催し、競争法規制や贈収賄防止の観点からも社内教育を行うなど、コンプライアンス体制の構築及び維持に努めております。その一方で、当社グループは、国内外で事業展開する上で規制当局から様々な法規制を受けており、規制強化や法令解釈の厳格化により、事業制限や費用の増加等の可能性があります。また、法令違反等の事象が生じた場合には、各規制当局からの処分・制裁、取引先等関係者からの損害賠償請求、社会的評価の悪化等により、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は、自動車用部品カルテルに関し、ブラジル競争法当局の調査を受けております。また、電力ケーブルカルテルに関し、当社の持分法適用の関連会社である㈱ビスキャスに対しブラジル当局による調査が行われておりましたが、2020年4月15日に当局より課徴金の賦課決定が下され、課徴金を支払い、調査は終了いたしました。加えて、米国での一連の自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める集団訴訟や、自動車用部品カルテルに関して米国の一部の州の司法当局から提起された州法違反に基づく訴訟などにおいて、当社や当社連結子会社がその被告となっております。このほか、自動車用部品カルテルを含む過去の競争法違反行為に関して、自動車メーカーなどの顧客から現在請求されているものも含め、当社または当社関係会社が民事賠償金を支払う可能性があります。

 

また、新型コロナウイルスの感染拡大による当社グループの経営成績及び財政状態への影響については、引き続き注視してまいります。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の分析)

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の当第3四半期連結累計期間の業績は、自動車部品事業を中心とした電装エレクトロニクスセグメントが想定を上回り回復したものの、第2四半期連結累計期間までの新型コロナウイルスの影響が大きく、減収減益となりました。

その結果、売上高は5,630億円前年同期比16.7%減)、営業損失は7億円(前年同期比160億円悪化)となりました。営業利益の減少に加え、持分法投資損益の悪化により、経常損失は38億円(前年同期比176億円悪化)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、固定資産処分益の計上がありましたが、製品補償引当金繰入額、事業譲渡損及び新型コロナウイルス感染症による損失を特別損失に計上したこと等により5億円前年同期比93.8%減)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

〔インフラ〕

情報通信ソリューション事業では、北米の光ファイバ・ケーブル需要は堅調であり、またデジタルコヒーレント関連製品の供給能力は向上しているものの、光ファイバ・ケーブルの厳しい競争環境は継続しており、また、新型コロナウイルスの影響による顧客の設備投資抑制により、国内ネットワーク関連製品、産業用レーザ、医療用・産業用等向け特殊ファイバが減収となりました。エネルギーインフラ事業では、国内の再生可能エネルギー関連及び国内外地中線案件は順調に進捗したものの、新型コロナウイルスの影響により、国内建設・電販市場、鉄道関連市場向け製品が減収、及び中国子会社において顧客工事計画延期等による売上高の繰延べがありました。これらの結果、当セグメントの売上高は1,853億円前年同期比9.2%減)、営業損失は37億円前年同期比40億円悪化)となりました。

 

〔電装エレクトロニクス〕

自動車部品事業において第2四半期累計期間までの新型コロナウイルスの影響が大きく、在外連結子会社の一部の生産拠点の一時操業停止及び再稼働後の稼働率低下、また輸送費・代替生産関連費用の増加があり、当セグメントの売上高は2,901億円前年同期比23.4%減)、営業利益は6億円前年同期比94.0%減)となりました。

 

〔機能製品〕

データセンタ関連需要は投資が抑制されていた前期に比べ回復しているものの、新型コロナウイルスの影響による国内の民間建築工事の遅れ等により機能樹脂製品が減収となり、また半導体製造用テープがスマートフォン向け需要低迷や顧客在庫調整影響を受けたことなどにより、当セグメントの売上高は838億円前年同期比4.7%減)、営業利益は37億円前年同期比31.8%減)となりました。

 

〔サービス・開発等〕

主に物流、各種業務受託等による当社グループの各事業のサポート、不動産の賃貸、水力発電、新製品研究開発の推進等の事業を行っております。

当セグメントの売上高は293億円前年同期比24.4%減)、営業損失は14億円前年同期比12億円悪化)となりました。

 

 

(財政状態の分析)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ150億円増加して8,096億円となりました。現金及び預金が219億円、棚卸資産が47億円、その他の資産項目で131億円増加しましたが、受取手形及び売掛金が143億円、有形固定資産が104億円減少しました。

負債の部は、前連結会計年度末に比べ191億円増加して5,407億円となりました。借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの残高が2,890億円と379億円増加しましたが、製品補償引当金が120億円、支払手形及び買掛金が66億円、その他の負債項目で2億円減少しました。

純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益で5億円増加しましたが、配当金の支払、為替換算調整勘定、非支配株主持分の減少により、前連結会計年度末に比べ41億円減少して2,689億円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末から0.7ポイント低下し29.5%となりました。

 

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当第3四半期連結累計期間において、光ファイバをはじめとする市場環境の悪化や新型コロナウイルスの影響等を踏まえ、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」中の中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の見通しを以下のとおり変更いたしました。

 

(変更前)

中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」では、連結営業利益550億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益300億円以上、ROE10%以上を財務目標値として掲げております。事業資産営業利益率を意識した連結事業経営を推進し、注力事業・製品の強化及び低採算事業・製品の変革に取り組むことで、事業ポートフォリオの見直しを進め、収益力の強化を図ってまいりましたが、新型コロナウイルスによる自動車販売台数の大幅減少の影響等、当社グループを取り巻く経営環境が非常に不透明となっており、その影響額を合理的に見積ることが困難であるため、2020年度業績予想はまだ策定できておりませんが、昨年度に引き続き光ファイバ等の市場環境が厳しいこと等を併せて考えますと、本中期経営計画の財務目標値の達成は予断を許さない状況となっております。

 

(変更後)

中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」では、連結営業利益550億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益300億円以上、ROE10%以上を財務目標値として掲げております。事業資産営業利益率を意識した連結事業経営を推進し、注力事業・製品の強化及び低採算事業・製品の変革に取り組むことで、事業ポートフォリオの見直しを進め、収益力の強化を図ってまいりましたが、中国を起点とする光ファイバ等の市場環境悪化や新型コロナウイルスによる自動車販売台数の大幅減少、北米ファイバ・ケーブル工場の稼働率低下、スマートフォンをはじめとするエレクトロニクス関連の需要低迷と銅箔台湾工場の火災影響等により、本中期経営計画の財務目標値は未達の見通しとなっております。

 

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費は155億円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

 

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループでは、事業活動の継続及び発展のための成長投資や運転資金需要に対して、営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の負債性調達や、資産の流動化等により、資金調達を実施しております。具体的な調達手段については、市場環境や当社のバランスシート状況を踏まえ、経済合理性や財務構造の安定化の観点から判断しております。

また、日本、中国及びタイにおいては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、効率的な資金活用に努めております。

短期的な支払リスクに対するバックアップラインとして、金融機関でコミットメントライン等を設定し、手元流動性の確保にも努めております。

当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症の影響長期化による資金収支の悪化リスクや、資金調達環境の悪化リスクに備え、手元流動性の積み増しや、支出抑制に努めていく方針であります。

 

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしておりません。

 

 

(7) 主要な設備

前連結会計年度の有価証券報告書において未定としておりました、当連結会計年度における設備投資計画は次のとおりであります。

セグメントの名称

2021年3月末計画金額

(百万円)

設備等の主な内容・目的

インフラ

14,200

光通信デバイスの増産・開発及び光ファイバ製造設備の合理化

電力事業の設備更新及び増強

電装エレクトロニクス

17,500

自動車用等電装部品の生産能力の増強

機能製品

6,300

銅箔事業の災害からの復旧

サービス・開発等

9,000

グループ基幹業務システム更新

合計

47,000

 

 

(注) 金額には消費税等は含まれておりません。

 

また、前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の売却について、当第3四半期連結累計期間に完了したものは以下のとおりであります。

セグメントの名称

固定資産の名称及び所在地

現況

固定資産処分益

引渡日

電装エレクトロニクス

兵庫県尼崎市道意町七丁目6番 他

土地 162,739.87㎡(登記簿面積)

工場用地

22,078百万円

2020年6月30日

 

(注) 譲渡価額、帳簿価額は、譲渡先の意向により非開示とさせていただきます。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、以下の技術導入契約が、2020年10月13日に対象特許権が満了したことに伴い終了いたしました

契約技術

契約の相手方(国籍)

契約期間

対価

MPXコネクタ技術

(特許実施、商標使用)

TYCO ELECTRONICS CORPORATION

(アメリカ)

自 2000年10月17日

至 実施許諾特許の満了日

頭金  定額

実施料 一定料率