文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、1917年の創業以来100年にわたり、金属・プラスチック・紙・ガラス等、それぞれが持つ特性を活かし、人々のライフスタイルや社会の変化に応じて、さまざまな素材の容器を世の中に送り出してまいりました。当社グループは、2016年4月に制定した東洋製罐グループの経営思想のもと、次の100年に向けて、素材の開発と加工の技術を軸に、人々の暮らしをより豊かにし、環境にやさしいしくみを拡げ、さらなる発展と進化を目指しております。
〔東洋製罐グループの経営思想〕
経営理念
常に新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を希求して、人類の幸福に貢献します。
信条
・品格を重んじ、あらゆる事に日々公明正大に努めます。
・一人ひとりの力を最大限に発揮し、自己の成長と共に社会の繁栄に努めます。
ビジョン
・世界中の人に必要とされる斬新で革新的な技術と商品を提供するグループを目指します。
(2)目標とする経営指標
2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」では、最終年度である2020年度において、連結売上高8,200億円、営業利益500億円の達成等を数値目標として掲げております。
(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
当社グループが2018年5月にスタートさせた、2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」(以下、「本中期経営計画」といいます。)は2年目を迎えます。本中期経営計画において、2018年度を「創業的出直し」の年として位置づけ、東洋製罐グループの成長戦略とその成長戦略を支える組織構造・企業風土改革、財務・資本政策を進めることを基本戦略とし、持続的な成長を目指しております。
本中期経営計画の概要およびその進捗状況は次のとおりです。
〔「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」における基本戦略〕
①お客さま・社会へ常に新しい価値を提供いたします
東洋製罐グループが有する素材開発・成形加工・エンジニアリングの3つの技術を融合させ、人々の暮らしをより豊かにし、環境にやさしい新しいしくみを提案いたします。
<進捗状況>
・金属容器市場における当社グループの競争力強化を目的として、当社の連結子会社である東洋鋼鈑株式会社の普通株式を公開買付けにより取得することとし、2018年8月2日付で当社の完全子会社といたしました。これにより、同社が手がける「金属素材の開発」と、同じく当社の完全子会社である、東洋製罐株式会社における「金属容器の成形加工」およびStolle Machinery Company, LLCにおける「製缶・製蓋機械の製造販売」などの各事業を一気通貫で行うことができるようになり、既存のビジネスモデルを強化することができました。
・当社グループは、内容物の滑落性を向上させたプラスチックボトル「SLIDEX(スライデックス)」、デザイン性を向上させたガラスびん「衣玻璃(きぬはり)」、車載用二次電池向けのニッケルめっき鋼板など多岐にわたる付加価値製品をもって、市場の開拓に努めております。
②永続的な成長を支えるための組織構造・企業風土改革を進めます
次の3つの方針を軸として各種施策を実行いたします。
■機動的な事業運営を実現させる組織再編
■規模・機能・立地の適正化
■リーディングカンパニーに求められる社会的責任の実践
<進捗状況>
・当社は、当社の連結子会社である東洋製罐株式会社の飲料缶事業における生産拠点の再配置および次世代スマートファクトリー構想の実現を目的として、新工場建設用地を取得いたしました。
・当社において、従来の容器・素材の枠組みを超えて、グループの既存の事業セグメントにとどまらない価値の創造と提案が実現できる体制へと変更することを目的として、2019年4月1日付で、グループ顧客ソリューション部、グループ技術戦略室、イノベーション推進室等を新設するなど、事業会社の枠組みを超えてグループの総合力を発揮させる新たな機能を持つ組織を編成いたしました。また、当社は、容器市場の伸長が見込まれるアジア地域において、グローバル容器事業のさらなる事業拡大の機会を創出すべく、シンガポール共和国に、アジア地域の市場調査、マーケティング、事業開拓およびイノベーション創出の拠点としてシンガポール支店を開設いたしました。
③成長戦略投資と財務の健全性を両立させる財務・資本政策を進めます
次の2つの方針を軸として各種施策を実行いたします。
■適切な経営資源の配分による成長戦略投資の実践
■環境変化に柔軟に対応した財務・資本政策の実践
<進捗状況>
・当社の連結子会社である東罐興業株式会社は、労働力不足が進む中で省人・省力化を実現し、安定的な生産体制を整備することを目的として、同社の厚木工場内に、中食市場向けの食品用紙容器を製造する新工場棟を建設いたしました。なお、同工場棟は、2018年5月より稼働しております。
・当社の連結子会社である日本クロージャー株式会社は、プラスチックキャップの市場拡大に対応可能な生産スペースの確保、清涼飲料向けプラスチックキャップの生産設備の再配備による物流費の削減および自動化・省人化設備の導入による生産性向上を目的として、同社の小牧工場内に新工場棟を建設いたしました。なお、同工場棟は、2019年4月より稼働しております。
・当社の連結子会社であるBangkok Can Manufacturing Co., Ltd.は、タイにおける飲料用空缶の需要増に対応することを目的として新工場を建設し、2019年度半ばの稼働に向けて準備しております。
・東洋製罐株式会社は、豊橋工場において、今後の伸長が見込まれるフィルムパウチやプラスチックカップといった軟包装容器の製造・販売を行っております。同容器の増産対応および生産性の大幅な向上を目的として、新工場棟の建設を決定し、2019年度後半の稼働に向けて準備しております。
・今後の成長投資に向けた資産・財務の健全化および資本効率の改善によって企業価値の最大化を図ることを目的として、2018年6月27日に自己株式14,912,905株を消却するとともに、2018年度において自己株式9,523,300株(199億円)を取得いたしました。また、2018年度において、政策保有株式を252億円売却いたしました。
なお、当社および当社の連結子会社である東洋製罐株式会社は、2017年4月20日および2018年2月6日に、食品用空缶および飲料缶の取引に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。
当社および東洋製罐株式会社は、これらの事実を厳粛に受け止めるとともに、公正取引委員会による検査に全面的に協力しております。
当社グループを取り巻く経営環境は、より一層厳しさを増すことが想定されますが、本中期経営計画の諸施策を着実に遂行することで、持続的な成長を目指してまいります。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
①基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社株式の大量買付がなされる場合であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転をともなう買付提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社株式の大量買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保し、向上させられるものでない場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
②基本方針実現のための具体的な内容の概要
(a)基本方針の実現に資する特別な取組みの具体的な内容の概要
(中期経営計画等)
当社グループが2018年5月にスタートさせた2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」は2年目を迎えます。本中期経営計画において、2018年度を「創業的出直し」の年として位置づけ、東洋製罐グループの成長戦略とその成長戦略を支える組織構造・企業風土改革、財務・資本政策を進め、持続的な成長を目指しております。
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社は、グループの経営思想である経営理念・信条・ビジョンのもと、企業活動を通じて社会に貢献しつつ、企業価値の向上を図り新たな発展と進化を続けるために、コーポレート・ガバナンスを充実させていくことが経営上の重要課題であると位置づけ、「コーポレート・ガバナンス基本方針」を策定し、これに継続的に取り組んでおります。
<持株会社体制>
当社グループは、持株会社体制のもと、グループ全体の経営戦略および目標を明確に定め、グループ内の経営資源の最適配分を行うことにより、機動的かつ効率的な事業運営を推し進めております。これにより、グループ経営戦略の策定機能と業務執行機能を分離し、経営責任体制を明確化しております。
<社外役員の体制>
当社は、当社における社外取締役および社外監査役を独立役員として認定する独立性に関する基準を明確にすることを目的として、「社外役員の独立性判断基準」を制定しております。
取締役会は、取締役13名で構成されており、そのうち独立性を有する社外取締役は5名であり、取締役会における社外取締役の人数は3分の1を超えております。また、取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を機動的に構築するために、取締役の任期を1年としております。
また、社外取締役および社外監査役は、代表取締役との意見交換を行う社外役員会議を原則毎月実施し、経営の透明性や客観性を高めるために忌憚のない意見交換を行うとともに、国内外のグループ会社を適宜視察するなど、積極的な活動を行っております。
これら独立した客観的な立場にある社外取締役や社外監査役により、取締役会において活発な議論が行われるとともに、経営陣のモニタリングが行われており、経営体制に対する監視機能が確保されています。
<業務執行の体制>
当社においては、執行役員制度を導入することにより、経営の効率性・機動性を確保するとともに、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能の明確化を図っております。経営の基本方針および諸施策を適切かつ迅速に確立し、経営活動を強力に推進するために、常勤取締役、機能統轄責任者、専務執行役員および常務執行役員により構成される「経営戦略会議」を月1回開催し、また、常勤取締役、機能統轄責任者、専務執行役員、主要なグループ会社社長により構成される「経営執行会議」を原則として月2回開催しております。なお、「経営戦略会議」および「経営執行会議」には常勤監査役が出席し、適宜意見を述べております。また、当社は、取締役・執行役員がその役割と責務を適切に遂行するため、必要な知識の習得および継続的な更新を支援することを目的として、各種研修の機会を随時設けております。
これに加え、当社は、代表取締役、取締役候補者および監査役候補者の指名ならびに取締役および執行役員の報酬などにかかる取締役会の機能の客観性・適時性・透明性をより強化することを目的として、代表取締役2名および独立性を有する社外取締役5名から構成される任意の諮問機関である「ガバナンス委員会」を設けております。
<内部統制システムを運用するための体制>
当社およびグループ各社は、内部統制システムを運用しております。当社では、法令を遵守した企業活動の徹底を図り経営の効率性を高めるため、同システムの整備・運用状況や法令等の遵守状況は、社長直轄の内部監査部門である監査室により定期的に実施される内部監査を通じて確認され、その結果に基づき適宜改善を図っております。
当社グループは、上記の施策等を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化を図り、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を実現してまいります。
(b)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要
(ⅰ)当社は2018年5月15日開催の取締役会決議及び2018年6月27日開催の第105回定時株主総会決議に基づき当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を更新しております。本プランの概要については、下記(ⅱ)のとおりです。
(ⅱ)本プランの概要
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券等の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。
買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付を行うことができるものとされています。
買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株券等の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合で、本プラン所定の発動要件を満たす場合等には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権に係る新株予約権無償割当て、又はその他の法令及び当社定款の下でとりうる合理的な施策を実施します。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。
当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、特別委員会規則に従い、当社経営陣から独立した当社社外取締役等のみから構成される特別委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。加えて、当社取締役会は、本プランに定めるところに従い、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認いたします。
こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示を行い、その透明性を確保することとしております。本プランの有効期間は、2018年6月27日開催の第105回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとされております。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画及びコーポレート・ガバナンスの強化等の各施策は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは当社株式に対する買付等が行われた際に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、当社の基本方針に沿うものです。
さらに、本プランは、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を充足していること、更新にあたり株主の皆様のご承認を得ていること、一定の場合には本プランの発動の是非等について株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認する仕組みが設けられていること、有効期間を約3年間とするいわゆるサンセット条項が付されていること、及び有効期間の満了前であっても、当社株主総会により本プランを廃止できるものとされていること等株主意思を重視するものとなっております。また、本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、本プランの発動に際しての実質的な判断は、経営陣からの独立性を有する社外取締役等のみから構成される特別委員会により行われること、特別委員会は、当社の費用で専門家等の助言を受けることができるものとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること等により、その公正性・客観性も担保されております。
したがって、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える可能性のあるリスクには主として次のようなものがあります。
なお、当社グループ事業等はこれら以外にもさまざまなリスクをともなっており、また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)自然災害・事故リスク
当社グループの主力事業である飲料容器事業においては、その事業の性質上、需要期の天候が業績に重大な影響を及ぼします。飲料容器の需要がピークを迎える上半期において、冷夏や長梅雨などの予想しにくい気象状況の変動や、予期せぬ自然災害の発生等に起因する需要の減少が、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を与えることになります。
また、地震や台風などの大規模な自然災害が発生し、当社グループの生産設備等に甚大な被害を与えた場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。
(2)コンプライアンスリスク
企業の社会的責任が近年ますます重要視されるなか、企業活動における遵法精神を徹底させるとともに、経営上のリスクを回避しながら経営資源を効率的かつ適正に運用していくことで業績を向上させていくことが求められております。
当社グループにおいてもこうした状況を踏まえ、コンプライアンス体制の強化は重要な経営課題と認識し、その実現に向けてグループを挙げて努力しておりますが、リスク管理体制の不備により企業の社会的責任を問われる事態が生じる可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合は、当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損される懸念があります。
当社および当社の連結子会社である東洋製罐株式会社は、2017年4月20日および2018年2月6日に、食品用空缶および飲料缶の取引に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。
当社および東洋製罐株式会社は、これらの事実を厳粛に受け止めるとともに、公正取引委員会による検査に全面的に協力しておりますが、今回の検査結果として何らかの行政処分を命じられる場合には、当社グループの業績および財政状態への悪影響や社会的評価の低下を招く懸念があります。
(3)事業・経営リスク
①経済状況の変化
世界経済および日本経済における景気の後退あるいは停滞、少子高齢化の進行や、それらにともなう個人消費の低迷および為替の変動は、売上高や利益の減少につながる懸念があります。
②原材料・エネルギー価格の変動
金属・プラスチック・紙・ガラス等、当社グループが製造販売する製品の主要原材料の価格やエネルギー価格の変動が、当社グループの業績や収益性に影響を及ぼします。
なお、当社グループは原材料価格が上昇した場合、製品価格への転嫁に努めておりますが、その達成状況および進捗の度合いによっては、当社グループの収益性が低下する懸念があります。
③価格競争の激化
当社グループが主として事業を展開する容器市場においては、競合他社との価格競争激化およびお得意先各社における容器の自社製造の拡大が続いており、当社グループの価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向を強める懸念があります。
④研究開発
技術立社を目指す当社グループにとって継続的かつ効果的な研究開発投資は不可欠なものである一方、その成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。特に新製品・新技術などの研究開発投資が今後十分なリターンを生み出さない場合には、当社グループの将来の成長性および収益性を低下させる懸念があります。
⑤企業買収・資本参加等
当社グループは、事業基盤の強化および事業の拡大を目的として企業買収や資本参加等を積極的に実施しておりますが、当社グループが期待する成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績、収益性に大きな影響を与える懸念があります。
⑥設備投資
当社グループはさらなる企業価値向上のために、生産、販売、研究開発の各分野において積極的かつ効果的な設備投資を行っております。これらの投資に期待される効果が十分に得られなかった場合には、当社グループの将来の経営戦略の構築に支障をきたし、また、収益性を低下させることが危惧されます。
⑦取引先の信用リスク
当社グループの取引先の信用不安により、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。
⑧人材確保と育成
当社グループの将来にわたる継続的な成長と発展には有能なリーダーの存在の有無が大きな影響を与えるため、優秀な人材の確保と育成は当社グループの発展には不可欠なファクターであり、優秀な人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長に好ましくない影響を与える懸念があります。
⑨敵対的企業買収
当社は株式公開会社であるため、当社株式を公開買付けまたは市場取引等で大量に取得する者が現われる可能性があります。当社グループの企業価値および株主共同の利益を毀損することが明らかな敵対的企業買収が行われた場合、当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える懸念があります。
⑩訴訟のリスク
当社グループが国内外で事業活動を遂行していくうえで、訴訟の対象となるリスクがあります。将来重要な訴訟が提起された場合には、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を与える懸念があります。
(4)情報セキュリティリスク
当社グループが保有する個人情報および業務上知り得た情報等の保護についてはさまざまな対策を講じておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性が全く無いとは言い切れず、そのような事態が生じた場合、当社グループの信用もしくは評価が毀損され、業績等に影響を与える懸念があります。
(5)財務・会計リスク
①退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。今後、長期金利が低下した場合および年金資産の運用利回りの悪化が生じた場合には、当社グループの収益性、業績を悪化させることになります。
②繰延税金資産
当社グループでは、将来減算一時差異等に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり、繰延税金資産の修正が必要となる場合には、当社グループの経営成績や財務状況に影響を与える可能性があります。
③減損会計
当社グループが保有する固定資産について、稼働率、収益性の低下等により減損損失を認識すべきであると判定した場合、相当程度の減損損失を計上することが予測され、当社グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える懸念があります。
④会計基準および税制等の変更
日本の会計基準は、国際的な基準との調和を図るべく改訂を重ねており、今後もこの方向で推移するものと予想されます。また、日本における国際財務報告基準の適用に向けた議論が進んでいます。このような状況のなか、将来における会計基準の変更は、当社グループの経営成績、財務状況および業務遂行に影響を与える可能性があります。また、日本および諸外国の税制等が改正される場合においても同様の可能性があります。
⑤保有資産の価格変動
当社グループの保有する土地や有価証券等の資産価値が下落することにより、当社グループの業績および財務状況に好ましくない影響を与える懸念があります。
(6)製造・品質リスク
当社グループは厳格な品質管理基準に基づき多様な製品を製造・販売しておりますが、全ての製品について欠陥が皆無で、将来にわたり品質的なクレームや製造物責任が発生しないという保証はありません。こうした想定外の大規模な品質クレームや製造物責任によって多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が毀損される懸念があります。
(7)環境リスク
当社グループの製品の製造工程における環境負荷低減への取り組みが、製造コストを押し上げることや、当社グループの企業活動に起因する想定外の環境問題が発生することにより、多額のコスト負担の発生や当社グループの信用もしくは評価が大きく毀損される懸念があります。
昨今の全世界的な海洋プラスチックごみ問題を起点として、プラスチック製品の削減に関する世論が高まっております。当社グループにおいても、プラスチック製包装容器を製造・販売しており、連結売上高のおよそ4分の1を占めておりますが、今後の状況の変化によっては販売への影響が懸念され、ひいては、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)カントリーリスク
当社グループは、アジアや欧米などにおいてグローバルな事業展開を行っております。海外におけるテロの発生、政情の悪化、経済状況の変動、為替の変動および予期せぬ法律・規制の変更等があった場合、当社グループの業績等に影響を与える懸念があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善などを背景に、景気は緩やかな回復基調が継続しましたが、海外の通商問題や金融資本市場の動向などの影響が懸念され、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境下におきまして、当連結会計年度における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。売上高は、飲料用空缶の販売が減少しましたが、食品・生活用品用のプラスチックボトルや飲料ペットボトルなどのプラスチック製品および機能材料などの販売が増加し、7,931億19百万円(前期比1.0%増)となりました。利益面では、グループ全体のコスト削減効果などがありましたが、原材料・エネルギー価格の上昇により、営業利益は254億43百万円(前期比20.2%減)、経常利益は277億84百万円(前期比5.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の計上がありましたが、減損損失および災害による損失を計上したことにより、202億62百万円(前期は247億40百万円の損失)となりました。
各セグメントの営業の概況は次のとおりであります。
〔包装容器関連事業〕
売上高は6,556億71百万円(前期比0.2%減)となり、営業利益は198億25百万円(前期比16.5%減)となりました。
a)金属製品の製造販売
金属製品の売上高は前期を下回りました。
《国内》
チューハイ向けのアルコール飲料用空缶が増加しましたが、大阪府北部地震および西日本豪雨により東洋製罐株式会社が被害を受けたほか、コーヒー向けの清涼飲料用空缶やキャップが減少し、売上高は前期を下回りました。
《海外》
タイにおいてビール向けのアルコール飲料用空缶やコーヒー向けの清涼飲料用空缶が減少し、売上高は前期を下回りました。
b)プラスチック製品の製造販売
プラスチック製品の売上高は前期を上回りました。
《国内》
ドレッシング向けなどのボトルが増加したほか、お茶類・コーヒー向けの飲料用ペットボトルや清涼飲料向けのキャップが好調に推移したことに加え、洗濯用洗剤向けの詰め替用パウチが増加し、売上高は前期を上回りました。
《海外》
中国におけるお茶類などの受託充填品の減少で飲料用ペットボトルが減少し、売上高は前期を下回りました。
c)紙製品の製造販売
ヨーグルト向けのカップやコンビニエンスストア向けのコーヒー用飲料コップなどの紙容器製品が減少したほか、清涼飲料・ビール類向けの段ボール製品が低調に推移したことにより、売上高は前期を下回りました。
d)ガラス製品の製造販売
ドレッシング・清涼飲料向けにおいて他素材への切替があったことなどから、びん製品が減少し、売上高は前期を下回りました。
e)エアゾール製品・一般充填品の受託製造販売
染毛剤などのエアゾール製品が増加しましたが、制汗消臭剤・頭髪用品の一般充填品が低調に推移したことにより、売上高は前期並となりました。
f)包装容器関連機械設備の製造販売
国内において飲料充填設備の販売が減少しましたが、欧米向けの製缶・製蓋機械などの販売が増加し、売上高は前期を上回りました。
〔鋼板関連事業〕
売上高は617億64百万円(前期比4.2%増)となり、営業利益は14億83百万円(前期比63.3%減)となりました。
電気・電子部品向けでは、車載用二次電池向けの電池材などが増加し、売上高は前期を上回りました。
自動車・産業機械部品向けでは、駆動系部品材が減少し、売上高は前期を下回りました。
建築・家電向けでは、バスルーム向け内装材が増加し、売上高は前期を上回りました。
〔機能材料関連事業〕
売上高は410億72百万円(前期比10.9%増)となり、営業利益は33億87百万円(前期比66.1%増)となりました。
磁気ディスク用アルミ基板では、サーバー向けのハードディスク用途が増加したことなどにより、売上高は前期を上回りました。
光学用機能フィルムでは、フラットパネルディスプレイ関連市場において機能優位性が認められたことなどにより、売上高は前期を上回りました。
その他、顔料などが増加しました。
〔不動産関連事業〕
オフィスビルおよび商業施設等の賃貸につきましては、売上高は77億98百万円(前期比0.4%増)となり、営業利益は47億64百万円(前期比1.5%減)となりました。
〔その他〕
自動車用プレス金型・機械器具・硬質合金および農業用資材製品などの製造販売、石油製品などの販売および損害保険代理業などにつきましては、売上高は268億12百万円(前期比9.5%増)となり、営業損失は3億14百万円(前期は3億6百万円の営業損失)となりました。
資産、負債および純資産の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、1兆687億81百万円となりました。設備投資の実施により有形固定資産は増加しましたが、現金及び預金の減少や保有上場有価証券の売却や時価下落による減少により前連結会計年度末に比べ452億13百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債は、4,189億68百万円となりました。借入金等が増加したことにより前連結会計年度末に比べ251億81百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産は、6,498億12百万円となりました。連結子会社の普通株式を取得したことにより資本剰余金は増加しましたが、保有上場有価証券の売却や時価下落によるその他有価証券評価差額金の減少や非支配株主持分が減少したことにより前連結会計年度末に比べ703億94百万円の減少となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の58.2%から58.6%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて118億92百万円減少し、1,376億41百万円(前期比8.0%減)となりました。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
税金等調整前当期純利益が322億16百万円、減価償却費451億67百万円、投資有価証券売却益195億24百万円、法人税等の支払額73億3百万円などにより、当連結会計年度における営業活動による資金の増加は552億30百万円(前期比6.8%減)となりました。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
包装容器関連事業での設備投資を中心とした有形固定資産の取得による支出が516億73百万円、投資有価証券の売却による収入231億2百万円があったことなどにより、当連結会計年度における投資活動による資金の減少は305億37百万円(前期比43.3%減)となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
当社の連結子会社である東洋鋼鈑株式会社の完全子会社化を目的とした連結範囲変更を伴わない株式取得による支出が378億16百万円あったことなどにより、当連結会計年度における財務活動による資金の減少は364億98百万円(前期比44.4%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
包装容器関連事業 |
549,450 |
100.0 |
|
鋼板関連事業 |
56,164 |
101.5 |
|
機能材料関連事業 |
39,290 |
111.5 |
|
報告セグメント計 |
644,904 |
100.7 |
|
その他 |
21,600 |
110.2 |
|
合計 |
666,505 |
101.0 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.不動産関連事業は、生産形態をとらない事業活動のため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b)受注実績
包装容器関連事業、鋼板関連事業、機能材料関連事業およびその他のうち、受注生産によるものについての当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前期比(%) |
|
包装容器関連事業 |
60,246 |
120.1 |
29,941 |
113.6 |
|
鋼板関連事業 |
63,057 |
107.0 |
13,630 |
99.2 |
|
機能材料関連事業 |
28,293 |
111.6 |
1,926 |
90.8 |
|
その他 |
19,990 |
103.0 |
16,719 |
101.1 |
|
合計 |
171,588 |
111.5 |
62,218 |
105.9 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.包装容器関連事業の金額は、包装容器関連機械設備の製造販売の一部に係るものであります。それ以外の受注実績は販売実績とほぼ同様であります。
3.不動産関連事業は、受注形態をとらない事業活動のため記載しておりません。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
包装容器関連事業 |
655,671 |
99.8 |
|
鋼板関連事業 |
61,764 |
104.2 |
|
機能材料関連事業 |
41,072 |
110.9 |
|
不動産関連事業 |
7,798 |
100.4 |
|
報告セグメント計 |
766,307 |
100.7 |
|
その他 |
26,812 |
109.5 |
|
合計 |
793,119 |
101.0 |
(注)1.販売高には、他からの購入品の販売が含まれており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、遡及修正後の数値で前期末比較を行っております。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積もりを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a)財政状態の分析
当連結会計年度(以下「当期」といいます。)末の総資産は、前連結会計年度(以下「前期」といいます。)末比452億13百万円減少して、1兆687億81百万円となりました。これは、設備投資の実施により有形固定資産は増加しましたが、現金及び預金の減少や保有上場有価証券の売却や時価下落による減少などによるものです。
純資産は703億94百万円減少して、6,498億12百万円となりました。非支配株主持分の減少が大きな要因となっております。
b)経営成績の分析
当社グループの業績は、飲料用空缶の販売が減少しましたが、食品・生活用品用のプラスチックボトルや飲料ペットボトルなどのプラスチック製品および機能材料などの販売が増加し、売上高は前期比78億40百万円増加して7,931億19百万円となりました。
売上原価が前期比145億93百万円増加したことにより、売上総利益は前期比67億52百万円減少し、1,147億4百万円となりました。これは、グループ全体のコスト削減効果はあったものの、原材料・エネルギー価格が上昇したことが大きな要因であります。
営業利益は、前期比64億27百万円減少し、254億43百万円となり、売上高営業利益率は3.2%となりました。
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、前期比49億67百万円増加し、23億41百万円の収益となりました。当期は前期に比べ、為替差益を計上したことや支払弁償金等の費用が減少したことなどにより、営業外収支が改善致しました。
以上の結果、経常利益は前期比14億59百万円減少し277億84百万円となり、売上高経常利益率は3.5%となりました。
当期は特別利益として、政策保有株式売却等による投資有価証券売却益195億24百万円等を計上致しました。
一方、特別損失として、減損損失84億70百万円、大阪府北部地震及び西日本豪雨等に伴い発生した災害による損失74億93百万円等を計上致しました。
前期に比べ特別利益が増加したことなどにより、当期は322億16百万円の税金等調整前当期純利益(前期は218億26百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。
当期の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した税金費用合計は前期比94億87百万円増加して、102億86百万円となりました。
以上の結果、当期純利益は219億30百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は202億62百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失247億40百万円)となり、売上高当期純利益率は2.6%となりました。
なお、セグメント別の売上高及び営業利益の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
c)キャッシュ・フローの分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が322億16百万円(前期は税金等調整前当期純損失218億26百万円)となりましたが、災害損失の支払額が52億95百万円あったことなどから、前期比40億21百万円減少し、552億30百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、包装容器関連事業での設備投資を中心とした有形固定資産の取得による支出が前期比31億42百万円増加し516億73百万円となりましたが、政策保有株式売却等による投資有価証券の売却による収入が231億2百万円あったことなどから、305億37百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額27億92百万円に加え、当社の連結子会社である東洋鋼鈑株式会社の完全子会社化を目的とした連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が378億16百万円あったことなどから、364億98百万円の支出となりました。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期比118億92百万円減少して1,376億41百万円となりました。
d)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
e)経営戦略の現状と見通し
当社グループが2018年5月にスタートさせた2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」(以下、「本中期経営計画」といいます。)は2年目を迎えます。本中期経営計画では、最終年度である2020年度において「連結売上高8,200億円、営業利益500億円」の達成等を数値目標として掲げております。
初年度である2018年度は、大阪府北部地震および西日本豪雨の影響があったほか、原材料価格の上昇などにより、数値目標として掲げた「連結売上高8,000億円、営業利益340億円」に対し、実績は連結売上高7,931億円、営業利益254億円となり、売上高・利益面ともに計画を下回る結果となりました。
当社グループを取り巻く経営環境は、より一層厳しさを増すことが想定されますが、本中期経営計画の諸施策を着実に遂行することで、持続的な成長を目指してまいります。
なお、本中期経営計画の内容および諸施策の進捗状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
f)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ⅰ)主要な資金需要および財源
翌連結会計年度の当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
また成長市場に向けた国内・海外事業への投資および事業構造改革投資をM&Aなどの形態と組み合わせて行うことを検討しております。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達を主な財源として対応いたします。
ⅱ)資金の流動性
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
g)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
吸収分割
当社は、2018年11月30日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるKYテクノロジー株式会社のサイクル関連事業について、吸収分割の方法により、当社の連結子会社である鋼鈑商事株式会社に対して承継させることを決議いたしました。また、KYテクノロジー株式会社および鋼鈑商事株式会社は、同日付で吸収分割契約を締結し、2019年4月1日付で吸収分割を行いました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループは多様化する市場ニーズに対応するため、当社綜合研究所、東洋製罐株式会社テクニカルセンターおよび東洋鋼鈑株式会社技術研究所などの研究機関により、次世代に向けた技術開発を目的として積極的に研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
各セグメントごとの研究開発活動の概要は次のとおりであります。
[包装容器関連事業]
当連結会計年度における包装容器関連事業の研究開発費は
①金属製品の製造販売分野における主要な研究課題は、環境配慮型容器であるTULCの新成形方式の開発およびさらなる軽量化に関する研究、TULCの意匠性をさらに高めるための形状、材料および印刷に関する研究、TULCにおける内容物の適用拡大および実用化に関する研究、意匠性に優れた印刷・加飾技術の実用化に関する研究、アルミDI缶の環境に配慮した成形加工システムの実用化に関する研究、アルミボトル缶の実用化に関する研究、内容物の保存性をより高めつつ環境に配慮した缶用水性塗料の実用化に関する研究、環境対応とコストダウンを両立させる諸材料への変更に関する研究、金属材料の表面処理における環境対応に関する研究、缶の新たな用途展開を図るための充填・殺菌・密封検査技術に関する研究、リチウムイオン二次電池向け外装材などの新たな用途展開に向けた金属製品製造技術を応用した成形加工技術に関する研究などであります。
②プラスチック製品の製造販売分野における主要な研究課題は、環境に配慮した飲料用軽量ペットボトルおよび飲料用軽量キャップの実用化に関する研究、飲料用ペットボトルのガスバリア性向上技術の開発に関する研究、持ちやすさや携帯性、開閉性を高めた新形状ボトルの実用化に関する研究、減容化および廃棄性の向上により環境負荷を低減した新形状ボトルの実用化に関する研究、無着色の発泡性樹脂を使用したパール調加飾ボトルの研究・実用化、パウチ用ラミネート材料の無溶剤システムの実用化に関する研究、酸素吸収性能を付与し内容物の保存性を高めたポリオレフィンボトルの実用化に関する研究、内容物の滑落性を向上させたポリオレフィンボトルの実用化に関する研究、容器内の酸素吸収性能と外部酸素遮断技術を付与したカップの実用化と密封検査技術に関する研究、ポリオレフィンボトル・チューブにおける加飾技術の実用化に関する研究、詰替機能を向上させたパウチの実用化に関する研究、レトルト可能な再封機能付きパウチの開発および実用化に関する研究、電子レンジ加熱に適した自動蒸気抜き機能付きパウチ・カップの開発および実用化に関する研究、新しい充填・殺菌技術を用いたペットボトル・パウチ・カップにおける容器製造から充填殺菌までを一貫して行う生産システムの実用化に関する研究、酸素吸収性接着剤を適用した透明酸素吸収フィルムの実用化に関する研究、パウチにおける加飾技術の実用化に関する研究などであります。
③紙製品の製造販売分野における主要な研究課題は、成形性に優れた遮光紙コップの開発に関する研究などであります。
④ガラス製品の製造販売分野における主要な研究課題は、ガラスびんのコーティングおよび加飾技術の開発に関する研究などであります。
⑤エアゾール製品・一般充填品の受託製造販売分野における主要な研究課題は、2種類の液体を同時に吐出可能としたエアゾールシステムの適用拡大に関する研究などであります。
⑥包装容器関連機械設備の製造販売分野における主要な研究課題は、生産効率向上や省人化を可能とする加工システムの開発に関する研究などであります。
[鋼板関連事業]
当連結会計年度における鋼板関連事業の研究開発費は
[機能材料関連事業]
当連結会計年度における機能材料関連事業の研究開発費は
[不動産関連事業]
該当事項はありません。
[その他]
当連結会計年度におけるその他の事業の研究開発費は37百万円であります。