文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「長年にわたるゆるぎない品質の確かさで顧客との信頼関係を築く」という企業理念の堅持と、前中期経営計画の「再生と創造」の基本方針は継続してまいります。さらに、今後の見通しが立てづらい経営環境において、柔軟で強靭な企業体質を実現するためには、主力事業の基盤強化と合わせて、「入札だけに頼らない企業体を作る」という多角化戦略が以前に増して重要と考えます。この基本方針のもと、グループ企業として安定した経営、持続的な成長を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、3か年ごとに「瀧上グループ中期経営計画」を策定し、各事業セグメント別及びグループ各社の部門別に個別目標の設定と具体的な活動計画を策定し、前中期事業戦略(2019年3月期~2021年3月期までの3か年を対象とする中期経営計画)としておりました。この中期経営計画では、「再生と創造」をキーワードとして、一旦シェアが低下した新設橋梁事業の再生、新たなエンジニアリング事業として橋梁保全事業の創造拡大、旺盛な需要をチャンスとした鉄骨事業の再生創造を事業方針としました。この方針における数値目標は、最終年度において売上高190億円、営業利益9億円(4.7%)と設定し、事業に取り組んでまいりました。
しかし、2020年3月期(83期)に新設道路橋発注量が従来20万トンから13万トンへ大幅低下し、2021年3月期(84期)にはコロナ禍による稼働低下とともに2年連続の道路橋発注量の20万トン割れという予想し得なかった事象が起こりました。その結果、当社グループの受注と売上高に大きな影響があり、最終年度の売上高は161億円で目標未達になりました。一方、収益面は原価低減と設計変更の獲得に努めた結果、営業利益は8.6億円(5.3%)となり、金額は若干及ばなかったものの利益率は達成しました。
当社グループは、前中期経営計画の「再生と創造」の基本方針は継続しながら、2022年3月期~2024年3月期を対象とした新たな中期経営計画を策定し、コロナ禍を契機とする社会環境の大きな変化に対応可能な「柔軟で強靭」な企業体質の実現をスローガンに掲げ、橋梁事業の拡充強化を中核としながらも、今後確実に増え続ける保全事業への対応、民間大型案件への対応可能な鉄骨事業の体制構築を図ります。あわせて、海外事業と不動産事業にもこれまでと同様「入札だけに頼らない企業体づくり」のために注力していきます。さらには、働き方改革も待ったなしであり、技能労働者減少を見据えた担い手の確保及びデジタル技術の活用促進などがより求められると考えております。当社グループは、中期経営計画に掲げる諸施策の着実な取り組みを通じて、経営目標達成と企業価値向上を目指してまいります。
(3)経営環境
経営環境につきましては、わが国の状況に目を向けると、新型コロナウイルス感染症が国内で初めて確認されてから1年超となりますが、新たな変異株の出現やワクチン普及の遅れなどにより、未だ収束の兆しが見られない事態が続いています。今後につきましては、国内建設市場においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、民間建設投資の減少が危惧されますが、将来を見据えた国土強靭化やインフラ老朽化対策などに対する公共投資は底堅く推移すると見込まれます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
①新設橋梁事業
新設橋梁事業につきましては、国土強靭化に関して大都市圏環状道路や代替道路ネットワークの整備が必要とされ、大阪湾岸線西伸部などの大規模プロジェクトが予定されています。しかし、厳しい受注競争が続くため、発注量に影響されず安定した受注を確保することが課題です。
②橋梁保全事業
橋梁保全事業につきましては、国土強靭化に関してインフラ老朽化対策が必要とされ、高速道路の床版取り替えや橋梁の耐震補強が拡大すると考えられます。特に大規模な保全工事においては高度で総合的な技術力が求められるため、対応する体制づくりが課題となります。
③鉄骨鉄構事業
鉄骨鉄構事業につきましては、都市再開発プロジェクトは継続される予定であるものの、ポストコロナにおいて働き方などの変化によるオフィス需要に注意が必要です。また、当社が得意としてきた発電所等のエネルギー関連施設建設は、カーボンフリーへの取組みにより火力から風力等の再生可能エネルギーに転換されていくと思われます。このような変化を注視しつつ、民間の大型開発案件への対応力強化が課題となります。
④デジタル化及び働き方改革
上記の①~③の取組み課題に共通するリスクは人材不足です。我が国の労働者人口は既に減少し始めており、働き方改革により女性と高齢者の労働参加率を高める取組みがなされています。しかし、絶対的な人口不足や労働者人口自体の高齢化が進んでおり、ロボットやデジタル化の活用が省力化、省人化対策として期待されています。当社グループにおきましても、働き方改革による人材確保やロボット・デジタル技術の活用促進が課題です。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
橋梁・鉄骨業界を取り巻く経営環境が一層の厳しさを増していくなか、当社グループといたしましては、企業競争力の強化に努め、適正な受注量の確保を重要な施策と位置付け、売上高、利益面でバランスの取れた収益力を目指しており、中期3か年計画では、売上高及び営業利益を目標指標としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)公共事業の減少や生産活動の低下
当社グループの鋼構造物製造事業は、橋梁や保全事業を中心とした公共事業の割合が大半を占めております。今後、新型コロナウイルス感染症などの影響により、公共事業の発注数量等の減少が予想を大幅に上回る場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、未だ継続しております新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うリスクを抑制するため、速やかに対応方針を策定し、各種対応(時差出勤、在宅勤務や休業などの交代勤務、出張の原則禁止など)を実施しておりますが、その対応により、当社本社工場の生産活動や架設現場等での事業活動が抑制されることから、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)固定資産の減損リスク
当社グループは、鋼構造物製造事業や不動産賃貸事業を中心に、多くの固定資産を保有しておりますが、今後、業績の低迷などにより、減損損失が発生する可能性があります。
(3)人材確保のリスク
当社グループの鋼構造物製造事業は、特に技術者の確保が重要でありますが、近年の労働者人口の減少を背景とした、建設業人材の減少により、必要な人材の確保が出来なかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料の価格
当社グループの鋼構造物製造事業は、鉄鋼メーカーの鋼板や形鋼を主要材料としております。しかし、不測の事態により原材料の市場価格等が高騰した際、販売価格等に転嫁することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)品質の保証
製品の引渡し後、瑕疵担保責任や事故災害等による損害賠償等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)取引先の信用リスク
取引先の信用不安による損失が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)資産保有リスク
保有している資産の時価の変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)法的規制
事業活動における法令はもとより社会規範の遵守と企業倫理の確立を図っておりますが、これらを遵守できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)大規模災害等による影響
当社グループの生産拠点は、愛知県の知多半島に集中しており、今後、この地区を襲う大規模災害が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響による景気減速から先行き不透明な状況が続いております。橋梁業界においては、新型コロナウイルス感染症そのものの影響は比較的軽微ではありましたが、その見通しは必ずしも明るいとは言えません。一方、橋梁保全市場は引き続き拡大し、今後さらに拡大する見込みです。また、鉄骨鉄構事業の主戦場である鉄骨市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響は少しずつ出始めておりプロジェクトの中止や延期が今後さらに増えることを大変懸念いたしております。
a.財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は437億9千万円(前連結会計年度末比20億4千万円増・4.9%増)となりました。
流動資産は217億5千万円(前連結会計年度末比16億8千万円増・8.4%増)、固定資産は220億3千万円(前連結会計年度末比3億5千万円増・1.6%増)となりました。
負債は76億1千万円(前連結会計年度末比2億1千万円増・2.9%増)となり、それぞれ、流動負債は37億9千万円(前連結会計年度末比1億円減・2.8%減)、固定負債は38億2千万円(前連結会計年度末比3億2千万円増・9.3%増)となりました。
純資産は、361億8千万円(前連結会計年度末比18億2千万円増・5.3%増)となりました。この結果、自己資本比率は82.6%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における連結損益は、完成工事高161億7千万円(前年同期比1億4千万円減・0.9%減)、営業利益8億6千万円(前年同期比7億3千万円増・568.4%)、経常利益12億8千万円(前年同期比8億6千万円増・209.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、9億3千万円(前年同期比8億2千万円増・802.7%増)となりました。
なお、当社グループの当連結会計年度に係る新型コロナウイルス感染症関連の影響は各事業セグメント毎に記載しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
また、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
(a)鋼構造物製造事業
鋼構造物製造事業におきましては、橋梁部門では、鋼道路橋発注量は高速道路会社からの発注増により前期比4割増となったものの、2年連続の20万トン割れの依然厳しい状況が続いています。当社におきましては、技術本部を立ち上げて技術提案力強化に注力した結果、橋梁部門受注高は132億5千万円(前年同期比40億1千万円増・43.5%増)となりました。鉄骨部門では、大型電力案件の新設市場が縮小傾向のなか、民間建築案件への受注に努めた結果、鉄骨部門受注高は21億3千万円(前年同期比4億円増・23.8%増)となり、当連結会計年度における鋼構造物製造事業の総受注高は153億8千万円(前年同期比44億2千万円増・40.4%増)となりました。
主な受注工事は、橋梁部門につきましては、中部地方整備局の三遠道路1号橋、愛知県の一宮跨線橋、鉄骨部門につきましては、鹿島建設㈱の金亀公園陸上競技場新設工事、㈱シーテック大高ビル新設工事などであります。
損益につきましては、鋼構造物製造事業の橋梁部門においては、コロナ禍の影響により、工場稼働率は上半期まで落ち込み、間接費の賦課率上昇が既存工事の収益低下を招く結果となりました。しかし、東日本高速道路㈱の折木川橋では、震災復興関連の影響から、大型の設計変更契約を獲得できたため、橋梁部門は大幅な収益改善を実現できました。また、鉄骨部門においては、前連結会計年度と同様に、民間発注の火力発電所工事を中心に売上計上しましたが、採算の厳しい民間発注の一般鉄骨も取り込んだことから、工事収益は厳しい結果となりました。その結果、完成工事高130億8千万円(前年同期比9千万円増・0.7%増)、営業利益7億円(前年同期は5千万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度に売上計上いたしました主な工事は、橋梁部門につきましては、東日本高速道路㈱の折木川橋、関東地方整備局の小雀地区高架橋などで、鉄骨部門につきましては、鹿島建設㈱の横須賀火力発電所タービン建屋ならびに横須賀火力発電所1・2号石膏処理建屋、保全部門につきましては、中日本高速道路㈱の長良川橋床版取替工事などであります。
(b)不動産賃貸事業
不動産賃貸事業につきましては、コロナ禍の影響は少なく、前連結会計年度により開始した新規のガソリンスタンド案件等が収益増加の要因となり、売上高は8億9千万円(前年同期比3千万円増・3.8%増)となりました。また、営業利益は、修繕費の減少や一部資産の鋼構造物製造事業への振替により減価償却費が減少したことから、5億4千万円(前年同期比8千万円増・19.8%増)となりました。
(c)材料販売事業
材料販売事業につきましては、コロナ禍の影響もあり、厚板部門は、グループ内での加工取引の減少が影響し、レベラー部門は、客先の活動自粛もあり、両部門共に、売上高・営業利益共に前連結会計年度を下回りました。一方で鉄筋・建材部門ではグループ内取引高の回復もあり、売上高、営業利益共に前連結事業年度から微増となりました。その結果、材料販売事業は、売上高31億5千万円(前年同期比9千万円減・3.0%減)、営業損失6千万円(前年同期は1百万円の営業利益)となりました。
(d)運送事業
運送事業につきましては、期初からのコロナ禍の影響で、当社グループ内及び外部取引共に受注量が大幅に減少したため、採算ベースを下回る状況となり、売上高5億2千万円(前年同期比3億5千万円減・39.9%減)、営業損失1千万円(前年同期は1千万円の営業利益)となりました。
(e)工作機械製造事業
工作機械製造事業につきましては、コロナ禍の影響による自動車業界の生産稼働調整等の煽りを受け、受注量の低下や製造原価の固定労務費の負担増を主たる要因として利益率が低下し、売上高1億5千万円(前年同期比2億8千万円減・64.4%減)、営業損失1千万円(前年同期は2千万円の営業利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果は、売上債権の増加額21億9千万円等により、10億円の資金支出(前年同期は17億3千万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果は、有価証券の売却及び償還による収入7億円や関係会社清算による収入6億7千万円等の収入がありましたが、一方で投資有価証券の取得による支出11億6千万円や関係会社貸付けによる支出10億9千万円等の影響により、6億3千万円の資金支出(前年同期は5億円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果は、配当金の支払による支出2億1千万円等により、2億3千万円の資金支出(前年同期は4億9千万円の支出)となりました。
(現金及び現金同等物)
上記の要因により、現金及び現金同等物期末残高は97億4千万円(前年期比18億6千万円減・16.1%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
鋼構造物製造事業 |
9,519 |
△7.5 |
|
|
工作機械製造事業 |
125 |
△58.1 |
|
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.生産実績金額は当期発生原価によっております。
3.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他の事業につきましては、生産活動がないため、生産実績の記載をしておりません。
4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
材料販売事業 |
2,743 |
△5.2 |
|
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.鋼構造物製造事業、不動産賃貸事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業につきましては、商品仕入活動がないため、商品仕入実績の記載をしておりません。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 |
受注残高 |
|||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
鋼構造物製造事業 |
橋梁 |
13,256 |
+43.5 |
16,941 |
+19.9 |
|
鉄骨 |
2,130 |
+23.8 |
1,295 |
△28.1 |
|
|
計 |
15,386 |
+40.4 |
18,237 |
+14.5 |
|
|
合計 |
15,386 |
+40.4 |
18,237 |
+14.5 |
|
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業については、受注活動がないため、受注実績の記載をしておりません。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売実績 |
||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
鋼構造物製造事業 |
橋梁 |
10,445 |
+0.6 |
|
鉄骨 |
2,636 |
+1.2 |
|
|
計 |
13,081 |
+0.7 |
|
|
不動産賃貸事業 |
897 |
+3.8 |
|
|
材料販売事業 |
1,734 |
+8.4 |
|
|
運送事業 |
266 |
△31.7 |
|
|
工作機械製造事業 |
157 |
△64.4 |
|
|
その他 |
33 |
△0.4 |
|
|
合計 |
16,170 |
△0.9 |
|
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間取引については、相殺消去しております。
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||||
|
相手先 |
金額 (百万円) |
割合(%) |
相手先 |
金額 (百万円) |
割合(%) |
|
(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 |
2,020 |
12.4 |
東日本高速道路㈱ |
3,014 |
18.6 |
|
国土交通省 |
1,933 |
11.8 |
国土交通省 |
2,072 |
12.8 |
|
東日本高速道路㈱ |
1,709 |
10.5 |
鹿島建設㈱ |
1,953 |
12.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度の連結貸借対照表における前連結会計年度比較
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
比率(%) |
|
|
流動資産 |
20,070 |
21,758 |
1,687 |
8.4 |
|
固定資産 |
21,682 |
22,037 |
354 |
1.6 |
|
資産合計 |
41,753 |
43,795 |
2,042 |
4.9 |
|
流動負債 |
3,903 |
3,793 |
△109 |
△2.8 |
|
固定負債 |
3,496 |
3,821 |
324 |
9.3 |
|
負債合計 |
7,400 |
7,615 |
215 |
2.9 |
|
純資産合計 |
34,352 |
36,180 |
1,827 |
5.3 |
当連結会計年度の連結財政状態は、資産合計は437億9千万円(前年同期比20億4千万円増・4.9%増)、負債合計は76億1千万円(前年同期比2億1千万円増・2.9%増)となりました。
流動資産は、完成工事未収入金の増加(前年同期比21億2千万円増・28.8%増)や関係会社短期貸付金の増加(前年同期比10億円増・1,090.2%増)により、流動資産合計は217億5千万円(前年同期比16億8千万円増・8.4%増)となりました。
固定資産は、有形固定資産は減価償却費の影響により減少(前年同期比2億円減・1.6%減)し、投資その他の資産は投資有価証券の時価評価や非連結子会社株式の減少などにより増加(前年同期比5億4千万円増・6.1%増)し、固定資産合計は220億3千万円(前年同期比3億5千万円増・1.6%増)となりました。
流動負債は、未払法人税等の増加(前年同期比2億5千万円増・285.9%増)はありましたが、一方で、支払手形・工事未払金等の減少(前年同期比5億5千万円減・19.7%減)などにより、流動負債合計は37億9千万円(前年同期比1億円減・2.8%減)となりました。
固定負債は、投資有価証券の時価評価の増加による繰延税金負債の増加(前年同期比3億3千万円増・17.7%増)、固定負債合計は38億2千万円(前年同期比3億2千万円増・9.3%増)となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加(前年同期比10億8千万円増・41.2%増)などにより、純資産合計は、361億8千万円(前年同期比18億2千万円増・5.3%増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の連結損益計算書における前連結会計年度比較
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
比率(%) |
|
|
完成工事高 |
16,318 |
16,170 |
△148 |
△0.9 |
|
完成工事総利益 |
1,714 |
2,537 |
822 |
+48.0 |
|
販売費及び一般管理費 |
1,585 |
1,675 |
89 |
+5.6 |
|
営業利益 |
129 |
862 |
733 |
+568.4 |
|
経常利益 |
415 |
1,285 |
869 |
+209.5 |
|
税金等調整前当期純利益 |
406 |
1,219 |
812 |
+199.9 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
103 |
932 |
829 |
+802.7 |
当連結会計年度の連結業績は、中期経営計画の最終年度として、基本方針である「再生と創造」の実現に向けて取り組んでまいりました。受注高につきましては、新設橋梁で国土交通省や高速道路会社発注の大型物件を受注することができ、上半期までに鋼製橋梁の年間受注高の76.1%を獲得するなど、当連結会計年度は前半に受注実績が集中する結果となりました。また、鉄骨部門におきましては、引き続き「鉄骨鉄構事業の再生」として取り組んでまいりました結果、受注高は前年度を上回る結果となるなど、連結受注高は153億8千万円(前年同期比44億2千万円増・40.4%増)とすることができました。
当社グループの当連結会計年度に係る新型コロナウイルス感染症関連の影響につきましては、鋼構造物製造事業では、当社の工場部門では休業日の措置などにより生産量が減少しました。また、その他のセグメントにおきましては、材料販売事業や運送事業は、当社の生産量の低下が内部取引の減少を招く結果となりました。工作機械製造事業につきましては、自動車業界の生産調整の煽りを受けたため、売上高は大幅に落ち込む結果となりました。
完成工事高については、鋼構造物製造事業は、前述の工場生産量の低下はありましたが、現場部門におけるコロナ禍の影響は比較的軽微であったため、大幅な工事進捗の落ち込みはありませんでした。また、当社では東日本高速道路㈱の折木川橋において、粘り強い交渉の結果、大型の設計変更を獲得するなど、当連結会計年度の鋼構造物製造事業の完成工事高は、橋梁・鉄骨共に微増とすることができ、完成工事高は130億8千万円(前年同期比9千万円増・0.7%増)となりました。不動産賃貸事業は前連結会計年度に取引を開始したガソリンスタンド向けの借地取引などの増加要因もあり、8億9千万円(前年同期比3千万円増・3.8%増)、材料販売事業は17億3千万円(前年同期比1億3千万円増・8.4%増)、運送事業は2億6千万円(前年同期比1億2千万円減・31.7%減)、工作機械製造事業は1億5千万円(前年同期比2億8千万円減・64.4%減)で連結売上高は161億7千万円(前年同期比1億4千万円減・0.9%減)となりました。
完成工事総利益については、不動産賃貸事業を除く各セグメントにおいては、コロナ禍による収益率の低下傾向が顕著でありましたが、鋼構造物製造事業の橋梁部門で計上した大型設計変更の獲得は、収益改善に影響が大きく寄与する結果となりました。残る不動産賃貸事業につきましては、大型修繕等の発生が無かったこともあり、収益は改善しております。その結果、当連結会計年度の完成工事総利益は25億3千万円(前年同期比8億2千万円増・48.0%増)となりました。
営業損益は、販売費及び一般管理費が労務費や租税公課などの増加により、16億7千万円(前年同期比8千万円増・5.6%増)となり、営業利益は8億6千万円(前年同期比7億3千万円増・568.4%増)となりました。
経常損益は、営業利益の増加に加えて、当社の受取配当金等の運用収益の増加も影響したため、経常利益は12億8千万円(前年同期比8億6千万円増・209.5%増)となりました。
特別損益は、JR武豊線の高架工事に伴う収用関連の固定資産売却益や受取補償金及び固定資産圧縮損の計上に加えて、関係会社清算損や固定資産除却損の計上などにより、税金等調整前当期純利益は12億1千万円(前年同期比8億1千万円増・199.9%増)となりました。
当期純損益は、当社で繰延税金資産を計上した影響から、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は9億3千万円(前年同期比8億2千万円増・802.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書における前連結会計年度比較
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,731 |
1,005 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△504 |
△638 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△498 |
△234 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
11,613 |
9,745 |
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、鋼構造物製造事業における主要材料費や購入部品費等の材料費及び工場製作や現場施工に係る各種外注費のほか、製造労務費・製造経費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要については、各種製造セグメントでは、生産設備の維持更新が中心であり、不動産賃貸事業については、賃貸不動産の維持修繕や建築及び投資対象物件の取得費用などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を可能な限り自己資金で賄うことを基本としておりますが、やむを得ない場合に限り、金融機関からの短期借入による調達も想定しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、82百万円(前年同期比1千万円減・11.8%減)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、9,745百万円(前年同期比18億6千万円減・16.1%減)となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症に関する影響につきましては、その不確実性により、将来の経営計画等への定量的な見積りは非常に困難でありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行なっております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。
当社は、2020年12月22日開催の取締役会において、2021年4月1日(予定)を効力発生日として、当社の連結子会社である株式会社瀧上工作所の鉄骨事業を吸収分割の方法により、当社が継承することを決議いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループは、橋梁及び鉄骨を中心とした鋼構造物事業に関する保有技術を基礎として、急速な事業環境の変化に対応すべく新技術の研究開発に取り組んでいます。特に橋梁事業につきましては、保全需要の拡大に対応するため、橋梁の補修補強や更新に関する研究開発に注力しています。
当連結会計年度における研究開発費は
鋼構造物製造事業
(仮橋の開発及びリース)
自然災害の激甚化により災害時に必要となる仮橋や、今後、増加が見込まれる橋梁の架け替えに必要な仮橋に適用すべく、仮橋リースを行っています。この事業では、様々な施工条件に対応するための調査検討も進めています。
(高耐久舗装用アスファルト添加材の開発・販売)
鋼床版橋梁の舗装は鋼床版が変形しやすいことや熱されやすいことにより、アスファルト舗装の耐久性が低下する問題があります。当社は材料メーカーと共同で鋼床版用舗装の添加材の開発を進めています。また、一般のアスファルト舗装に対しては、重交通によって生じる轍ぼれを抑制する添加材を開発しています。これらの商品は海外へ展開し、販売しています。
(高機能ポリマーセメント系材料の開発・販売)
鋼構造物における鋼材とコンクリートの界面は剥離や腐食がしやすい部位であり、維持管理の問題となっています。当社は付着力が高く、従来よりも施工しやすい接着材を開発し、様々な部位への適用を検討しています。
(橋梁壁高欄工法の改良)
当社グループは東海コンクリート工業㈱との技術提携によりPCF壁高欄工法を開発し、各種タイプの橋梁床版に適用してきました。現在は更なる応用技術の開発や品質改良を進めています。
(橋梁点検技術の開発)
保全関連事業が増大することから、橋梁点検に関連する点検調査技術や、橋梁の補修補強工事の施工関連技術の開発を進めています。
不動産賃貸事業・材料販売事業・運送事業・工作機械製造事業・その他
不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他に関しましては、特段、研究開発活動を行っておりません。