当社を取り巻く経営環境は、経済のグローバル化による競争の激化、新興国の台頭、為替相場の変動等大きく変化しており、特に、下記の課題についての対処が不可欠となります。
(1)グローバル展開の加速
近年急激に増加しつつある地政学的リスク・環境リスクを踏まえて、グローバルオペレーションの確立により業務を効率化し、ブランド力の高付加価値化を実現してまいります。
(2)価格競争力強化
国内外において価格競争は年々厳しくなっております。これに対応するため生産効率を高め,コストダウンをはかり価格競争力を強化してまいります。
(3)顧客のニーズにあった製品開発
5G・IotなどのIT進化に伴い、顧客ニーズは変化しておりますので、こうした変化に迅速に対応してまいります。
(4)次世代を担う新規事業領域の開拓
現行の当社グループ事業における業績は安定しておりますが、将来に向けて新規事業領域を開拓すべく研究開発活動に注力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2020年3月23日)現在において判断したものであります。
(1)需要動向に関するリスク
当社グループの製品は、ケーブル、ハーネス、コネクタ、機器(パッシブ・電子)からなり、主に電設業界、放送機器業界向けに販売されており、これらの業界向け製品は、2019年12月期では当社国内売上において74%を占めております。したがって、これらの業界の設備投資動向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(2)海外事業リスク
当社グループは生産拠点を中国、販売拠点を米国、韓国、中国、台湾、ドイツ、シンガポール、インド、中東に置き、その他地域は当社から直接輸出する形で海外事業を営んでおりますが、事業活動を行うにはそれらの国における認可、税制、金融、輸出入等に関する各種法的規制や経済政策等の影響を受けます。将来において、これらの規制や政策等の変更が行われ、これらを遵守することが困難になったり、遵守するためのコスト負担の増加等の理由により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
特に中国は、当社グループ製品の販売に加え生産拠点となっていることもあり、為替変動、税制、法的規制等の変更は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3)銅、黄銅等の原材料価格上昇が業績に悪影響を及ぼすリスク
当社グループ製品の主要材料である銅、黄銅等の価格上昇は、ケーブル、コネクタの仕入価格の上昇をもたらします。当社グループは可能な限り、価格転嫁を避けるべくコスト削減等の最大限の努力をいたしますが、それでも銅、黄銅等の価格上昇を吸収しきれない場合は、製品価格への転嫁による対応をはかります。しかしながら、製品価格への転嫁が遅れる場合又は当社の思惑どおりに価格転嫁が進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)為替レート変動リスク
当社グループの海外売上高比率は2019年12月期において38%となっております。外貨建売上取引等において、為替予約の適宜活用によるリスクヘッジを行うことで、為替変動による影響を最小限に抑えるよう努力しておりますが、必ずしも為替リスクを完全に回避できるものではありません。そのため、為替レート変動により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(5)外注委託リスク
当社グループは、生産の多くを外注先に委託(2019年12月期外注比率65%)しております。外注先において生産に支障が生じた場合に、外注先からの供給に一時的な支障が生じる可能性があり、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)品質に関するリスク
当社グループは、品質に関して、管理体制を徹底しておりますが、予期しない品質トラブルにより多額の回収費用及び補償費用が発生する可能性があります。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険で最終的に負担する賠償額すべてをカバーできる保証はありません。多額の回収費用又は補償費用を要する品質トラブルや製造物責任賠償の対象となる事故が起きた場合等において、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(7)研究開発リスク
当社グループは、将来の競争力を決めるであろう研究開発のテーマを慎重に選択し、充分な経営資源を配分し研究開発活動を推進しております。しかしながら、研究開発内容が高度化すればするほど、市場のニーズに合致した製品をタイムリーかつ継続的に製品化できるとは限りません。結果としまして、製品化の遅れ等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的所有権
当社グループの製品開発、販売におきましては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権等の知的所有権が関係している場合があり、第三者の所有する知的所有権を侵害するリスクを必ずしも否定できません。その場合、訴訟をおこされる可能性があり、当社グループ製品の生産、販売に制限を受けたり、損害賠償金等の支払いが発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)コンピュータシステムトラブル
当社グループの各業務は、コンピュータシステムと通信ネットワークに依存しており、これらが災害等で稼働不能となった場合、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、日本では緩やかな回復が継続してまいりましたが、年央以降弱い動きとなり、横ばいで推移しております。海外におきましても、米国経済下振れリスクの高まりや中国経済の減速など、総じて経済の拡大テンポは鈍化しております。
こうしたなか、当社グループは、光製品や電子機器の新製品普及活動、AVコンソール製品などの販促活動を積極的に行うとともに、高品質製品の安定的な供給による顧客満足度の向上や新規製品の開発活動に取り組んでまいりました。
この結果、前連結会計年度から引き続き国内販売は好調でしたが、海外、特にアジア圏での業績が落ち込み、連結売上高は11,429百万円(前連結会計年度比0.5%増)の微増となりました。利益面では、人材採用に伴う人件費増や運賃値上げに伴う物流コストの上昇、海外での輸送コスト上昇などの影響に加え、当社において新基幹業務システム導入計画の変更に伴う減損損失を計上したため、営業利益1,162百万円(前連結会計年度比20.5%減)、経常利益1,189百万円(前連結会計年度比19.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益739百万円(前連結会計年度比28.1%減)となりました。
なお、当社グループの報告セグメントは所在地別の業績を基にしたものであり、その主な概要は次のとおりです。
(日 本)
日本市場は年末に一服感があったものの総じて好調に推移し、売上高は7,360百万円(前連結会計年度比4.0%増)と増収となりました。一方、利益面では人件費や物流コストなどの経費増加の影響により、セグメント利益は791百万円(前連結会計年度比16.5%減)となりました。
(米 国)
米国市場は販促強化の成果により、売上高は825百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりましたが、セグメント利益では米中貿易摩擦による輸入コスト上昇の影響が大きく13百万円(前連結会計年度比68.1%減)となりました。
(韓 国)
韓国市場は落ち込みが大きく、電設市場などへの積極的な販売活動を行っているものの、売上高は803百万円(前連結会計年度比15.1%減)となりました。セグメント利益におきましても減収に加え円高の影響もあり3百万円(前年同期比95.3%減)となりました。
(中 国)
中国市場は年末にかけて回復基調となり、現地通貨ベースでは微増収となったものの、円高傾向によって売上高は1,474百万円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。セグメント利益におきましても減収に伴い293百万円(前年同期比6.2%減)となりました。
(シンガポール)
販促活動のテコ入れをはかっているものの、自国やインドネシア・マレーシア向けが不振となっており、売上高は386百万円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。セグメント利益におきましても減収に伴い42百万円(前連結会計年度比23.1%減)となりました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益1,109百万円の計上から法人税等の支払い454百万円、有形固定資産取得190百万円、投資有価証券取得211百万円、配当金の支払い323百万円等の支出がありましたが、非支出系費用の増加や売上債権が減少に転ずるなどの影響で前連結会計年度末に比して367百万円増の7,689百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動では、税金等調整前当期純利益1,109百万円の計上に対し、非支出系費用の増加309百万円、売上債権の減少130百万円、キャッシュ増加要因が加わり、法人税等の支払い454百万円等の支出があったもの828百万円の入金超となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、有形固定資産取得による支出190百万円、投資有価証券取得による支出211百万円がありましたが定期預金の組替えによる入金超119百万円や有価証券の償還200百万円による収入などにより82百万円の出金超にとどまりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、期末配当及び中間配当の支払いが主因となり364百万円の支出超となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
前連結会計年度比(%) |
|
日本(千円) |
2,567,350 |
101.7 |
|
中国(千円) |
1,028,342 |
99.0 |
|
合計(千円) |
3,595,693 |
100.9 |
(注)1.上記の金額は生産子会社の製品販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループは、日本及び中国で生産を行っております。
b. 受注実績
当社及び連結子会社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
前連結会計年度比(%) |
|
日本(千円) |
7,360,497 |
104.0 |
|
米国(千円) |
825,803 |
106.1 |
|
韓国(千円) |
803,038 |
84.9 |
|
中国(千円) |
1,474,551 |
95.1 |
|
台湾(千円) |
115,272 |
83.9 |
|
シンガポール(千円) |
386,845 |
91.1 |
|
インド(千円) |
84,431 |
90.1 |
|
欧州(千円) |
300,356 |
118.2 |
|
中東(千円) |
78,356 |
72.9 |
|
合計(千円) |
11,429,152 |
100.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年3月23日)現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末における資産・負債及び当該連結会計期間の収益・費用の報告数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を行っております。
ただし、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される要因に基づき見積り、仮定を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積り、仮定と異なる場合があります。
当社グループは、特に次の重要な会計方針の適用により見積りや仮定が連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、支払不能となった顧客が増加する等により追加引当が必要になる可能性があります。
b.賞与引当金
当社グループは、従業員へ支払う賞与につきまして、過去の実績と会社の方針を参考にして見積り金額で計上しておりますが、支給額の増加により追加引当が必要になる可能性があります。
c.たな卸資産
当社グループは、販売不能と見込まれるたな卸資産につきましては、評価減を実施しておりますが、予期せぬ不良、仕様変更によりいっそうの評価減が必要になる可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損会計を適用しておりますが、将来キャッシュフローの見積額に修正が生じた場合において、当該固定資産に対して減損損失を認識する可能性があります。
e.投資有価証券の減損
当社グループは、投資の一環として株式及び債券等を所有しております。これら金融商品の投資価値下落に対しましては、時価が取得原価に対して50%以上下落した場合には、当該時価まで減損処理を行い、30%~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。 f.製品保証引当金
当社グループは、顧客に納品した一部製品に対して、将来の製品交換及び補修費用に備えるため、今後必要と見込まれる金額を計上しておりますが、予期せぬ不良の発生等により追加引当が必要になる可能性があります。
② 当社グループの財政状態及び経営成績の分析
a.財政状態
(資産)
資産合計は、前連結会計年度比223百万円増の15,186百万円となりました。現金及び預金・棚卸資産・投資有価証券が増加したものの、受取手形及び売掛金・有価証券・無形固定資産の減少の結果、資産合計は223百万円の増加となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度比141百万円減の1,636百万円となりました。これは買掛金の減少と繰延税金負債の減少を主因としております。
(純資産)
純資産合計は、親会社株式に帰属する当期純利益計上による利益剰余金増加と、株主配当による減少のため前期比365百万円増の13,550百万円となりました。
b.経営成績
(売上)
売上は、東京五輪関連設備への納入やAVコンソール製品が好調で、国内売上は7,097百万円と過去最高の売上額となりましたが、海外ではアジア圏の売上が低調で海外売上は4,331百万円と前連結会計年度を下回り、全体では11,429百万円と前連結会計年度比で微増に止まりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、銅の価格の落ち着きがあったものの海外での輸送コスト上昇などの影響で売上原価率が前連結会計年度に比して1.0ポイント上昇し6,835百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や物流コストの上昇により対売上高比が前連結会計年度比で1.7ポイント上昇の3,431百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記に加え、当社において新基幹業務システム導入計画の変更に伴う減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、対売上高比が前連結会計年度比で2.5ポイント低下の739百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、次の要因により重要な影響を受けます。
a.主要な需要先である電設業界、放送業界の設備投資動向
b.比較的価格変動の大きい銅等を材料として使用しているためそれらの価格動向
c.海外売上比率が高くなっているため、為替相場動向
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金及び設備投資等資金は、原則として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借り入れを実施することを基本方針としております。この方針に従い、当連結会計年度における運転資金や設備投資資金は自己資金により充当しました。直近において大きな設備投資を計画しておらず、必要となる運転資金などは主に自己資金により充当する予定ですが、必要に応じて金融機関からの借入れを実施するなど、負債と資本のバランス及び資金調達コストに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
⑤ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、時代と共に変化する価値観に対応して、顧客から善い会社として支持・信頼される会社を目指し、「いつの時代でも存在価値ある企業づくり」を経営基本理念として掲げ、その理念を基に、「企業は公器」と認識していつの時代でも善い会社であるために、貢献資源づくり、普及活動および、フィードバックを実践してまいります。
当社グループの経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループを取り巻く経営環境(市場の構造変化、技術の高度化、他社との競合、材料値上り等)により、対応は一段と困難になるものと考えられます。このような環境下において、当社グループは将来の収益の柱とすべき新規製品の開発を進めて競争力の強化をはかってまいります。このため、経営資源を新規製品分野へ重点的に配分することにより、長期的には、従来型製品から新規製品中心へと事業構造を変えるよう努めてまいります。
以上の方針のなか企業価値向上をはかってまいりますが、企業業績の指標として連結業績で1株当たり当期純利益200円超えを目指しております。当連結会計年度におきましては、販売費及び一般管理費の増加に加え減損損失の計上もあり、1株当たり当期純利益は前連結会計年度に比して42円87銭減の109円52銭となりました。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発活動の状況は下記のとおりであります。
当社グループは、下記5つの方針に基づいて製品開発を行っております。
1.社会にとって存在価値があるもの
2.他社にない特色のあるもの
3.現在は需要がそれほど無くても将来には必要性が増すもの
4.流行品ではなく継続的に役立つもの
5.世界に普及できるもの
具体的には、当社グループの研究開発活動は、主にケーブル、コネクタ、電子機器の研究開発活動からなり、その活動概要は次のとおりです。
1.ケーブル
ケーブルは映像用ケーブル、音声用ケーブルからなり、いずれも世界の顧客ニーズを調査し、将来需要が見込める高性能ケーブルを開発しております。
2.コネクタ
当社グループは、BNCコネクタ、ビデオジャックではユーザーから高い評価をいただいておりますが、更に顧客ニーズに応えるため、製品の小型化、高密度実装対応、低コスト化をはかった製品を開発しております。
3.電子機器
当社グループは、これまでに光コンバータ、12G SDIアクティブBNCコネクタなどの品揃えをはかってまいりましたが、それらに加えて伝送スピード高速化に対応した光コンバータや放送局で需要の多いポータブル伝送装置を開発しております。
また、新規事業化をめざし、光デバイス開発部において光デバイス製品、デジタルネットワーク戦略室においてIP関連製品に関する研究、製品開発に取り組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度の研究開発費は