第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

 第78期の年度方針として、引き続き『強みを伸ばそう。専門性を高めよう』を掲げました。

IoTやAIといった新たな技術イノベーションが社会を大きく変えるのではないかと注目を集めている現在、これを

支える伝送路のデータ量は益々増え、長年にわたり通信・映像の伝送路に携わってきた当社にとってその強みを活

かせる環境が広がりつつあります。各部門の専門性を戦略をもって高め、またその専門性を組み合わせる事で新た

な分野への挑戦を行うことで、激変する市場環境に対処し、売上、利益の拡大に努めてまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 売上高、営業利益、経常利益等を重要な経営指標としております。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

① 電線・加工事業の拡大

ビッグデータ関連市場の拡大に対応したサーバ・ストレージ及びハイパフォーマンスコンピュータ/車載カメラ/半導体製造装置等に対応したより一層なる高精度、高機能、高密度ケーブル及び電源コード等の製品開発を図ります。

② 電子・医療部品事業の拡大

ネットワーク高速化、放送設備の光化に対応したWDM(光波長多重伝送装置)及び医療用特殊チューブ等の新製品開発を図ります。

③ 事業環境に対応した国内/国外生産拠点の見直しを進めます。

④ 市場ニーズへの対応

 市場ニーズによる製品の多様化・短命化、海外品台頭等による価格競争の激化、顧客のSCM対応による小ロット・短納期化等の経営環境著変に対応するには、原点に返った業務プロセスの見直しが不可欠であります。特に製品及び事務品質の向上による不具合の撲滅、生産工程の見直しによるたな卸資産の適正化が肝要と考えております。その為に、正確で迅速な意思決定の支援ができる柔軟性のあるコンピュータシステム確立を目指し基幹システムの見直しを絶えず実施いたします。

⑤ 組織・人事面について

 中長期指向による事業部サポート機能の本部と、製品/市場戦略による短期業績指向の事業部との相乗効果による強靭な組織作り、目標管理システムを座標軸とした人材のレベルアップに不断の努力を積み重ねてまいります。また、連結国内関係会社2社及び同海外関係会社18社と、主に生産/販売/技術面での連携による分業体制を進め、為替/材料リスク削減、総資産の圧縮等も含め、連結収益力の向上を図ります。

⑥ CSRについて

 CSRの観点から企業としての環境保全活動につきましては、環境方針に基づき、ISO14001の環境マネージメントシステムの継続的改善及び環境負荷物質の管理に注力いたします。また、当社グループ事業関連法規(海外も含め)の遵守は、当然のことながら、社会的通念上の常識、倫理に照らしたコンプライアンス企業経営を更に推進いたしてまいります。

 

(4)株式会社の支配に関する基本方針について

  当社では、次の基本理念を支持する者が、「会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えております。

  《基本理念》
1.わが社は、世界水準の製品を創り出すことにより、持続的な成長を遂げ、永遠の存在を目指す。
2.わが社は、有意義な製品とサービスを供給することにより社会に貢献する。
3.わが社は、国際社会に共生する一員であることを意識するとともに、法規等を遵守し、環境保全に努力する。
4.わが社は、すべての関係者・機関に調和のとれた満足を提供することを目標とする。
5.わが社は、互いの価値を認め合う人々の集団であり、熱意をもって向上・革新へ挑戦していく。

 法令及び社会規範の遵守を前提として、中長期的かつ総合的に企業価値・株主価値の向上を目指します。
 なお、上記の基本理念に照らして不適切な者が、当社支配権の獲得を表明した場合には、当該表明者や東京証券取引所その他の第三者(独立社外者)とも協議のうえ、次の3項目の要件を充足する必要かつ妥当な措置を講じるものとします。

1.当該措置が上記の基本理念に沿うものであること
2.当該措置が株主の共同の利益を損なうものでないこと
3.当該措置が役員の地位の維持を目的とするものでないこと

 

2【事業等のリスク】

将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものであります。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。

① 事業環境について

 当社グループが関わる事業分野における製品の多様化/短命化に対し、当社グループは、製造/販売/技術一体となり、マーケット密着提案型で、マーケットニーズの先取りを図ることにより、対応いたしております。

また、海外品台頭による価格競争が激化している電源コード等の分野におきましては、中国を主とした海外生産への移管によるコスト削減/品質の強化の徹底により、対抗いたしております。なお、価格競争力のある高機能/高精度のケーブル等は国内生産、量産品は海外生産とグループ内分業体制は進んでおり、今後も同体制を強化することにより、マーケットニーズに対応いたしてまいります。

 顧客のSCM対応による小ロット/短納期要請に対しては、EDI(電子データ交換)、VMI(納入業者在庫管理)等を受け入れ、顧客ニーズの充足に努めております。顧客のグリーン調達に対する環境負荷物質管理については、製品の含有物質や材料調達先まで追跡できる管理システムを構築いたしております。

しかしながら、当社グループが関わる情報通信/半導体製造装置/放送/医療分野等における技術の進歩は激しく、顧客の購買政策の変化等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 銅/石油製品の価格変動が業績に与える影響について

当社グループは、電線ケーブル等銅を主たる原材料とした製品を有しています。これらの製品の販売価格については、ロンドン金属取引所の市況価格を反映した銅建値に基づいて決定するという商習慣が広く普及しており市況価格変動リスクがあります。なお、銅の購入方法は、毎月末に必要数量を主要メーカー複数社等と価格交渉し、その時点で、一番安い価格を提示したメーカー等から購入しております。

石油化学製品類の原材料や副資材の調達については、当社の使用する代表的な非鉛PVCコンパウンドは自社配合品であり、当社の主要な購入先(海外関係会社含む)から適切なる価格で安定的に供給されております。

しかし、中長期にわたる市況価格上昇は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 為替レートの変動が業績に与える影響について

当社グループは、実需の範囲内でヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替変動リスクの排除に努力いたしておりますが、完全に回避することは、困難であります。また、ヘッジ取引の一部は、時価法を採用いたしております。従って、為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの在外連結関係会社は、主に現地通貨建で個別財務諸表を作成しておりますが、連結財務諸表作成に際しては、円換算いたしております。従って、換算時の為替レートにより、個別財務諸表の各項目の現地通貨における価値が変わらなくとも、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

④ 法的規制について

当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において、事業の許認可、国家安全保障、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、様々な法的規制を受けております。

当社グループは、これらの法的規制の遵守に努めておりますが、将来これらの法的規制を当社グループが遵守できない場合、また、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような法的規制が課せられる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

特に、当社グループは、電気用品安全法の適用を受ける製品を製造販売しております。受検漏れのないように関係法令の遵守に向けた対応として、業務マニュアルや関連資料の整備、並びに年度計画に基づく受検業務を実施しておりますが、万が一、受検漏れが発生した場合、品質上の問題はありませんが、該当製品の出荷停止及び回収(廃棄)となり、かつ顧客の信用が失われ、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

⑤ 中国における事業リスクについて

当社グループは、中国に複数の生産拠点を有し、当社グループ主要製品の年生産高の4割強を生産いたしております。その為、投資/金融/輸出入に関わる法制の変更、外資系企業に適用される法人税/増値税等の税制変更等は、当社グループの生産/事業運営に支障をきたす可能性があります。中国における当社グループ連結関係会社の米ドル建債権/債務、及び同売上(輸出)/仕入(輸入)は、元切り上げにより、影響を受ける可能性があります。

⑥ 事故・災害に係るリスクについて

当社グループは、全ての生産設備を対象に定期的な設備点検を行っております。しかしながら、生産設備で発生する火災や停電を完全に防止することはできません。したがって、それらの起因による操業停止の可能性があります。

こうした災害に遭遇した場合、製品製造ができなくなり、顧客への製品納入の遅延、売上の低下及び修復費用等により、当社グループの業績に影響する可能性があります。

 

⑦ 製品の欠陥について

当社グループは、日本国内及び事業展開する各国において認められている品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、将来にわたって全ての製品に欠陥が無く、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。当社グループは、製造物賠償責任請求については保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を全て賄えるという保証はなく、製品の欠陥が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 知的財産に係るリスクについて

当社グループは、製品等の開発、製造、販売、その他事業活動により、第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品設計段階における特許調査等により、細心の注意を払っております。

一方、特許権、意匠権、その他知的財産権の取得により、当社グループが蓄積してきている特徴ある技術、ノウハウの保護に努めております。しかしながら、製品の精密化、製品技術の多様化、海外での事業活動の拡大等により当社グループの製品が、意図せず第三者の知的財産権を侵害した場合、販売差し止め、設計変更等に伴うコストにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。一方、第三者による当社グループの知的財産権侵害を完全に防止する事ができない可能性もあり、その場合、当社グループ製品が十分なる市場を確保できない可能性があります。また、当社グループが、製品を製造する場合、第三者の知的財産権が必要となる可能性もあり、その場合、不利な条件でのライセンス受容の可能性もあります。

⑨ 研究開発(新商品開発)について

当社グループは、今後成長が期待できる新規分野を慎重に選択し、人的・物的資源を継続的に投入し、新規製品開発を推進いたしております。

しかしながら、市場のニーズに合致し、資源の投入に見合った付加価値を生む魅力ある製品を継続的に開発できる保証はありません。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

  ① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費と輸出の持ち直し、設備投資の増加もあり、緩やかに回復しました。海外経済は、中国景気は持ち直しの動きが続きアジア経済について総じて回復基調となり、米国経済では個人消費や設備投資の増加から拡大基調を維持し、欧州経済も概ね緩やかに回復しました。

 当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましては、半導体関連の設備投資、ロボット等生産設備への投資が好調な拡大をみせ、電装化の進むカーエレクトロニクス市場は引き続き堅調に推移しました。一方、情報通信機器市場は弱含みで推移しました。

 このような事業環境の下、当社グループでは、第77期の年度方針として、『強みを伸ばそう。専門性を高めよう』を掲げ、各事業毎に設定した戦略・目標に向けて挑戦することで、強みを究め、売上、利益の拡大に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(イ)財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、322億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億64百万円増加しました。

 当連結会計年度末の負債合計は、91億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億62百万円増加しました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、231億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億2百万円増加しました。

 

 

(ロ)経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高は259億93百万円(前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は21億72百万円(同15.2%減)、経常利益は21億74百万円(同17.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億2百万円(同14.8%減)となりました。

 

 主なセグメント別の業績の概要は、以下のとおりです。

(電線・加工品)

 売上高は213億19百万円(前年同期比6.9%増)となりました。セグメント利益は22億13百万円(同13.8%減)となりました。

(電子・医療部品)

 売上高は45億24百万円(前年同期比3.7%増)となりました。セグメント利益は4億68百万円(同8.3%減)となりました。

 

  ② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得17億11百万円、投資活動による資金の支出16億16百万円、財務活動による資金の支出3億22百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額の減少が1億60百万円となり、期首に比べ3億86百万円減少し、63億64百万円(前連結会計年度比5.7%減)となりました。

 

   当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、17億11百万円の資金の獲得(前連結会計年度は37億97百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益22億90百万円、減価償却費9億94百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額8億32百万円、法人税等の支払額6億1百万円であります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、16億16百万円の資金の支出(同10億60百万円の資金の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出14億95百万円であります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3億22百万円の資金の支出(同6億63百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入9億円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出9億20百万円、配当金の支払額3億2百万円であります。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

(イ)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

電線・加工品(百万円)

16,490

112.3

電子・医療部品(百万円)

3,274

103.4

報告セグメント(百万円)

19,764

110.7

その他(百万円)

合計(百万円)

19,764

110.7

 (注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(ロ)受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

電線・加工品(百万円)

22,594

112.7

4,044

146.0

電子・医療部品(百万円)

4,723

114.3

885

129.1

報告セグメント(百万円)

27,318

113.0

4,929

142.7

その他(百万円)

150

100.0

7

115.3

合計(百万円)

27,468

112.9

4,937

142.6

 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

(ハ)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

電線・加工品(百万円)

21,319

106.9

電子・医療部品(百万円)

4,524

103.7

報告セグメント(百万円)

25,843

106.3

その他(百万円)

149

101.4

合計(百万円)

25,993

106.3

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満でありますので記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 ① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用している会計方針のうち、重要な事項については、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (イ)経営成績等

    a.財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末における流動資産は204億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億54百万円増加しました。これは主に受取手形及び売掛金が7億64百万円、原材料及び貯蔵品が3億48百万円増加したことによるものであります。固定資産は118億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億9百万円増加しました。これは主に機械装置及び運搬具が6億81百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は322億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億64百万円増加しました。

(負債合計)
 当連結会計年度末における流動負債は54億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億80百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金が5億73百万円増加したことによるものであります。固定負債は37億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億17百万円減少しました。これは主に長期借入金が減少したことによるものであります。この結果、負債合計は91億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億62百万円増加しました。

(純資産合計)
 当連結会計年度末における純資産合計は231億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億2百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益18億2百万円及び剰余金の配当3億2百万円によるものであります。

 

   b.経営成績

 売上高は、車載用ケーブル及び半導体製造装置用ケーブル等の売上が堅調に推移したことにより、259億93百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。

 売上総利益は、銅価格の上昇等により、売上原価率が76.1%と前連結会計年度比2.1ポイント悪化したことから、62億11百万円(同2.3%減)となりました。

 営業利益は、研究開発費の増加に伴う販売費及び一般管理費の増加もあり、21億72百万円(同15.2%減)となりました。

 経常利益は、円安の進展により78百万円の為替差損が発生したこともあり、21億74百万円(同17.7%減)となりました。

 特別利益として投資有価証券売却益が3億7百万円発生し、一方、特別損失として貸倒引当金繰入額が1億96百万円発生したことにより、税金等調整前当期純利益は、22億90百万円(同13.2%減)となりました。法人税等合計を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、18億2百万円(同14.8%減)となりました。

 

   c.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績は、電線・加工品、電子・医療部品における需要変動及び銅・石油価格等の変動、また、当社グループが関わる製品群の多様化・短命化、価格競争の激化、顧客のグリーン調達強化等により影響を受けます。

 これらの状況を踏まえ、主に付加価値の高い製品は国内生産、量産品は海外生産と分業体制の強化、環境負荷物質のシステム管理体制の確立、高成長や安定した収益が見込まれる分野への経営資源の戦略的投入等により、競争力・収益力向上に努めております。

 なお、今後の見通しにつきましては、米国の金融緩和縮小による影響、中国やその他新興国経済の先行き等について不確実が見られることなどから先行き不透明な状況で推移するものと思われますが、インフォメーションテクノロジーが目覚しく進化する時代の中で、家電/情報通信/放送が急速に融合し、当社が得意とするネットワーク、電子デバイス、デジタルメディア等の新しい市場が拡大いたしておりますので、当社グループが今後も持続的に安定した成長を遂げていくチャンスの時期であると考えております。

 

(ハ)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの主な資金需要は、運転資金及び設備投資資金等であります。これらの資金につきましては営業活動による収入のほか、安定的な支払能力を確保するため、資金繰りの状況や金融情勢を勘案し、銀行からの借入れにより調達しております。

 

(ニ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、売上高、営業利益、経常利益等を重要な経営指標としております。当連結会計年度の経営成績につきましては、(イ)経営成績等 b.経営成績」に記載のとおりであります。

 

(ホ)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(電線・加工品)

 車載用ケーブル及び半導体製造装置用ケーブル等の売上が堅調に推移したことにより、売上高は213億19百万円(前年同期比6.9%増)となりました。銅価格の上昇、成長分野への設備投資及び研究開発費の増加等により、セグメント利益は22億13百万円(同13.8%減)となりました。

(電子・医療部品)

 ネットワーク機器の売上は微減となりましたが、医療用特殊チューブの売上が堅調に推移したことにより、売上高は45億24百万円(前年同期比3.7%増)となりました。成長分野への設備投資及び研究開発費の増加等により、セグメント利益は4億68百万円(同8.3%減)となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、長年培ってきた電線・ケーブル押出技術(導体の上に絶縁体を被覆する技術)を応用した製品開発を重要なる柱として、技術変化の激しいデジタルエレクトロニクス分野に対応した高精度・高速伝送ケーブルの研究開発、超高速大容量通信サービス/放送分野に対応した光波長分割多重伝送装置/光デジタル放送中継システム、各種災害対策機器、蓄電給電関連機器の研究開発、及び医療分野における高性能医療用特殊チューブ等、今後の当社グループ事業の中核となる製品の研究開発を鋭意進めております。

 現在の研究開発は、インキュベータ的研究開発及び製品直結型の各事業部における研究開発で推進されております。

 当連結会計年度における各セグメント別の主な研究テーマ、成果は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費総額は2億50百万円となっております。

(1)電線・加工品事業における研究開発費は1億43百万円であります。

環境対応材料の開発

 RoHS指令、REACH規制、POPs条約など環境規制が強化される中、これらに対応する材料としては、環境への悪影響がなく且つ商品性能・価値を満足させることが要求されてきています。当社では、RoHS指令やREACH規制等で禁止される特定有害物質を一切使用することなく、従来材料と同等以上の性能、コストパフォーマンスをだすための材料技術を蓄積し、安心して使用できる環境対応材料の開発に取り組んでおります。絶縁電線やケーブルに採用してきた非ハロゲン難燃材料においては、より高難燃、高耐熱、低摩耗などの高機能化の要求に応えるための開発を進めております。

・デジタルインタフェイスケーブルの開発

 近年IoTの出現により、ネットワークやコンピュータの要求性能は急速に高まり、より多くのデータを保存、伝送、処理する必要があります。一方で、データの転送速度の向上に伴い伝送ロスが増加するなどデータ伝送の課題は増えています。

送信部の波形品質特性、ケーブルの特性品質等、すべてに高い性能が要求され、これまではあまり問題にならなかったレーン間のクロストークも大きな問題となります。そのため実際の設計では、測定器とシミュレーションを組み合わせたトータルの開発環境も重要となります。

サーバ/ストレージ用の25Gbps対応ケーブル及びそのアッセンブリ品であるQSFP28を始め、FA及び医療向けマシンビジョンカメラ用の各種規格ケーブル(Camera Link/GigEVision/USB3Vision/CoaxPressなど)、民生用の各種規格ケーブル(HDMI/DVI/DisplayPort/USB3.2など)、その他にAOCケーブルやActiveケーブルといった、車載電子機器用ケーブル、防水ケーブルASSY等の開発・量産化を強化しております。

・超極細同軸ケーブルの開発

 一般的にAWG36より細いサイズの同軸ケーブルが極細同軸ケーブルと呼ばれておりますが、その中でもAWG46より細い超極細のものは、内視鏡や超音波内視鏡などの医療用を中心として採用されております。当社は、特殊な銅合金導体をはじめ、素材レベルから検討を進め、強度・機械特性・ノイズ・伝送特性等に優れた超極細同軸ケーブルの開発に取り組んで来ました。今後は医療用のみならずデジタル機器/セキュリティーカメラの小型化・高精度化に伴い、コア製品として新たな市場が期待されます。

(2)電子・医療部品事業における研究開発費は97百万円であります。

・ネットワーク/放送機器の開発

 IoT分野でのネットワーク需要が高まってくることが予想されるなか、とりわけイーサネットを基軸として、多種インターフェースとの接続を可能とするGATEWAY機器が汎用化してくると思われます。従来ネットワーク機器と連携できるGATEWAYの新規開発に着手し製品ラインアップの充実を計ってまいります。

 当社といたしましては従来の標準型スイッチングHUBやメディアコンバータに加え、OA用高機能タイプ、耐環境性や各種入力電源に対応したFA用のラインナップを取り揃えております。

 放送用機器におきましては、4K/8Kの放送に備えたユニットを取り揃えました。

また、4K/8Kの伝送において既存通信インフラを利活用するIP伝送装置のリリースを予定しております。”放送と通信の融合”をキーワードに2020年オリンピックに向けて、今後の需要が高まると予想されます。

・環境エネルギー/耐災害対応機器の開発

 通信インフラの耐災害性を高める、無線メッシュシステム用中継器の開発も継続しております。これは、今後IoTの分野に応用展開を図っていきます。

 さらにEV自動車用普通充電器のJARI認証取得品の開発、低炭素化など、EV自動車の普及に向けて充電器のインフラ拡張が叫ばれており、さらなる需要が期待出来ます。

・医療用特殊チューブの開発

 診断用、治療用特殊チューブ関連製品は補強材入りチューブを中心とする製品開発の継続に加えて、ケーブル加工技術とカテーテル製造技術を融合させた電極カテーテルの製品開発も実施しております。品種増加と既存品改良により売上寄与が見込まれます。また、治療用カテーテルや医療機器向けチューブをターゲットとした開発活動は、高機能性材料開発、機能性多層チューブの開発、多穴チューブ(マルチルーメンチューブ)の製法開発等を行っています。また、清浄度の高い生産インフラを活用し、医療機器の製造を一部実施しています。今後とも精密構造の追及と高機能化が図れるよう開発を進めてまいります。