第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果もあり、一部に改善の遅れがみられるものの、緩やかな回復基調が続きました。しかし、米国新政権の政策運営や欧州の政治情勢、中東や北朝鮮の地政学リスク、中国の金融リスクなど世界経済は不確実性が多く、先行き不透明な状況で推移いたしました。

橋梁・鉄骨業界におきましては、橋梁は国土交通省案件等の発注が一巡したことなどにより、発注量は前年度を大きく下回りました。一方、鉄骨は2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック関連事業や首都圏を中心に再開発計画の活発な動きがみられたものの、発注が端境期となったため、発注量は前年度並みの水準で推移いたしました。

このような環境のなか、鋭意受注活動を展開した結果、当連結会計年度の受注高は総額355億7千1百万円(前期比12.4%減)となりました。また、売上高は364億6千8百万円(同0.7%減)となりました。
 損益につきましては、高収益の大型橋梁工事が前連結会計年度に竣工したものの、大型橋梁工事の追加変更獲得や設備投資効果で生産性が向上したことなどにより、営業利益10億9千5百万円(同46.1%減)、経常利益11億3千8百万円(同40.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益10億1千2百万円(同53.1%減)を確保いたしました。
 また、平成26年に策定した中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度につきましては、売上高は目標に届きませんでしたが、営業利益は目標を達成することができました。

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。

(報告セグメントの変更について)
 当社グループは利益管理の強化を図るため、事業区分の見直しを行い、従来の「その他」について「不動産事業」及び「その他」に区分することといたしました。従いまして、当連結会計年度から報告セグメントを「橋梁事業」、「鉄骨事業」、「不動産事業」に変更いたしました。

 

― 橋梁事業 ―

当連結会計年度の受注高は、国土交通省中部地方整備局 平成28年度東海環状長深5号高架橋外回り鋼上部工事、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 九州新幹線(西九州)、第1下西山橋りょう(合成けた)他の工事で105億9千4百万円(前期比32.2%減)となりました。
 売上高は、国土交通省近畿地方整備局 八鹿日高道路稲葉川橋上部工事、埼玉県 総A除)道路改築工事(7号橋上部工(仮称))他の工事で128億2千5百万円(同23.8%減)となり、これにより受注残高は119億7千9百万円(同15.7%減)となっております。

 

― 鉄骨事業 ―

当連結会計年度の受注高は、虎ノ門一丁目地区第一種市街地再開発事業施設建築物(高層棟)、虎ノ門トラストシティーワールドゲート計画他の工事で248億9千2百万円(前期比1.6%増)となりました。
 売上高は、赤坂一丁目地区市街地再開発事業、(仮称)新日比谷プロジェクト新築工事他の工事で226億5千3百万円(同26.0%増)となり、これにより受注残高は250億5千3百万円(同9.8%増)となっております。

 

― 不動産事業 ―

当社グループは、大阪市西淀川区にある大阪事業所の未利用地部分等について賃貸による不動産事業を行っており、当連結会計年度における不動産事業の売上高は4億2千1百万円(前期比4.4%減)となっております。

 

― そ の 他 ―

当社グループは、その他の事業として風力発電等による環境事業及び印刷事業等を行っており、当連結会計年度におけるその他の売上高は、環境事業で新島風車実証工事などに印刷事業等を含め5億6千7百万円(同61.5%減)となり、これにより受注残高は4千9百万円(同87.4%減)となっております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ32億5千1百万円増加し98億2千1百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は29億1千3百万円(前連結会計年度16億4千2百万円の収入)となりました。これは仕入債務の増加による収入12億2千8百万円があったことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は3億9千1百万円(前連結会計年度1億8千6百万円の支出)となりました。これは投資有価証券の取得による支出2億2百万円があったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は7億3千万円(前連結会計年度11億9千4百万円の収入)となりました。これは社債償還による支出16億1千万円があったものの、社債発行による収入29億4千5百万円があったことなどによるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

橋 梁 事 業

12,771

△23.9

鉄 骨 事 業

21,523

37.6

そ  の  他

374

△61.7

合     計

34,669

3.8

 

(注) 上記生産高は請負契約高に生産進捗率を乗じて算出しております。

 

 

(2) 受注高及び受注残高

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

受注高

橋 梁 事 業

10,594

△32.2

鉄 骨 事 業

24,892

1.6

そ  の   他

84

△82.0

合     計

35,571

△12.4

 

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(平成29年3月31日現在)

金額(百万円)

前期比(%)

受注残高

橋 梁 事 業

11,979

△15.7

鉄 骨 事 業

25,053

9.8

そ  の   他

49

△87.4

合     計

37,081

△0.9

 

 

(3) 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

橋 梁 事 業

12,825

△23.8

鉄 骨 事 業

22,653

26.0

不 動 産 事 業

421

△4.4

そ  の  他

567

△61.5

合     計

36,468

△0.7

 

(注) 売上高に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

 

前連結会計年度

相手先

金額(百万円)

割合(%)

㈱大林組

9,125

24.84

国土交通省

8,073

21.98

 

 

当連結会計年度

相手先

金額(百万円)

割合(%)

㈱大林組

13,791

37.82

国土交通省

3,840

10.53

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループが属する橋梁・鉄骨業界の事業環境は、橋梁事業では、新設橋梁の発注量は引き続き低水準で推移することが見込まれており、各社が技術提案力・積算精度の向上に凌ぎを削る中で熾烈な受注競争が続くものと思われます。これに対し、都市高速の大規模更新を始めとして数多くの更新時期を迎えた橋梁に対する老朽化対策は、社会インフラにおける喫緊の課題と位置付けられていることから、維持・補修事業への取組みが今後ますます重要度を増すこととなります。
 一方、鉄骨事業は各種経済対策により景気の回復を背景に、企業の設備投資意欲も活発化してきており、更に2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた施設建設やその波及効果が期待される関連業種の設備投資計画なども加わって、首都圏を中心に多数の大型物件の計画が進められております。

しかしながら、これまでの長期の景気低迷により特に建設業界における労働人口は大きく減少しており、技術者・技能者の不足が深刻化する中、労務費の高騰や資機材価格の高騰が収益圧迫要因となるとともに、東京オリンピック・パラリンピック後の需要減を見据えた対応も求められております。
 また、生産性向上や技能者不足対策に向けての人材育成や生産設備の自動化・省力化についても積極的に推進しなければなりません。
 このような難しい舵取りが求められる環境のもと、当社グループはこれまで多くの製品を納めてきた実績、培ってきた技術力を最大限に活かし、技術と品質で社会の安全・安心と企業の更なる成長を目指すための新たな3か年計画「中期経営計画」を策定いたしました。
 『技術と品質で社会の安全・安心と企業の更なる成長を目指す』を基本方針として定め、以下の具体的な施策に取組んでまいります。
 
1. 橋梁、鉄骨事業の安定受注と収益力の強化
2. 生産性向上に向けた生産体制の強化
3. 補修・保全への取組み強化
4. 戦略的な技術開発・実用化の推進
5. 環境・海外インフラの受注と収益の確保
6. 安全・品質・環境に配慮した生産システムの構築
7. 人材育成と働き方改革への取組み強化
 
 具体的施策として、橋梁事業は、補修・保全の比重が高まる中、新設、補修工事の受注に向けた情報収集等の推進、総合評価方式への対応強化、企業等の評価点向上などにより受注量の確保を図ります。また、次世代工場化の推進や原価低減などにより収益力の強化を図ります。
 鉄骨事業は、首都圏を中心とした再開発計画が活発化する中、技術力を活かし、鉄骨高難易度部材やプラント等鋼構造物の積極的な受注に取組みます。また、独自技術の開発・研究の推進や三次元CADやコラムジョイントなど当社保有の技術及び鉄骨技術と橋梁技術の両方を活用できる強みを活かした他社との差別化による営業を展開します。
 生産体制の強化については、ICT推進室を設置し、ICTを活用した生産システム化を推進します。具体的には、工場レイアウトの再編と中長期の生産設備計画(工場の自動化・省力化)により生産体制の強化を図るとともに、現場でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の活用を目指します。
 補修・保全への取組み強化については、橋梁保全事業室を設置し、鉄道橋の補修工事への取組み強化や被災地への復旧・復興への貢献に取組みます。また、当社保有技術の販路拡大や補修保全技術の開発・実用化に向けて積極的に取組みます。
 戦略的な技術開発・実用化の推進については、新技術の開発と実用化に向けた取組みを行います。また、技術者、技能者不足を補う自動化や技術力向上の推進を図ります。
 環境・海外インフラの受注と収益の確保として、環境事業は、風力発電機の寒冷地仕様や台風仕様で気象条件の厳しい地域への導入による販路拡大に取組み、海外案件では現地生産によるコスト削減を図り収益を確保します。海外事業については、ODA(政府開発援助)橋梁案件の受注を目指します。
 

 

安全・品質・環境に配慮した生産システムの構築については、無事故無災害達成のため、安全管理のさらなる強化を図るとともに、品質改善活動を推進し品質向上を目指し、環境負荷低減の取組み強化を図ります。
 人材育成と働き方改革への取組み強化については、従業員の健康障害防止に取組み、計画的な休暇取得等を推進します。また、知識、技術、技能の伝承を通じて、若年層、リーダー人材の育成に取組むとともに、従業員のモチベーションアップのため、ジョブローテーション、職場環境の整備等を行います。
 これらの施策により、連結売上高460億円、連結営業利益20億円を最終年度数値目標と定め、平成32年3月期での達成に向けグループ一丸となって取組みを進めております。
 当社グループは、『高い技術力で夢のある社会づくりに貢献する』を経営理念として、関東と関西に保有する主力工場を始めとする経営資源を最大限に活用し、技術力を結集した事業運営を行っております。今後も橋梁事業・鉄骨事業・環境事業を通じて社会基盤整備の一翼を担う企業として、自覚と責任を持った経営を行ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 公共事業への依存

当社グループの主力事業の一つである橋梁事業は、その殆どが公共事業であります。国、地方公共団体ともに厳しい財政事情にあり公共事業は抑制傾向が続いております。その結果受注量の減少により業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

 

(2)鋼材価格の変動

鋼材等材料価格が高騰した際、価格上昇分が速やかに製品価格に反映されない場合は、業績に影響を及ぼす恐れがあります。

 

(3)安全上のリスク

当社グループが取り扱う鉄構製品の橋梁・鉄骨は大きな重量物で、工場製作や現場設置において危険な作業をともないます。当社グループでは安全対策を何よりも優先しておりますが、万が一事故を起こした場合は、直接的な損害だけではなく、社会的信用の失墜、指名停止措置などの行政処分により受注量の減少等、業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

 

(4) 品質の保証

当社グループでは品質管理に万全を期しておりますが、万が一瑕疵が見つかった場合は調査、復旧を迅速に進めると共に、再発防止にも注力いたします。また、直接的な費用だけではなく、利用者の安全確保のための交通規制等状況によっては多額の費用が発生し、業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

 

(5) 金利の変動

金利水準の急激な上昇が生じた場合には、支払利息の増加等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、橋梁・鉄骨の製作及び架設段階での最先端の技術並びに風力発電に関する研究開発活動を行っております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は4千4百万円であります。

当連結会計年度の研究開発の部門別内容については以下のとおりであります。

 

―橋梁事業―

当連結会計年度に実施した研究開発項目とその概略の内容を以下に示します。

1.災害時の人命救助や緊急車両の通行を目的にした緊急仮設橋梁の開発

2.高速道路跨道橋の落橋を防止するための耐震補強技術の開発

3.補修・補強工事に必要な要素技術の開発

4.合成床版、鋼板接着床版の底面鋼板部におけるコンクリート充填及び劣化状況の接触・非接触調査方法の開発

 

1.につきましては、当連結会計年度からの新規研究であります。本研究は災害によって橋梁が落橋・消失し、集落が孤立した場合などの緊急時に短時間で仮橋を設置し、人命救助や道路啓開のための緊急車両を走行させることを目的としております。南海・東南海地震や、温暖化による集中豪雨・大型台風などに備えた防災技術であります。

 

2.につきましても、当連結会計年度からの新規研究であります。高速道路上にはオーバーブリッジ(跨道橋)が多数あり、平成28年4月に発生した熊本地震では、このオーバーブリッジの落橋による高速道路の通行止めという事態が生じたことから、全国の高速道路でその対策が急がれています。本研究はこの耐震補強工法の開発を目的として株式会社高速道路総合技術研究所(NEXCO総研)他2社と共同で実施しております。

 

3.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。本研究は耐震補強工事や補修工事等における既設コンクリート構造物への部材追加のため、新たな接着系あと施工アンカー工法を開発・改良するものであります。従来工法と比較して施工性に優れ、5℃以下の低温時や湿潤状態でも硬化して所要の性能を発揮します。更に工事完了時にアンカーボルトの撤去も容易にできる工法も並行で開発しており、実工事への適用を始めております。

 

4.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。鋼コンクリート合成床版や、鋼板で底面を補強したRC床版では、コンクリートとの剥離や水の浸入等の調査を非破壊で行う方法が求められており、その技術を確立、改良しております。現在は足場を設置せずに非接触で調査する工法の研究開発を、大学や他の研究機関と共同で進めております。

 

当連結会計年度における橋梁事業の研究開発費は2千8百万円であります。

 

―鉄骨事業―

当連結会計年度に実施した研究開発項目と概略の内容を以下に示します。

1.高能率溶接施工法、及び溶接部の品質保証に関する研究
(1)ビルドH、サブマージアーク溶接部の狭開先化への取り組み
(2)板厚80mm角溶接1パスサブマージアーク溶接に関する研究
(3)偏心した梁がBOX柱に付く場合のコーナー部の溶接継手性能に関する研究
2.KHコラムジョイントの適用範囲拡大への取り組み

 

 

1.(1)につきましては、ビルドH製作専門会社の協会であるBH工業会と連携し、ビルドHのサブマージ溶接部の開先角度を従来の60度から50度と狭開先にすることにより、生産性の向上及び溶接材料使用量の削減を図るべく取組み、AW検定協議会の監修する施工試験に合格しております。当社もビルドHオープン外注先と自社施工との矛盾解消を図るべく、同試験の受験を当社富津工場及び子会社である東北鉄骨橋梁株式会社岩沼工場の両工場にて昨年3月に受験、同6月には合格となっており、既に当連結会計年度から実工事への適用が図られております。
(2)につきましては、前連結会計年度に引き続き、板厚80mmの角溶接1パスサブマージアーク溶接施工の検証試験を実施しております。当連結会計年度では実物大のBOX柱試験体を溶接しましたが、品質の安定には改善の余地があることが確認されており、翌連結会計年度も引き続き検証試験を実施し、実用化を図るべく取り組んでまいります。
なお、本件は国立大学法人千葉大学森田名誉教授、株式会社日建設計及び株式会社神戸製鋼所との共同研究として取り組んでおります。
(3)につきましては、BOX柱幅と梁幅が構造的にやむを得ず接近する場合に、BOX柱のダイヤフラム部エレクトロスラグ溶接とBOX柱角溶接部の3線交差部に、梁のフランジが取り付くこととなり、この部分は大入熱溶接を繰り返し行った部位であることから、溶接後の品質とその健全性の確認を行うことを目的として、検証実験を実施いたしました。当連結会計年度において論文を作成し、日本建築学会学術講演会への発表を実施しております。また、一部の試験で予想より低い値となったものがあり、当連結会計年度において、溶接材料を変えた追加の試験を実施し、試験結果を整理しているところであります。翌連結会計年度において報告書をまとめ、建築学会学術講演会で発表する予定であります。
なお、本件は株式会社日本設計及びJFEスチール株式会社との共同研究として取り組んでおります。

 

2.につきましては,中小ビル鉄骨向け柱梁接合部製品として開発しました「KHコラムジョイント」の柱成をこれまでの550mmから600mmまで拡大し、平成28年11月に追加評定を取得しました。これまで9件の施工実績があり,更なる販売拡大及び顧客のニーズへ対応するべく調査に取り組んでまいります。

 

当連結会計年度における鉄骨事業の研究開発費は5百万円であります。

 

―その他―

環境部門における当連結会計年度に実施いたしました項目と概略の内容を以下に示します。

1.寒冷地仕様風力発電機の実証

2.風力発電導入可能性に関する調査

 

1. につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により、三井物産株式会社及び富士電機株式会社と独立電力系統地域における寒冷地気候に対応した風力発電システム実証事業をロシアにて実施し、寒冷地仕様風力発電機がカムチャッカ州にて3基稼働しています。外部有識者による研究評価委員会においては、本事業における開発要素はクリアしたとの評価を得ております。

 

2. につきましては、公益財団法人地球環境センターと「フィリピン小規模離島向け風力発電用中型風車の導入及び電気自動車バッテリーとの連携事業」について調査委託契約を締結し、現地のニーズを考慮しつつ、わが国の低炭素技術シーズに基づいた「低炭素技術イノベーション創出事業」のための事前調査を行っております。

 

当連結会計年度におけるその他事業の研究開発費は9百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、重要な取引はすべて会計記録に適切に記録しております。退職給付に係る負債及び退職給付費用を測定するための数理計算上の基礎率や計算方法は、適切なものと考えております。賞与引当金は過去の賞与の支給実績、業績による変動、取締役会の審議状況、労働組合との交渉経過等を勘案して算出した支給見込額を計上しております。当連結会計年度末の手持工事について決算日後に発生すると見込まれる損失額に対しては、適正な工事損失引当金を計上しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の受注高は総額355億7千1百万円(前連結会計年度比12.4%減)となりました。また、売上高は364億6千8百万円(同0.7%減)となりました。
 損益につきましては、高収益の大型橋梁工事が前連結会計年度に竣工したものの、大型橋梁工事の追加変更獲得や設備投資効果で生産性が向上したことなどにより、営業利益10億9千5百万円(同46.1%減)、経常利益11億3千8百万円(同40.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億1千2百万円(同53.1%減)を確保いたしました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

橋梁・鉄骨業界におきましては、橋梁は国土交通省案件等の発注が一巡したことなどにより、発注量は前年度を大きく下回りました。一方、鉄骨は2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック関連事業や首都圏を中心に再開発計画の活発な動きが見られたものの、発注が端境期となったため、発注量は前年度並みの水準で推移いたしました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動におけるキャッシュ・フローは29億1千3百万円の収入となりました。これは、仕入債務の増加などの収入などがあったことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは3億9千1百万円の支出となりました。これは投資有価証券の取得などによる支出などがあったことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは7億3千万円の収入となりました。これは、社債の償還による支出などがあったものの、社債発行などによる収入があったことによるものであります。以上の結果、当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度より32億5千1百万円増加し98億2千1百万円となりました。なお、当社は取引銀行5行と総額50億円のコミットメント契約を締結しております。

 

(5) 資産、負債、純資産の状況

当連結会計年度末における総資産は560億6千8百万円(前連結会計年度比23億1千4百万円増加)となりました。
 資産の部では、受取手形・完成工事未収入金が39億7千2百万円減少したものの、電子記録債権が32億6千4百万円増加したことなどにより流動資産は344億8千6百万円(同18億7千5百万円増加)となりました。固定資産は215億8千2百万円(同4億3千8百万円増加)となりました。
 負債の部では、未成工事受入金が4億9千3百万円減少したものの、支払手形・工事未払金が12億2千8百万円増加したことなどにより流動負債は160億9千8百万円(同2億6千3百万円増加)となりました。固定負債は119億7百万円(同7億7千2百万円増加)となり、負債合計は280億6百万円(同10億3千5百万円増加)となりました。
 純資産の部では、利益剰余金が7億4千3百万円増加したことなどにより純資産は280億6千2百万円(同12億7千8百万円増加)となりました。

 

※以上、第2 事業の状況 の金額には、消費税等は含まれておりません。