第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 (1)会社の経営の基本方針

  当社グループは、経営理念である「信頼の輪を広げます」のもと、信頼される製品でインフラを支え、社会の安心安全に貢献する会社であり続けることを使命としております。そして、長年積み上げてきた技術とサービスでお客様のニーズを掘り起こし、付加価値を創造する企業体として成長し続けることをビジョンとして掲げております。

  当社グループは、1936年の創業から90周年を迎える2026年に向けた昭和電線グループの経営構想である「SWCC VISION2026」を策定しており、変わりゆく時代においてもその使命を忘れることなく、「迅速」「情熱」「考動」でお客様と社会に一層貢献していくことを方針としております。

 

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 (2)中長期的な会社の経営戦略

  当社グループは、現在、中期経営計画「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)に取り組んでいます。中期経営計画では、建設、電力、通信の基盤事業の生産性向上や事業見直しによる収益力強化、モビリティ・インダストリ(医療・工場自動化)分野を含む新規事業への投資、ワイヤハーネス・電子ワイヤ事業の海外製造拠点への移転等の加速を主な戦略として、2022年度目標売上高2,000億円、営業利益100億円を掲げております。この目標達成のための施策を下記に示しております。

 

①基盤事業の収益力強化

・事業構造改革…国内生産体制の強靭化による収益力改善と安定製造

・事業収益性評価…ROIC経営導入による投下資本効率改善、低採算事業の対処と不採算事業の撤退

・グループ調達による集中購買と開発購買の推進

・AI、IoTを活用したスマートファクトリー構想

②新規事業の創出

・グループ横断の製販技プロジェクトチームによる新規事業の創出

・コアコンピタンス・要素技術の創出とニーズ発掘による新製品開発

・メーカー系IT企業で培ったIT技術によるデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションの推進

 

③海外事業の新展開

・ワイヤハーネス・電子ワイヤ事業および銅・巻線事業の拡大

・海外ガバナンス体制強化

 

  2020年度におきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止策を徹底する一方で中期経営計画に基づいた各種の施策についても着実に進めてまいりました。基盤事業の収益力強化については、ROIC(投下資本利益率)を経営指標とする事業構造改革に取り組み、ゴム線事業の売却や事業会社の統廃合を進めてまいりました。新規事業の創出については、DX推進のためのソリューション強化の一環として、㈱アクシオにおいてクラウドID管理サービスに関する業務資本提携に向けた準備を進めてまいりました。また、海外事業の新展開については、精密デバイス事業でベトナム製造拠点への移管を進めるとともに、ワイヤハーネス事業ではさらなる事業拡大を目指し、中国現地法人である嘉興昭和機電有限公司の新工場建設のため約16億円の投資を決定し、着工いたしました。

 

 (3)経営環境および優先的に対処すべき事業上の課題

  当社グループを取り巻く経営環境としては、国内電力インフラに関する安定した需要や、今後拡大が見込まれる5G関連需要、脱炭素社会に向けた取り組みの中で環境対応車をはじめとする環境配慮型製品に関する潜在的な需要が見込まれるものの、足元では新型コロナウイルス感染症の影響が継続することによる国内経済の足踏みも懸念されております。

  このような経営環境において、当社グループは、新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底を継続していくとともに、人員および拠点の抜本的な再配置や事業ポートフォリオの見直し、持続的成長に向けたESG経営の強化を進めながら、ROICを重要な経営指標と位置づけ、一層の資本効率向上に向けて取り組んでまいります。

 

①昭和電線グループの中期経営計画「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)

  2021年度連結業績予想および現中期経営計画の2022年度連結業績目標は以下のとおりとなっております。

(単位:億円)

 

2020年度実績

2021年度予想

(収益認識基準適用前)

2021年度予想

(収益認識基準適用後)

2022年度目標

(収益認識基準適用前)

売上高

1,616

2,000

1,800

2,000

営業利益

75

86

86

100

経常利益

77

83

83

95

親会社株主に帰属する

当期純利益

49

68

68

66

営業利益率

4.7%

4.3%

4.8%

5%以上

配当性向

12%

18%

18%

約20%

有利子負債

376

390

390

380以下

DEレシオ

79%

73%

73%

70%以下

純資産

481

543

543

550以上

自己資本比率

36.7%

38.4%

38.4%

38%以上

ROIC

6.3%

6.7%

6.7%

7%以上

  (注)1.DEレシオは自己資本で算出しております。

     2.当社グループは2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)および「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用いたします。当該基準適用後の当社グループの2022年3月期連結業績予想につきましては、上記「2021年度予想(収益認識基準適用後)」に記載のとおりとなります。

 

②セグメント別の状況および課題

  各セグメントの状況および課題については以下のとおりであります。

(エネルギー・インフラ事業)

  エネルギー・インフラ事業は、国内の電力インフラ、建設関連向けの電線・ケーブル、免制震部材が主体の事業となっております。

  電力インフラでは、国土強靭化対策による底堅い需要に加えて、再生可能エネルギーへのシフトに伴うさらなる需要増加も見込まれることに対して、主力製品である接続部品(SICONEX®)の増産強化を進めてまいります。また、施工作業員が不足している課題に対しては、接続工事技術の効率化・省力化にサステナブルな人材育成プログラムを付加した接続工事システムの展開を新たなブランド(SICOPLUS™)の下で進めてまいります。

  建設関連向けの電線・ケーブルでは、今後の国内建設需要の増加が見込み難い中で、DX推進によるビジネスプロセスのデジタル化等を進めることにより収益力の強化を図ってまいります。

 

 

(通信・産業用デバイス事業)

  通信・産業用デバイス事業は、国内やアジア圏向けの通信ケーブル、家電や産業機器向けのワイヤハーネス、複写機向け精密デバイスが主体の事業となっております。

  通信ケーブルでは、5Gサービス拡大や生活様式の変化による通信環境向上ニーズの高まりに伴う需要の取り込みに注力するとともに、現在分散している開発・製造拠点を集約することで収益力を強化してまいります。

  ワイヤハーネスは、主に中国を中心とする旺盛な家電向け需要の取り込みに注力するとともに、さらに海外展開を強化するために嘉興昭和機電有限公司の新工場建設に着工しており、2021年12月の稼働を予定しております。

  精密デバイスは、今後のサプライチェーンの変化に対応するため、昭和電線ケーブルシステム㈱海老名工場にある製品開発部門と一部生産ラインを同社相模原事業所に移転し、製品開発力の強化を図ると共に、海外向けの生産ラインをベトナムにある同社の100%子会社である
SWCC SHOWA(VIETNAM) CO., LTD.に移管し、地産地消をさらに加速させます。なお、2022年3月末までに海老名工場の売却完了を予定しております。

 

(電装・コンポーネンツ事業)

  電装・コンポーネンツ事業は、電線導体用の線材や汎用モータ用の巻線等の一般汎用製品と、無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線等の高品位線材や、環境対応車向け高機能巻線といった高機能製品が主体の事業となっております。

  高機能製品は、第3四半期以降に特に自動車向けを中心に好調な需要が継続いたしましたが、今後も環境対応車向け需要の増加に合わせて収益性の高い同製品の販売割合を高めるべく、無酸素銅MiDIP®の生産体制を増強していくとともに、ヒータ用銅合金線ではその特性を生かした用途拡大に向けた開発、製造体制の強化を推進してまいります。

 

(新規事業)

  新規事業では、モビリティ、インダストリ、ITを軸に新たな事業創出に向けて取り組みを推進しております。モビリティでは、CASE、MaaS関連の車載向け製品へ注力しており、インダストリでは、新型コロナウイルス禍で加速することが見込まれる遠隔医療やスマートワーク化へのシステム、ネットワーク機器需要の取り込みを推進しております。

 

 

③ESG経営の強化

  当社グループは、「信頼の輪を広げます」の経営理念のもと、社会インフラを支える製品の供給を通じて責任を全うしていくことが社会との関わりの根幹であると認識し、事業を行ってまいりました。2020年5月には、持続可能な社会づくりを目指し、環境中長期計画「Green Plan 2050」を策定したほか、2021年2月には2021年度スタートの5か年計画「第7次昭和電線グループ環境自主行動計画(ボランタリープラン)」を発表しております。

  今後も、ESG経営を強化し、SDGsの活動を通じてすべてのステークホルダーの皆様に貢献できるよう努めてまいります。

 

(E/環境対策)

  当社グループでは、環境中長期計画「Green Plan 2050」において脱炭素社会への貢献目標を明確にするほか、このマイルストーンとして2030年度には2013年度対比でCO2削減量35%を目指すという目標を掲げております。「第7次昭和電線グループ環境自主行動計画(ボランタリープラン)」では、CO2削減に加え、産業廃棄物の埋め立て処分量の削減、水資源の有効活用等の目標を定めました。

  当事業年度においては、昨年に続き環境配慮型製品の開発と製品化を促進し、調達においてもサプライヤーの環境対応を勘案してグリーン調達を行いました。また、新たな取り組みとして「プラスチック使用ガイドライン」を制定し、プラスチック使用量削減の取り組みを強化したほか、㈱日本政策投資銀行のDBJ環境格付では、「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」である最高ランクの格付けを2年連続で取得し、同制度に基づく融資を受けました。

 

(S/社会との関わり)

  当社グループでは、人材育成プログラムや新人事制度の導入、働き方改革、ダイバーシティの推進等、社員一人ひとりが自分の能力を活かして活躍し、会社とともに成長していける職場環境づくりに努めています。また、健全かつ安定した労働力の確保は、企業競争力の強化につながることから、「健康経営」を推進し、代表取締役社長を中心とした健康経営推進体制により、昭和電線健康保険組合、産業医、保健師と連携しながら取り組んでおります。こうした取り組みは、子育てサポート企業を対象とする「くるみん」の認定や「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」の認定等、高い外部評価を獲得しています。

  当事業年度においては、活力と競争力ある組織を目指して、年功序列を廃止し、役割と能力によって給与が決まる新人事制度を導入しました。また、「ハラスメントポリシー」や「社会貢献活動方針」の策定に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に合わせた、テレワークおよび時差通勤対象者の拡充等、働きやすい職場環境づくりに努めました。そのほか、社会インフラを支える企業として、品質を守る取り組みにも力を入れています。2021年度からは、グループCEO直轄組織として安全・環境・品質統括室を設置しました。今後もコンプライアンスを重視しながら、より良い製品づくりに取り組んでまいります。

 

(G/ガバナンス改革)

  当社グループでは、監査等委員会設置会社の下で事業セグメント体制をとっており、業務執行の効率化・迅速化と監督機能の強化の両立を図っております。

  当事業年度においては、独立社外取締役を2名から3名に増員することで監督機能の一層の強化を図るとともに、業務執行における株主の皆様との一層の価値共有を図るために、業務執行取締役および執行役員に対して譲渡制限付株式を付与する報酬制度を導入いたしました。また、中長期的なマネジメント体制の構築を目的として、「SWCC次世代経営者サクセッションプラン」を策定し、経営者候補の選抜および育成にも取り組んでおります。

 

 (4)2021年度経営方針

  2021年度も引き続き新型コロナウイルス感染症による事業への影響を免れない状況が見込まれますが、2020年度に定めた変革を着実に実行するとともに、市場や環境の変化に応じた柔軟でスピード感のある判断と施策を実施することで、このような経営環境下にあっても、より一層、経営体質を強化し資本効率を高めてまいります。その観点から、2021年度のグループ経営方針は次の4点としております。

・コーポレートと事業セグメントが一体となり、柔軟性やスピード感ある判断と施策の実施

・ROIC経営の考え方の浸透、資本コストを意識した構造改革、事業改革の推進

・オープンイノベーションを取り入れ、新規事業の立上げを加速

・安全・環境・品質への取り組みを強化

 

 (5)次期中期経営計画の策定

  計画目標の早期達成や事業環境の変化を踏まえて、現中期経営計画を見直し、創立90周年である2026年度を最終年度とする新たな中期経営計画の策定を進めております。次期中期経営計画については、本年11月の公表を予定しております。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループにおいて、リスクとは、経営の目的の達成を阻害する潜在的な要因であると定義しております。

 また、リスクを適切に管理することは、経営上極めて重要な課題であるとの認識のもと、当社グループはリスクマネジメント委員会を中心とするリスクマネジメント体制を整備しております。具体的な本委員会の構成としては、グループCEOを委員長、当社取締役および執行役員、主要事業会社の社長を委員としております。グループCEO統括のもと、本委員会にて、リスクの評価およびリスクマネジメント計画、対応策、年間を通したマネジメントサイクルの結果を、適時に取締役会へ報告しております。また、リスク統括部署として経営管理統括部内にリスクマネージメント室を設置し、規則、ガイドラインの制定および教育研修をはじめ、事業の継続発展のために不可欠な全社的リスクマネジメント体制の強化を図っております。

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 リスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要リスクについては、本委員会にてリスクを識別、分析、評価をして判断しております。具体的には、グループ各社から挙げられたリスクを数値化する等して定量的に分析を行い、その上で当社グループとして重要な影響を及ぼす可能性があるリスクを主要リスクとして評価、対策を行っております。評価した主要リスクとしては、以下のようなものがあります。

 なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

【2020年度主要リスク】

リスク項目

認識しているリスク内容

主要な取り組み

残存するリスク

自然災害等

〇以下の自然災害等による製造拠点の操業停止や物流機能の麻痺等

・大規模な地震・台風・洪水等の自然災害

・火災等の事故

・事前に想定されるリスクに対して円滑な初期対応を講じるために、サプライチェーンを含めたBCP(事業継続計画)を策定

・製造拠点ではインフラ設備の強靭化投資を計画的に実施

・電力不足・物流の停滞等により社会インフラ機能そのものの低下が長期化する等、計画的な生産活動に大幅な制限が生じた場合の業績等への重要な影響

原材料価格

〇主要原料の銅の価格変動

〇ポリエチレン等の石油化学製品の価格変動

・グループ調達を統括する組織による管理強化

・計画的な安定調達実施による在庫削減

・製品価格へのスライド転嫁

・先物取引等を活用した銅価格変動リスクヘッジ

・製品価格への転嫁が困難な場合や相場が大きく下落する局面での損失が生じた場合の業績等への重要な影響

 

パンデミック

新型コロナウイルス感染症による影響

・新型コロナウイルス緊急対策本部による対応(従業員の安全確保、社内外の感染抑止等)

・オンラインツール等を活用したビジネス継続体制の構築

・感染症の継続による市場縮小、サプライチェーンの寸断または事業活動の制限による財政状態および経営成績への重要な影響

為替変動

〇海外売上(全体の9.2%)に係る為替リスク

〇海外子会社の為替評価損、連結決算での円換算による影響

・資産、負債の均衡化

・為替予約等のヘッジ取引

 

・急激な為替変動リスクによる業績等への重要な影響

 

 

人材確保

〇長年培ってきた技術・技能を有する人材の高齢化や流動化

〇経営上必要な人員の確保

・優秀な人材や事業運営上必要となる資格者の確保と育成

・教育システムの充実

・シニア活用を促進する人事制度導入

・IoT(Internet of Things)やRPA(Robotic Process Automation)の活用による省人化や業務の効率化による人的資源確保

・人事運営上の制約や事業上の機会の逸失が生じた場合の業績等への重要な影響

 

 

 その他、当社グループが認識している業績等に重要な影響を及ぼす可能性がある経営上のリスクは以下のとおりであります。

 

①金利に係るリスク

 当社グループでは、銅等の原材料調達のための運転資金や設備投資のための長期安定的資金を必要としており、当事業年度末現在の有利子負債は376億円であり、総資産に占める割合は29.1%であります。

 これに対して、棚卸資産の圧縮による運転資金の削減や保有資産の売却による資金調達、グループファイナンスによる資金運用の効率化を実施することで有利子負債の削減に取り組んでおりますが、金利が大幅に上昇した場合には金融費用の負担が増加するおそれがあり、また、金利変動のリスクに対しても、金利スワップ等のヘッジ取引により一定限度まで低減しております。

②品質問題に係るリスク

 当社グループでは、製品の品質に関しては、常にその特性に応じた最適な品質保持を心がけて品質管理の徹底に努めており、当社の品質管理部門を中心とする品質マネジメント体制を構築しております。

 しかしながら、品質保持の取り組みの範囲を超えて重大な品質問題等が発生した場合には、当社グループの製品・役務に係る欠陥・不良等に起因する損失補償や製造物責任訴訟等の問題に発展する可能性が皆無ではなく、さらに当社グループの信用の毀損に繋がるおそれもあります。

 このようなリスクを未然に防止し、継続的な品質管理体制を強化するため、グループCEO直轄組織として安全・環境・品質統括室を設置いたしました。また、このリスクに対して、賠償に備えた保険の加入等も行っております。

③設備投資に係るリスク

 当社グループでは、電線・ケーブル等をはじめとする社会インフラ整備に必要不可欠な製品を製造しており、その品質の安定と生産性の向上のために、将来の受注動向や減価償却費の推移等を勘案しながら、計画的に新規製造設備の導入や既存設備の改良・更新を進めております。

 しかしながら、経営環境や受注動向に著しい変動が生じた場合や、自然災害等における被害が生じた場合、既存設備の老朽化が想定を超えて進展した場合には、当初の設備投資計画の見直しを迫られるおそれがあります。

④海外事業展開に係るリスク

 当社グループの海外における事業展開やその拠点は、主に中国に集中しており、同国における法制度や行政上の取り扱い等の変更によっては、当社グループの同国内での事業活動に支障をきたすおそれがあり、また、人民元のレートの大幅な調整や、中国経済の失速は、当社グループの業績に直接的な影響を及ぼしかねません。

 このようなリスクに対しては、当社グループは、パートナー企業との連携をさらに強化するとともに、ベトナムをはじめとする中国以外の海外事業展開を推進する等により、リスクの低減に努めております。

 

⑤コンプライアンスに係るリスク

 当社グループは、国内および海外において事業展開する上で、各規制当局より各種法制・税制に関する規制を受けるとともに、取引先等に対しては、契約上・取引上の義務を負っております。このため、当社グループは、社内規程の整備や従業員への定期的な教育等を通じて、コンプライアンスの徹底を図っておりますが、それにも係わらず、法令・契約等に違反する事象が生じた場合には、各規制当局から処分・制裁等を受け、また取引先等の関係者から損害賠償や取引の停止を求められる等の可能性があります。

 また、移転価格税制に関するリスクについては、当社グループ内における海外子会社等との取引価格には、細心の注意を払い決定しておりますが、税務当局との見解に相違が生じた場合には、税負担の増加等により、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

⑥知的財産権に係るリスク

 当社グループは、技術とノウハウに関する権利保護に注力しており、技術系社員全員に対して特許教育を継続的に行うだけでなく、製品開発や発売の際には特許調査等を徹底して実施しております。しかし、事業展開する上で第三者から知的財産権を侵害されるおそれがあり、また、当社グループの製品または技術に対して、第三者から権利侵害を主張されるおそれもあります。自らの知的財産権を保護するためには訴訟等を通じた対応も必要となり、その場合には、多額の費用と経営資源が費やされるおそれがあり、さらに第三者の権利侵害の申し立てが認められた場合には、重要な技術が利用できなくなる等の可能性があります。

⑦情報管理に係るリスク

 当社グループは、事業活動の過程で、取引先等の個人情報や当社グループおよび取引先の技術、製造、販売、研究開発等に関する機密情報を保有しております。

 これらの情報へのサイバー攻撃や不正アクセス、不適切な取扱いによる情報流出等を防ぐため、情報セキュリティシステムに関する技術的な強化や情報管理に関する社内規程の整備、従業員への教育に努めるだけではなく、ネットワークのセキュリティ強化に対して継続した投資を行っております。しかし、流出等のリスクは完全には回避できないため、その場合には、金銭的補償や信頼回復に向けた対応に多額の費用を要する等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

 当連結会計年度末における資産合計は1,294億60百万円で、前連結会計年度末より69億38百万円増加しております。その内訳としては、流動資産の増加35億28百万円、固定資産の増加34億10百万円であります。流動資産の増加は、主に受取手形及び売掛金が増加したことによるものであります。固定資産の増加は、主に退職給付に係る資産が増加したことによるものであります。

 当連結会計年度末における負債合計は812億90百万円で、前連結会計年度末より12億49百万円減少しております。その内訳としては、流動負債の減少8億98百万円、固定負債の減少3億50百万円であります。流動負債の減少は、主に短期借入金の返済によるものであります。

 当連結会計年度末における純資産の合計は481億69百万円で、前連結会計年度末より81億87百万円増加しております。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益49億66百万円を計上したこと、その他の包括利益累計額合計が36億43百万円増加したこと等によるものであります。

 当社グループは2019年11月に中期経営計画「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)を策定し、その中で財務体質の健全化を財政政策の優先方針としております。当連結会計年度末の有利子負債は前連結会計年度末より46億14百万円減少376億89百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度比で4.4ポイント増の36.7%となりました。その結果、DEレシオは当連結会計年度末で79%となり、前連結会計年度比で28ポイントの改善となりました。

②経営成績の状況

   当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による停滞から第3四半期以降回復の兆しが見られましたが、感染症の再拡大により予断を許さない状況が継続しております。また、海外においては米中関係の緊張や新型コロナウイルス感染症の影響があり、ワクチンの接種が進みつつあるものの、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

   電線業界におきましては、第1四半期までの大きな落ち込みから徐々に回復し、第3四半期以降自動車用ワイヤハーネス、産業機械等の電気機械向けや建設・電販向け電線の需要は回復しましたが、電線全体の需要は前年度の水準には至りませんでした。

  このような環境下、当社グループでは本社・営業所等でのテレワークや時差通勤の強化等、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底した上で事業活動を継続し、柔軟な生産調整や不要不急経費の削減等の施策を実施することで、感染拡大による事業への影響を最小限にとどめるべく努めてまいりました。その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、第1四半期は落ち込みが見られたものの第2四半期からは回復に転じ、第3および第4四半期では前年度を超える営業利益となったことから、売上高は1,616億97百万円(前年度比5.5%減)営業利益は75億90百万円(前年度比11.8%減)経常利益は77億65百万円(前年度比1.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は49億66百万円(前年度比9.1%減)となりました。

  セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

(エネルギー・インフラ事業)

  国内電力インフラ向け需要は第2四半期を中心に当初予定された東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせた工事停止の影響を受けました。建設関連向け需要は第2四半期以降緩やかに回復しながら推移したものの、全般において前年度の需要水準には至らなかったこと等から、当事業の売上高は865億21百万円(前年度比2.2%減)営業利益は54億26百万円(前年度比11.4%減)となりました。

 

(通信・産業用デバイス事業)

  第1四半期は建設関連が低迷した影響を受けましたが、第2四半期からは、5Gサービス関連等の国内向け通信ケーブル需要が動き出し、産業用デバイス関連でも中国市場を中心に需要が回復してまいりました。しかし、全般において前年度の需要水準には至らなかったこと等から、当事業の売上高は269億56百万円(前年度比11.6%減)営業利益は18億47百万円(前年度比26.5%減)となりました。

 

(電装・コンポーネンツ事業)

  重電向け等の汎用巻線の需要は低迷いたしましたが、利益面では、第3四半期以降、自動車向け高機能製品の需要が好調であったこと等から、当事業の売上高は430億63百万円(前年度比8.7%減)営業利益は7億34百万円(前年度比29.1%増)となりました。

 

(その他)

  全般的な収益構造の見直しを進めたこと等により、売上高は51億55百万円(前年度比3.1%増)営業利益は2億87百万円(前年度比280.6%増)となりました。

(注) 上記、各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高または振替高を含めておりません。

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、40億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億39百万円減少しております。

 中期経営計画における財務政策の方針に基づき、当連結会計年度において営業活動より生み出されたキャッシュ・フロー88億82百万円(うち減価償却費31億83百万円)を、将来の事業規模の維持・成長のための投資(固定資産取得35億16百万円)や株主への配当(4億47百万円)、借入金の返済(46億75百万円)に配分しております。

④生産、受注および販売の状況

 当社および連結子会社の生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も含まれるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため、生産、受注および販売の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載のとおりであります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度における経営成績については、特に第1四半期は新型コロナウイルス感染症の影響を受け前年度の収益を大きく下回ることとなりました。第2四半期以降はエネルギー・インフラ事業および通信・産業用デバイス事業で、第3四半期以降は自動車向け高機能製品を中心に電装・コンポーネンツ事業で需要が回復し、第3および第4四半期だけでは前年度を上回る営業利益となりましたが、通期としては前年度の収益水準には至りませんでした。

 このように当連結会計年度は当社グループの事業全般において新型コロナウイルス感染症が需要に及ぼす影響を受ける結果となりましたが、一方で、そのような状況においても全社的な感染防止対策と徹底した収益改善施策に取り組むことで、その影響を最小限にとどめることができました。

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、現中期経営計画である「Change SWCC2022」ローリングプラン(2019)で掲げた2022年度目標売上高2,000億円、営業利益100億円の達成に向けて、基盤事業の収益力強化、新規事業の創出、海外事業の新展開を基本戦略とする各種の施策を推進しております。2020年度においても、ROIC向上のための事業統廃合、DXソリューション強化のための業務資本提携、海外事業強化のための中国ワイヤハーネス新工場の着工などに取り組んでまいりました。

 今後も引き続きROICを経営指標とする事業構造改革に取り組んでまいりますが、合わせて、創立90周年である2026年度を見据えた新たな成長戦略を含む次期中期経営計画の策定を現在進めております。

⑤経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

資本の財源および資金の流動性について

 当社グループは、安定した財務基盤の強化に努めつつ、中長期的な将来の成長に向け、生産拠点の再構築、強靭化及び製造能力の増強等による基盤事業の収益力強化や、新規事業の創出、海外事業での新工場の立ち上げ等の設備・技術投資にもキャッシュ・フローを戦略的に振り向けてまいります。

 また、個々の取り組みとしまして、営業活動によるキャッシュ・フローでは、収益のみならず資産効率の改善にも努めて、その最大化を目指しております。

 投資活動によるキャッシュ・フローでは、合理化や成長分野向けの設備投資等を中心に、2021年度は償却額を大幅に上回る投資額を計画しておりますが、資産売却収入により、例年並みの水準となる予定です。財務活動によるキャッシュ・フローでは、有利子負債の削減に努めつつ、配当政策に基づき株主への還元を行ってまいります。

 財務活動によるキャッシュ・フローでは、有利子負債の削減に努めつつ、配当政策に基づき株主への還元を行っていきます。なお、複数の金融機関でコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性を確保しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

      該当事項はございません。

5【研究開発活動】

 当社グループは、長期ビジョン「SWCC VISION2026」および中期経営計画「Change SWCC2022」で掲げた「技術力と創造力で未来をつなぐ」をテーマに"モビリティ"、"スマートインフラ"、"スマートインダストリー"を中心にESG経営のもと研究開発を実行しております。

 基盤事業であるエネルギー・インフラ事業、通信・産業用デバイス事業、電装・コンポーネンツ事業では、高い公共性を有するインフラや自動車や医療分野に大きく関わる「信頼」に根差した新製品の開発を行っております。また新規事業ではIT分野への展開をはじめ、モビリティ・インダストリーといった電線事業以外の領域への新製品・商品開発やラインナップ増強を推進しております。

 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額1,276百万円であり、その成果は次のとおりであります。

 

 (エネルギー・インフラ事業)

当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および冨士電線㈱を中心に進められております。

当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮した電力機器部品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開しております。2020年度には、特別高圧の電力量計であるVCT(電力取引用計器用変圧変流器)用のダイレクトモールドブッシングの開発を行いました。また、今後の154kV変圧器更新需要を見据えた「154kV T形終端接続部」の開発を進めております。

耐火電線では、建築物大規模化・高層化に対応し従来の30分/840℃の加熱条件から、より長時間(60分/925℃)の火災環境に耐え、かつ低発煙・ノンハロゲン材料で構成された1時間低圧耐火ケーブルを開発し販売を開始しました。

汎用電線分野では、循環型社会に対応しリサイクル困難な架橋ポリエチレンの再利用を開始しました。また、トンネル照明用分岐付ケーブルおよびコネクタのラインナップに、新たにトンネル入口警告灯照明用として遮へい付分岐付ケーブルおよびコネクタを開発し、販売を開始しました。

免震分野では、環境貢献製品である錫プラグ入り積層ゴムの開発や文化財保護技術として伝統木造建築物の制振構造化等を大学・設計事務所および建設会社とともに調査し、(一社)日本建築学会や海外の学会に発表しております。得られた知見をもとに当社製品の開発、設計を継続実施することで、これまでのスクラップアンドビルド以外の選択肢を顧客に提示できるようにしております。

制振・制音分野では、高速道路の防犯体制強化に伴う監視カメラの設置数増加計画に基づき、照明柱に設置するカメラの映像ブレ対策用防振装置を開発し、フィールド試験を実施しました。

当事業に係る研究開発費は391百万円であります。

 

 (通信・産業用デバイス事業)

当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、冨士電線㈱を中心に進められております。

光通信分野では、2020年からサービスが開始された5Gや高度化サービスの普及展開に必要な無線基地局用光ケーブルの開発を継続して進めております。総務省の高度無線化事業にも使われている光ローラブルケーブルは、データセンター内光配線で需要が拡大することが見込まれております。細径・高密度化の要求が民需用途でも進むと想定し、ラインナップ増強のための開発を継続しております。

データセンターを取り巻く市場では、クラウド化の進展によりLANケーブルの需要も拡大すると想定されております。さらなる高速化要求に対応する25/40ギガビット伝送に対応したCategory 8(Cat.8)ケーブルの開発を継続しております。LANケーブルの新製品としては、工場等の過酷な高温環境で使用できる125℃耐熱LANケーブルのラインナップを増強しました。従来の超細径仕様の製品は最大配線長が40mでしたが、今回開発した125℃耐熱LANケーブルは最大60m~80mまで配線可能となりました。また、工場・製造現場用途として高遮へい・高温環境に加え過酷なノイズ環境においても使用可能な製品もラインナップしました。

 

通信ケーブル関係では、道路のトンネル内で電波遮へい対策として使用される漏えい同軸ケーブルと機器を接続するコネクタを国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)へ登録しました。

精密デバイス関連では、プリンタ・複写機・商用印刷機に使用される定着ローラ、加圧ローラ、ベルト等の開発を継続し、省エネ・環境対応・超高画質化などに対応した製品の市場投入を継続しております。また、高品質・低コストを目指した生産革新ラインを構築し、生産性を従来比5倍に高めました。

当事業に係る研究開発費は131百万円であります。

 

 (電装・コンポーネンツ事業)

当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、昭和電線ユニマック㈱を中心に進められております。

線材では、高機能無酸素銅を(MiDIP® OFC/ミディップ オーエフシー)ブランドとして主に車載用途の巻線素材展開しております。無酸素銅製造技術をさらに高めるために低レベル酸素濃度を連続的に計測するシステムの開発を進め、無酸素銅の増産を進めております。また当社無酸素銅の特徴を活かし押出製法とのコラボレーションによる伸銅製品開発・拡販にも注力しております。

銅銀合金は高強度・高導電性・高屈曲特性の特長を備えた銅合金であり、高導電率特性を活かして自動車のシートヒータ、ハンドルヒータへの適用だけでなく、電動化対応としてバッテリーヒータ用途への展開をしております。さらに進歩が著しいカテーテル治療などの医療関連、そして極細線製造技術を応用した半導体市場への適用等、高強度・高導電性・高屈曲性へのニーズに応えるための開発を進めております。

巻線では、高耐熱性および高効率・高信頼性が要求される車載機器関連分野においてポリイミド樹脂被覆の高電圧仕様のエナメル平角線を増産しております。現在、車載機器以外のモビリティ分野などでの適用検討をしており、顧客との協業による開発に注力しております。また5G機器やPC・サーバに使用される電子部品向けとして、耐熱性および耐加工に優れた絶縁材料を開発し、当社独自の加工技術により製造した巻線を開発・上市し、採用が進んでおります。顧客使用条件に対応した改良を行い、ICT、IoTの進展に合わせて、適用拡大を進めてまいります。

電子機器分野の巻線応用製品として、弊社独自の耐熱性および耐加工に優れた材料と線材加工技術を生かし、高強度と高導電率を合わせ持った配線材の製品開発を進めております。

当事業に係る研究開発費は5百万円であります。

 

 

 (新規事業・その他)

当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、㈱アクシオを中心に進められております。

自動車用電線・応用製品分野では、銅合金線やアルミ合金線技術を活かし、高い機械的強度を有する細径電線の開発をしております。また、通信・ワイヤハーネス分野で培った技術を応用し、先進運転支援システムや自動運転用途の自動車内データを高速処理するための、細径・小型・防水化された車載高速通信ケーブルおよび加工品の製品開発を進めております。

ヘルスケア分野においては、遠隔医療・医療情報システムや、手術室における高精細医用映像システムに不可欠な高速・大容量ネットワークを支える配線部材、システム構築の提供について検討しております。また、低侵襲性医療における次世代ヘルスケア用途として、ロボット医療・介護、高度医療機器に必要とされる製品の技術開発を進めております。

超電導システム製品では、三相同軸超電導ケーブルシステムをBASFジャパン㈱戸塚工場に全長約200m実証試験線路を建設し、2020年11月から工場の省エネルギー化の実証試験を開始しました。実証試験は2021年9月まで行い、液体窒素での冷却検証のほか運用コストや安全性を確認いたします。民間工場の実系統に三相同軸超電導ケーブルを導入した実証試験は世界で初めてとなります。

 

ICT分野では、企業におけるクラウドサービスの利用が年々増加しており、またDXの推進やテレワークの増加、内部不正による情報漏洩に対し、ゼロトラストネットワークへの移行が始まっております。このような環境を実現する為にはIDを中心とした認証基盤の構築が必要で、㈱アクシオでは長年培ってきたノウハウを活かし容易に認証基盤の構築を可能とするパッケージ(アクシオモデル)を発表しました。また、クラウド環境におけるID管理を実現するパッケージを有するKeyspider㈱に出資し、ゼロトラストネットワークでの認証基盤事業展開を拡大させていきます。

当事業に係る研究開発費は747百万円であります。