第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第92期

第93期

第94期

第95期

第96期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(百万円)

30,293

29,552

39,727

55,384

40,553

経常利益

(百万円)

825

1,803

481

1,305

638

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

776

1,345

328

625

1,274

包括利益

(百万円)

1,689

1,870

671

3,542

50

純資産額

(百万円)

28,040

29,543

29,862

33,074

31,826

総資産額

(百万円)

49,944

52,526

61,127

76,832

69,324

1株当たり純資産額

(円)

5,957.09

6,256.97

6,301.70

6,969.56

6,810.62

1株当たり

当期純利益

(円)

164.79

289.12

70.52

134.01

272.77

潜在株式調整後

1株当たり

当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

55.45

55.45

48.06

42.34

45.91

自己資本利益率

(%)

2.86

4.74

1.12

2.02

3.96

株価収益率

(倍)

13.34

7.52

23.84

15.95

5.80

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

3,491

4,816

6,497

8,577

8,184

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

2,516

37

643

146

869

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

686

1,446

2,682

7,430

3,591

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

8,927

12,338

7,883

6,594

10,317

従業員数

(人)

650

644

633

632

620

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益につきましては、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第93期の期首から適用しており、第93期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第92期

第93期

第94期

第95期

第96期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(百万円)

25,390

25,309

33,845

51,225

37,588

経常利益

(百万円)

932

1,728

500

1,463

867

当期純利益

(百万円)

948

1,444

436

1,015

1,557

資本金

(百万円)

6,619

6,619

6,619

6,619

6,619

発行済株式総数

(千株)

4,972

4,972

4,972

4,972

4,972

純資産額

(百万円)

27,114

28,578

29,006

32,364

32,300

総資産額

(百万円)

46,910

49,445

57,792

74,161

68,767

1株当たり純資産額

(円)

5,832.86

6,139.51

6,222.30

6,933.85

6,912.00

1株当たり配当額
(内1株当たり
中間配当額)

(円)
 

70.00

70.00

70.00

70.00

80.00

(25.00)

(30.00)

(35.00)

(35.00)

(35.00)

1株当たり当期純利益

(円)

201.29

310.44

93.58

217.61

333.51

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

57.80

57.80

50.19

43.64

46.97

自己資本利益率

(%)

3.58

5.19

1.51

3.31

4.82

株価収益率

(倍)

10.92

7.00

17.96

9.82

4.74

配当性向

(%)

34.78

22.55

74.81

32.17

23.99

従業員数

(人)

497

493

496

505

493

 株主総利回り
 (比較指標:配当込み

  TOPIX)

(%)

151.87

154.89

126.57

161.78

129.92

(142.13)

(144.96)

(153.38)

(216.79)

(213.44)

最高株価

(円)

2,744

2,560

2,192

2,288

2,148

最低株価

(円)

1,303

1,608

1,449

1,661

1,460

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益につきましては、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第93期の期首から適用しており、第93期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2 【沿革】

当社は、1883年に駒井喜兵衛が大阪市東区高麗橋において建築金物業駒井喜商店を開業したのが創業であり、1919年には大阪市大正区泉尾浜通に合資会社駒井鐵工所を設立、本格的な鉄骨工事の設計・製作を行い、その後橋梁部門への進出を図りました。1943年には改組して株式会社駒井鐵工所を設立、1989年には社名を駒井鉄工株式会社に変更いたしました。2010年10月1日に株式会社ハルテックとの合併に伴い、商号を株式会社駒井ハルテックに変更し現在に至っております。株式会社設立後の沿革は次のとおりであります。

年 月

概 要

1943年4月

株式会社駒井鐵工所(資本金60万円)を設立

1952年3月

東京都港区芝田村町に東京事務所を開設

1954年3月

東京都大田区糀谷町に東京羽田工場を設置(1967年12月廃止)

1956年5月

福岡市東浜町に福岡工場を建設

1956年5月

福岡営業所を開設(現九州営業所)

1957年6月

札幌出張所を開設(現札幌営業所)

1958年3月

広島営業所を開設(現中国営業所)

1958年5月

東京都中央区八重洲に東京営業所を開設(東京事務所を廃止)

1958年11月

大阪店頭市場に株式を公開

1959年3月
 

福岡工場を分離、株式会社九州駒井鉄工所を設立
(2001年10月当社に吸収合併、2005年12月廃止)

1960年3月

大阪市港区福崎に大阪港工場を建設(1979年7月廃止)

1961年8月

大阪証券取引所市場第二部に上場

1962年5月

千葉県松戸市松飛台に東京松戸工場を建設(2001年10月廃止)

1966年4月

大阪市港区福崎へ本社を移転

1969年3月

大阪市西淀川区中島に大阪外島工場を建設(現大阪事業所)

1969年4月

東京営業所を東京支社に改称

1969年11月

名古屋営業所を開設

1972年12月

東京都台東区上野へ東京支社を移転

1973年4月

仙台営業所を開設(現東北営業所)

1975年8月
 

大阪港工場内に駒井建設工事株式会社を設立(駒井エンジニアリング株式会社に社名変更後2008年4月当社に吸収合併)

1976年12月
 

大阪港工場内に株式会社駒井建機製作所を設立(株式会社駒井テクノスに社名変更後2004年10月当社に吸収合併)

1978年5月

東京松戸工場内に駒井殖産株式会社を設立(株式会社シップスに社名変更、現連結子会社)

1978年11月

大阪市西区西本町へ本社を移転

1979年7月

宮城県仙台市に東北鉄骨橋梁株式会社(現連結子会社)を設立

1980年11月

東京支社を東京本社に昇格

1984年8月

東京証券取引所市場第二部に上場

1984年11月

本社を本店に、東京本社を本社に改称

1987年4月

大阪市港区磯路へ本店を移転

1988年6月

東京証券取引所、大阪証券取引所市場第一部銘柄に指定替え

1989年4月

社名を駒井鉄工株式会社に変更

1994年2月

千葉県富津市新富に富津作業所を開設(現富津工場)

2001年9月

千葉県松戸市松飛台にテクニカルセンターを開設

2003年10月
 

大阪工場を大阪事業所と改め、事業所内に株式会社駒井鉄工大阪工場を設立(株式会社駒井ハルテック大阪工場に社名変更後2013年3月解散)

2003年11月

テクニカルセンター内に株式会社プロバンスを設立(2023年3月解散)

2010年10月

株式会社ハルテックと合併し、社名を株式会社駒井ハルテックに変更

和歌山工場、大阪支店(大阪市西区立売堀、現本店)、和歌山営業所を継承

2012年10月

大阪支店に本店を統合し、本店に改称

2020年4月

KHファシリテック株式会社(現連結子会社)に出資

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。

2025年6月

東京証券取引所スタンダード市場へ市場区分を変更

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社5社(うち連結子会社3社)により構成され、橋梁・鉄骨・鉄塔・その他鋼構造物の設計・製作及び現場組立・架設・補修が主な事業であり、これら以外に建設機械・運搬機械等各種機械の設計・製造・据付・販売、建築工事の企画・設計・施工・監理及びコンサルティング業務、陸上風力発電設備の製作及び現場施工等を行う環境事業、印刷業務、不動産賃貸業等を行っております。

セグメント区分毎の当社グループ各社の位置付け等は、次のとおりであります。

 

―橋梁事業―

橋梁事業は当社グループの約40%の売上高を占める主要な事業の1つであり、鉄骨事業で培った鉄骨製造技術と豊富な経験を活用し、橋梁分野に進出したという経緯があります。鋼橋の積算から設計・製作・現場施工までの橋梁建設に係るすべての過程を当社グループ内で担うことが可能であり、橋梁の予防保全・維持補修工事にも取り組んでおります。国土強靭化策に伴う高速道路・鉄道などの橋梁工事の増加や高度経済成長期に建設された橋梁のメンテナンス需要の増加など、橋の新設及びメンテナンス工事の需要が高まっており、耐震補強・老朽化等の補修・補強工事を通じて、安心・安全な社会づくりに貢献しております。       

なお、近年は鋼橋分野だけでなく、鋼・コンクリート複合橋梁や老朽化した橋梁の長寿命化のため、異業種と協同して商品開発などにも積極的に取り組んでおります。

 

―鉄骨事業―

鉄骨事業は当社グループの約60%の売上高を有するため、橋梁事業とともに重要な事業の1つであります。超高層ビルをはじめとした数多くの著名建築物に鉄骨を納入することで、官公庁庁舎や超高層オフィスビル等の建設に大きく貢献してまいりました。当社グループは、設計・製作・施工までの工程をすべて担うことが可能であることに加え、溶接加工などの施工データの蓄積をベースに、顧客から評価される高度な技術を保有しております。また、国土交通省の厳格な審査を経て、Sグレード認定(注)を取得した工場を2箇所所有していることで、大型案件に参画してまいりました。

(注)鉄骨製作工場認定制度におけるグレードは、工場の製作能力、設備、技能者や技術者の人数などに応じて定められ、グレードによって製作範囲が制限されます。最高位であるSグレードには厳しい認定条件が定められており、Sグレード認定を取得した工場は制限を受けることなく、超高層ビルや大型建造物に用いられる鉄骨を製造することができます。

 

―インフラ環境事業―

インフラ環境事業では、主に陸上風力発電設備の製作及び現場施工等を行っております。これまでの橋梁事業・鉄骨事業で培った様々なノウハウを活用し、日本唯一の中型風車メーカーとして、国内外の厳しい気象・立地条件でもトータルサービスを提供しております。過酷な地形・気象条件に適した風車を開発したことで、離島や日本に多い複雑な地形や山岳地にも対応可能となっております。

脱炭素への取組みが強まる中、売電のみならず、自家消費用としても利用できる中型風力発電機の開発・製造・メンテナンスを通じて、環境にやさしいクリーンなエネルギーを提供しております。

なお、海外での営業活動を通じて、風車製作と並行して鋼製橋梁等の引合いもあり、現地のニーズに合わせた鋼構造物の提案を行っております。

 

―不動産事業―

当社グループは、大阪市西淀川区にある大阪事業所の未利用地部分等について賃貸による不動産事業を行っております。

 

―その他―

その他は、報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、印刷事業等であります。

 

上記の他に、洋上風車タワー製造に関する取組みがあり、これまでの橋梁事業・鉄骨事業で培った製造技術を活用した新たな事業として進出を計画し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化/次世代風車技術開発事業/洋上風車用タワーの高効率生産技術開発・実証事業」、及び経済産業省のGXサプライチェーン構築支援事業の補助金を活用して大規模設備投資を実施中であります。

国内の洋上風力プロジェクトは第1ラウンドから第3ラウンドまで入札が進んでおりますが、計画時から事業実施時までに生じた資材高騰等による大幅な事業環境の変化により、事業者の当初計画・工程に変更が生じる場合もあります。しかし、第7次エネルギー計画における国産再生可能エネルギーの普及拡大政策の下、官民協議会による洋上風力産業ビジョン等でも国内生産の拡大が掲げられている状況に変わりはないことから、現在取り組んでおります大型試験体の製作を通じて、先んじて溶接・塗装等の合理化技術の開発を進め、2026年にサプライヤー認証取得、2027年以降にプロジェクト毎の製作契約締結を目指し、事業化に向けた取り組みを進めております。

以上のように、洋上風車タワー製造に関する事業は開発途上にあり、現在のところ売上高は発生せず、開発費用のみが発生しております。

 

事業部門

事 業 内 容

会 社 名

橋梁事業

橋梁の設計・製作及び現場架設

当  社
東北鉄骨橋梁㈱

鋼橋の現場工事の施工、維持補修

当  社

鉄骨事業

鉄骨・鉄塔の設計・製作及び現場建方

当  社
東北鉄骨橋梁㈱

㈱シップス

KHファシリテック㈱ 他1社

建設機械、運搬機械等の設計・製造及び据付

当  社 

建築工事の企画・設計・施工・監理及びコンサルティング業務

当  社 

インフラ環境事業

陸上風力発電設備の製作及び現場施工

当  社      他1社

海外事業

当  社

不動産事業

不動産賃貸業

当  社      他2社

その他

印刷事業等

㈱シップス

 

 

 

(事業系統図)

各子会社及び関連会社は、それぞれ受注活動を行うとともに、当社より工事の一部を受注しており、事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

東北鉄骨橋梁㈱

 

仙台市青葉区

450

橋梁事業

鉄骨事業

不動産事業

100

当社が受注した橋梁・鉄骨の製作及び現場工事の施工を一部発注しております。
当社は運転資金について融資を行っております。
役員の兼任1名

㈱シップス

千葉県松戸市

10

鉄骨事業

不動産事業

その他

100

当社で発生する印刷業務やOA機器、文具等の一部を発注しております。
当社は運転資金について融資を行っております。
役員の兼任2名

KHファシリテック㈱

北九州市若松区

50

鉄骨事業

100

当社が受注した鉄骨の製作を一部発注しております。

 

役員の兼任3名

 

(注)1 「主要な事業の内容」の欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2 上記3社は有価証券報告書を提出しておりません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

橋梁事業

271

鉄骨事業

231

インフラ環境事業

32

その他

86

合 計

620

 

(注) 従業員数は就業人員数(当社グループ外からの出向者を含む)であり、臨時雇用者数は含まれておりません。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

493

43.8

15.8

5,967,650

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

橋梁事業

271

鉄骨事業

122

インフラ環境事業

32

その他

68

合 計

493

 

(注)1 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。

2 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であり、臨時雇用者数は含まれておりません。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労使関係は円満に推移しており特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社及び

連結子会社

管理職に占

める女性労

働者の割合

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(注)1

 全労働者

うち正規

雇用労働者

うちパート

・有期労働者

㈱駒井ハルテック

 

2.7%

 

42.9%

 

74.4%

 

75.6%

 

65.8%

東北鉄骨橋梁㈱

 

 

 

71.1%

 

83.7%

 

44.9%

㈱シップス

 

20.0%

 

 

77.9%

 

62.0%

 

54.2%

KHファシリテック㈱

 

8.3%

 

50.0%

 

62.7%

 

70.9%

 

18.2%

 

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規程に基づき算出した

     ものであります。

(注)2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の

    規程に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則

    (平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したもので

    あります。