独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

2023年7月31日

株式会社フジクラ

 

 

 

取締役会 御中

 

 

 

 

 

PwCあらた有限責任監査法人

 

 

東京事務所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

齊藤  剛

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

五代 英紀

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

及川 貴裕

 

<財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社フジクラの2022年4月1日から2023年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社フジクラ及び連結子会社の2023年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

当監査法人は、前連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査上の主要な検討事項として、以下の事項を記載した。

・中国光素線事業における固定資産の減損会計の適用

・FPC事業における固定資産の減損会計の適用

・ワイヤハーネス事業アジアブロックにおける固定資産の減損会計の適用

当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査等委員会とコミュニケーションを行った事項の中から、特別な検討を必要とするリスク又は重要な虚偽表示リスクが高いと評価した領域の変化、会社が重要な判断を行った連結財務諸表の領域に関連する当監査法人の重要な判断、当連結会計年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等、また監査における相対的な重要性や会社に特有の事項を考慮して、監査上の主要な検討事項とする事項について検討した。

その結果、会社の米国連結子会社であるAmerica Fujikura Ltd.のCEOを兼任していた会社の元取締役による不動産の私的流用の疑いに対し会社が実施した調査内容の評価並びに当連結会計年度における不正による重要な虚偽表示リスクの評価及びリスク対応手続に与える影響の検討は、職業的専門家としての慎重な検討が必要であるため、新たに「米国連結子会社における資産の不適切な私的流用への対応」を当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項として追加した。また、ワイヤハーネス事業北南米ブロックにおいて、人件費の高騰及び新車種立ち上げに苦戦し、立ち上げに係る費用が増加した結果、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなったことから、減損損失の認識の判定に関する監査上の相対的な重要性が高まったことにより、新たに「ワイヤハーネス事業北南米ブロックにおける固定資産の減損会計の適用」を当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項として追加した。

一方で、前連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項のうち「中国光素線事業における固定資産の減損会計の適用」については、同事業が当連結会計年度において営業利益を計上したことから、減損損失の認識の判定に関する監査上の相対的な重要性が低くなったことにより、当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項から削除した。

その結果、当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項は、以下の事項とした。

・米国連結子会社における資産の不適切な私的流用への対応

・FPC事業における固定資産の減損会計の適用

・ワイヤハーネス事業アジアブロックにおける固定資産の減損会計の適用

・ワイヤハーネス事業北南米ブロックにおける固定資産の減損会計の適用

 

 

米国連結子会社における資産の不適切な私的流用への対応

連結財務諸表等の注記事項、(追加情報) 米国連結子会社における資産の不適切な私的流用

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

会社は、2023年3月3日の内部通報を契機に、会社の米国連結子会社であるAmerica Fujikura Ltd. (以下、AFL)のCEOを兼任していた会社の元取締役(以下、元取締役)による、AFLの子会社であるAFL Telecommunications LLCを介した不動産の私的流用の疑いがあることが判明したため、日本及び米国にて、会社グループと利害関係を有しない外部の法律事務所を起用し、2023年3月14日から内部調査を行い、同年6月30日に調査結果を受領した。内部調査の結果、元取締役による資産の不適切な私的流用が認められた。

会社は、元取締役による資産の不適切な私的流用の過程で、2021年3月期第3四半期から当連結会計年度第3四半期までの各四半期及び各年度において、会計事象についての会社の判断が歪められたことに起因した連結財務諸表の誤謬を発見した。但し、会社はこれらの影響の金額的重要性に鑑み、当該各四半期及び当該各年度の連結財務諸表の修正再表示は行わず、当連結会計年度の連結財務諸表においてその累積的影響額の修正を行った。この修正の結果、当連結会計年度の連結損益計算書において、修正前と比較して営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ751百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益が579百万円増加した。また、連結貸借対照表において、総資産が247百万円増加、負債が323百万円減少し、純資産が571百万円増加した。

また、会社は、当該内部調査の結果、AFLグループにおいて、以下のような内部統制上の問題が存在していたことが本事案の発生原因であると評価した。

(1)AFLグループの統制環境における不備

(2)AFLグループ内のガバナンス機能における不備

(3)AFLグループのCFOの資質に関する不備

会社はこれらのAFLグループにおける統制環境、ガバナンス機能、及びCFOの資質に関する不備は、AFLグループにおける全社的な内部統制の不備であり、財務報告に重要な影響を及ぼすことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断している。

元取締役は会社の取締役であったこと、CEOを兼任していたAFLグループの財務数値の連結財務諸表における金額的重要性が高いことから、不動産の私的流用の疑いに対し会社が実施した調査内容の評価並びに当連結会計年度における不正による重要な虚偽表示リスクの評価及びリスク対応手続に与える影響の検討は、職業的専門家としての慎重な検討が必要であるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

当監査法人は、会社の米国連結子会社であるAFLにおける資産の不適切な私的流用及びその他の類似事案等に係る事実関係を会社が正確かつ網羅的に把握し、適切に当連結会計年度の連結財務諸表に計上及び開示していることを確かめるため、当監査法人及び当監査法人のネットワーク・ファームの不正調査の専門家を利用し、また当監査法人の指示に基づいて実施されたAFLの監査人の作業を含め、主として以下の手続を実施した。

(1)資産の不適切な私的流用に係る事実関係の正確かつ網羅的な把握

-会社が利用した不正調査の外部専門家の調査報告書について、外部専門家及び経営者に対する質問並びに調査報告書及びその根拠資料の閲覧により、以下の事項を実施した。

・判明した資産の不適切な私的流用の内容の把握

・外部専門家の能力及び客観性の評価

・調査の範囲、実施した手続、調査結果及びその根拠の評価

・デジタルフォレンジック調査の対象の網羅性、データ保全の完全性、キーワードの妥当性、検出された重要事項の内容とその対応結果について、当監査法人及び当監査法人のネットワーク・ファームの不正調査の専門家を利用した評価

・調査対象の取引が資産の不適切な私的流用であると認定した経営者の判断の適切性の検討

-会社の経営者及び監査等委員会へのインタビューを実施した。

(2)類似する不正な取引による重要な虚偽表示の可能性

-会社が利用した不正調査の外部専門家の調査報告書について、外部専門家及び経営者に対する質問並びに調査報告書及びその根拠資料の閲覧により、以下の事項を実施した。

・調査の範囲、実施した手続、調査結果及びその根拠の評価

・会社による、資産の不適切な私的流用の原因分析及び当該原因分析に基づく他の類似する不正な取引発生機会の検討の評価

・デジタルフォレンジック調査の対象の網羅性、データ保全の完全性、キーワードの妥当性、検出された重要事項の内容とその対応結果について、当監査法人及び当監査法人のネットワーク・ファームの不正調査の専門家を利用した評価

-会社がAFLグループの重要な子会社の経営者を対象に実施した、文書による確認事項及び回答内容を評価した。

-会社の他の国内外子会社で類似する不正な取引による重要な虚偽表示が発生する可能性に関する会社の評価の妥当性を検討した。

-会社の経営者及び監査等委員会へのインタビューを実施した。

-判明した不動産の私的流用に関与した元取締役が影響を及ぼし得る内部統制の範囲を検討し、類似する不正な取引による重要な虚偽表示の発生可能性を検討した。

(3)調査結果の連結財務諸表への反映に関する検討

-過去の誤謬について、訂正報告書の提出及び修正再表示を行わないとする会社の判断の妥当性を検討した。

-会社が利用した不正調査の外部専門家の調査結果に基づく必要な決算処理が、網羅的かつ正確に当連結会計年度の連結財務諸表に反映されていることを検討した。

-判明した不正な取引に係る開示情報の妥当性を検討した。

(4)当監査法人は、AFLの監査人の作業について、AFLの監査人とのコミュニケーションや当該監査人が作成した書類の査閲等を通じて、当該監査人の作業の妥当性及び入手した証拠について評価を行った。

 

 

FPC事業における固定資産の減損会計の適用

連結財務諸表等の注記事項、(重要な会計上の見積り)FPC事業の固定資産の減損

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 会社は、2023年3月31日現在、連結貸借対照表において有形固定資産163,156百万円(連結総資産の24.8%)を計上している。その中には、FPC(フレキシブルプリント配線板)事業に帰属する固定資産18,098百万円(連結総資産の2.8%)が含まれている。FPC事業は、報告セグメントの1つであるエレクトロニクス事業部門の主力事業であり、会社は、当該事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としている。

 会社は、2021年3月期において、FPC事業の競争環境の激化や品種構成の悪化に伴い事業の収益性が低下する見通しとなったため、FPC事業に帰属する固定資産に対し減損損失の認識の要否を検討し、15,283百万円の減損損失を計上した。当連結会計年度においても、競合他社の新規参入等により厳しい競争環境が継続していることから、主要な顧客への売上の減少が見込まれており、それを補う新規顧客への売上増加が計画通りに進まないリスクを中期計画に反映した結果、会社は、減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の要否を検討した。この検討の結果、会社は、FPC事業の割引前将来キャッシュ・フローの総額が同事業に帰属する固定資産の減損損失計上前の帳簿価額27,002百万円を下回ることから、使用価値18,098百万円と同事業に帰属する固定資産の減損損失計上前の帳簿価額27,002百万円との差額8,904百万円を減損損失として計上した。

 減損損失の認識の判定及び測定にあたって用いられた割引前将来キャッシュ・フローは、経営者により策定・承認されたFPC事業将来期計画に基づき見積られている。割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、主要顧客への売上及び粗利見込み並びに拠点の統廃合によるコスト低減の仮定を含み、FPC事業の主要製造拠点であるFujikura Electronics (Thailand) Ltd.社が保有する機械装置の残存償却年数を見積り期間として算定している。また、使用価値の算定にあたって用いられた割引率9.60%は、税引前加重平均資本コストが用いられている。

 これらの仮定は経営者の主観的な判断を伴っており見積りの不確実性が高いこと、並びにFPC事業の固定資産残高及び減損損失の計上額に金額的重要性があることから、その評価にあたっては監査上の高度な判断が要求されるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

 当監査法人は、FPC事業における固定資産の減損会計の適用を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。

・FPC事業に関する将来計画の作成及び承認プロセスに係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。

・経営者によって承認された将来計画と、FPC事業の減損損失の認識の判定に用いられた割引前将来キャッシュ・フローとの整合性を検討した。

・FPC事業に関する将来計画の合理性を検討するため、以下の手続を実施した。

-経営者とのディスカッションによるFPC事業に関する事業戦略の理解

-将来計画の策定に際して使用された各種の仮定及びその合理性に関するFPC事業部の役職員への質問

-主要顧客への売上及び粗利見込みに関し、過年度に策定された計画と実績の乖離要因を把握の上、当該乖離要因が将来計画における主要顧客への売上及び粗利見込みに適切に反映されているかどうかの検討

-会社の会議資料の閲覧及びFPC事業部の役職員への質問による、拠点の統廃合によるコスト低減が計画されていることの確認

-重要な仮定の変動に伴う使用価値の変動を評価することによる、重要な仮定に対する感応度分析の実施

-割引率について、税引前加重平均資本コストの算定過程で使用される各要素の合理性の検討

 

 

ワイヤハーネス事業アジアブロックにおける固定資産の減損会計の適用

連結財務諸表等の注記事項、(連結損益計算書関係) ※7. 減損損失

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 会社は、2023年3月31日現在、連結貸借対照表において有形固定資産163,156百万円(連結総資産の24.8%)を計上している。その中には、ワイヤハーネス事業アジアブロックに帰属する固定資産2,920百万円(連結総資産の0.4%)が含まれている。ワイヤハーネス事業アジアブロックは、報告セグメントの1つである自動車事業に含まれており、会社は、当該ブロックを独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としている。

 会社は、ワイヤハーネス事業アジアブロックをタイ、中国、ベトナム等において展開しているが、アジアブロックは、輸送費高騰の影響の結果、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなったことから、減損の兆候があると判断し、当連結会計年度において減損損失の認識の要否を検討した。この検討の結果、会社は、ワイヤハーネス事業アジアブロックの割引前将来キャッシュ・フローの総額が同ブロックに帰属する固定資産の減損損失計上前の帳簿価額5,831百万円を下回ることから、正味売却価額2,920百万円とワイヤハーネス事業アジアブロックに帰属する固定資産の減損損失計上前の帳簿価額5,831百万円との差額2,911百万円を減損損失として計上した。

 減損損失の認識の判定にあたって用いられた割引前将来キャッシュ・フローは、経営者により策定・承認されたワイヤハーネス事業アジアブロックの将来計画に基づき、主要な固定資産の残存償却年数を見積り期間として算定している。将来計画は、顧客からの需要予測等に基づき策定しており、拠点の統廃合によるコスト削減及び不採算品種からの撤退等の仮定を含んでいる。また、ワイヤハーネス事業アジアブロックに帰属する固定資産のうち、不動産の正味売却価額については、外部の不動産鑑定評価の専門家から入手した不動産鑑定評価結果に基づき算定している。

 これらの仮定は経営者の主観的な判断を伴っており見積りの不確実性が高いこと、並びにワイヤハーネス事業アジアブロックの固定資産残高及び減損損失の計上額に金額的重要性があること、さらに上記不動産の正味売却価額は不動産鑑定評価額を基礎とし、その評価には専門性が必要となることから、監査上の高度な判断が要求されるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

 当監査法人は、ワイヤハーネス事業アジアブロックにおける固定資産の減損会計の適用を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。

・経営者によって承認された将来計画と、ワイヤハーネス事業アジアブロックの減損損失の認識の判定に用いられた割引前将来キャッシュ・フローとの整合性を検討した。

・ワイヤハーネス事業アジアブロックに関する将来計画の合理性を検討するため、以下の手続を実施した。

-経営者とのディスカッションによるワイヤハーネス事業アジアブロックに関する事業戦略の理解

-過年度に策定された計画と実績の乖離要因を把握の上、当該乖離要因が将来計画に適切に反映されているかどうかの検討

-顧客別売上計画の策定に際して使用された顧客からの需要予測資料の閲覧

-顧客別の粗利率に関し、過年度の実績及び翌期事業計画における見積りを比較

-会社の会議資料の閲覧及びワイヤハーネス事業部の役職員への質問による、構造改革による費用削減が計画されていること及びその費用削減効果の合理性に関する検討

・正味売却価額の合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。

-経営者が利用した不動産鑑定に関する外部専門家の能力及び客観性の評価

-監査人の不動産鑑定評価の専門家を関与させ、監査人及び当該専門家が独自に算定した不動産鑑定評価額との比較による不動産鑑定評価額の見積りの妥当性の評価

 

 

 

ワイヤハーネス事業北南米ブロックにおける固定資産の減損会計の適用

連結財務諸表等の注記事項、(連結損益計算書関係) ※7. 減損損失

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

会社は、2023年3月31日現在、連結貸借対照表において有形固定資産163,156百万円(連結総資産の24.8%)を計上している。その中には、ワイヤハーネス事業北南米ブロックに帰属する固定資産0百万円(減損損失計上後の帳簿価額、連結総資産の0%)が含まれている。ワイヤハーネス事業北南米ブロックは、報告セグメントの1つである自動車事業に含まれており、会社は、当該ブロックを独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としている。

会社は、ワイヤハーネス事業北南米ブロックをアメリカ合衆国、メキシコ、パラグアイ等において展開しているが、北南米ブロックは、人件費の高騰及び新車種立ち上げに苦戦し、立ち上げに係る費用が増加した結果、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなったことから、減損の兆候があると判断し、当連結会計年度において減損損失の認識の要否を検討した。この検討の結果、会社は、ワイヤハーネス事業北南米ブロックの割引前将来キャッシュ・フローの総額が同ブロックに帰属する固定資産の減損損失計上前の帳簿価額7,392百万円を下回ることから、回収可能価額0百万円と同事業に帰属する固定資産の減損損失計上前の帳簿価額7,392百万円との差額7,392百万円を減損損失として計上した。

減損損失の認識の判定にあたって用いられた割引前将来キャッシュ・フローは、経営者により策定・承認されたワイヤハーネス事業北南米ブロックの将来計画に基づき、主要な固定資産の残存償却年数を見積り期間として算定している。将来計画は、顧客からの需要予測等に基づき策定しており、拠点の統廃合によるコスト削減及び不採算品種からの撤退等の仮定を含んでいる。

ワイヤハーネス事業北南米ブロックの減損損失の計上額に金額的重要性があることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

当監査法人は、ワイヤハーネス事業北南米ブロックにおける固定資産の減損会計の適用を検討するにあたり、当監査法人の指示に基づいて実施されたAmerica Fujikura Ltd.の監査人の作業を含め、主として以下の監査手続を実施した。

・経営者によって承認された将来計画と、ワイヤハーネス事業アジアブロックの減損損失の認識の判定に用いられた割引前将来キャッシュ・フローとの整合性を検討した。

・ワイヤハーネス事業北南米ブロックに関する将来計画の合理性を検討するため、以下の手続を実施した。

-経営者とのディスカッションによるワイヤハーネス事業北南米ブロックに関する事業戦略の理解

-過年度に策定された計画と実績の乖離要因を把握の上、当該乖離要因が将来計画に適切に反映されているかどうかの検討

-顧客別売上計画の策定に際して使用された顧客からの需要予測資料の閲覧

-顧客別の粗利率に関し、過年度の実績及び翌期事業計画における見積りを比較

-発生費用に関し、過年度の実績及び翌期事業計画における見積りを比較

-当監査法人は、America Fujikura Ltd.の監査人が実施した作業の妥当性並びに入手した監査証拠の十分性及び適切性について、当該監査人とのコミュニケーションや当該監査人が作成した書類の査閲等を通じて評価を行った。

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<内部統制監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社フジクラの  2023年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。

当監査法人は、株式会社フジクラが2023年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は開示すべき重要な不備があるため有効ではないと表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

強調事項

内部統制報告書に記載されているとおり、会社の米国連結子会社における全社的な内部統制には開示すべき重要な不備が存在しているが、会社により開示すべき重要な不備に起因する資産流用について内部調査が行われ、その結果特定した必要な修正をすべて連結財務諸表に反映している。

これによる財務諸表監査に及ぼす影響はない。

 

内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任

経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 

 

(注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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