文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、下記の企業理念を経営の基本方針として、常にお客様に魅力ある商品・サービスを提供して持続的な成長を図るとともに、ステークホルダーの期待に応え、信頼される企業集団を目指しております。
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当社の企業理念 |
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グローバルな視野に立ち、常に新しい考え方と行動で企業の成長をめざすと共に、魅力ある企業集団の実現を通じて豊かな社会の発展に貢献する。 |
当社は自動車部品で培った「金属の熱処理・塑性加工技術」、「評価・解析技術」、情報通信分野の部品における「精密・微細加工技術」、「金属接合技術」などのコア技術を駆使し、自動車及び情報通信分野へ多くのキーパーツを提供しております。
今後ますます進む自動車の電動化、情報通信の高度化等、激変する事業環境への対応を加速し、将来に向けた安定的な収益基盤を確立するとともに、カーボンニュートラルをはじめとする社会課題に積極的に取り組み、「持続可能な社会」への貢献を目指します。
(2)経営戦略等
当連結会計年度は、2023年度を最終年度とする中期経営計画「2023中計」の初年度となりました。この「2023中計」においては、CSR活動の更なる推進、激変する事業環境への対応加速、持続的な成長に向けての“もうけ”を確保、を基本方針とし、収益力の向上を目指します。新型コロナウイルス感染症の感染拡大や半導体供給不足等の影響により、自動車生産台数の回復ペースは中期経営計画前提から遅れる一方、HDD用サスペンションや半導体プロセス部品等の情報通信関連事業は中期経営計画を上回るペースで好調に推移する見込みであります。
2022年度は、中期経営計画の2年目の年度となります。「変わる!変える!!」というスローガンのもと、「1.「真直ぐ」な姿勢を堅持する、2.品質第一の原点に戻って、ものづくり力を強化する、3.収益力を向上させる、4.新たな技術と商品を”加速度的”に開発する、5.安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場を作る」を2022年度のグループ経営方針として掲げ、グループ一丸となって中期経営計画の達成に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「2023中計」における経営目標を次のとおり定めております。
自動車生産台数の回復、データセンター向けHDD関連部品の受注増、及び半導体市場拡大局面における半導体プロセス部品の受注増による増収に加え、合理化による原価低減により収益の回復を目指します。
2021年度実績、2022年度予想、及び2023年度目標経営指標
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2021年度 実 績 |
2022年度 予想 |
2023年度 目 標 |
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売上高 |
(億円) |
5,869 |
6,350 |
6,500 |
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営業利益 |
(億円) |
213 |
380 |
400 |
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経常利益 |
(億円) |
306 |
400 |
420 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
(億円) |
319 |
240 |
250 |
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経常利益率 |
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5.2% |
6.3% |
6.5% |
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ROE |
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10.5% |
7.3% |
8.0% |
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配当性向 |
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19.2% |
- |
30%程度 |
(注)2023年度目標値の主な前提条件:全世界自動車生産台数94百万台、HDD生産台数212百万台、為替レート100円/米ドル
(4)経営環境
当連結会計年度における世界経済は、前年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大、半導体・各種資材の需給逼迫の影響により依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きが続いています。
当連結会計年度における自動車生産台数は、前半の厳しい事業環境のもと以下のとおり日本国内等で前期を下回っており、当社グループの主要な事業分野である自動車関連事業の減収減益の大きな要因となっております。
当連結会計年度における自動車生産台数
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台 数 |
前期比 |
内日系 |
前期比 |
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全世界 |
78,464千台 |
△1.2% |
24,462千台 |
3.5% |
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国別 |
国内 |
7,585千台 |
△2.0% |
- |
- |
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北米(米国・カナダ) |
10,770千台 |
5.3% |
3,733千台 |
14.7% |
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メキシコ |
2,976千台 |
△6.1% |
1,122千台 |
16.8% |
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タイ |
1,676千台 |
18.6% |
1,549千台 |
31.3% |
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中国 |
25,357千台 |
1.2% |
4,591千台 |
△2.0% |
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(注)上記台数は各拠点の決算期に応じて集計しております。
一方、情報通信関連事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、半導体・各種資材の需給逼迫の影響はあるものの、高容量のデータセンター向け需要増により、HDD関連部品の受注は堅調に推移いたしました。また、半導体市場拡大により、半導体プロセス部品の受注も堅調に推移いたしました。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
<事業全般>
新型コロナウイルス感染症の感染拡大や地政学リスクの増大等、先行きの見通しづらい厳しい状況にあるものの、総じて持ち直しの動きが続くことが期待されます。自動車の電動化の進展や情報通信の高度化が進む一方、半導体供給不足による自動車メーカーの減産、原材料価格や物流コストの高騰等といった市場環境の変化に加え、環境問題をはじめとする様々な社会課題対応への要請の高まり等、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しております。
当社は2021年9月の創立記念日に、「ニッパツグループ カーボンニュートラル宣言」を発表しました。「徹底した省エネと電化の推進」「革新的な省電生産技術の実用化」を推し進め、2030年には2013年度比でCO2排出量を50%まで削減し、創立100周年にあたる2039年にはCO2排出量を実質ゼロにすべく取り組んでおります。
このような激変する事業環境への対応を加速し、持続的に成長していくと同時に、社会課題への取り組みもより一層進めていくことが、当社グループにとって重要と認識しております。
<懸架ばね事業>
懸架ばね事業では、近年グローバル市場における事業環境が大きく変化しております。懸架ばねの主原材料である鋼材の価格が高騰しているほか、競合他社の参入により、グローバル市場における価格競争がますます激しくなっております。この環境下において当社グループでは、製品仕様や数量の変動に柔軟に対応出来る生産体制の確立、また生産性の改善等のさらなる原価低減活動を進めてまいります。
自動車業界では、電動化並びに自動運転化が急速に進展しております。懸架ばねそのものの需要に大きな影響はないと考えておりますが、こうした事業環境の変化の中で軽量化、高耐久化、省スペース化への要請がますます強まっております。高まる軽量化ニーズに対応するため、当社グループでは、加工技術並びに新鋼種の開発等を加速させてまいります。
<シート事業>
競争激化の影響並びに海外拠点の人件費上昇等による固定費増により、従来レベルの収益を確保することが難しくなっておりますが、VA等の推進による原価低減、生産性の改善等により収益力の強化に努めてまいります。
米国のNHKシーティングオブアメリカ社新工場につきましては、2021年7月に稼働を開始いたしました。新工場の稼働により外部倉庫の返却等、物流面での効果により2022年度より収益向上を見込んでおります。
当該事業においても電動化並びに自動運転化による軽量化ニーズは高まっており、乗り心地の向上と軽量化の実現の両立を目指し、開発に取り組んでおります。
<精密部品事業>
自動車関連事業につきましては、電動化への対応として中国の広州日弘機電有限公司にて電動車向けモーターコア生産設備を導入し、当連結会計年度より量産を開始いたしました。電動化が進んでいく上で、キーパーツ部品の一つであることからその注目度が高まっております。工法の見直し、新技術の開発等を前倒し、採算性を見極めながら日本、北米(メキシコ)、中国の3拠点を中心に拡販による事業規模拡大を進めてまいります。さらに、内燃機関用製品の今後の需要動向を慎重に見極めながら、ますます進展する電動化関連製品の開発も進めてまいります。
情報通信関連事業のHDD用サスペンションにつきましては、開発力・技術力・品質によりお客様の信頼を得ております。今後も高容量化は進み、サスペンションに要求される機能は高度化し、かつ需要も増加すると考えております。継続的に開発力・技術力・品質を向上させつつ、適切に生産能力を増強し収益確保に努めてまいります。また、さらなる競争力の向上を目指し、AIを活用したAOIの導入を進めてまいります。
<産業機器ほか事業>
半導体プロセス部品につきましては、旺盛な需要に対応すべく、前連結会計年度後半より宮田工場が本格稼働を開始しました。当連結会計年度においては既存工場との最適な生産配分を実施し、さらなる需要増に応えながら一層の収益力の向上に取り組んでまいります。また、金属基板につきましては、車載LED向けをはじめとした従来製品の拡販、パワーモジュール、AC-DC、DC-DCコンバーターといった自動車の電動化に対応した製品の開発及び拡販を進めてまいります。その他事業につきましては、選択と集中を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項について、以下のとおり記載いたします。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
なお、文中における将来に関する事業は、有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)世界経済の急激な変動
当社グループでは、主要な事業分野であります自動車関連及び情報通信関連の製品をグローバルに供給していることから、世界的な景気の変動に強く影響されます。日本、アジア、米国及び欧州など世界の主要市場での、予測を超える急激な景気後退と需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に多大な影響を与える可能性があります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響は、世界的な景気の大きな下振れ要因であり、当社グループの経営成績及び財政状態への影響は不可避であります。現時点においては、ワクチンの普及などにより感染症拡大以前の状況に近づきつつある国・地域もありますが、一方で感染症拡大が再燃する国・地域もあり、今後の収束時期についての見通しを立てることは困難であります。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻の影響から資源、エネルギー等の価格高騰が世界経済の成長を鈍化させ、インフレ圧力を高めています。これらの影響の収束時期についての見通しを立てることは難しく、そのリスクを合理的に算定、想定することは困難であります。
(2)為替レートの変動
当社グループの事業には、海外における製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、日本で生産し輸出する事業において、他の通貨に対する円高は、グローバル市場における当社グループ製品の相対的な価格競争力を低下させます。一方、海外からの原材料の調達において、他の通貨に対する円安は、原材料調達コストを高騰させます。したがって、予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、機動的な為替ヘッジ取引を行い、短期的な変動による悪影響を最小限に抑えるよう努めておりますが、リスクを完全に排除することは困難であり、当社グループの経営成績及び財政状態に少なからず影響を与える可能性があります。
(3)原材料の価格変動並びに、原材料・部品の不足
当社グループは、鋼材などの主要原材料を外部より調達しております。これらの供給元とは、取引基本契約を締結し、安定的な取引を行っております。市況の変化による原材料価格の大幅な変動については、販売価格への転嫁を前提としておりますが、価格転嫁の反映時期がずれることにより、業績に与える影響が会計期間を超える可能性があります。
また、供給元の不慮の事故や自然災害、輸出又は輸入規制の変更、ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンの逼迫や資源高などにより、原材料や部品の不足が生じないという保証はありません。その場合は、生産活動の低下を招くことで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、現在、需給のアンバランスから半導体が不足し、自動車メーカーにおいて生産調整が行われており、当社グループの主力事業であります自動車関連事業の受注が減少しております。翌連結会計年度の損益予想に反映させているものの、需給のアンバランス解消の動向を予想することは困難であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)新製品開発力
近年、自動車産業では「CASE」といわれるコネクテッド・自動運転・シェアリング&サービス・電動化に代表される技術革新が進展しており、技術革新がもたらす開発ニーズに適切に対応していくことが当社グループの重要な課題の一つであります。
当社グループでは、当社研究開発本部が主体となって、新技術の基礎研究及び応用研究を積極的に行っており、継続して魅力ある新製品を開発できるものと考えておりますが、新製品の開発と市場への投入プロセスは複雑かつ不確実であり、以下をはじめとする、様々なリスクが含まれます。
・長期の開発期間を要する新製品開発について、必要となる資金と資源を継続的に充当できないリスク。
・大規模投資・資源投入により新製品を開発するも、回収不能となるリスク。
・競合他社との競争激化による販売価格の下落により、収益性が低下するリスク。
・競合他社による新技術の開発や市場ニーズの変化に伴う開発途中段階での技術の新規性の喪失により、コスト優位性が低下するリスク。
上記のリスクをはじめとする諸要因から、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)知的財産権の侵害
当社グループの製品は、広範囲にわたる技術を利用していることから、第三者による知的財産権不正利用の防止や知的財産権の侵害抑止への対策が完全とは言い切れません。また、当社グループが意図せず他社の知的財産権を侵害したとして製品の販売中止や賠償金の支払いを求められる可能性もあります。その場合、係争となることやライセンス費用又は和解費用を負担することで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)製品の品質不具合
当社グループは各生産拠点において、世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しております。しかし、全ての製品において欠陥がなく、将来にわたってリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物賠償責任については保険に加入していますが、最終的に負担すべき賠償額が、この保険によって十分にカバーされるという保証はありません。大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)法的規制等
当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替、雇用、環境・リサイクル関連等の法規制を受けております。
このような多岐にわたる法的規制等に対しては、継続的にコンプライアンスの実践に努めておりますが、万一、これらを順守できなかった場合、当社グループには、直接的な費用の増加や社会的制裁、風評被害等、有形無形の損害が発生する可能性があります。
(8)人権・労働環境等
当社グループは、国内外で事業を展開しており、原材料や資材を調達するサプライヤーも多くの国や地域に及びます。これらの国や地域においては、人権や労働安全衛生等に係る問題への企業の対応に関心が高まっており、法令及び規制も変化しています。
当社グループやサプライチェーンにおいて、児童労働、強制労働、外国人労働者への差別、ハラスメント等、種々の人権に係る問題や、労働災害などが発生し、これに適切に対応できなかった場合、生産や調達への影響に加え、当社グループの社会的な信用が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)海外市場への事業展開
当社グループの事業展開においては、地域・国によっては、文化的な違い、法制度の違い、社会的・政治的不安定さ等から、社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの事業活動の制限等、以下に掲げるような予期せぬ事態が発生するリスクが内在しており、これらが発生した場合には、現地での生産に支障が起きる可能性があります。
・予期しない法律又は規制の変更や、労働市場の変化などによる人材確保の難しさ、労働争議の発生及び人件費の急激な上昇
・過激なデモ、暴動、テロその他の要因による社会的混乱
また、これらの事態が長期化すれば、当社グループの経営成績及び財政状態に一層大きな影響を与えるおそれもあります。
(10)災害等による影響
地震、台風、水害等の自然災害や火災、停電等の事故、感染症が発生した場合、製造拠点の設備故障、損壊による追加費用発生や最適なサプライチェーンが維持できないことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、当社グループのリスク管理も対象範囲とするCSR推進委員会を設置し、対象となる事象の予見と未然防止、事象発生の報告、再発防止策の検討等を実施しております。平時においては企業活動に関わるリスクについての洗い出し、BCP(事業継続計画)やリスク管理規程等を定めるとともに、教育・啓発活動の実施によりリスク発生の未然防止の推進を実施しております。リスクが顕在化した場合には、迅速に対策本部を設置し、その指揮のもとに所管部門及び関係部門が一体となって対応を行う体制となっております。しかし、各生産拠点で発生する大規模災害や、広範囲にわたる停電、当社グループの保有する設備の損壊、製品の輸送手段や経路の断絶等、生産・納入活動の中断事象が発生した場合には、これらのリスク管理活動の実施にもかかわらず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)感染症等による影響
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、お客様の稼働状況に起因する受注量の減少、当社グループ内製造拠点でのロックダウンによる一時的な操業停止など当社グループの生産活動に影響を与えております。
感染拡大防止とお客様、取引先及び従業員の安全のため、来訪者の制限・検温、出張の制限、Web会議の推奨、従業員の出勤時の検温、マスク着用の徹底、時差出勤・在宅勤務の推奨、消毒の徹底、感染者発生時の対応方法を定め、実施しております。
当社グループでは、適時適切に対応して、感染症による事業活動への影響の低減に努めておりますが、影響が長期化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。現時点においては、ワクチンの普及などにより流行以前の状況に近づきつつある国・地域もありますが、今後の感染動向、収束時期について見通しを立てることは難しく、当社グループの経営成績及び財政状態に与える影響を合理的に予測することは困難であります。
(12)情報セキュリティに関するリスク
当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、ハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じております。しかしながら、これらの対策にもかかわらず、想定を超えるサイバー攻撃、不正アクセスなどにより、基幹情報システムの停止や企業情報・個人情報の流出等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首より適用しております。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりです。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、半導体・各種資材の需給逼迫の影響により依然として厳しい状況にあるものの、日本、米国において、景気は持ち直しの動きが続いています。
中国では新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響からの回復が他の地域に比べて早くなっています。また、タイにおいても、厳しい状況にある中で、景気は持ち直しの動きが見られます。
当社グループの主要な事業分野であります自動車関連市場においては、国内の自動車生産台数は7,585千台で前期比2.0%の減少となりました。また、北米(米国・カナダ)においては10,770千台で前期比5.3%増加、中国では25,357千台で前期比1.2%の増加、タイでは1,676千台で前期比18.6%の増加となりました(いずれも台数は各拠点の決算期に応じた集計)。
もう一方の主要な事業分野であります情報通信関連市場につきましては、HDD(ハードディスクドライブ)の世界生産台数は前期比で概ね横ばいにとどまりましたが、高容量のデータセンター向けが堅調に推移したことにより、当社の主力製品であるサスペンションの総需要は増加となりました。また、旺盛な半導体需要を受け、半導体プロセス部品の需要も高まりました。
このような経営環境のもと、当社グループは持続可能な成長に向けて「真直ぐ」な姿勢の堅持、ものづくり力の強化、収益力の向上、新技術・商品の加速度的開発、安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場づくりをグループの経営方針として掲げ、取り組みました。
近年、自動車関連市場では、グローバルでの競合他社との競争が激しさを増しており、当社グループの収益性に影響を与える大きな要因となっております。収益力の回復と向上は当社グループの重要な課題と認識しており、生産部門・販売部門・本社部門が一体となり、課題解決に取り組んでおります。
以上のような経営環境のもと、売上高は586,903百万円(前期は572,639百万円)、営業利益は21,359百万円(前期比104.1%増)、為替差益の増加等により経常利益は30,674百万円(前期比111.1%増)となりました。また、保有する不動産の売却による固定資産売却益を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は31,998百万円(前期比240.5%増)となりました。
(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響からの持ち直しが見られたものの、半導体供給不足を背景とするカーメーカーの生産調整により自動車生産台数が減少したことから、自動車関連事業の売上高は前期に比べ減少しております。
一方、HDD関連部品においてデータセンター向けが堅調に推移したこと、市場拡大に伴い半導体プロセス部品が好調に推移したことから、情報通信関連事業の売上高は前期に比べ増加しております。
[懸架ばね事業]
懸架ばね事業の売上高は112,994百万円(前期は102,071百万円)、営業損失は4,360百万円(前期は営業損失4,687百万円)となりました。
売上高については、半導体供給不足等による自動車メーカーの減産影響はあるものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響からの持ち直しにより増収となりました。営業損益については、固定費削減に取り組んだものの、原材料価格や物流コストの高騰による影響が大きく、小幅な改善に留まりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 14億円
材料市況 △26億円
為替 △5億円
合理化 11億円
固定費その他 9億円
[シート事業]
シート事業の売上高は208,431百万円(前期は242,514百万円)、営業損失は2,853百万円(前期は営業利益1,972百万円)となりました。
売上高は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響からの持ち直しは見られたものの、半導体供給不足等によるカーメーカーの減産影響を特に大きく受け、減収となりました。なお、売上高の減少については、「収益認識に関する会計基準」等の適用による影響(△316 億円)が含まれております。また営業利益についても半導体供給不足等によるカーメーカーの減産影響に加え、原材料価格や物流コストの高騰もあり減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 △66億円
材料市況 △3億円
為替 △3億円
合理化 19億円
固定費その他 6億円
[精密部品事業]
精密部品事業の売上高は162,287百万円(前期は138,529百万円)、営業利益は17,810百万円(前期比160.6%増)となりました。
自動車関連事業においては、半導体供給不足等による影響はあるものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から持ち直したことや、HDD関連部品が引き続き堅調に推移したことにより増収となりました。営業利益については、原材料価格や物流コストの高騰の影響を受けたものの、合理化及び為替影響等により事業全体で増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 62億円
材料市況 △2億円
為替 40億円
合理化 17億円
固定費その他 △8億円
[産業機器ほか事業]
産業機器ほか事業の売上高は103,189百万円(前期は89,523百万円)、営業利益は10,763百万円(前期比69.6%増)となりました。
売上高については、半導体プロセス部品は好調に推移したことに加え、ゴルフシャフト、マリンプロダクト等の受注増加、及び自動車関連事業の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響からの持ち直しから、増収となりました。営業利益については、上記に加え、合理化及び為替影響等により事業全体で増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりです。
売上変動及び品種構成差 43億円
材料市況 △0億円
為替 8億円
合理化 5億円
固定費その他 △12億円
(3)経営成績の分析
①売上高、営業利益
「(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況」に記載のとおりです。
②営業外損益
営業外損益は、9,315百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ5,245百万円の増加となりました。為替レートの変動による為替差益が6,529百万円発生したことが主な要因となります。
③特別損益
特別損益は、19,431百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ19,205百万円の増加となりました。保有する不動産の売却による固定資産売却益を計上したことが主な要因となります。
減損損失の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結損益計算書関係)」をご参照ください。
④法人税等
税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は33.5%となり、前連結会計年度の29.2%と比べ増加いたしました。保有する不動産の売却による固定資産売却益を計上したことにより、税金等調整前当期純利益が大きく増加し、研究開発や投資に対する税額控除による影響が相対的に減少したことによります。
⑤非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,044百万円に対し1,276百万円となりました。
⑥親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は31,998百万円で、前期比240.5%の増益となりました。1株当たり当期純利益は140.33円となり、前連結会計年度に比べ99.88円増加しました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は91,894百万円で前期比16.3%の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上により、34,505百万円の増加(前期は29,636百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の売却による収入により、4,987百万円の増加(前期は24,107百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期借入金及び長期借入金の返済により、27,658百万円の減少(前期は2,792百万円の増加)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算したフリー・キャッシュ・フローは39,493百万円となりました。
以上の結果、当期における現金及び現金同等物は前期末に比べ12,908百万円増加し、91,894百万円となりました。また、有利子負債は49,782百万円と前期末に比べて19,482百万円減少しました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループの生産実績は、販売実績と近似しておりますので、当連結会計年度より記載を省略しております。
(2)受注実績
当社グループの受注実績は、販売実績と近似しておりますので、当連結会計年度より記載を省略しております。
(3)販売実績
当社グループの販売実績は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」をご参照ください。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定を設定する必要があります。当社グループは、以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
また、当連結会計年度末時点において行った重要な会計上の見積もりに用いた仮定のうち、翌年度以降の連結財務諸表に特に重要な影響を及ぼすリスクがあると考えている項目については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
① 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループにおける重要な収益及び費用の計上基準につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成の重要な事項) (4)会計方針に関する事項 (ホ)重要な収益及び費用の計上基準」をご参照ください。
② 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に再建計画などを考慮した上で、回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
③ 固定資産の減損
当社グループが有する固定資産について、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認しております。この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は、不動産鑑定結果などに基づく売却可能価額又は将来の経営計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値で算出しており、経済環境の変化などによる、時価の変動、経営計画との乖離、割引率の変動により、減損額の算定に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、半導体供給不足の影響の長期化、原材料価格の大幅な上昇、及び経済環境の変化等による自動車生産台数の減少に関して、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、2023年3月期の一定期間にわたり当影響が引き続き影響するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の固定資産の減損処理に影響を与える可能性があります。
④ 投資の減損
当社グループは、投資の評価にあたっては、時価の回復可能性があると認められる場合を除き、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には時価の回復可能性の判定を行い、回復可能性がないと判断した場合は減損処理を行っております。
回復可能性の判断においては、帳簿価額を下回った期間の長さ及び下落幅、当該会社の財務状況及び将来の展望を考慮しますが、市場の変化や経済環境の変化などにより投資の評価額が影響を受ける可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、連結会計年度末時点の将来減算一時差異に対して翌期以降で適用される法定実効税率を用いて計上しておりますが、将来的な課税当局による法定実効税率の変更により、繰延税金資産が増減し、利益を増減させる可能性があります。
また、繰延税金資産を、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来減算一時差異の解消スケジュール、将来の経営計画に基づく課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、経営環境・経営計画の変化により、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産の調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、半導体供給不足の影響の長期化、原材料価格の大幅な上昇、及び経済環境の変化等による自動車生産台数の減少に関して、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、2023年3月期の一定期間にわたり当影響が引き続き継続するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑥ 退職給付費用
当社グループにおける退職給付費用及び債務は、その計算の際に使われた仮定により変動いたします。これらの仮定には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率及び死亡率などの要因が含まれております。
割引率は、国債などの低リスクの債券の利回りに基づいて設定しており、年金資産の期待収益率は、企業年金基金などの年金資産における長期の収益率を基に設定しております。
これらの仮定と実際の結果との差額や、年金資産の時価の増減による影響は連結包括利益計算書を通じて即時認識されます。当社グループは使用した仮定が妥当なものであると考えておりますが、実績との差異又は仮定自体の変更により、退職給付費用及び退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
② 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために、適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本としており、強固な財務体質及び高い資本効率を兼ね備えることが重要であると考えております。
当社グループは、自己資本比率の水準を50%程度に保つことで、「シングルA-」の信用格付(格付投資情報センター(R&I)による格付)を維持し、リスク耐性の強化を図ってまいります。
また、営業キャッシュ・フローによる債務償還能力に留意しつつ、金融機関からの外部借入れや社債発行による市場からの調達など、資金調達の多様化を図りながら、資本コストの低減にも努めてまいります。
一方、株主還元については、株主の皆様への利益配当を最重要事項と認識しており、連結業績及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率を向上させ株主還元に資することを目的に、2019年度から2020年度にかけて取締役会決議に基づいた自己株式の取得を行いました。当連結会計年度末時点において保有する自己株式は発行済株式数の6.6%に相当する16,048千株となっております。
保有自己株式については、将来の株式交換などによる企業買収に備えて保有するものでもあることから、処分、消却などについては、財務状況や事業環境などを考慮しながら、株主資本効率の向上を目指して検討してまいります。
③ 資金調達の考え方
当社グループでは、製品製造のための材料及び部品、研究開発費等、事業活動に係る運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、コマーシャル・ペーパーや銀行借入によって、連結売上高の1.5~2ヶ月分を目安に流動性の保持を図ります。
設備投資資金については、カーボンニュートラル対応を含め、各事業の設備投資計画に基づき、国内外での資金調達について、市場金利動向や為替動向、あるいは既存借入金の返済時期等を総合的に勘案し、保有資産の売却や銀行借入及び社債の発行等によって資金を賄っております。
また、当社グループでは、グループ間融資によって資金融通を行う事で資金効率を高めております。一部の海外関係会社については、現地金融機関より各社の使用する現地通貨にて調達をしております。その際、当社が関係会社の借入に対し債務保証の差入れを行うことがあります。
なお、足下では半導体の供給不足及び原材料価格の高騰による影響が懸念されておりますが、コミットメントライン契約及び当座貸越枠により手元流動性を確保する体制を整えております。今後も、非常時に備えた資金調達枠の確保に努めてまいります。
技術受入契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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日発精密工業㈱ |
アキュメントグローバルテクノロジーズ社 |
オランダ |
トルクスパンチ |
特許及び製造技術の実施権の許諾(注) |
2017年4月23日~ 2023年4月22日 |
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㈱スミハツ |
パンドロールUK社 |
イギリス |
パンドロール eクリップ |
OEM契約(注) |
2018年3月23日~ 2028年3月22日 |
(注)ロイヤルティとして売上高の一定率を支払っております。
当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向やお客様のニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めてきました。直近では、複数のお客様から電動化関連の新製品のお引き合いを頂き、開発及び新規事業検討を推進しております。
世界全体の課題となっている気候変動への対策としては、「ニッパツグループ カーボンニュートラル宣言」に基づき、2030年には2013年度比でCO2排出量を50%まで削減、2039年にはCO2排出量を実質ゼロにすべく取り組んでおります。電化・エネルギー置換・省エネといった活動を開始するとともに、各製品の製造及び製品の技術開発を通してCO2排出量実質ゼロに挑戦しております。
現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関連会社の開発部門等により鋭意推進されております。研究開発スタッフは全体で1,067名であり、これは全従業員数の6.0%に当たります。当連結会計年度における当社グループ全体にて支出した研究開発費総額は、
当連結会計年度における事業セグメント別の研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用1,352百万円が含まれております。
(1)懸架ばね事業
懸架ばね事業では、加速化する各社OEMの電動化への対応として、更なる軽量化と高品質化に注力した製品や新技術の開発に加え、カーボンニュートラル達成に向けた、生産技術開発に取り組み始めており、一部工程においてはCO2削減に成功しております。
懸架ばねでは、BEV化による車両重量の増加に伴う仕様変更に対応した技術が要求されております。その中でも、軽量化のニーズの一層の高まりと収益と競争力確保の両立のための生産技術の早期完成を推進しております。
金属ベローズを用いたアキュムレータでは、昨年度よりサスペンション用として本格量産を開始した、高耐久・軽量・コンパクトなアキュムレータをベースとして、さらなる最適化・適応開発を実施しております。
当事業に関する研究開発費の金額は、
(2)シート事業
シート事業の開発アイテムとしては、軽量化、自動運転に対応するシート、生体信号利用のシート応用製品、快適な動性能・静性能を持つシートに重点を置き、開発活動に取り組んでおります。
軽量化への取り組みとしては、超ハイテン材の1,180Mpa級の高延性材などの使用部位を拡大することや、近い将来の材料動向を踏まえた1,470Mpa級の高強度材を採用したフロントシートフレームの開発を行っております。リヤシートフレームについてもフレーム構造の合理化と各部品の薄板化により、材料置換せず安価な鉄を使って軽量化を達成する開発を進めております。
また、自動運転に必要なシート機能を検討し、その中から当社独自のアイテム開発を進めております。例えば、自動運転時の「快適な姿勢」「快適な操作性」「長時間快適性」をコンセプトに、車室内で快適な姿勢をとることができるシートアレンジや、長時間移動でも疲労の少ないシートの開発、車酔いになりにくいシートの開発などに取り組んでおります。
当事業に関する研究開発費の金額は、
(3)精密部品事業
精密ばね分野においては、各種自動車関連製品に加え、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在は、今後、普及拡大が見込まれるEV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)向けの製品開発、ばねの品質向上やコスト低減に向けた技術開発に注力しております。EV・HEV分野については、高精度プレス加工技術を基盤としたモーターコア部品をはじめ、パワーモジュール部品の開発を行っております。また、ばねの品質向上・コスト低減については、線ばね・皿ばねの全自動品質保証設備、及び自動化ラインの開発を行っており、その生産技術のグローバル展開も進めております。加えて、ばねの解析システムを構築し、これら製品の最適設計、及び、更なる信頼性向上を進めております。
HDD関連分野においては、9~10枚Disk搭載で容量20~22TB用CLA/TSAサスペンションが量産化、あるいは量産準備中で、生産効率を改善した量産設備の海外展開、歩留まり改善によるコスト低減、品質向上を進めております。24TB以降のTSAサスペンションは現在開発中ですが、HDD関連部品の薄型化でデータセンターにおける冷却用高速ファン等の外部外乱による磁気ヘッド位置決め特性劣化が著しく、共振特性高性能化が必須となっており、継続してデザイン最適化を進めております。また、さらなる多盤化に対応できるサスペンションの薄型化も検討中であります。
当事業に関する研究開発費の金額は
(4)産業機器ほか事業
半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。
プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属、合金を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。また、耐絶縁性、耐プラズマ性に優れたセラミック溶射を金属基材に施すことにより付加価値の高い製品の開発、生産を継続しています。
一方、固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しています。
金属基板(IMS:Integrated Metal Substrate)については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。金属基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しています。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。
その一方で安価な絶縁材料を使った金属基板や、より耐久性に優れた金属基板の開発も行っております。
ゴルフシャフト事業では、北米におけるシェアを拡充すべく、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、弾道、距離、方向性の3ポイントをコントロールした商品開発を実施し、さらにグローバルスタンダード化を目指しております。
一方でさらなる超軽量化シャフト開発並びに材料開発を継続し、その技術を応用したカーボンとスチールの複合シャフトを開発、商品化しております。また、環境対策の一環として、シャフト用に特化した6価クロムフリーのメッキを開発し、実用化しております。
当事業に関する研究開発費の金額は、