文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、前連結会計年度の数値は当該会計基準の改正等を遡って適用した後の数値となっております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の日本経済は、相次ぐ自然災害による下押し要素はありましたが、企業業績や雇用・所得環境の改善を背景に底堅さを維持しました。世界経済につきましても、概ね緩やかな拡大基調が継続しましたが、中国では成長鈍化の兆しが見られ、新興国でも通貨安が進むなど不安定要素が増す展開となりました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、自動車では中国などの海外を中心にワイヤーハーネスの需要が堅調に推移し、また、超硬工具や電力ケーブルなどの需要も増加しました。このような環境のもと、当第2四半期連結累計期間の連結決算は、売上高は1,528,360百万円(前年同四半期連結累計期間1,459,217百万円、4.7%増)と前年同期比で増収を確保いたしました。利益面では、拡販と徹底したコスト低減を推進した一方、将来に向けた研究開発費の増加などにより、営業利益は64,286百万円(前年同四半期連結累計期間65,708百万円、2.2%減)、経常利益は73,760百万円(前年同四半期連結累計期間75,034百万円、1.7%減)とそれぞれ減益となりましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益は47,987百万円(前年同四半期連結累計期間42,448百万円、13.0%増)と法人税等の減少により増益となりました。
セグメントの業績は、前年同四半期連結累計期間対比で次のとおりであります。
自動車関連事業
ワイヤーハーネスや自動車電装部品、防振ゴムでグローバルでの需要の捕捉を積極的に進め、売上高は824,621百万円と48,215百万円(6.2%)の増収となりました。営業利益は、グローバルでのコスト低減を推進したものの、将来に向けた研究開発費の増加や価格低下の影響などにより、34,053百万円と6,562百万円の減益となりました。
情報通信関連事業
光ファイバ・ケーブルなどで拡販を進めたものの、一部事業のセグメント変更の影響に加え、アクセス系ネットワーク機器の需要減少などにより、売上高は96,574百万円と6,761百万円(6.5%)の減収となりました。営業利益はコスト低減や品種構成の改善などにより6,413百万円と75百万円の増益となりました。
エレクトロニクス関連事業
電子ワイヤーや照射チューブで拡販を進めたものの、携帯機器用FPC(フレキシブルプリント回路)の減少などにより、売上高は112,865百万円と6,659百万円(5.6%)の減収となりました。営業利益はコスト低減の取組みなどによる採算改善により、1,818百万円と830百万円の増益となりました。
環境エネルギー関連事業
電力用電線ケーブルの拡販を進めたことに加え、銅価格上昇の影響もあり、売上高は357,608百万円と23,734百万円(7.1%)の増収となり、営業利益は7,127百万円と1,026百万円の増益となりました。
産業素材関連事業他
超硬工具や特殊金属線を中心に拡販を進め、売上高は179,434百万円と15,857百万円(9.7%)の増収となり、営業利益は14,972百万円と3,424百万円の増益となりました。
なお、各セグメントの営業利益又は営業損失は、四半期連結損益計算書の営業利益又は営業損失に対応しております。
財政状態は、前連結会計年度末対比で次のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は3,057,639百万円と、前連結会計年度末対比57,736百万円増加しました。
資産の部では、保有株式の時価下落に伴い投資有価証券が減少した一方、たな卸資産の増加や設備投資による有形固定資産の増加により、前連結会計年度末対比57,736百万円増加しました。
負債の部では、主に短期借入金の増加により、前連結会計年度末対比46,389百万円増加しました。
また、純資産は1,775,433百万円と、配当の支払や保有株式の含み益の減少の一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により、前連結会計年度末対比11,347百万円増加しました。自己資本比率は50.7%と、前連結会計年度末対比0.6ポイント低下しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より10,053百万円(5.6%)減少し、170,055百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動の結果得られた資金は、56,433百万円(前年同四半期連結累計期間対比47,917百万円の収入減少)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益72,404百万円や減価償却費72,806百万円から運転資本の増減などを加減したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動の結果使用した資金は、91,019百万円(前年同四半期連結累計期間対比4,264百万円の支出増加)となりました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出84,722百万円などがあったことによるものであります。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・
キャッシュ・フローについては34,586百万円のマイナス(前年同四半期連結累計期間は17,595百万円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動の結果、資金は23,645百万円増加(前年同四半期連結累計期間は20,968百万円の減少)しました。これは、長期借入金の返済による支出40,362百万円、配当金の支払19,502百万円などがあった一方で、短期借入金の純増加64,712百万円、長期借入れによる収入26,707百万円などがあったことによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の世界経済は、引き続き緩やかな回復が続くことが期待されますが、米中貿易摩擦の長期化や新興国経済の不安定化、政治的・地政学的な不確実性の高まりなどにより景気の下振れリスクが強まることが懸念されます。日本経済につきましても、これらの影響により不透明な展開が予想されます。
このような情勢のもと、当社グループは、住友事業精神と住友電工グループ経営理念を事業活動の根底に置き、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)のさらなる進化に努めてまいります。また、“総力を結集し、つなぐ、つたえる技術で、よりよい社会の実現に貢献する”というコンセプトのもと、「グロリアス エクセレント カンパニー」を目指し、2022年度に売上高3兆6,000億円、営業利益2,300億円、ROIC9%以上、ROE8%以上を目標値とする中期経営計画「22VISION」を今年度よりスタートしており、各事業においては次の施策を進めてまいります。
まず、自動車関連事業では、ワイヤーハーネスをコアとするメガサプライヤーを目指し、高電圧ハーネスをはじめとする電動車両向け各種製品、軽量で耐久性に優れた高強度アルミハーネス、自動車の電子制御に対応した電装部品や高速通信用コネクタなどの開発・拡販を加速してまいります。また、海外系顧客のシェア拡大に努めるとともに、電動車両や自動運転、コネクテッドカーの普及を見据えた新製品開発を加速し、さらなる事業拡大に取り組んでまいります。住友理工㈱では、自動車用防振ゴム・ホースなどにおいて、グローバルでの拡販を図りつつ一層の体質強化に努めるとともに、次世代自動車に向けた新製品開発へも取り組んでまいります。
情報通信関連事業では、動画配信・クラウドサービスの拡大等による通信データ量増大や第5世代移動通信システムの整備に伴う光ファイバや次世代光・電子デバイスの需要増への対応に注力するとともに、海底ケーブル用極低損失光ファイバや超多心光ケーブルをはじめとするデータセンター関連製品の拡販も一段と進めてまいります。また、アクセス系ネットワーク機器の新製品拡販とコスト競争力強化にも注力し、収益力のさらなる向上を図ってまいります。
エレクトロニクス関連事業では、携帯機器用FPCにおいては、グローバル生産体制の見直しを進めつつ、生産性改善によるコスト低減に引き続き注力する一方、高精細、薄型化、高耐熱等の顧客ニーズに応える新製品の開発・拡販により、さらなる収益向上を図ってまいります。さらに、電子ワイヤー、照射チューブについても製品開発力と生産能力の向上を図り、引き続き多様なニーズに対応してまいります。
環境エネルギー関連事業では、電力ケーブルの製造体制を強化しコスト低減や品質改善をさらに進めていくとともに、海外の大型電力ケーブルプロジェクトのさらなる受注獲得、国内の設備更新需要の確実な捕捉により収益力の向上を図ってまいります。このほか、電動車両向けのモーター用平角巻線や電池用金属多孔体などの拡販を進め、さらに日新電機㈱や住友電設㈱を含めたグループの総合力を活かして、再生可能エネルギーやスマートグリッド関連事業の拡大にも注力してまいります。
産業素材関連事業では、超硬工具においては、生産能力増強を図り、主力の自動車分野に加え、産業機械・建設機械向けやエレクトロニクス分野への拡販を進め、さらには航空機やエネルギー分野での難削材加工用の新製品開発と拡販を強化してまいります。また、焼結部品においてグローバルでの供給体制の一層の強化を図るほか、PC鋼材やばね用鋼線についても、引き続き生産体制の拡充と拡販に注力してまいります。
研究開発では、オリジナリティがありかつ収益力に優れた新事業・新製品の創出に努めてまいります。具体的には、新しい電力・エネルギーインフラの構築に向けてレドックスフロー電池、集光型太陽光発電装置、エネルギーマネジメントシステム関連製品の早期事業化に向けた開発と国内外での実証試験を加速するほか、超電導製品、マグネシウム合金製品、水処理製品、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体デバイスや次世代通信
ネットワーク用製品などの事業化に注力してまいります。さらに将来に向けては、自動運転や電動車両に対応する車載機器開発体制の強化や新たな機能を発現する新材料の探索など、社会ニーズを踏まえ当社グループの特徴を活かした新製品の開発に注力するとともに、製造現場でのAI*やIoT*活用による生産革新にも積極的に取り組んでまいります。
* AI :Artificial Intelligence(人工知能)の略。
* IoT:Internet of Thingsの略。パソコンやスマートフォンなどの情報通信機器に限らず、あらゆる「モ
ノ」がインターネット等のネットワークに接続されること。
最後に、法令遵守や企業倫理の維持は、当社経営の根幹をなすものであり、企業として存続・発展するための絶対的な基盤と考えております。なかでも競争法コンプライアンスは最重要の課題と位置付け、2010年6月に「競争法コンプライアンス規程」を制定して以来、グループ全体でその強化に取り組んでまいりました。今後も、住友事業精神の「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」*という理念のもと、社会から信頼される公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。
* 萬事入精:まず一人の人間として、何事にも誠心誠意を尽くすべきとの考え。
信用確実:何よりも信用を重んじること。
不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、一時的な目先の利益、不当な利益の追求を厳に戒めること。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、62,783百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、各セグメントの売上高・営業利益又は営業損失に重要な影響を与えている主な要因は次のとおりであります。
自動車関連事業については、ワイヤーハーネスや自動車電装部品、防振ゴムでグローバルでの需要の捕捉を積極的に進めたことが増収要因となりましたが、将来に向けた研究開発費の増加や価格低下の影響などが減益要因となりました。情報通信関連事業については、一部事業のセグメント変更の影響に加え、アクセス系ネットワーク機器の需要減少などが減収要因となりましたが、コスト低減や品種構成の改善などが増益要因となりました。エレクトロニクス関連事業については、携帯機器用FPCの減少などが減収要因となりましたが、コスト低減の取組みなどによる採算改善が増益要因となりました。環境エネルギー関連事業については、電力用電線ケーブルの拡販を進めたことに加え、銅価格上昇の影響が増収増益要因となりました。産業素材関連事業他については、超硬工具や特殊金属線を中心に拡販を進めたことが増収増益要因となりました。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当第2四半期連結累計期間における資金の状況は下記のとおりであります。
まず、営業活動によるキャッシュ・フローで56,433百万円の資金を獲得しました。これは、税金等調整前四半期純利益72,404百万円と減価償却費72,806百万円の合計、即ち事業の生み出したキャッシュ・フローが145,210百万円あり、これに運転資本の増減などを加減した結果であります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、91,019百万円の資金を使用しております。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出84,722百万円などがあったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、23,645百万円の資金の増加となりました。これは、長期借入金の返済による支出40,362百万円、配当金の支払19,502百万円などがあった一方で、短期借入金の純増加64,712百万円、長期借入れによる収入26,707百万円などがあったことによるものであります。
以上により、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より10,053百万円(5.6%)減少し、170,055百万円となりました。また、当第2四半期連結会計期間末における有利子負債は551,406百万円と前連結会計年度末対比58,839百万円増加し、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末対比68,892百万円増加し381,351百万円となりました。
(注)本報告書の「第2 事業の状況」から「第4 経理の状況」までの金額には、特に記載のない限り消費税等は含んでおりません。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。