文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「長年にわたるゆるぎない品質の確かさで顧客との信頼関係を築く」という企業理念の堅持と、前中期経営計画の「再生と創造」の基本方針は継続してまいります。さらに、今後の見通しが立てづらい経営環境において、柔軟で強靭な企業体質を実現するためには、主力事業の基盤強化と合わせて、「入札だけに頼らない企業体をつくる」という多角化戦略が以前に増して重要と考えます。この基本方針のもと、グループ企業として安定した経営、持続的な成長を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、3か年ごとに「瀧上グループ中期経営計画」を策定し、各事業セグメント別及びグループ各社の部門別に個別目標の設定と具体的な活動計画を策定し、新中期経営計画(対象期間:2022年3月期~2024年3月期)としております。この中期経営計画では、前中期経営計画の「再生と創造」の基本方針は継続しながら、2022年3月期~2024年3月期を対象とした新たな中期経営計画を策定し、コロナ禍を契機とする社会環境の大きな変化に対応可能な「柔軟で強靭」な企業体質の実現をスローガンに掲げ、橋梁事業の拡充強化を中核としながらも、今後確実に増え続ける保全事業への対応と民間大型案件への対応可能な鉄骨事業の体制構築を図ります。あわせて、海外事業と不動産事業にもこれまでと同様「入札だけに頼らない企業体づくり」のために注力していきます。さらには、働き方改革も待ったなしであり、技能労働者減少を見据えた担い手の確保及びデジタル技術の活用促進などがより求められると考えております。当社グループは、中期経営計画に掲げる諸施策の着実な取り組みを通じて、経営目標達成と企業価値向上を目指しております。
新中期経営計画の初年度となります2022年3月期におきましては、連結売上高15,420百万円、営業損失115百万円、経常利益238百万円を計画値としておりましたが、結果は連結売上高14,678百万円(計画比4.8%減)、営業損失197百万円(計画比71.3%減)、経常利益219百万円(計画比8.0%減)となり、すべての項目で目標未達の結果となりました。主な要因としては、国土交通省案件等の好採算案件の受注が不振であったことにより、結果として高速道路案件や民間鉄骨案件の受注にシフトしたことで、全体の採算性を低下させたことと、一部の案件で期初に計画した生産工程が工期延長により繰り下がったことで、総じて利益率の低下を招く結果となりました。
新中期経営計画の2年目となる2022年度に向けてのアクションとしましては、土木・建築技術者等の採用活動を強化し、経営資源の根幹となる必要人員の確保をしつつ、工場稼働をコロナ禍前の水準までに回復させ、生産効率を向上させることにより、固定費負担の軽減と低下した採算性の回復に努めてまいります。また、国土交通省が掲げる建設業人件費3%UP施策も推進し、従業員のさらなる士気向上をはかるとともに、収益率を確保した受注確保を同時に進めてまいります。
(3)経営環境
経営環境につきましては、国内では新型コロナウイルス感染症の発生から2年超となり、未だに新たな変異株の出現が継続しておりますが、国内においては、高いワクチン接種率と海外で開発された経口薬の導入などにより、一刻も早い事態の改善が望まれます。
今後の経営環境につきましては、国内建設市場においては、民間設備投資が回復基調にあるとともに、公共投資に関しても将来を見据えた国土強靭化やインフラ老朽化対策など引き続き堅調に推移すると見込まれるものの、受注競争の激化や主要資材の高騰等による厳しい状況は続くと思われます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
①新設橋梁事業
新設橋梁事業につきましては、国土強靭化に関して大都市圏環状道路や代替道路ネットワークの整備が必要とされ、大阪湾岸線西伸部などの大規模プロジェクトが予定されています。しかし、厳しい受注競争が続くため、発注量に影響されず安定した受注を確保することが課題です。
②橋梁保全事業
橋梁保全事業につきましては、国土強靭化に関してインフラ老朽化対策が必要とされ、高速道路の床版取り替えや橋梁の耐震補強が拡大すると考えられます。特に大規模な保全工事においては高度で総合的な技術力が求められるため、対応する体制づくりが課題となります。
③鉄骨鉄構事業
鉄骨鉄構事業につきましては、都市再開発プロジェクトは継続される予定であるものの、ポストコロナにおいて働き方などの変化によるオフィス需要に注意が必要です。また、当社が得意としてきた発電所等のエネルギー関連施設建設は、カーボンフリーへの取り組みにより火力から風力等の再生可能エネルギーに転換されていくと思われます。このような変化を注視しつつ、民間の大型開発案件への対応力強化が課題となります。
④デジタル化及び働き方改革
上記の①~③の取り組み課題に共通するリスクは人材不足です。我が国の労働者人口は既に減少し始めており、働き方改革により女性と高齢者の労働参加率を高める取り組みがなされています。しかし、絶対的な人口不足や労働者人口自体の高齢化が進んでおり、ロボットやデジタル化の活用が省力化、省人化対策として期待されています。当社グループにおきましても、働き方改革による人材確保やロボット・デジタル技術の活用促進が課題です。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
橋梁・鉄骨業界を取り巻く経営環境が一層の厳しさを増していくなか、当社グループといたしましては、企業競争力の強化に努め、適正な受注量の確保を重要な施策と位置付け、売上高、利益面でバランスの取れた収益力を目指しており、中期経営計画では、売上高及び営業利益を目標指標としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)公共事業の減少や生産活動の低下
当社グループの鋼構造物製造事業は、橋梁や保全事業を中心とした公共事業の割合が大半を占めております。今後、新型コロナウイルス感染症などの影響により、公共事業の発注数量等の減少が予想を大幅に上回る場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、未だ継続しております新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うリスクを抑制するため、対応方針を策定し、各種対応(ワクチンの職域接種、時差出勤、在宅勤務や休業などの交代勤務、出張の原則禁止など)を実施しておりますが、その対応により、当社本社工場の生産活動や架設現場等での事業活動が抑制されることから、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)固定資産の減損リスク
当社グループは、鋼構造物製造事業や不動産賃貸事業を中心に、多くの固定資産を保有しておりますが、今後、業績の低迷などにより、減損損失が発生する可能性があります。
(3)人材確保のリスク
当社グループの鋼構造物製造事業は、特に技術者の確保が重要でありますが、近年の労働者人口の減少を背景とした、建設業人材の減少により、必要な人材の確保が出来なかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料の価格
当社グループの鋼構造物製造事業は、鉄鋼メーカーの鋼板や形鋼を主要材料としております。しかし、不測の事態により原材料の市場価格等が高騰した際、販売価格等に転嫁することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)品質の保証
製品の引渡し後、瑕疵担保責任や事故災害等による損害賠償等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)取引先の信用リスク
取引先の信用不安による損失が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)資産保有リスク
保有している資産の時価の変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)法的規制
事業活動における法令はもとより社会規範の遵守と企業倫理の確立を図っておりますが、これらを遵守できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)大規模災害等による影響
当社グループの生産拠点は、愛知県の知多半島に集中しており、今後、この地区を襲うと予測される南海トラフ大地震等の大規模災害が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、ワクチン接種の進展や行動制限の緩和などにより、企業の景況感も改善傾向にあるものの、新たな変異株の出現や地政学的リスクの高まり、エネルギー価格の上昇などにより、厳しい状況が続きました。
a.財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は488億1千万円(前連結会計年度末比50億1千万円増・11.5%増)となりました。
流動資産は224億7千万円(前連結会計年度末比7億1千万円増・3.3%増)、固定資産は263億3千万円(前連結会計年度末比42億9千万円増・19.5%増)となりました。
負債は117億1千万円(前連結会計年度末比40億9千万円増・53.8%増)となり、それぞれ、流動負債は67億5千万円(前連結会計年度末比29億6千万円増・78.2%増)、固定負債は49億5千万円(前連結会計年度末比11億2千万円増・29.6%増)となりました。
純資産は、371億円(前連結会計年度末比9億2千万円増・2.6%増)となりました。この結果、自己資本比率は76.0%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における連結損益は、完成工事高146億7千万円(前年同期比15億円減・9.3%減)、営業損失1億9千万円(前年同期は8億7千万円の営業利益)、経常利益2億1千万円(前年同期比10億6千万円減・82.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億3千万円(前年同期比7億9千万円減・85.1%減)となりました。
なお、当社グループの当連結会計年度に係る新型コロナウイルス関連の影響は事業セグメント毎に記載しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
また、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
(a)鋼構造物製造事業
鋼構造物製造事業におきましては、橋梁部門では、鋼道路橋発注量は、約19万トンで、3年連続20万トン割れの厳しい状況で推移し、受注競争の熾烈化が続いております。一方、橋梁保全市場は依然として活況を呈しており、我々の業界の業態転換がますます進んでいく環境にあります。このような状況のなかで、当社グループは技術提案力強化とECI方式による受注案件で設計に続き施工も契約締結に至ったものの、橋梁部門受注高は113億2千万円(前年同期比19億3千万円減・14.6%減)となりました。
鉄骨部門では、大型再開発や物流倉庫などの大型物件の着工が相次ぎ、需要は回復傾向に転じてはいるものの、鋼材の価格高騰や納期の長期化などから先行き不透明な状況にあります。このような状況のなかで、民間建築案件への受注に努めた結果、鉄骨部門の受注高は32億1千万円(前年同期比10億8千万円増・50.9%増)となり、当連結会計年度における鋼構造物製造事業の総受注高は145億4千万円(前年同期比8億4千万円減・5.5%減)となりました。
主な受注工事は、橋梁部門につきましては、中部地方整備局の東海環状北勢第一高架橋、西日本高速道路㈱の佐世保高架橋拡幅工事その1、鉄骨部門につきましては、大成建設㈱の東清水変電所建築工事、イビデン河間事業場新築工事などであります。
鋼構造物製造事業の損益につきましては、橋梁部門では、コロナ禍の影響は前連結会計年度より軽微でありましたが、工場の稼働状況は、製作予定案件の工期延期等により、コロナ禍前の水準までには回復しておらず、結果として間接費の負担増により工事損益の低下を招く結果となりました。また、鉄骨部門では、大型の一般鉄骨の受注に傾注し、一定の受注量は確保出来ましたが、採算の厳しい民間物件であるため、工場間接費の負担増により、工事損益は厳しい結果となりました。その結果、完成工事高116億2千万円(前年同期比14億6千万円減・11.2%減)、営業損失3億8千万円(前年同期は7億円の営業利益)となりました。
当連結会計年度に売上計上いたしました主な工事は、橋梁部門では、中部地方整備局の三遠道路1号橋、鉄骨部門では、鹿島建設㈱の金亀公園陸上競技場新築工事、保全部門では、中日本高速道路㈱の名港中央大橋耐震補強工事などであります。
(b)不動産賃貸事業
不動産賃貸事業につきましては、コロナ禍の影響は軽微であり、当連結会計年度より連結の範囲に含めました子会社(瀧上不動産株式会社)の業績も加わったため、売上高は9億5千万円(前年同期比4千万円増・4.7%増)となりました。また、営業利益は、新規物件の初期費用の発生が利益率を鈍化させる結果となり、5億5千万円(前年同期比1百万円増・0.3%増)となりました。
(c)材料販売事業
材料販売事業につきましては、コロナ禍の影響は軽微であり、厚板部門は、当社の工期延期による加工取引の減少や年度後半の鋼材価格の急騰による在庫評価損等が損益に影響しました。レベラー部門は、織機向け取引が安定し、薄物加工の協業が加工取引を底上げする結果となりました。また、鉄筋・建材部門は、通年で鋼材価格の高騰を効果的に販売操業することが出来ました。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことにより、売上高、売上原価共に19億9千万円(内部取引を含む)減少しており、その結果、売上高20億1千万円(前年同期比11億4千万円減・36.3%減)、営業損失4千万円(前年同期は6千万円の営業損失)となりました。
(d)運送事業
運送事業につきましては、コロナ禍の影響で、外販取引の生産設備等の輸送取引が減少しました。また、グループ内取引も当社取引を中心に大幅な減少となったことから、前連結会計年度と同様に採算ベースを下回る状況となり、売上高3億8千万円(前年同期比1億4千万円減・26.7%減)、営業損失3千万円(前年同期は1千万円の営業損失)となりました。
(e)工作機械製造事業
工作機械製造事業につきましては、自動車業界以外への設計事業の取り組みが一定の効果を生みましたが、一方で、主力である自動車業界では、コロナ禍による半導体不足等で生産調整の状態は継続しており、依然として厳しい状況にありました。この結果、売上高1億3千万円(前年同期比2千万円減・14.0%減)、営業損失1千万円(前年同期は1千万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果は、仕入債務の増加額17億5千万円等により、17億4千万円の資金収入(前年同期は10億円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果は、投資有価証券の取得による支出14億1千万円等により14億3千万円の資金支出(前年同期は6億3千万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果は、子会社の長期借入金による収入7億円が主な収入となり、4億4千万円の資金収入(前年同期は2億3千万円の支出)となりました。
(現金及び現金同等物)
上記の要因により、現金及び現金同等物期末残高は105億4千万円(前年同期比7億9千万円増・8.2%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
鋼構造物製造事業 |
9,195 |
△3.4 |
|
工作機械製造事業 |
114 |
△8.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.生産実績金額は当期発生原価によっております。
3.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他の事業につきましては、生産活動がないため、生産実績の記載をしておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
材料販売事業 |
4,031 |
+46.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.鋼構造物製造事業、不動産賃貸事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業につきましては、商品仕入活動がないため、商品仕入実績の記載をしておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 |
受注残高 |
|||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
鋼構造物製造事業 |
橋梁 |
11,325 |
△14.6 |
18,622 |
+9.9 |
|
鉄骨 |
3,214 |
+50.9 |
2,534 |
+95.6 |
|
|
合計 |
14,540 |
△5.5 |
21,157 |
+16.0 |
|
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業については、受注活動がないため、受注実績の記載をしておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売実績 |
||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
鋼構造物製造事業 |
橋梁 |
9,644 |
△7.7 |
|
鉄骨 |
1,975 |
△25.1 |
|
|
計 |
11,620 |
△11.2 |
|
|
不動産賃貸事業 |
951 |
+4.7 |
|
|
材料販売事業 |
1,705 |
△1.7 |
|
|
運送事業 |
233 |
△12.2 |
|
|
工作機械製造事業 |
135 |
△14.0 |
|
|
その他 |
32 |
△3.4 |
|
|
合計 |
14,678 |
△9.3 |
|
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||||
|
相手先 |
金額 (百万円) |
割合(%) |
相手先 |
金額 (百万円) |
割合(%) |
|
東日本高速道路㈱ |
3,014 |
18.6 |
中日本高速道路㈱ |
2,034 |
13.9 |
|
国土交通省 |
2,072 |
12.8 |
鹿島建設㈱ |
1,773 |
12.1 |
|
鹿島建設㈱ |
1,953 |
12.1 |
愛知県 |
1,273 |
8.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度の連結貸借対照表における前連結会計年度比較
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
比率(%) |
|
|
流動資産 |
21,758 |
22,478 |
719 |
3.3 |
|
固定資産 |
22,037 |
26,335 |
4,298 |
19.5 |
|
資産合計 |
43,795 |
48,814 |
5,018 |
11.5 |
|
流動負債 |
3,793 |
6,759 |
2,965 |
78.2 |
|
固定負債 |
3,821 |
4,951 |
1,129 |
29.6 |
|
負債合計 |
7,615 |
11,710 |
4,095 |
53.8 |
|
純資産合計 |
36,180 |
37,103 |
923 |
2.6 |
当連結会計年度の連結財政状態は、資産合計は488億1千万円(前年同期比50億1千万円増・11.5%増)、負債合計は117億1千万円(前年同期比40億9千万円増・53.8%増)となりました。
流動資産は、現金預金の増加(前年同期比6億9千万円増・7.0%増)や有価証券の増加(前年同期比6億円増・120.0%増)により、流動資産合計は224億7千万円(前年同期比7億1千万円増・3.3%増)となりました。
固定資産のうち、有形固定資産は新規設備投資や賃貸不動産物件の取得により増加(前年同期比18億8千万円増・15.1%増)し、投資その他の資産は投資有価証券の時価評価の増加などにより増加(前年同期比24億1千万円増・25.4%増)し、固定資産合計は263億3千万円(前年同期比42億9千万円増・19.5%増)となりました。
流動負債は、未払金の増加(前年同期比12億2千万円増・832.7%増)や支払手形・工事未払金等の増加(前年同期比17億5千万円増・77.8%増)などにより、流動負債合計は67億5千万円(前年同期比29億6千円増・78.2%増)となりました。
固定負債は長期借入金の増加(前年同期比6億6千万円増)などにより、固定負債合計は49億5千万円(前年同期比11億2千万円増・29.6%増)となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加(前年同期比9億8千万円増・26.4%増)などにより、純資産合計は、371億円(前年同期比9億2千万円増・2.6%増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の連結損益計算書における前連結会計年度比較
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
比率(%) |
|
|
完成工事高 |
16,181 |
14,678 |
△1,503 |
△9.3 |
|
完成工事総利益 |
2,545 |
1,388 |
△1,157 |
△45.5 |
|
販売費及び一般管理費 |
1,675 |
1,585 |
△89 |
△5.4 |
|
営業利益又は営業損失(△) |
870 |
△197 |
△1,067 |
- |
|
経常利益 |
1,285 |
219 |
△1,065 |
△82.9 |
|
税金等調整前当期純利益 |
1,219 |
212 |
△1,007 |
△82.6 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
932 |
138 |
△793 |
△85.1 |
当連結会計年度の連結業績は、新中期経営計画の初年度として、前中期経営計画の基本方針である「再生と創造」を継続しつつ、「入札だけに頼らない企業体を作る」の実現に向けて取り組んでまいりました。受注高につきましては、第3四半期末までは、前連結会計年度受注実績の50%しか確保することが出来ず、民間の受注物件に偏向しましたが、第4四半期には、中部地方整備局や愛知県などの地元の大型物件を確保できたことから、最終の連結受注高は145億4千万円(前年同期比8億4千万円減・5.5%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度に係るコロナ禍の影響につきましては、鋼構造物製造事業では、当社では2022年に入ると従業員感染者が徐々に増加しましたが、昨年度の休業日を設定するなどの措置は講じておらず、結果として影響は軽微でありました。また、その他のセグメントにおいては、材料販売事業や運送事業では、直接的な影響は軽微でありましたが、工作機械製造事業につきましては、依然としてコロナ禍を主因とした半導体不足などで自動車業界の生産調整は継続しており、経営成績などには依然として大きな爪痕を残す結果となりました。
完成工事高については、鋼構造物製造事業では、当社の生産量が工期延長の影響により大幅に落ち込むなど、結果として前連結会計年度の10%~15%程度の増加に留まり、当初見込んでいた売上高は大幅に下方修正をする結果となり、当連結会計年度の鋼構造物製造事業の完成工事高は、橋梁・鉄骨共に減少し、完成工事高は116億2千万円(前年同期比14億6千万円減・11.2%減)となりました。不動産賃貸事業は、当連結会計年度より子会社の瀧上不動産株式会社を連結の範囲に取り込むなど、増加要因がありましたので、9億5千万円(前年同期比4千万円増・4.7%増)となりました。材料販売事業は、鋼材価格の高騰などで売上高は回復基調でありましたが、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の影響もあり17億円(前年同期比2千万円減・1.7%減)、運送事業は2億3千万円(前年同期比3千万円減・12.2%減)、工作機械製造事業は1億3千万円(前年同期比2千万円減・14.0%減)で連結売上高は146億7千万円(前年同期比15億円減・9.3%減)となりました。
完成工事総利益については、鋼構造物製造事業の生産量の不足を起因とする製造間接費の負担増加などにより、既存工事の損益を悪化させる結果となりました。また、鉄骨部門では、民間鉄骨案件の受注量を一定量確保致しましたが、厳しい採算性のなかで、前述の間接費の負担増などにより、工事損失引当金の計上を要する案件が発生したため、完成工事総利益を減少させる結果となりました。不動産賃貸事業は、新規賃貸案件の一時コストの増加により、完成工事総利益は微増となりました。また、材料販売事業においては、レベラー部門や鉄筋・建材部門の収益回復が全体として増加となるなど、当連結会計年度の完成工事総利益は13億8千万円(前年同期比11億5千万円減・45.5%減)となりました。
営業損益は、販売費及び一般管理費が組織再編や従業員賞与の減少等の労務費の減少加えて、租税公課等の経費の減少もあり、15億8千万円(前年同期比8千万円減・5.4%減)となり、1億9千万円の営業損失(前年同期は8億7千万円の営業利益)となりました。
経常損益は、当社の受取配当金等の運用収益などの営業外収益は前連結会計年度水準を確保致しましたが、営業損益の悪化が大きく影響し、経常利益は2億1千万円(前年同期比10億6千万円減・82.9%減)となりました。
特別損益は、関係会社清算益の計上はありましたが、投資有価証券売却損の発生もあり、税金等調整前当期純利益は2億1千万円(前年同期比10億円減・82.6%減)となりました。
当期純損益は、各社の損益実態に応じた法人税等や法人税等調整額を計上したため、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1億3千万円(前年同期比7億9千万円減・85.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書における前連結会計年度比較
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△1,005 |
1,747 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△638 |
△1,438 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△234 |
442 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
9,745 |
10,544 |
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、鋼構造物製造事業における主要材料費や購入部品費等の材料費及び工場製作や現場施工に係る各種外注費のほか、製造労務費・製造経費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要については、各種製造セグメントでは、生産設備の維持更新が中心であり、不動産賃貸事業については、賃貸不動産の維持修繕や建築及び投資対象物件の取得費用などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を可能な限り自己資金で賄うことを基本としておりますが、やむを得ない場合に限り、金融機関からの短期借入による調達も想定しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、7億6千万円(前年同期比6億7千万円増・822.2%増)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、105億4千万円(前年同期比7億9千万円増・8.2%増)となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症に関する影響につきましては、その不確実性により、将来の経営計画等への定量的な見積りは非常に困難でありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、橋梁及び鉄骨を中心とした鋼構造物事業に関する保有技術を基礎として、急速な事業環境の変化に対応すべく新技術の研究開発に取り組んでいます。特に橋梁事業につきましては、保全需要の拡大に対応するため、橋梁の補修補強や更新に関する研究開発に注力しています。
当連結会計年度における研究開発費は
鋼構造物製造事業
(仮橋の開発及びリース)
自然災害の激甚化により災害時に必要となる仮橋や、今後、増加が見込まれる橋梁の架け替えに必要な仮橋に適用すべく、仮橋リースを行っています。この事業では、様々な施工条件に対応するための調査検討も進めています。
(高耐久舗装用アスファルト添加材の開発・販売)
鋼床版橋梁の舗装は鋼床版が変形しやすいことや熱されやすいことにより、アスファルト舗装の耐久性が低下する問題があります。当社は材料メーカーと共同で鋼床版用舗装の添加材の開発を進めています。また、一般のアスファルト舗装に対しては、重交通によって生じる轍ぼれを抑制する添加材を開発しています。これらの商品は海外へ展開し、販売しています。
(高機能ポリマーセメント系材料の開発・販売)
鋼構造物における鋼材とコンクリートの界面は剥離や腐食がしやすい部位であり、維持管理の問題となっています。当社は付着力が高く、従来よりも施工しやすい接着材を開発し、様々な部位への適用を検討しています。
(橋梁埋設型枠工法の改良)
当社グループは東海コンクリート工業㈱との技術提携によりPCF壁高欄工法を開発し、各種タイプの橋梁に適用してきました。現在では、鉄道橋などの床版やRC桁への埋設型枠の適用実績ができつつあり、更なる改良を進めてまいります。
(橋梁保全技術の開発)
保全関連事業が増大することから、橋梁以外の異業種との連携により、橋梁点検技術や生産性向上技術を用いた橋梁の補修補強工事への適用製品の開発に取り組んでいます。
不動産賃貸事業・材料販売事業・運送事業・工作機械製造事業・その他
不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他に関しましては、特段、研究開発活動を行っておりません。