第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「長年にわたるゆるぎない品質の確かさで顧客との信頼関係を築く」という企業理念のもと、「株主」、「顧客」を最重要と認識し、社会のルールを遵守し、信頼される企業としての責任を誠実に果たすこと、および顧客要求を満足する「品質の確保」と「安全施工」を基本方針として経営活動を続けております。また品質方針である「顧客の要求を的確に捉え、確かな品質を提供し、安全・安心な社会基盤整備に貢献する」を常に念頭に置き事業活動を進めております。

 

(2)経営戦略

当社グループは、3か年ごとに「瀧上グループ中期経営計画」を策定し、各事業セグメント別およびグループ各社の部門別に個別目標の設定と具体的な活動計画を策定し、中期事業戦略としております。

2018年3月には、2019年3月期を初年度とし、2021年3月期までの3か年を対象とする中期経営計画(82期~84期)を策定しております。この中期経営計画では、計画の基本を「再生と創造」とし、コンプライアンスを経営の基礎として固め、「長年にわたるゆるぎない品質の確かさで顧客との信頼関係を築く」という企業理念のもとに信頼を再生してまいります。

新設橋梁事業は一旦低下したシェアを再生し、橋梁保全事業は中期経営計画以降の拡大も見据え、新たな橋梁エンジニアリング事業として創造していきます。鉄骨事業におきましては、東京オリンピック・パラリンピックを背景として需要旺盛な今が再生の最大チャンスであると考え、当社の主力事業として再生していきます。さらに、「入札だけに頼らない企業体を作る」という多角化の概念のもと不動産事業や海外事業を進めていきます。

当社は2015年度に創業120年、2017年に会社創立80年を迎えましたが、長年の信用と柔軟な経営方針で幾多の困難を乗り越えてきました。社会が大きく変わる転換期におきましても、働き方改革や最新IT技術の活用を進め、グループ企業の持続的な成長を目指していきます。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

橋梁・鉄骨業界を取り巻く経営環境が一層の厳しさを増していくなか、当社グループといたしましては、企業競争力の強化に努め、適正な受注量の確保を重要な施策と位置付け、売上高、利益面でバランスの取れた収益力を目指しており、中期3か年計画では、売上高及び営業利益を目標指標としております。

 

(4)経営環境

最近、我が国の製造業において品質不正が次々と明らかになり、また、建設業では安全管理体制の不備による事故が多く発生しました。当社グループにおきましても、信用回復のためには、コンプライアンスや内部統制の改善、経営層と現場の差を埋めることが課題と考えられます。当社グループの主力事業である新設橋梁は、物流や都市機能を再編するための高速道路4車線化などにより、この3か年の発注量は横ばいか漸減で推移すると想定しています。

(5)事業上の対処すべき課題

 当社グループが対処すべき主な課題は以下とおりであります。

①橋梁保全事業の強化

橋梁保全事業につきましては、高速道路の老朽化に対する床版取り替えや、想定される東南海地震や首都圏直下地震などに対する耐震補強など大規模保全工事が本格化しています。また、2013年を社会資本メンテナンス元年として始まった5年ごとの橋梁点検が一巡し、次のステップとして長寿命化対策工事が進むものと思われます。このように拡大が予想される橋梁保全工事に対応していくことが課題となります。

②鉄骨事業の強化

鉄骨事業は、発電所等のエネルギー関連施設、好調な企業業績を背景とした高層オフィスビルの需要が、中期計画の最終年度に開催される東京オリンピック・パラリンピック以降も当面続くと予想されます。このような高い需要に対し、期待に応えていくことが課題となります。さらに、海外における新興国市場は世界経済の影響を受けるものの基本的には高い成長率が続き、インフラ整備に関する需要は旺盛であると思われます。当社グループも、これらの需要に対応してまいります。

③人材確保・ロボット・IT技術の活用

上記の取組み課題に対する最も大きなリスクは人材不足であります。我が国の労働者人口は既に減少し始めており、これに対しては働き方改革により女性と高齢者の労働参加率を高める取組みがなされています。

しかしながら、絶対的な人口不足や労働者人口自体の高齢化が進んでおり、ロボットやAIの活用が1つの対策として、その技術が急速に発展しております。当社グループにおきましても、働き方改革による人材確保やロボット・IT技術の活用促進を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)公共事業の減少

 公共事業の発注数量等の減少が予想を大幅に上回る場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)原材料の価格

 原材料の市場価格等が高騰した際、販売価格等に転嫁することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)品質の保証

 製品の引渡し後、瑕疵担保責任等による損害賠償等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)取引先の信用リスク

 取引先の信用不安による損失が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)資産保有リスク

 保有している資産の時価の変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)法的規制

 事業活動における法令はもとより社会規範の遵守と企業倫理の確立を図っておりますが、これらを遵守できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的に株価上昇が滞っていることや円高の進行、米国での小幅な利上げなど金融市場を中心とした不安材料があるものの、堅調な内外需や設備投資により引き続き緩やかな拡大基調が続いております。ただし過去の景気拡大は海外要因から崩れるケースが大半であり、今後も米国の貿易政策や中国・ロシアの動向などを注意深く見る必要があります。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は434億6千万円(前連結会計年度末比8億7千万円増・2.1%増)となりました。

流動資産は218億9千万円(前連結会計年度末比5億2千万円減・2.4%減)、固定資産は215億6千万円(前連結会計年度末比14億円増・7.0%増)となりました。負債は76億9千万円(前連結会計年度末比3千万円増・0.5%増)となり、それぞれ、流動負債は37億1千万円(前連結会計年度末比1億3千万円減・3.5%減)、固定負債は39億7千万円(前連結会計年度末比1億7千万円増・4.5%増)となりました。

純資産は、357億7千万円(前連結会計年度末比8億4千万円増・2.4%増)となりました。この結果、自己資本比率は82.3%となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度における連結損益は、完成工事高158億3千万円(前年同期比9百万円減・0.1%減)、営業利益8億6千万円(前年同期比3億1千万円増・58.5%増)、経常利益11億円(前年同期比3億4千万円増・45.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、8億2千万円(前年同期比2億4千万円増・41.3%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

また、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。

 

(a)鋼構造物製造事業

鋼構造物製造事業におきましては、橋梁部門では、鋼道路橋発注量は前年度から微増傾向にあり、20万トンを上回る見通しで推移しました。当社におきましては、営業停止等の影響により大変厳しい受注環境のなか、顧客からの信頼と昨年指名停止等で大幅に落ち込んだ受注高を少しでも回復すべく、鋭意受注活動に注力した結果、橋梁部門受注高は100億円(前年同期比50億5千万円増・101.9%増)となりました。鉄骨部門につきましては、昨年度と同様に採算性を重視した選別受注に努めた結果、火力発電所等の受注に結び付き、鉄骨部門受注高は28億2千万円(前年同期比14億4千万円増・105.1%増)となり、当連結会計年度における鋼構造物製造事業の総受注高は128億3千万円(前年同期比65億円増・102.6%増)となりました。

主な受注工事は、橋梁部門につきましては鉄道建設・運輸施設整備支援機構の矢田野橋りょうならびに寄安橋りょう、東北地方整備局の本吉跨道橋、東日本高速道路㈱の福島北JCTランプ橋、鉄骨部門につきましては、中部電力㈱の知多基地高圧BOG圧縮機設置の内建築工事、大成建設㈱の武豊火力5号本館鉄骨、また保全部門につきましては、中日本高速道路㈱の桑名管内伸縮装置改良工事などであります。

損益につきましては、民間物件や大型の不採算物件の製作工程がピークとなり、生産効率の低下によるコスト増を招く一面もありましたが、一方で過年度からの採算性の高い大型物件の売上計上が大きく寄与したことから、完成工事高133億円(前年同期比4億4千万円減・3.3%減)、営業利益7億円(前年同期比1億4千万円増・25.5%増)となりました。

当連結会計年度に売上計上いたしました主な工事は、橋梁部門につきましては、中部地方整備局の赤坂北第一高架橋ならびに天龍峡大橋、東日本高速道路㈱の稲荷木橋、首都高速道路㈱の港北地区上部・橋脚工事など、また鉄骨部門につきましては、鹿島建設㈱の常陸那珂共同火力発電所、㈱大林組の鹿島火力発電所2号機、保全部門につきましては、中日本高速道路㈱の名港西大耐震橋補強工事、桑名管内伸縮装置改良工事などであります。

(b)不動産賃貸事業

不動産賃貸事業につきましては、本事業の下支え物件として平成29年10月に2棟目の賃貸用オフィスビルを取得したことから、売上高7億円(前年同期比1億4千万円増・24.9%増)、営業利益3億9千万円(前年同期比7千万円増・22.8%増)となりました。

(c)材料販売事業

材料販売事業につきましては、厚板部門では、主に当社受注高の回復により、素材販売と切板加工数量共に増収となりました。レベラー部門では、上期は伸び悩み傾向でしたが、下期は回復基調に転じたことから例年並みの収支となりました。鉄筋・建材部門では、鉄筋の販売数量は微増でありましたが、原材料価格の上昇による上積みと鉄骨材・土木製品販売等の増加により、販売数量・販売金額ともに増加となりました。その結果、材料販売事業は、売上高31億8千万円(前年同期比3億6千万円増・13.1%増)、営業利益8千万円(前年同期は1千万円の営業損失)となりました。

(d)運送事業

運送事業につきましては、当社鉄骨製品の輸送が大幅に増加したことなどから、売上高6億4千万円(前年同期比2億3千万円増・59.6%増)、営業利益8百万円(前年同期は1百万円の営業損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果は、税金等調整前当期純利益の計上に加え、売上債権の減少等により22億4千万円の資金収入(前年同期比78.6%増)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果は、投資有価証券の売却及び償還による収入等による資金収入はありましたが、一方で有形固定資産(賃貸不動産等)の取得による支出が大きく影響したことにより、15億7千万円の資金支出(前年同期は1億2千万円の資金収入)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果は、前連結会計年度に比べ、主に配当金の支払額が減少したことにより、2億1千万円の資金支出(前年同期比15.2%減)となりました。

(現金及び現金同等物)

 上記の要因により、現金及び現金同等物期末残高は110億2千万円(前年同期比4億4千万円増・4.2%増)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋼構造物製造事業

9,007

△19.2

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.生産実績金額は当期発生原価によっております。

3.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他の事業につきましては、生産活動がないため、生産実績の記載をしておりません。

4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

b.商品仕入実績

  当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

材料販売事業

2,689

+10.5

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.鋼構造物製造事業、不動産賃貸事業、運送事業及びその他の事業につきましては、商品仕入活動がないため、商品仕入実績の記載をしておりません。

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

c.受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋼構造物製造事業

橋梁

10,009

+101.9

10,052

△6.3

鉄骨

2,829

+105.1

2,190

+10.1

12,838

+102.6

12,242

△3.7

合計

12,838

+102.6

12,242

△3.7

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他の事業については、受注活動がないため、受注実績の記載をしておりません。

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売実績

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋼構造物製造事業

橋梁

10,680

△18.2

鉄骨

2,629

+275.2

13,309

△3.3

不動産賃貸事業

708

+24.9

材料販売事業

1,658

+20.4

運送事業

127

+7.9

その他

35

+22.2

合計

15,838

△0.1

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.セグメント間取引については、相殺消去しております。

4.鋼構造物製造事業のうち、鉄骨部門の販売実績の増加した主な理由は、鹿島建設㈱の常陸那珂火力発電所及び㈱大林組の鹿島火力発電所2号機の売上計上によるものです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

相手先

金額

(百万円)

割合(%)

相手先

金額

(百万円)

割合(%)

国土交通省

6,381

40.3

国土交通省

4,855

30.7

中日本高速道路㈱

2,007

12.7

中日本高速道路㈱

1,566

9.9

首都高速道路㈱

1,020

6.4

鹿島建設㈱

1,182

7.5

 

(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末にける資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容

 

a.財政状態

当連結会計年度の連結貸借対照表における前連結会計年度比較

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

比率(%)

流動資産

22,423

21,899

△524

△2.3

固定資産

20,165

21,567

1,401

6.9

資産合計

42,589

43,466

877

2.1

流動負債

3,847

3,713

△134

△3.5

固定負債

3,807

3,978

170

4.5

負債合計

7,655

7,692

36

0.5

純資産合計

34,933

35,774

840

2.4

 

 当連結会計年度の連結財政状態は、資産合計は434億6千万円(前年同期比8億7千万円増・2.1%増)、負債合計は76億9千万円(前年同期比3千万円増・0.5%増)となりました。

 流動資産は、当社での有価証券の増加(前年同期比7億円増・233.3%増)はありますが、一方で受取手形・完成工事未収入金等が減少(前年同期比11億3千万円減・11.4%減)したことなどから、流動資産合計は218億9千万円(前年同期比5億2千万円減・2.3%減)となりました。

 固定資産は、昨年度に引き続いて、不動産賃貸事業の収益物件として名古屋市内に2棟目の賃貸用オフィスビルを購入したことなどから、有形固定資産が増加(前年同期比26億2千万円増・28.8%増)し、固定資産合計は215億6千万円(前年同期比14億円増・6.9%増)となりました。

 流動負債は、支払手形・工事未払金等の減少(前年同期比3億1千万円減・11.8%減)などにより、流動負債合計は37億1千万円(前年同期比1億3千万円減・3.5%減)となりました。

 固定負債は、繰延税金負債の増加(前年同期比8千万円増・3.3%増)や賃貸不動産の増加による預かり保証金の増加(前年同期比5千万円増・23.7%増)などにより、固定負債合計は39億7千万円(前年同期比1億7千万円増・4.5%増)となりました。

 純資産は、利益剰余金の増加(前年同期比6億円増・1.9%増)やその他有価証券評価差額金の増加(前年同期比2億4千万円増・6.2%増)などにより、純資産合計は、357億7千万円(前年同期比8億4千万円増・2.4%増)となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の連結損益計算書における前連結会計年度比較

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

比率(%)

完成工事高

15,848

15,838

△9

△0.1

完成工事総利益

2,008

2,377

368

18.4

販売費及び一般管理費

1,465

1,516

50

3.5

営業利益

543

861

317

58.5

経常利益

760

1,105

344

45.3

税金等調整前当期純利益

772

1,106

333

43.2

親会社株主に帰属する当期純利益

581

822

240

41.3

 

 当連結会計年度の連結業績は、昨年度の贈賄事件による影響が残る中でスタートしましたが、特に受注高の確保と利益の確保に努めました結果、受注高は128億3千万円(前年同期比65億円・102.6%増)、損益面では昨年度実績を上回る結果となりました。

 完成工事高については、鋼構造物製造事業は、橋梁売上高の減少と鉄骨売上高の増加による増減はありましたが、総じて133億円(前年同期比4億4千万円減・3.3%減)となりました。その他では、不動産賃貸事業は7億円(前年同期比1億4千万円増・24.9%増)、材料販売事業は、16億5千万円(前年同期比2億8千万円増・20.4%増)など増加傾向で終始しましたが、全体では158億3千万円(前年同期比9百万円減・0.1%減)となりました。

 完成工事総利益については、鋼構造物製造事業は、当社の橋梁収益率の改善と子会社での収益増加、不動産賃貸事業は、大型賃貸物件の増加による影響もあり、完成工事総利益全体では、23億7千万円(前年同期比3億6千万円増・18.4%増)となりました。

 営業損益は、販売費及び一般管理費が営業活動の回復や人件費の微増などにより、15億1千万円(前年同期比5千万円増・3.5%増)となりましたが、営業利益は8億6千万円(前年同期比3億1千万円増・58.5%増)となりました。

 経常損益は、当社の受取配当金や子会社の賃貸収入等の計上もあり、経常利益は11億円(前年同期比3億4千万円増・45.3%増)となりました。

 特別損益は、投資有価証券売却益の計上はありましたが、一方で固定資産売却損や固定資産除却損の計上もあり、税金等調整前当期純利益は11億円(前年同期比3億3千万円増・43.2%増)となりました。

 上記の要因により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は8億2千万円(前年同期比2億4千万円増・41.3%増)となりました。

 

c.キャッシュ・フロー

当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書における前連結会計年度比較

 

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

金額(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,257

2,245

投資活動によるキャッシュ・フロー

128

△1,579

財務活動によるキャッシュ・フロー

△258

△218

現金及び現金同等物の期末残高

10,580

11,024

 

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

③資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、鋼構造物製造事業における主要材料費や購入部品費等の材料費及び工場製作や現場施工に係る各種外注費のほか、製造労務費・製造経費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要については、各種製造セグメントでは、生産設備の維持更新が中心であり、不動産賃貸事業については、中古賃貸不動産の取得費用や新規の建築費用などであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を可能な限り自己資金で賄うことを基本としておりますが、やむを得ない場合に限り、金融機関からの短期借入による調達も想定しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、30百万となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、11,024百万円となっております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、橋梁および鉄骨を中心とした鋼構造物事業に関する保有技術を基礎として、急速な事業環境の変化に対応すべく新技術の研究開発に取り組んでいます。特に橋梁事業につきましては、保全需要の拡大に対応するため、橋梁の補修補強や更新に関する研究開発に注力しています。

 当連結会計年度における研究開発費は6百万円であり、また主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

鋼構造物製造事業

(仮橋の開発およびリース)

 自然災害の激甚化により災害時に必要となる仮橋や、今後、増加が見込まれる橋梁の架け替えに必要な仮橋に適用すべく、仮橋リースを始めました。また、様々な施工条件に対応するため、仮橋構造や施工法の調査検討も進めています。

 

(高耐久舗装用アスファルト添加材の開発・販売)

 鋼床版橋梁の舗装は鋼床版が変形しやすいことや熱されやすいことにより、アスファルト舗装の耐久性が低下する問題があります。当社は材料メーカーと共同で鋼床版用舗装の添加材の開発を進めています。また、一般のアスファルト舗装に対しては、重交通によって生じる轍ぼれを抑制する添加材を開発しています。これらの商品は海外へ展開し、販売しています。

 

 

(高機能ポリマーセメント系塗料の開発・販売)

 コンクリートのひび割れ対策や鋼材とコンクリートの付着対策を目的として、ポリマーセメント系材料に着目し高機能塗料の開発を進めています。

 

(橋梁壁高欄工法の改良)

 当社グループは東海コンクリート工業㈱との技術提携によりPCF壁高欄工法を開発し、各種タイプの橋梁床版に適用してきました。現在は更なる応用技術の開発や品質改良を進めています。

 

(橋梁点検技術の開発)

 保全関連事業が増大することから、橋梁点検に関連する点検調査技術や、橋梁の補修補強工事の施工関連技術の開発を進めています。

 

 

不動産賃貸事業・材料販売事業・運送事業・その他

 不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他に関しましては、特段、研究開発活動を行っておりません。