文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、1917年(大正6年)の創業以来100年にわたり、金属・プラスチック・紙・ガラス等、それぞれが持つ特性を活かし、人々のライフスタイルや社会の変化に応じて、さまざまな素材の容器を世の中に送り出してまいりました。当社グループは、平成28年4月に制定した東洋製罐グループの経営思想のもと、次の100年に向けて、素材の開発と加工の技術を軸に、人々の暮らしをより豊かにし、環境にやさしいしくみを拡げ、さらなる発展と進化を目指しております。
〔東洋製罐グループの経営思想〕
経営理念
常に新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を希求して、人類の幸福に貢献します。
信条
・品格を重んじ、あらゆる事に日々公明正大に努めます。
・一人ひとりの力を最大限に発揮し、自己の成長と共に社会の繁栄に努めます。
ビジョン
・世界中の人に必要とされる斬新で革新的な技術と商品を提供するグループを目指します。
(2)目標とする経営指標
2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」では、最終年度である2020年度において、連結売上高8,200億円、営業利益500億円の達成等を数値目標として掲げております。
(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
当社および当社の連結子会社である東洋製罐株式会社は、2017年4月20日および2018年2月6日に、食品用空缶および飲料缶の取引に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。
当社および東洋製罐株式会社は、これらの事実を厳粛に受け止めるとともに、引き続き公正取引委員会による検査に全面的に協力してまいります。
今後のわが国経済の見通しとしましては、雇用・所得環境や企業収益の改善が続くなど、景気は緩やかな回復に向かうと期待されるものの、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響など、依然として不透明な状況が続くものと予想されます。一方、当社グループを取り巻く事業環境は、包装容器の国内における市場規模拡大が見込まれないと予想される中、お得意先における飲料用ペットボトルの自社製造が拡大するなど、国内の包装容器製造会社の事業環境は厳しさを増しております。
このような事業環境下において、当社グループは、2018年度を最終事業年度とした「東洋製罐グループ第四次中期経営計画」を「容器をコアとして周辺分野へ発展したグローバル企業」に成長するための「基盤固め」として位置づけ、事業構造改革をはじめとする諸施策の遂行に取り組んでまいりました。
しかしながら、包装容器事業の構造改革や組織再編を進めている中、当社グループを取り巻く経営環境が加速度的に変化していること、東洋鋼鈑株式会社の完全子会社化を目的とした公開買付けを決定し、新たな事業運営体制への移行を進めていることから、「東洋製罐グループ第四次中期経営計画」を2017年度で中止することとし、新たに2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」(以下、「本中期経営計画」といいます。)を策定いたしました。
〔「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」における基本戦略〕
本中期経営計画において、2018年度を創業的出直しの年として位置づけ、東洋製罐グループの成長戦略とその成長戦略を支える組織構造・企業風土改革、財務・資本政策に関する基本方針を策定いたしました。
①お客さま・社会へ常に新しい価値を提供いたします
東洋製罐グループが有する素材開発・成形加工・エンジニアリングの3つの技術を融合させ、人々の暮らしをより豊かにし、環境にやさしい新しいしくみを提案いたします。
②永続的な成長を支えるための組織構造・企業風土改革を進めます
次の3つの方針を軸として各種施策を実行いたします。
■機動的な事業運営を実現させる組織再編
■規模・機能・立地の適正化
■リーディングカンパニーに求められる社会的責任の実践
③成長戦略投資と財務の健全性を両立させる財務・資本政策を進めます
次の2つの方針を軸として各種施策を実行いたします。
■適切な経営資源の配分による成長戦略投資の実践
■環境変化に柔軟に対応した財務・資本政策の実践
当社グループを取り巻く経営環境は、より一層厳しさを増すことが想定されますが、本中期経営計画の諸施策を着実に遂行することで、持続的な成長を目指してまいります。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
①基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社株式の大量買付がなされる場合であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転をともなう買付提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社株式の大量買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保し、向上させられるものでない場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
②基本方針実現のための具体的な内容の概要
(a)基本方針の実現に資する特別な取組みの具体的な内容の概要
(中期経営計画等)
当社グループが2018年5月にスタートさせた「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」において、2018年度を創業的出直しの年と位置づけ、東洋製罐グループの成長戦略とその成長戦略を支える組織構造・企業風土改革、財務・資本政策を進め、持続的な成長を目指しております。
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社は、グループの経営思想である経営理念・信条・ビジョンのもと、企業活動を通じて社会に貢献しつつ、企業価値の向上を図り新たな発展と進化を続けるために、コーポレート・ガバナンスを充実させていくことが経営上の重要課題であると位置づけ、「コーポレート・ガバナンス基本方針」を策定し、これに継続的に取り組んでおります。
<持株会社体制>
当社グループは、持株会社体制のもと、グループ全体の経営戦略および目標を明確に定め、グループ内の経営資源の最適配分を行うことにより、機動的かつ効率的な事業運営を推し進めております。これにより、グループ経営戦略の策定機能と業務執行機能を分離し、経営責任体制を明確化しております。
<社外役員の体制>
当社は、当社における社外取締役および社外監査役を独立役員として認定する独立性に関する基準を明確にすることを目的として、「社外役員の独立性判断基準」を制定しております。
取締役会は、取締役14名で構成されており、そのうち独立性を有する社外取締役は5名であり、取締役会における社外取締役の人数は3分の1を超えております。また、取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を機動的に構築するために、取締役の任期を1年としております。
また、社外取締役および社外監査役は、代表取締役との意見交換を行う社外役員会議を原則毎月実施し、経営の透明性や客観性を高めるために忌憚のない意見交換を行うとともに、国内外のグループ会社を適宜視察するなど、積極的な活動を行っております。
これら独立した客観的な立場にある社外取締役や社外監査役により、取締役会において活発な議論が行われるとともに、経営陣のモニタリングが行われており、経営体制に対する監視機能が確保されています。
<業務執行の体制>
当社においては、執行役員制度を導入することにより、経営の効率性・機動性を確保するとともに、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能の明確化を図っております。経営の基本方針および諸施策を適切かつ迅速に確立し、経営活動を強力に推進するために、常勤取締役、機能統轄責任者、専務執行役員および常務執行役員により構成される「経営戦略会議」を月1回開催し、また、常勤取締役、機能統轄責任者、専務執行役員、主要なグループ会社社長により構成される「経営執行会議」を原則として月2回開催しております。なお、「経営戦略会議」および「経営執行会議」には常勤監査役が出席し、適宜意見を述べております。また、当社は、取締役・執行役員がその役割と責務を適切に遂行するため、必要な知識の習得および継続的な更新を支援することを目的として、各種研修の機会を随時設けております。
<内部統制システムを運用するための体制>
当社およびグループ各社は、内部統制システムを運用しております。当社では、法令を遵守した企業活動の徹底を図り経営の効率性を高めるため、同システムの整備・運用状況や法令等の遵守状況は、社長直轄の内部監査部門である監査室により定期的に実施される内部監査を通じて確認され、その結果に基づき適宜改善を図っております。
当社グループは、上記の施策等を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化を図り、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を実現してまいります。
(b)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要
(ⅰ)当社は平成30年5月15日開催の取締役会決議及び平成30年6月27日開催の第105回定時株主総会決議に基づき当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を更新しております。本プランの概要については、下記(ⅱ)のとおりです。
(ⅱ)本プランの概要
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券等の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。
買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付を行うことができるものとされています。
買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株券等の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合で、本プラン所定の発動要件を満たす場合等には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権に係る新株予約権無償割当て、又はその他の法令及び当社定款の下でとりうる合理的な施策を実施します。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。
当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、特別委員会規則に従い、当社経営陣から独立した当社社外取締役等のみから構成される特別委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。加えて、当社取締役会は、本プランに定めるところに従い、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認いたします。
こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示を行い、その透明性を確保することとしております。本プランの有効期間は、平成30年6月27日開催の第105回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとされております。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画及びコーポレート・ガバナンスの強化等の各施策は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは当社株式に対する買付等が行われた際に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、当社の基本方針に沿うものです。
さらに、本プランは、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を充足していること、更新にあたり株主の皆様のご承認を得ていること、一定の場合には本プランの発動の是非等について株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認する仕組みが設けられていること、有効期間を約3年間とするいわゆるサンセット条項が付されていること、及び有効期間の満了前であっても、当社株主総会により本プランを廃止できるものとされていること等株主意思を重視するものとなっております。また、本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、本プランの発動に際しての実質的な判断は、経営陣からの独立性を有する社外取締役等のみから構成される特別委員会により行われること、特別委員会は、当社の費用で専門家等の助言を受けることができるものとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること等により、その公正性・客観性も担保されております。
したがって、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える可能性のあるリスクには主として次のようなものがあります。
なお、当社グループ事業等はこれら以外にもさまざまなリスクをともなっており、また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)自然災害・事故リスク
当社グループの主力事業である飲料容器事業においては、その事業の性質上、需要期の天候が業績に重大な影響を及ぼします。飲料容器の需要がピークを迎える上半期において、冷夏や長梅雨などの予想しにくい気象状況の変動や、予期せぬ自然災害の発生等に起因する需要の減少が、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を与えることになります。
また、地震や台風などの大規模な自然災害が発生し、当社グループの生産設備等に甚大な被害を与えた場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。
(2)コンプライアンスリスク
企業の社会的責任が近年ますます重要視されるなか、企業活動における遵法精神を徹底させるとともに、経営上のリスクを回避しながら経営資源を効率的かつ適正に運用していくことで業績を向上させていくことが求められております。
当社グループにおいてもこうした状況を踏まえ、コンプライアンス体制の強化は重要な経営課題と認識し、その実現に向けてグループを挙げて努力しておりますが、リスク管理体制の不備により企業の社会的責任を問われる事態が生じる可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合は、当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損される懸念があります。
(3)事業・経営リスク
①経済状況の変化
世界経済および日本経済における景気の後退あるいは停滞、少子高齢化の進行や、それらにともなう個人消費の低迷および為替の変動は、売上高や利益の減少につながる懸念があります。
②原材料・エネルギー価格の変動
金属・プラスチック・紙・ガラス等、当社グループが製造販売する製品の主要原材料の価格やエネルギー価格の変動が、当社グループの業績や収益性に影響を及ぼします。
なお、当社グループは原材料価格が上昇した場合、製品価格への転嫁に努めておりますが、その達成状況および進捗の度合いによっては、当社グループの収益性が低下する懸念があります。
③価格競争の激化
当社グループが主として事業を展開する容器市場においては、競合他社との価格競争激化およびお得意先各社における容器の自社製造の拡大が続いており、当社グループの価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向を強める懸念があります。
④研究開発
技術立社を目指す当社グループにとって継続的かつ効果的な研究開発投資は不可欠なものである一方、その成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。特に新製品・新技術などの研究開発投資が今後十分なリターンを生み出さない場合には、当社グループの将来の成長性および収益性を低下させる懸念があります。
⑤企業買収・資本参加等
当社グループは、事業基盤の強化および事業の拡大を目的として企業買収や資本参加等を積極的に実施しておりますが、当社グループが期待する成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績、収益性に大きな影響を与える懸念があります。
⑥設備投資
当社グループはさらなる企業価値向上のために、生産、販売、研究開発の各分野において積極的かつ効果的な設備投資を行っております。これらの投資に期待される効果が十分に得られなかった場合には、当社グループの将来の経営戦略の構築に支障をきたし、また、収益性を低下させることが危惧されます。
⑦取引先の信用リスク
当社グループの取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。
⑧人材確保と育成
当社グループの将来にわたる継続的な成長と発展には有能なリーダーの存在の有無が大きな影響を与えるため、優秀な人材の確保と育成は当社グループの発展には不可欠なファクターであり、優秀な人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長に好ましくない影響を与える懸念があります。
⑨敵対的企業買収
当社は株式公開会社であるため、当社株式を公開買付けまたは市場取引等で大量に取得する者が現われる可能性があります。当社グループの企業価値および株主共同の利益を毀損することが明らかな敵対的企業買収が行われた場合、当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える懸念があります。
⑩訴訟のリスク
当社グループが国内外で事業活動を遂行していくうえで、訴訟の対象となるリスクがあります。将来重要な訴訟が提起された場合には、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を与える懸念があります。
(4)情報セキュリティリスク
当社グループが保有する個人情報および業務上知り得た情報等の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合、当社グループの信用もしくは評価が毀損され、業績等に影響を与える懸念があります。
(5)財務・会計リスク
①退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。今後、長期金利が低下した場合および年金資産の運用利回りの悪化が生じた場合には、当社グループの収益性、業績を悪化させることになります。
②繰延税金資産
当社グループでは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり、繰延税金資産の修正が必要となる場合には、当社グループの経営成績や財務状況に影響を与える可能性があります。
③減損会計
当社グループが保有する固定資産について、稼働率、収益性の低下等により減損損失を認識すべきであると判定した場合、相当程度の減損損失を計上することが予測され、当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える懸念があります。
④会計基準および税制等の変更
日本の会計基準は、国際的な基準との調和を図るべく改訂を重ねており、今後もこの方向で推移するものと予想されます。また、日本における国際財務報告基準の適用に向けた議論が進んでいます。このような状況のなか、将来における会計基準の変更は、当社グループの経営成績、財務状況および業務遂行に影響を与える可能性があります。また、日本および諸外国の税制等が改正される場合においても同様の可能性があります。
⑤保有資産の価格変動
当社グループの保有する土地や有価証券等の資産価値が下落することにより、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。
(6)製造・品質リスク
当社グループは厳格な品質管理基準に基づき多様な製品を製造・販売しておりますが、全ての製品について欠陥が皆無で、将来にわたり品質的なクレームや製造物責任が発生しないという保証はありません。こうした想定外の大規模な品質クレームや製造物責任によって多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が毀損される懸念があります。
(7)環境リスク
当社グループの製品の製造工程における環境負荷低減への取り組みが、製造コストを押し上げることや、当社グループの企業活動に起因する想定外の環境問題が発生することにより、多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損される懸念があります。
(8)カントリーリスク
当社グループは、アジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。海外におけるテロの発生、政情の悪化、経済状況の変動、為替の変動および予期せぬ法律・規制の変更等があった場合、当社グループの業績等に影響を与える懸念があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済や金融資本市場の動向などの影響が懸念されたものの、雇用・所得環境や企業収益が改善するなど、景気は緩やかな回復基調が継続しました。
このような環境下におきまして、当連結会計年度における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。売上高は、飲料容器の販売が減少しましたが、包装容器関連機械設備および電気・電子部品向けの鋼板などの販売が増加したほか、為替相場の変動により海外子会社の売上高が円換算で増加し、7,852億78百万円(前期比0.7%増)となりました。利益面では、グループ全体のコスト削減効果がありましたが、原材料・エネルギー価格の上昇により、営業利益は318億70百万円(前期比12.1%減)、経常利益は292億44百万円(前期比19.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失を計上したことなどにより、247億40百万円の損失(前期は121億83百万円の純利益)となりました。
なお、当連結会計年度より、引当金の計上基準について会計方針の変更を行っており、遡及修正後の数値で前期末比較を行っております。
各セグメントの営業の概況は次のとおりであります。
〔包装容器関連事業〕
売上高は6,567億30百万円(前期比0.1%減)となり、営業利益は237億46百万円(前期比21.3%減)となりました。
a)金属製品の製造販売
金属製品の売上高は前期を下回りました。
《国内》
チューハイ向けのアルコール飲料用空缶が増加しましたが、コーヒー向けの清涼飲料用空缶が低調に推移したほか、水産食品向けなどの食品・生活用品用空缶やビール向けのマキシキャップが減少し、売上高は前期を下回りました。
《海外》
ドイツにおいてビール向けのマキシキャップが増加したほか、タイにおいて円安が寄与したことにより、売上高は前期を上回りました。
b)プラスチック製品の製造販売
プラスチック製品の売上高は前期並となりました。
《国内》
お茶類向けの飲料用ペットボトルが低調に推移しましたが、たれ類向けなどのボトルや清涼飲料向けのキャップが好調に推移したほか、カレー向けなどのパウチが増加し、売上高は前期並となりました。
《海外》
平成28年9月にマレーシアにおけるフィルム事業から撤退したことによりプラスチックフィルムが減少し、売上高は前期を下回りました。
c)紙製品の製造販売
自動販売機向けの飲料コップなどの紙容器製品が好調に推移しましたが、菓子向けなどの段ボール製品が減少したほか、ビール類向けのマルチパックなどの紙器製品が低調に推移したことにより、売上高は前期並となりました。
d)ガラス製品の製造販売
清涼飲料向けのびん製品が低調に推移したことなどにより、売上高は前期を下回りました。
e)エアゾール製品・一般充填品の受託製造販売
制汗消臭剤においてエアゾール製品から需要の移行があった一般充填品が増加し、売上高は前期を上回りました。
f)包装容器関連機械設備の製造販売
米国において東欧・中米向けの受注により製缶・製蓋機械の販売が回復したほか、国内において飲料充填設備の販売が増加し、売上高は前期を大幅に上回りました。
〔鋼板関連事業〕
売上高は592億63百万円(前期比9.5%増)となり、営業利益は40億39百万円(前期比2.0%減)となりました。
電気・電子部品向けでは、車載用二次電池向けの電池材が好調に推移したことにより、売上高は前期を大幅に上回りました。
自動車・産業機械部品向けでは、駆動系部品材が増加し、売上高は前期を大幅に上回りました。
建築・家電向けでは、バスルーム向け内装材が増加し、売上高は前期を上回りました。
〔機能材料関連事業〕
売上高は370億31百万円(前期比3.2%増)となり、営業利益は20億39百万円(前期比108.2%増)となりました。
磁気ディスク用アルミ基板では、サーバー向けのハードディスク用途が増加したことなどにより、売上高は前期を上回りました。
光学用機能フィルムでは、フラットパネルディスプレイにおける市場の競争が激化したことなどにより、売上高は前期を下回りました。
その他、顔料やほうろう製品向けの釉薬などが増加しました。
〔不動産関連事業〕
オフィスビルおよび商業施設等の賃貸につきましては、売上高は77億66百万円(前期比4.5%増)となり、営業利益は48億37百万円(前期比6.0%増)となりました。
〔その他〕
自動車用プレス金型・機械器具・硬質合金および農業用資材製品などの製造販売、石油製品などの販売および損害保険代理業などにつきましては、売上高は244億86百万円(前期比0.8%減)となり、営業損失は3億6百万円(前期は9億17百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて192億10百万円減少し、1,495億34百万円(前期比11.4%減)となりました。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
税金等調整前当期純損失が218億26百万円、減価償却費468億77百万円、減損損失472億27百万円、法人税等の支払額86億0百万円などにより、当連結会計年度における営業活動による資金の増加は592億51百万円(前期比25.9%減)となりました。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
包装容器関連事業での設備投資を中心とした有形固定資産の取得による支出が485億31百万円あったことなどにより、当連結会計年度における投資活動による資金の減少は538億24百万円(前期比13.1%増)となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
長期借入金の返済による支出が214億5百万円、配当金の支払いが38億54百万円あったことなどにより、当連結会計年度における財務活動による資金の減少は252億70百万円(前期比14.5%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
包装容器関連事業 |
549,627 |
99.1 |
|
鋼板関連事業 |
55,319 |
114.6 |
|
機能材料関連事業 |
35,253 |
101.7 |
|
報告セグメント計 |
640,199 |
100.4 |
|
その他 |
19,592 |
97.3 |
|
合計 |
659,792 |
100.3 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.不動産関連事業は、生産形態をとらない事業活動のため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b)受注実績
包装容器関連事業、鋼板関連事業、機能材料関連事業およびその他のうち、受注生産によるものについての当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前期比(%) |
|
包装容器関連事業 |
50,171 |
100.2 |
26,364 |
83.3 |
|
鋼板関連事業 |
58,949 |
105.5 |
13,733 |
98.6 |
|
機能材料関連事業 |
25,360 |
100.5 |
2,120 |
99.7 |
|
その他 |
19,401 |
131.5 |
16,537 |
107.1 |
|
合計 |
153,883 |
105.4 |
58,756 |
93.0 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.包装容器関連事業の金額は、包装容器関連機械設備の製造販売の一部に係るものであります。それ以外の受注実績は販売実績とほぼ同様であります。
3.不動産関連事業は、受注形態をとらない事業活動のため記載しておりません。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
包装容器関連事業 |
656,730 |
99.9 |
|
鋼板関連事業 |
59,263 |
109.5 |
|
機能材料関連事業 |
37,031 |
103.2 |
|
不動産関連事業 |
7,766 |
104.5 |
|
報告セグメント計 |
760,792 |
100.8 |
|
その他 |
24,486 |
99.2 |
|
合計 |
785,278 |
100.7 |
(注)1.販売高には、他からの購入品の販売が含まれており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、当連結会計年度より、引当金の計上基準について会計方針の変更を行っており、遡及修正後の数値で前期末比較を行っております。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積もりを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a)財政状態の分析
当連結会計年度(以下「当期」といいます。)末の総資産は、前連結会計年度(以下「前期」といいます。)末比270億6百万円減少して、1兆1,211億68百万円となりました。これは、減価償却や減損損失の計上による有形固定資産およびのれんの減少などによるものです。
純資産は56億30百万円減少して、7,202億7百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失の計上が大きな要因となっております。
b)経営成績の分析
当社グループの業績は、飲料容器の販売が減少しましたが、包装容器関連機械設備および電気・電子部品向けの鋼板などの販売が増加したほか、為替相場の変動により海外子会社の売上高が円換算で増加し、売上高は前期比58億9百万円増加して7,852億78百万円となりました。
売上原価が前期比74億4百万円増加したことにより、売上総利益は前期比15億95百万円減少し、1,214億57百万円となりました。これは、グループ全体のコスト削減効果はあったものの、原材料・エネルギー価格が上昇したことが大きな要因であります。
営業利益は、前期比44億2百万円減少し、318億70百万円となり、売上高営業利益率は4.1%となりました。
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、前期比24億51百万円減少し、26億26百万円の費用となりました。当期は前期に比べ、支払弁償金等の費用が増加したことなどにより、営業外収支が悪化いたしました。
以上の結果、経常利益は前期比68億53百万円減少し292億44百万円となり、売上高経常利益率は3.7%となりました。
当期は特別損失として、減損損失472億27百万円、国内連結子会社における事業構造改革にともなう事業構造改革費用17億36百万円、事業構造改革引当金繰入額17億77百万円等を計上致しました。
前期に比べ特別損失が増加したことなどにより、当期は218億26百万円の税金等調整前当期純損失(前期は253億61百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。
当期の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した税金費用合計は前期比94億47百万円減少して、7億99百万円となりました。
以上の結果、当期純損失は226億25百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純損失は247億40百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益121億83百万円)となりました。
なお、セグメント別の売上高及び営業利益の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
c)キャッシュ・フローの分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失が218億26百万円(前期は税金等調整前当期純利益253億61百万円)となったことなどにより、前期比206億90百万円減少し、592億51百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、包装容器関連事業での設備投資を中心とした有形固定資産の取得による支出が前期比84億46百万円増加し485億31百万円となったことなどから、538億24百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額38億54百万円に加え、借入金の借入・返済の純額が、199億85百万円の支出となったことから、252億70百万円の支出となりました。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期比192億10百万円減少して1,495億34百万円となりました。
d)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
e)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、2016年度から2018年度までの「東洋製罐グループ第四次中期経営計画」を「容器をコアとして周辺分野へ発展したグローバル企業」に成長するための「基盤固め」として位置づけ、事業構造改革をはじめとする諸施策の遂行に取り組んでまいりました。
しかしながら、「東洋製罐グループ第四次中期経営計画」の2年目となる当連結会計年度におきましては、飲料容器をはじめとした包装容器の市場環境が想定以上に変化したほか、原材料・エネルギー価格が当初の想定を上回って推移したことなどにより、数値目標として掲げた「売上高8,000億円、営業利益350億円、営業利益率4.4%」に対し、実績は売上高7,852億円、営業利益318億円、営業利益率4.1%となり、売上高・利益面ともに数値目標を下回る結果となりました。
当社グループは、包装容器事業の構造改革や組織再編を進めている中、当社グループを取り巻く経営環境が加速度的に変化していること、東洋鋼鈑株式会社の完全子会社化を目的とした公開買付けを決定し、新たな事業運営体制への移行を進めていることから、「東洋製罐グループ第四次中期経営計画」を2017年度で中止し、2018年度から2020年度までの3ヶ年計画である「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」(以下、「本中期経営計画」といいます。)を新たに策定いたしました。本中期経営計画の内容につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当社グループを取り巻く経営環境は、より一層厳しさを増すことが想定されますが、本中期経営計画の諸施策を着実に遂行することで、持続的な成長を目指してまいります。
f)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ⅰ)主要な資金需要および財源
翌連結会計年度の当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資、自己株式の取得であります。
また成長市場に向けた国内・海外事業への投資および事業構造改革投資をM&Aなどの形態と組み合わせて行うことを検討しております。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達、政策保有株式売却等を主な財源として対応いたします。
ⅱ)資金の流動性
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
g)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(1)当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
①吸収分割
当社は、平成29年7月31日開催の取締役会において、当社の連結子会社である東洋製罐株式会社、東罐興業株式会社および日本クロージャー株式会社の非飲料用途を中心としたプラスチックボトルおよびプラスチックキャップ事業について事業統合を決議し、平成30年4月1日付で、吸収分割の方法によりメビウスパッケージング株式会社(平成29年10月2日設立)に統合させました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
②公開買付け
当社は、平成30年2月7日開催の取締役会において、当社の連結子会社である東洋鋼鈑株式会社を当社の完全子会社とすることを目的として、同社の普通株式を公開買付けにより取得することを決議し、同年5月11日より、本公開買付けを開始しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
③株式譲渡契約
当社は、平成30年3月7日開催の臨時取締役会において、当社の連結子会社である東洋製罐株式会社が保有するペットリファインテクノロジー株式会社の株式のすべてを、日本環境設計株式会社へ譲渡することを決議し、同日付で東洋製罐株式会社と日本環境設計株式会社は、株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度において、解約した重要な契約は次のとおりであります。
経営統合に関する基本合意書
当社およびホッカンホールディングス株式会社は、平成28年4月25日付で、両社の経営統合に関する基本合意書を締結し、本経営統合に向けて協議および検討を進めてまいりましたが、本基本合意書締結当時と経営環境が変化したことなどを踏まえ、平成30年3月30日開催の両社取締役会において、本基本合意書を両社合意の上で解約し、本経営統合に向けた協議および検討を中止することを決議いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループは多様化する市場ニーズに対応するため、当社綜合研究所、東洋製罐株式会社テクニカルセンターおよび東洋鋼鈑株式会社技術研究所などの研究機関により、次世代に向けた技術開発を目的として積極的に研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は137億15百万円であります。
各セグメントごとの研究開発活動の概要は次のとおりであります。
[包装容器関連事業]
当連結会計年度における包装容器関連事業の研究開発費は114億85百万円であります。
①金属製品の製造販売分野における主要な研究課題は、環境配慮型容器であるTULCの新成形方式の開発およびさらなる軽量化に関する研究、TULCの意匠性をさらに高めるための形状、材料および印刷に関する研究、TULCにおける内容物の適用拡大および実用化に関する研究、意匠性に優れた印刷・加飾技術の実用化に関する研究、アルミボトル缶の実用化に関する研究、内容物の保存性をより高めつつ環境に配慮した缶用水性塗料の実用化に関する研究、環境対応とコストダウンを両立させる諸材料への変更に関する研究、金属材料の表面処理における環境対応に関する研究、缶の新たな用途展開を図るための充填・殺菌・密封検査技術に関する研究、リチウムイオン二次電池向け外装材などの新たな用途展開に向けた金属製品製造技術を応用した成形加工技術に関する研究などであります。
②プラスチック製品の製造販売分野における主要な研究課題は、環境に配慮した飲料用軽量ペットボトルおよび飲料用軽量キャップの実用化に関する研究、飲料用ペットボトルのガスバリア性向上技術の開発に関する研究、持ちやすさや携帯性、開閉性を高めた新形状ボトルやキャップの実用化に関する研究、減容化および廃棄性の向上により環境負荷を低減した新形状ボトルの実用化に関する研究、無着色の発泡性樹脂を使用したパール調加飾ボトルの実用化に関する研究、パウチ用ラミネート材料の無溶剤システムの実用化に関する研究、酸素吸収性能を付与し内容物の保存性を高めたポリオレフィンボトルの実用化に関する研究、容器内の酸素吸収性能と外部酸素遮断技術を付与したカップの実用化と密封検査技術に関する研究、ポリオレフィンボトル・チューブにおける加飾技術の実用化に関する研究、詰替機能を向上させたパウチの実用化に関する研究、レトルト可能な再封機能付きパウチの開発および実用化に関する研究、電子レンジ加熱に適した自動蒸気抜き機能付きパウチ・カップの開発および実用化に関する研究、新しい充填・殺菌技術を用いたペットボトル、パウチ、カップにおける容器製造から充填殺菌までを一貫して行う生産システムの実用化に関する研究、酸素吸収性接着剤を適用した透明酸素吸収フィルムの実用化に関する研究などであります。
③紙製品の製造販売分野における主要な研究課題は成形性に優れた遮光紙コップの開発に関する研究などであります。
④ガラス製品の製造販売分野における主要な研究課題は、ガラスびんのコーティングおよび軽量化に関する研究などであります。
⑤エアゾール製品・一般充填品の受託製造販売分野における主要な研究課題は、2種類の液体を同時に吐出可能としたエアゾールシステムの適用拡大に関する研究などであります。
⑥包装容器関連機械設備の製造販売分野における主要な研究課題は、生産効率向上や省人化を可能とする加工システムの開発に関する研究などであります。
[鋼板関連事業]
当連結会計年度における鋼板関連事業の研究開発費は16億32百万円であります。主要な研究課題は、環境負荷の少ない缶用材料の開発に関する研究、電気・電子部品用に機能性を高めた表面処理鋼板の開発に関する研究、樹脂化粧鋼板の環境負荷低減および高意匠性付加に関する研究などであります。
[機能材料関連事業]
当連結会計年度における機能材料関連事業の研究開発費は5億50百万円であります。主要な研究課題は、ハードディスクの大容量化に対応可能なアルミ基板の開発に関する研究、光学用機能フィルムの生産性向上に関する研究、銀系抗菌剤の適用拡大に関する研究、水耕栽培用肥料の開発に関する研究などであります。
[不動産関連事業]
該当事項はありません。
[その他]
当連結会計年度におけるその他の事業の研究開発費は47百万円であります。主要な研究課題は、耐摩耗性・耐食性が高い硬質合金の適用拡大に関する研究などであります。