第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「長年にわたるゆるぎない品質の確かさで顧客との信頼関係を築く」という企業理念のもと、「株主」、「顧客」を最重要と認識し、社会のルールを遵守し、信頼される企業としての責任を誠実に果たすこと、および顧客要求を満足する「品質の確保」と「安全施工」を基本方針として経営活動を続けております。また品質方針である「顧客の要求を的確に捉え、確かな品質を提供し、安全・安心な社会基盤整備に貢献する」を常に念頭に置き事業活動を進めております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、3か年ごとに「瀧上グループ中期経営計画」を策定し、各事業セグメント別およびグループ各社の部門別に個別目標の設定と具体的な活動計画を策定し、中期事業戦略(2019年3月期~2021年3月期までの3か年を対象とする中期経営計画)としております。この中期経営計画では、計画の基本を「再生と創造」とし、コンプライアンスを経営の基礎として固め、「長年にわたるゆるぎない品質の確かさで顧客との信頼関係を築く」という企業理念のもとに信頼の再生を目指しております。

2020年3月期は、中期経営計画の2年目となりましたが、初年度同様に連結売上高、営業利益ともに計画値を下回る結果となりました。そこで、当社におきましては、最終年度となる2021年3月期は、2020年3月までの反省を踏まえ、新設橋梁事業の営業組織の再構築に加えて、技術人員を再結集させた「技術本部」を立ち上げ、特に営業力と提案力の強化を図る体制を構築しております。また、コスト管理の再徹底も含め、製造・販売・管理の全社一丸となって業績の回復に努めてまいります。

保全事業につきましては、保全本部を立ち上げてから本年で5年目となり、技術者の拡充とグループ会社との連携を強化し、本格的に当社並びに当社グループの業態転換にかじを切らなくてはならないと考えております。今後は、これまでのインフラをただ整備するだけでなく、補修や予防保全という言葉に代表されるようにインフラを「延命」させることが求められており、これまで当社で培ってきた知識と経験を駆使し、さらに創造力をもって、橋梁・保全事業の方向性を検討してまいります。

鉄骨鉄構事業につきましては、昨年より「鉄構本部」を橋梁とともに当社を支えていく事業の柱とすべく、再スタートをさせております。こういった新しい取り組みは、時代の要請や将来への洞察と創造力の産物であると考え、スピード感をもって、業績回復に向けて最善の努力をしてまいります。

不動産事業、海外事業並びに新規事業につきましては、「入札だけに頼らない企業体づくり」のために、引き続き育ててまいります。

 

(3)経営環境

経営環境につきましては、わが国の状況に目を向けると、当初、中国のごく一部での蔓延でとどまると思われていた新型コロナウイルスの感染が瞬く間に全世界に拡大し、東京オリンピック・パラリンピックがその歴史上はじめて1年を目途に開催が延期されるといった事象を含め多くの想定外の事象が発生し、この傾向は収まることはないように感じます。

遡れば平成の時代は、災害をはじめとする「想定外」の出来事で各地に被害をもたらしましたが、令和の時代においてもこういった「想定外」の出来事に対応する対応力が企業に求められており、当社グループも対応力をもった経営を実践してまいります。

当社グループの経営環境においては、橋梁事業は、2019年度の新設橋梁(鋼上部工)の発注数量が、例年の60%程度にとどまり、同業各社が熾烈な受注競争を繰り広げました。2020年度は、前年度の揺り戻しにより、発注数量は回復に転じることを期待しておりますが、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言による余波が、どこまで影響するか現状は読みきれない状況にあります。

また、鉄骨鉄構事業も新型コロナウイルスの影響による経済の停滞により、建築市場の見通しは悪化方向へ転ずるものと考えております。しかし、当社グループは、鉄構本部の再生を止めることなく、積極的に営業展開してまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが対処すべき主な課題は以下とおりであります。

①新設橋梁シェアの回復

新設橋梁事業につきましては、2019年度の受注高減少を克服するため、新設橋梁の受注高(シェア)の回復を最優先の経営課題と位置づけており、上記(2)経営戦略等に記載の通り、営業力と提案力の強化により、受注高の確保に努めてまいります。

②橋梁保全事業の強化

橋梁保全事業につきましては、2019年度5月に連結子会社の瀧上建設興業㈱の新事務所に当社の保全部門を移転し、この拠点を当社グループの保全事業の拠点と位置づけて、再スタートさせております。受注実績については、2018年度・2019年度の2年に亘り、大型保全工事を受注することが出来ましたが、今後、拡大する橋梁保全工事に対応していくためには、人材確保を含めた体制づくりが課題となります。この課題に対処するため、新拠点での経営資源のコラボレーションによる拡大を図っていきます。

③鉄骨鉄構事業の強化

鉄骨鉄構事業は、「鉄構本部」の立ち上げから日が浅く、鉄骨生産体制を早期に再生することが経営課題となっております。このため、グローバルな視点での人材確保と教育に加えて、鉄骨生産設備の更新や増強、サプライチェーンの確保などを進めてまいります。

④人材確保・ロボット・IT技術の活用

上記の取組み課題に対する共通するリスクは人材不足であります。我が国の労働者人口は既に減少し始めており、これに対しては働き方改革により女性と高齢者の労働参加率を高める取組みがなされています。

しかしながら、絶対的な人口不足や労働者人口自体の高齢化が進んでおり、ロボットやITの活用が1つの対策として、その技術が急速に発展しております。当社グループにおきましても、働き方改革による人材確保やロボット・IT技術の活用促進を進めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

橋梁・鉄骨業界を取り巻く経営環境が一層の厳しさを増していくなか、当社グループといたしましては、企業競争力の強化に努め、適正な受注量の確保を重要な施策と位置付け、売上高、利益面でバランスの取れた収益力を目指しており、中期3か年計画では、売上高及び営業利益を目標指標としております。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)公共事業の減少や生産活動の低下

 当社グループの鋼構造物製造事業は、橋梁や保全事業を中心とした公共事業の割合が大半を占めております。今後、新型コロナウイルスなどの影響により、公共事業の発注数量等の減少が予想を大幅に上回る場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、今般の新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリスクを抑制するため、速やかに対応方針を策定し、各種対応(時差出勤、在宅勤務や休業などの交代勤務、出張の原則禁止など)を実施しておりますが、その対応により、当社本社工場の生産活動や架設現場等での事業活動が抑制されることから、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)固定資産の減損リスク

 当社グループは、鋼構造物製造事業や不動産賃貸事業を中心に、多くの固定資産を保有しておりますが、今後、業績の低迷などにより、減損損失が発生する可能性があります。

(3)人材確保のリスク

 当社グループの鋼構造物製造事業は、特に技術者の確保が重要でありますが、近年の労働者人口の減少を背景とした、建設業人材の減少により、必要な人材の確保が出来なかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料の価格

 当社グループの鋼構造物製造事業は、鉄鋼メーカーの鋼板や形鋼を主要材料としております。しかし、不測の事態により原材料の市場価格等が高騰した際、販売価格等に転嫁することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)品質の保証

 製品の引渡し後、瑕疵担保責任や事故災害等による損害賠償等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)取引先の信用リスク

 取引先の信用不安による損失が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)資産保有リスク

 保有している資産の時価の変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)法的規制

 事業活動における法令はもとより社会規範の遵守と企業倫理の確立を図っておりますが、これらを遵守できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)大規模災害等による影響

 当社グループの生産拠点は、愛知県の知多半島に集中しており、今後、この地区を襲う大規模災害が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、消費増税や台風などの影響によりGDP成長率は前年より大幅なマイナスであったところに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済の減速の影響を受け、大幅に悪化いたしました。また先行きについても、感染拡大に予断を許さない状況が続いており、製造業・非製造業ともに厳しい状況がまだまだ続くものと考えられます。

なお、従来、連結子会社であった富川鉄工㈱は2019年9月26日付の当社との事業譲渡契約に伴い、事業活動が停止し重要性が僅少となったことから、当連結会計年度より連結の範囲から除外致しました。また、連結除外の基準日は当連結会計年度末日としているため、当連結会計年度は損益計算書のみ連結しております。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は417億5千万円(前連結会計年度末比27億2千万円減・6.1%減)となりました。

流動資産は200億7千万円(前連結会計年度末比19億6千万円減・8.9%減)、固定資産は216億8千万円(前連結会計年度末比7億6千万円減・3.4%減)となりました。

負債は74億円(前連結会計年度末比13億5千万円減・15.5%減)となり、それぞれ、流動負債は39億円(前連結会計年度末比8億3千万円減・17.6%減)、固定負債は34億9千万円(前連結会計年度末比5億2千万円減・13.0%減)となりました。

純資産は、343億5千万円(前連結会計年度末比13億6千万円減・3.8%減)となりました。この結果、自己資本比率は82.3%となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度における連結損益は、完成工事高163億1千万円(前年同期比8億2千万円増・5.4%増)、営業利益1億2千万円(前年同期比1億5千万円減・54.6%減)、経常利益4億1千万円(前年同期比2億1千万円減・33.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億円(前年同期比3億4千万円減・76.9%減)となりました。

なお、当社グループの当連結会計年度に係る新型コロナウイルス関連の各事業セグメントへの影響につきましては軽微であります。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

また、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。

 

(a)鋼構造物製造事業

鋼構造物製造事業におきましては、橋梁部門では、鋼道路橋発注量が前期より大幅に減少し、当社におきましても、その影響で昨年度を大きく下回る結果となり、橋梁部門受注高は92億4千万円(前年同期比61億4千万円減・40.0%減)となりました。鉄骨部門では、大型電力案件を目標とする基本方針は保持したうえで、鉄骨事業の再生を促進させるため、新たに民間建築案件への受注にも努めた結果、鉄骨部門受注高は17億2千万円(前年同期比9億3千万円減・35.3%減)となり、当連結会計年度における鋼構造物製造事業の総受注高は109億6千万円(前年同期比70億8千万円減・39.3%減)となりました。

主な受注工事は、橋梁部門につきましては、中国地方整備局の海田高架橋、前田建設工業㈱中部支店愛知道路CMr作業所の武豊北IC・Bランプ橋、鉄骨部門につきましては、大成建設㈱の武豊火力防音壁、また保全部門につきましては、中日本高速道路㈱の伊勢湾岸自動車道名港中央大橋耐震補強工事などであります。

損益につきましては、鋼構造物製造事業の橋梁部門においては、高速道路関係や北陸新幹線関係の大型不採算物件に加えて、民間受注の鉄道関係物件が売上の中心を占めたことから、工事収益は前連結会計年度を大幅に下回る結果となりました。また、鉄骨部門においては、民間発注の火力発電所工事を中心に売上計上しましたが、採算の厳しい民間発注の一般鉄骨も取り込んだことから、工事収益は厳しい結果となりました。その結果、完成工事高129億8千万円(前年同期比6億5千万円増・5.3%増)、営業損失5千万円(前年同期は1億2千万円の営業利益)となりました。

当連結会計年度に売上計上いたしました主な工事は、橋梁部門につきましては、東日本高速道路㈱の折木川橋、(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構の樫曲橋りょう、前田建設工業㈱中部支店愛知道路CMr作業所のりんくうFランプ橋などで、また鉄骨部門につきましては、大成建設㈱の武豊火力5号本館鉄骨ならびに武豊石こう建屋、鹿島建設㈱の横須賀火力発電所などであります。

 

(b)不動産賃貸事業

不動産賃貸事業につきましては、前連結会計年度に連結子会社が取得した賃貸ビルの収益増加に加え、当社所有の賃貸アパートの入居率改善を実施したことから、売上高は8億6千万円(前年同期比4千万円増・4.9%増)となりましたが、営業利益は、老朽化が始まっている建設初期の賃貸物件の定期修繕を施したため、4億5千万円(前年同期比3千万円減・6.5%減)となりました。

(c)材料販売事業

材料販売事業につきましては、厚板部門は、売上高が前連結会計年度を若干下回りましたが、仕入コストの改善により営業利益は改善いたしました。鉄筋・建材部門では売上高は若干増加し、営業利益は仕入コスト改善により微増となりました。また、レベラー部門は、売上高・営業利益共に前連結会計年度を下回る結果となりました。その結果、材料販売事業は、売上高32億5千万円(前年同期比1億6千万円減・4.7%減)、営業利益1百万円(前年同期は7百万円の営業損失)となりました。

(d)運送事業

運送事業につきましては、外販売上高が増加しましたが、輸送コストの増加により、売上高8億7千万円(前年同期比4千万円増・5.4%増)、営業利益1千万円(前年同期比1千万円減・55.7%減)となりました。

(e)工作機械製造事業

工作機械製造事業につきましては、前第3四半期連結会計期間より連結損益計算書に含めており、売上高4億4千万円(前年同期比3億円増・225.2%増)、営業利益2千万円(前年同期比2千万円増・1715.2%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果は、売上債権の回収等により、17億3千万円の資金収入(前年同期は9億2千万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果は、有形固定資産の取得による支出等が前連結会計年度より6億9千万円減少したものの、投資有価証券の取得による支出が4億5千万円増加したこと等により、5億円の資金支出(前年同期は7億2千万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果は、前連結会計年度に比べ、主に長期借入金を返済したことにより、4億9千万円の資金支出(前年同期は2億9千万円の支出)となりました。

(現金及び現金同等物)

上記の要因により、現金及び現金同等物期末残高は116億1千万円(前年期比6億8千万円増・6.2%増)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋼構造物製造事業

10,288

+11.0

工作機械製造事業

298

+89.8

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.生産実績金額は当期発生原価によっております。

3.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他の事業につきましては、生産活動がないため、生産実績の記載をしておりません。

4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

5.工作機械製造事業の生産実績については、㈱ケイシステックニジューサンの業績を前連結会計年度の第3四半期連結会計期間より連結損益計算書に含めているため、当該期間の実績と当連結会計年度の実績とを比較しております。

b.商品仕入実績

  当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

材料販売事業

2,894

△4.0

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.鋼構造物製造事業、不動産賃貸事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業につきましては、商品仕入活動がないため、商品仕入実績の記載をしておりません。

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋼構造物製造事業

橋梁

9,240

△40.0

14,130

△7.5

鉄骨

1,720

△35.3

1,801

△32.9

10,960

△39.3

15,931

△11.3

合計

10,960

△39.3

15,931

△11.3

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業については、受注活動がないため、受注実績の記載をしておりません。

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売実績

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋼構造物製造事業

橋梁

10,381

+2.1

鉄骨

2,605

+20.5

12,986

+5.3

不動産賃貸事業

864

+4.9

材料販売事業

1,600

△15.1

運送事業

389

+40.6

工作機械製造事業

442

+225.2

その他

33

+0.4

合計

16,318

+5.4

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.セグメント間取引については、相殺消去しております。

4.連結子会社であった富川鉄工㈱は2019年9月26日付の当社との事業譲渡契約に伴い、事業活動が停止し重要性が僅少となったことから、当連結会計年度より連結の範囲から除外致しました。また、連結除外の基準日は当連結会計年度末日としているため、当連結会計年度は損益計算書のみ連結しております。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

相手先

金額

(百万円)

割合(%)

相手先

金額

(百万円)

割合(%)

国土交通省

2,429

15.7

(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構

2,020

12.4

中日本高速道路㈱

1,958

12.6

国土交通省

1,933

11.8

(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構

1,118

7.2

東日本高速道路㈱

1,709

10.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

当連結会計年度の連結貸借対照表における前連結会計年度比較

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

比率(%)

流動資産

22,031

20,070

△1,961

△8.9

固定資産

22,442

21,682

△760

△3.4

資産合計

44,474

41,753

△2,721

△6.1

流動負債

4,738

3,903

△834

△17.6

固定負債

4,021

3,496

△524

△13.0

負債合計

8,759

7,400

△1,359

△15.5

純資産合計

35,714

34,352

△1,362

△3.8

 

 当連結会計年度の連結財政状態は、資産合計は417億5千万円(前年同期比27億2千万円減・6.1%減)、負債合計は74億円(前年同期比13億5千万円減・15.5%減)となりました。

 流動資産は、主に当社の完成工事未収入金の減少(前年同期比16億6千万円減・18.4%減)や前連結会計年度に計上した償還済債券の未収入金が減少(前年同期比5億円減・83.7%減)したことなどから、流動資産合計は200億7千万円(前年同期比19億6千万円減・8.9%減)となりました。

 固定資産は、有形固定資産は横這い(前年同期比6百万円増・0.0%増)、投資その他の資産は、投資有価証券の時価評価額が減少(前年同期比8億3千万円減・9.6%減)したため89億8千万円(前年同期比7億7千万円減・8.0%減)と、固定資産合計は216億8千万円(前年同期比7億6千万円・3.4%減)となりました。

 流動負債は、支払手形・工事未払金等の減少(前年同期比2億3千万円減・7.6%減)や未成工事受入金の減少(前年同期比3億9千万円減・81.2%減)などにより、流動負債合計は39億円(前年同期比8億3千万円減・17.6%減)となりました。

 固定負債は、投資有価証券の時価評価の減少による繰延税金負債の減少(前年同期比3億8千万円・16.8%減)により、固定負債合計は34億9千万円(前年同期比5億2千万円減・13.0%減)となりました。

 純資産は、その他有価証券評価差額金の減少(前年同期比12億2千万円減・31.8%減)などにより、純資産合計は、343億5千万円(前年同期比13億6千万円減・3.8%減)となりました。

 

 

b.経営成績

当連結会計年度の連結損益計算書における前連結会計年度比較

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

比率(%)

完成工事高

15,489

16,318

829

5.4

完成工事総利益

1,890

1,714

△175

△9.3

販売費及び一般管理費

1,606

1,585

△20

△1.3

営業利益

284

129

△155

△54.6

経常利益

628

415

△212

△33.9

税金等調整前当期純利益

675

406

△269

△39.8

親会社株主に帰属する当期純利益

446

103

△343

△76.9

 

当連結会計年度の連結業績は、中期経営計画の2年目として、初年度と同様に基本方針の「再生と創造」に沿った各種施策を実行してまいりました。受注高につきましては、初年度と同様に橋梁保全事業で名港中央大橋補強工事を受注することが出来ましたが、新設橋梁の受注は、鋼製橋梁全体の発注規模縮小の煽りを受けるなど、非常に厳しい結果となりました。また、鉄構本部を新たに立ち上げ「鉄骨鉄構事業の再生」として取り組んでまいりましたが、受注高は前年度を下回る結果となるなど、連結受注高は109億6千万円(前年同期比70億8千万円減・39.3%減)にとどまりました。

なお、当社グループの当連結会計年度に係る新型コロナウイルス関連の影響につきましては、各セグメントにおいて、営業面・生産面ともに影響は軽微でありました。

 完成工事高については、鋼構造物製造事業は、当連結会計年度の受注高は前述の通り厳しい結果となりましたが、前連結会計年度からの豊富な受注残高の下支えもあり、橋梁・鉄骨共に売上高は微増とすることができました。その結果、完成工事高は129億8千万円(前年同期比6億5千万円増・5.3%増)となりました。

また、不動産賃貸事業は入居率の改善策などにより8億6千万円(前年同期比4千万円増・4.9%増)、材料販売事業は16億円(前年同期比2億8千万円減・15.1%減)、運送事業は3億8千万円(前年同期比1億1千万円増・40.6%増)、工作機械製造事業は4億4千万円(前年同期比3億円増・225.2%増)で連結売上高では163億1千万円(前年同期比8億2千万円増・5.4%増)となりました。

 完成工事総利益については、鋼構造物製造事業は、橋梁部門では、主に当社において国土交通省発注受注の減少から、利益率の厳しい民間物件等へシフトするなど橋梁工事収益率は低下の一途を辿る結果になりました。また、鉄骨部門では、従来の電力案件に加えて、一般鉄骨にも進出しましたが、現状では採算ベースに届いておらず収益を押し下げる状況にあります。不動産賃貸事業は、初期物件の定期修繕などによるコストが増加するなど、全体の完成工事総利益は17億1千万円(前年同期比1億7千万円減・9.3%減)となりました。

 営業損益は、販売費及び一般管理費が役員賞与の削減などにより、15億8千万円(前年同期比2千万円減・1.3%減)となり、営業利益は1億2千万円(前年同期比1億5千万円減・54.6%減)となりました。

 経常損益は、営業利益の減少が大きく影響し、当社の受取配当金等の運用収益などもありましたが、経常利益は4億1千万円(前年同期比2億1千万円減・33.9%減)となりました。

 特別損益は、固定資産売却損益や固定資産除却損の発生などから、税金等調整前当期純利益は4億円(前年同期比2億6千万円減・39.8%減)となりました。

 当期純損益は、当社で繰延税金資産を取り崩したことから法人税等調整額が1億5千万円(前年同期比1億2千万円増・388.3%増)となり、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1億円(前年同期比3億4千万円減・76.9%減)となりました。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書における前連結会計年度比較

 

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

金額(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

928

1,731

投資活動によるキャッシュ・フロー

△728

△504

財務活動によるキャッシュ・フロー

△293

△498

現金及び現金同等物の期末残高

10,930

11,613

 

a.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、鋼構造物製造事業における主要材料費や購入部品費等の材料費及び工場製作や現場施工に係る各種外注費のほか、製造労務費・製造経費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要については、各種製造セグメントでは、生産設備の維持更新が中心であり、不動産賃貸事業については、賃貸不動産の維持修繕や建築及び投資対象物件の取得費用などであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を可能な限り自己資金で賄うことを基本としておりますが、やむを得ない場合に限り、金融機関からの短期借入による調達も想定しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、93百万円(前年同期比2億3千万円減・71.2%減)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、11,613百万円(前年同期比6億8千万円増・6.2%増)となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

また、今般の新型コロナウイルスの感染症に関する影響につきましては、その不確実性により、将来の経営計画等への定量的な見積りは非常に困難でありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行なっております。

 

工事進行基準及び工事損失引当金

当社グループは、鋼構造物製造事業の収益及び費用の計上基準として、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用しております。また、工事損失引当金は、受注工事の損失に備えるため、当連結会計年度末の手持工事のうち、損失の発生が見込まれ、その金額を合理的に見積ることが可能な工事について、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。

工事収益総額と工事原価総額は、各工事の状況を踏まえて見積りをしておりますが、工事内容の変更等の不確実な要素も存在するため、見積りの修正が必要となる場合もあり、実際の結果とは異なる場合があります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、橋梁および鉄骨を中心とした鋼構造物事業に関する保有技術を基礎として、急速な事業環境の変化に対応すべく新技術の研究開発に取り組んでいます。特に橋梁事業につきましては、保全需要の拡大に対応するため、橋梁の補修補強や更新に関する研究開発に注力しています。

 当連結会計年度における研究開発費は9百万円であり、また主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

鋼構造物製造事業

(仮橋の開発およびリース)

 自然災害の激甚化により災害時に必要となる仮橋や、今後、増加が見込まれる橋梁の架け替えに必要な仮橋に適用すべく、仮橋リースを行っています。この事業では、様々な施工条件に対応するための調査検討も進めています。

 

(高耐久舗装用アスファルト添加材の開発・販売)

 鋼床版橋梁の舗装は鋼床版が変形しやすいことや熱されやすいことにより、アスファルト舗装の耐久性が低下する問題があります。当社は材料メーカーと共同で鋼床版用舗装の添加材の開発を進めています。また、一般のアスファルト舗装に対しては、重交通によって生じる轍ぼれを抑制する添加材を開発しています。これらの商品は海外へ展開し、販売しています。

 

(高機能ポリマーセメント系材料の開発・販売)

鋼構造物における鋼材とコンクリートの界面は剥離や腐食がしやすい部位であり、維持管理の問題となっています。当社は付着力が高く、従来よりも施工しやすい接着材を開発し、様々な部位への適用を検討しています。

 

(橋梁壁高欄工法の改良)

 当社グループは東海コンクリート工業㈱との技術提携によりPCF壁高欄工法を開発し、各種タイプの橋梁床版に適用してきました。現在は更なる応用技術の開発や品質改良を進めています。

 

(橋梁点検技術の開発)

 保全関連事業が増大することから、橋梁点検に関連する点検調査技術や、橋梁の補修補強工事の施工関連技術の開発を進めています。

 

不動産賃貸事業・材料販売事業・運送事業・工作機械製造事業・その他

 不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他に関しましては、特段、研究開発活動を行っておりません。