文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、日常準拠すべき規範として「人の和」・「誠実」・「奉仕の心」を経営上の基本に置き、「ゆたかで快適な生活空間を創造する企業」として、「より安全に、より良く、より安く、より早く、より安定的に製品やサービスを提供する」ことを通じ、お客様から満足いただき、信頼される企業グループを目指しております。
また、「企業の社会的責任」につきましても経営の最重要課題のひとつとして位置付けており、法令遵守や地球環境問題への取り組みはもとより、社会に対してさまざまな貢献を通して、社会的責任を果たしてまいりたいと考えております。
当社グループを取り巻く経営環境といたしましては、当社の主要顧客である電力各社では、経営効率化の深耕により、修繕費や設備投資の抑制、調達価格の低減が継続されるものと予測されます。
一方、通信関連事業においては、第5世代移動通信システムが開始され、一層の設備投資が進められる状況であります。
当社グループとしては、これらの状況に対応するため、引き続き中期経営計画ならびに中期設備計画を推進し、経営資源の集中と全体最適化を図るとともに、スマートファクトリーの構築により更なる生産の効率化と品質の強化を図り、持続的な業績の向上に努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響や度重なる自然災害の猛威の影響など、経営環境の変化も想定されますが、中期経営計画達成に向け取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。また、連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、2023年3月期より報告セグメントの変更を行うこととし、従来、当社グループの報告セグメントは、「電力・通信関連事業」「建築・道路関連事業」及び「碍子・樹脂関連事業」の3区分としておりましたが、事業の共通性から、「電力・通信関連業」と「碍子・樹脂関連業」を統合したうえで、「電力・通信インフラ事業」及び「交通インフラ事業」の2区分に変更しておりますので、(1) 事業環境の変化に伴うリスクにつきましては、それを踏まえて記載しております。
当社グループの営業基盤は電力流通関連、情報通信関連、交通インフラ関連に大別されます。主力分野であります電力流通関連においては、原子力発電所の再稼動が見通せず、さらには、第6次エネルギー基本計画への対応など、電力業界においては先行きが不透明な状況になるものと予測されます。
情報通信関連においては、通信鉄塔基地局等の設備投資一巡により、今後需要が減退する可能性があります。交通インフラ関連においても、高速道路や新幹線の工事の遅れにより受注時期の予測が難しい状況があります。
そのため、各市場における景気の悪化や、それに伴う需要の低下は当社グループの業績と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
当社グループの生産に必要な原材料や副資材、外注加工品のタイムリーな調達が阻害された場合や、原価管理上予定する価格以上の高騰などによる製造コスト上昇が生じた場合、採算性が悪化する可能性があります。
各種製品・工事施工において、欠陥あるいは事故が発生し、または、大規模自然災害、新型コロナウィルスなどパンデミックや突発的な事故等による環境汚染が発生し、操業停止した場合、当社グループの信用力や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループならびに関係先に係る情報については、営業秘密管理規程、個人情報取扱規程などの関連諸規程を定め、社員に周知するとともに厳正な管理を行っておりますが、予期せぬ事態により情報流出が発生した場合、当社グループの信用力や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
不動産、投資有価証券を保有しておりますが、著しい価格下落が生じた場合には、減損または評価損が発生し、業績および財務の状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、お得意様ニーズにお応えできるよう、新技術・新製品の開発に努めると共に、設備の延命化を図るメンテナンス事業やリサイクル事業での受注拡大を図っています。
しかし、当社グループが事業展開するなかで、今後の業界の需要動向、同業他社との競合状況等により所期の成果を達成できない可能性があります。
当社グループでは、複数の金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しており、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらの条項に抵触した場合には、借入金の期限前返済義務を負うことがあり、当社グループの財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染者数が漸減し、全国的にまん延防止等重点措置が解除されるなど一部回復基調がみられたものの、急激な円安の影響による輸入物価の上昇や、ロシアによるウクライナに対する侵攻の長期化に伴う影響で原材料価格が高騰するなど、先行きが見通せない厳しい状況が依然として続きました。
当社グループの関連業界におきましては、電力関連では、新電力との競争激化や省エネルギーの進展等による小売販売量の減少、エネルギー価格の高騰により引き続きコスト削減が継続されました。建築・道路関連においては原材料価格の高騰が製造コストに大きく影響して過当競争が続いているものの、通信関連では携帯キャリアの設備投資について、拡大基調が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、本年度が最終年となる中期経営計画(2019~2021年度)達成のため、更なるグループ経営の効率化を図り、生産体制の最適化、成長力の強化、SDGsの達成に貢献する企業活動の推進に取り組みました。この結果、グループ全体で顧客ニーズを確実に捉えて注力事業や注力製品の積極的な増収を図るとともに、生産の集約・統合により生産性の向上を高めて徹底した経費削減策に努めたことにより、売上利益の向上に繋がりました。
当連結会計年度の業績は、売上高は229億57百万円(前連結会計年度比6.3%増)となり、損益につきましては、グループ経営の効率化、生産体制の最適化を進めたことでコストを大幅に削減し、営業利益は28億34百万円(同59.3%増)、経常利益は29億51百万円(同69.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は25億74百万円(同140.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(電力・通信関連事業)
電力流通設備関係は、送電設備関係でも一部幹線件名の延期はあったものの、その他の鉄塔件名で選別受注を行い、採算性を改善しました。また、通信関係では、携帯キャリアの基地局設備の受注に注力した結果、売上高は152億35百万円(前連結会計年度比16.3%増)、セグメント利益は30億38百万円(同33.5%増)となりました。
(建築・道路関連事業)
道路設備関係は、大型件名の減少や熾烈な受注競争など競争が激化したことに加え、洞道新設工事が次期へ繰り延べになった結果、売上高は40億61百万円(前連結会計年度比10.0%減)、セグメント利益は1億65百万円(前連結会計年度はセグメント損失34百万円)となりました。
(碍子・樹脂関連事業)
碍子・樹脂関係は、電力各社の修繕費抑制に伴い需要低迷による操業度が低下した結果、売上高は36億60百万円(前連結会計年度比7.9%減)、セグメント利益は1億37百万円(同28.6%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は85億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億41百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が減少したこと等により、前連結会計年度の6億55百万円の支出から40億29百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ支出が5億71百万円増加し、10億58百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ支出が1億51百万円増加し、11億29百万円の支出となりました。
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、229億57百万円(前連結会計年度比6.3%増)となり、前連結会計年度に比べ13億69百万円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における販管費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ27百万円増加し、23億33万円(同1.2%増)となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べ10億55百万円増加し、28億34百万円(同59.3%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ2億51百万円増加し、5億96百万円(同72.6%増)となり、営業外費用は、前連結会計年度に比べ93百万円増加し、4億79百万円(同24.0%増)となりました。
その結果、経常利益は前連結会計年度に比べ12億13百万円増加し、29億51百万円(同69.8%増)となりました。
財政状態の分析
総資産は、前連結会計年度末に比べ18億75百万円増加し、404億27百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ19億50百万円増加し、201億17百万円となりました。主な要因は現金及び預金が17億5百万円増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ74百万円減少し、203億9百万円となりました。主な要因は投資不動産が4億27百万円増加し、有形固定資産が5億15百万円減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ5億9百万円減少し、174億57百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3億38百万円増加し、80億68百万円となりました。主な要因は未払法人税等が3億66百万円、未払消費税等が3億52百万円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ8億48百万円減少し、93億88百万円となりました。主な要因は長期借入金が2億89百万円、長期繰延税金負債(「その他」に含まれている)が1億50百万円減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ23億85百万円増加し、229億70百万円となりました。主な要因は利益剰余金が27億5百万円増加したことによるものです。
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や副資材の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及び社債を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は66億42百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は85億36百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2021年7月5日開催の取締役会決議に基づき、2021年10月1日を効力発生日として、当社の連結子会社である会津碍子株式会社を吸収合併いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(企業結合等関係)をご参照ください。
(連結子会社間の吸収合併)
当社は、2021年9月28日開催の取締役会において、当社連結子会社である那須工業株式会社を存続会社、同じく当社の連結子会社である那須鋼板株式会社を消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、2022年4月1日付で合併いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。
当社グループは、電力インフラ設備、情報通信インフラ設備および交通インフラ設備を中心としたインフラ整備に寄与するため、技術開発部門を主体に基礎・応用技術開発、製品開発、システム開発ならびに設備のメンテナンスに関わる研究開発活動を推進し、各企業、大学および各種研究機関との共同研究も積極的に実施しております。当社グループは、研究開発活動を当社グループがサスティナブルな成長を目指す上での重要な活動と位置付け、営業部門、生産部門、情報システム部門との横断的連携・協力により、研究開発活動の充実化と加速化を図ってまいります。当連結会計年度の研究開発費の総額は、
主な研究開発活動は次のとおりです。
(1) 電力インフラ分野
配電線機材では、顧客ニーズの変化に対応した製品開発を行いました。また、新素材による地中埋設管路材の開発を実施しております。無電柱化推進に向けたコストダウン実現のための製品開発にも努め、地中送電関連機材では、ケーブル支持材料を中心に顧客ニーズに対応した製品開発の検討を行いました。送電線鉄塔関連では、電気設備技術基準改正に対応した、鉄塔設計プログラムの開発を引き続き行っております。既に製品化を達成している水素吸蔵合金タンクおよび空温式水素吸蔵合金システムは、今後の販売拡大を目的としたコストダウンの検討と、大学と共同で更なる解析を行っており、本システムの開発を通じてカーボンニュートラルを目指した社会貢献に取り組んでおります。
(2) 情報通信インフラ分野
各通信キャリアが5Gエリア拡大を進めるなか、アンテナの施工性、保守性など考慮した各種通信アンテナ用支持柱およびアンテナ取付金具の製品開発を行い、更なる提案を進めてまいります。更に、ローカル5Gやbeyond5Gも見据えて、顧客ニーズの変化に対応した製品の開発にも注力していきます。また、放送向け送信用鉄塔の簡易振動計測システムの開発と、通信用鋼管鉄塔の鋼管内部のロボットを活用した腐食調査システムの開発を引き続き行い、鋼管内部の腐食調査システムに関しては試作品を用いて模擬塔や実機での検証を進めてまいります。
(3) 交通インフラ分野
交通施設において大型照明塔や料金所ガントリーおよび多目的柱に関する設計および提案を行いました。中長期的には、道路関連では大深度地下の外環自動車道等の大型トンネル設備工事、交通関連では中央新幹線工事が予定されており、当社のコア技術を生かし、施工性の向上につながる技術提案を進めてまいります。また大学や法人などの外部研究機関と共同で表面処理技術の特性について調査を実施し、当社の表面処理技術を活用した製品の開発及び提案を行いました。
なお、当社グループの研究開発内容をセグメント別に関連付けることが困難なため、セグメント別記載は行っておりません。