第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

第1四半期連結会計期間より「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第18号 平成29年3月29日)及び「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第24号 平成29年3月29日)を適用しており、前年同四半期比較についてはこれらを遡及適用した前年同四半期の数値を用いております。

 

(1) 業績の状況

当第2四半期連結累計期間の世界経済は、概ね緩やかな回復傾向が継続したものの、欧米による政策の不確実性の高まり、新興国経済の成長鈍化や地政学的リスクの上昇などから、先行き不透明感が強まっています。日本経済も、個人消費や設備投資において持ち直しの動きがみられたものの、力強さを欠く状況が続きました。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、中国等の海外を中心に自動車用ワイヤーハーネスや防振ゴムの需要が堅調に推移し、また、超硬工具や光ファイバ・ケーブル等の需要も増加しました。このような環境のもと、当第2四半期連結累計期間の連結決算は、売上高は1,459,217百万円(前年同四半期連結累計期間1,312,107百万円、11.2%増)と前年同期比で増収を確保いたしました。また、営業利益も需要の増加に加え、携帯機器用FPC(フレキシブルプリント回路)でのコスト低減の推進などにより、65,708百万円(前年同四半期連結累計期間47,061百万円、39.6%増)、経常利益は75,034百万円(前年同四半期連結累計期間61,158百万円、22.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は42,448百万円(前年同四半期連結累計期間38,856百万円、9.2%増)と、それぞれ前年同期に比べ増益となりました。

セグメントの業績は、前年同四半期連結累計期間対比で次のとおりであります。

 

自動車関連事業

ワイヤーハーネスや自動車電装部品、防振ゴムでグローバルでの需要の捕捉を積極的に進め、中国や国内での販売数量が増加したことに加え、銅価格上昇の影響もあり、売上高は776,406百万円と57,204百万円(8.0%)の増収となり、営業利益も40,615百万円と2,294百万円の増益となりました。

情報通信関連事業

光ファイバ、データセンター向け光ケーブルやアクセス系ネットワーク機器などで拡販を進め、売上高は103,335百万円と13,320百万円(14.8%)の増収となり、営業利益も6,338百万円と1,852百万円の増益となりました。

エレクトロニクス関連事業

電子ワイヤーや携帯機器用FPCで拡販を進め、売上高は119,524百万円と1,495百万円(1.3%)の増収となり、営業利益も988百万円とFPCで全社を挙げて取り組んでいるコスト低減が進捗したこともあり、前年同四半期連結累計期間(7,323百万円の損失)から8,311百万円の改善となりました。

環境エネルギー関連事業

日新電機㈱や住友電設㈱での需要が増加したことに加え、銅価格上昇の影響もあり、売上高は333,874百万円と56,021百万円(20.2%)の増収となり、営業利益も6,101百万円と4,290百万円の増益となりました。

産業素材関連事業他

超硬工具を中心にグローバルでの需要の捕捉に努めたことに加え、焼結部品において2016年度下期より米国キーストーン社を連結子会社化していることもあり、売上高は163,577百万円と20,565百万円

(14.4%)の増収となり、営業利益も11,548百万円と1,722百万円の増益となりました。

 

なお、各セグメントの営業利益又は営業損失は、四半期連結損益計算書の営業利益又は営業損失に対応しております。

(2) 財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末の総資産は2,990,565百万円と、前連結会計年度末対比83,273百万円増加しました。

資産の部では、主にたな卸資産の増加や設備投資による有形固定資産の増加により、前連結会計年度末対比83,273百万円増加しました。

負債の部では、主に短期借入金及び社債の増加により、前連結会計年度末対比25,759百万円増加しました。

また、純資産は1,686,129百万円と、配当支払の一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や保有株式の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加により、前連結会計年度末対比57,514百万円増加しました。自己資本比率は49.1%と、前連結会計年度末対比0.4ポイント上昇しております。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より591百万円(0.3%)減少し、179,411百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間の営業活動の結果得られた資金は、104,350百万円(前年同四半期連結累計期間対比10,057百万円の収入減少)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益73,450百万円や減価償却費69,259百万円から運転資本の増減などを加減したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間の投資活動の結果使用した資金は、86,755百万円(前年同四半期連結累計期間対比29,150百万円の支出減少)となりました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出83,901百万円などがあったことによるものです。

 

なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・

キャッシュ・フローについては17,595百万円のプラス(前年同四半期連結累計期間は1,498百万円のマイナス)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間の財務活動の結果、資金は20,968百万円減少(前年同四半期連結累計期間は27,132百万円の増加)しました。これは、長期借入れによる収入18,037百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出20,337百万円、配当金の支払17,942百万円などがあったことによるものです。

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

今後の世界経済は、欧米を中心とする政情不安、新興国経済の成長鈍化、地政学的リスクや金融資本市場の変動による影響等により、現状の緩やかな景気回復基調に対して下振れリスクが強まることが想定されます。日本経済もこれらの影響により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

このような情勢のもと、当社グループは、住友事業精神と住友電工グループ経営理念を事業活動の根底に置き、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)のさらなる強化に努め、中期経営計画「17VISION」の最終年度にあたる2017年度を、中期目標の仕上げの年として、各事業において次の施策を進めてまいります。

 

まず、自動車関連事業ではグローバル総合部品メーカーを目指し、自動車の技術革新が進むなかで当社グループの総合力を発揮し、環境対応車向けの高電圧ハーネスや電池関連製品、自動車の軽量化に寄与し耐久性に優れた高強度アルミハーネス、複雑化・高度化が進む自動車の電子制御に対応した電装部品や高速通信用コネクタなどの開発・拡販を加速してまいります。また、海外系顧客向けのさらなるシェア拡大に努めるとともに、一層のコスト低減にも引き続き注力してまいります。住友理工㈱では、自動車用防振ゴム・ホースなどにおいて、グ

ローバルに広がる営業・開発拠点を活かして、拡販を図りつつ、環境技術の強化も進めてまいります。

 

情報通信関連事業では、光ファイバ・ケーブル、100Gbps*の高速光デバイス、携帯基地局用GaN(窒化ガリウム)デバイスについて、グローバルでの需要の確実な捕捉に引き続き取り組み、特に海底ケーブル用の極低損失光ファイバ、超多心光ケーブルをはじめとするデータセンター関連製品、次世代移動通信システムに対応した光・電子デバイス製品や、高度道路交通システムの開発・拡販を一段と進めてまいります。また、アクセス系ネットワーク機器の新製品拡販とコスト競争力強化にも注力し、収益力のさらなる向上を図ってまいります。

 

* Gbps:gigabits per secondの略で、通信速度を表す単位。1Gbpsは1秒間に10億ビットのデータを

送れることを表します。

 

エレクトロニクス関連事業では、携帯機器用FPCについて徹底した品質改善・コスト低減と拡販に引き続き注力するとともに、当社グループの総合力を活かし、さらなる高精細・極薄・高耐熱化による新製品開発や車載市場等への事業拡大にも取り組み、一段の収益改善を進めてまいります。また、電子ワイヤー、照射チューブについても、グローバルでの生産強化と拡販を加速してまいります。

 

環境エネルギー関連事業では、電力ケーブルにおいて製造体制を強化しコスト低減や品質改善をさらに進めていくとともに、海外の高圧直流電力ケーブルのさらなる受注獲得、国内の電力ケーブル更新需要の確実な捕捉により、収益力の向上を図ってまいります。このほか、環境対応車向けのモーター用平角巻線や電池用金属多孔体の拡販を進め、さらに日新電機㈱や住友電設㈱とも連携し、再生可能エネルギーやスマートグリッド関連事業の拡大にも注力してまいります。

 

産業素材関連事業では、超硬工具においては、国内、欧米の堅調な需要対応に加え、中国、台湾、インド等新興国市場における需要の捕捉をこれまで以上に進めるとともに、主力の自動車分野に加え、航空機やエネルギー分野での難削材加工用の新製品開発と拡販を強化してまいります。また、焼結部品においては、昨年買収した米国子会社との事業の相乗効果を発揮していくとともに、国内外での供給体制の強化を図ってまいります。このほか、PC鋼材においては、2017年6月に米国テキサス州の新工場が稼働を開始するなど、今後もグローバル生産体制の拡充と拡販に注力してまいります。

 

研究開発では、オリジナリティがありかつ収益力に優れた新事業・新製品の創出に努めてまいります。具体的には、新しい電力・エネルギーインフラの構築に向けてレドックスフロー電池、集光型太陽光発電装置、エネルギーマネジメントシステム関連製品の早期事業化に向けた開発と国内外での実証試験を加速するほか、超電導製品、マグネシウム合金製品、水処理装置、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体デバイスや次世代通信

ネットワーク用製品などの事業化に注力します。さらに将来に向けては、自動運転や電動車両に対応する車載機器開発体制の強化や新たな機能を発現する新材料の探索など、社会ニーズを踏まえ当社グループの特徴を活かした新製品の開発に注力するとともに、製造現場でのAI*やIoT*活用による生産革新、サイバーセキュリティ対策にも積極的に取り組んでまいります。

 

* AI :Artificial Intelligence(人工知能)の略。

* IoT:Internet of Thingsの略。パソコンやスマートフォンなどの情報通信機器に限らず、あらゆる「モ

ノ」がインターネット等のネットワークに接続されること。

 

最後に、法令遵守や企業倫理の維持は、当社経営の根幹をなすものであり、企業として存続・発展するための絶対的な基盤と考えております。なかでも競争法コンプライアンスは最重要の課題と位置付け、2010年6月に「競争法コンプライアンス規程」を制定して以来、グループ全体でその強化に取り組んでまいりました。今後も、住友事業精神の「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)*という理念のもと、社会から信頼される公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。

 

* 萬事入精:まず一人の人間として、何事にも誠心誠意を尽くすべきとの考え。

信用確実:何よりも信用を重んじること。

不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、一時的な目先の利益、不当な利益の追求を厳に戒めること。

 

(5) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、57,834百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因

当第2四半期連結累計期間において、各セグメントの売上高・営業利益又は営業損失に重要な影響を与えている主な要因は次のとおりであります。

自動車関連事業については、中国や国内での販売数量の増加や銅価格上昇が増収増益要因となりました。情報通信関連事業については、光ファイバ、データセンター向け光ケーブルやアクセス系ネットワーク機器などの拡販を進めたことが増収増益要因となりました。エレクトロニクス関連事業については、電子ワイヤーや携帯機器用FPCの拡販を進めたことが増収要因となり、FPCで全社を挙げて取り組んでいるコスト低減が進捗したことが営業損失の改善要因となりました。環境エネルギー関連事業については、日新電機㈱や住友電設㈱での需要増に加え、銅価格上昇の影響が増収増益要因となりました。産業素材関連事業他については、超硬工具を中心にグローバルでの需要の捕捉に努めたことや、焼結部品において2016年度下期より米国キーストーン社を連結子会社化したことが増収増益要因となりました。

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの当第2四半期連結累計期間における資金の状況は下記のとおりであります。

まず、営業活動によるキャッシュ・フローで104,350百万円の資金を獲得しました。これは、税金等調整前四半期純利益73,450百万円と減価償却費69,259百万円の合計、即ち事業の生み出したキャッシュ・フローが142,709百万円あり、これに運転資本の増減などを加減した結果です。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、86,755百万円の資金を使用しております。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出83,901百万円などがあったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、20,968百万円の資金の減少となりました。これは、長期借入れによる収入18,037百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出20,337百万円、配当金の支払17,942百万円などがあったことによるものです。

以上により、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より591百万円(0.3%)減少し、179,411百万円となりました。また、当第2四半期連結会計期間末における有利子負債は526,474百万円と前連結会計年度末対比15,485百万円増加し、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末対比16,076百万円増加し347,063百万円となりました。

 

(注)本報告書の「第2 事業の状況」から「第4 経理の状況」までの金額には、特に記載のない限り消費税等は含んでおりません。