当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、下記の企業理念を経営の基本方針として、常にお客様に魅力ある商品・サービスを提供して持続的な成長を図るとともに、ステークホルダーの期待に応え、信頼される企業集団を目指しております。
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当社の企業理念 |
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グローバルな視野に立ち、常に新しい考え方と行動で企業の成長をめざすと共に、魅力ある企業集団の実現を通じて豊かな社会の発展に貢献する。 |
当社は自動車部品で培った「金属の熱処理・塑性加工技術」、「評価・解析技術」、情報通信分野の部品における「精密・微細加工技術」、「金属接合技術」などのコア技術を駆使し、自動車及び情報通信分野へ多くのキーパーツを提供しております。
今後ますます進む自動車の電動化、情報通信の高度化等、激変する事業環境への対応を加速し、将来に向けた安定的な収益基盤を確立するとともに、カーボンニュートラルをはじめとする社会課題に積極的に取り組み、「持続可能な社会」への貢献を目指します。
(2)経営戦略等
当連結会計年度は、2023年度を最終年度とする中期経営計画「2023中計」の中間年度となりました。この「2023中計」においては、「CSR活動の更なる推進」、「激変する事業環境への対応加速」、「持続的な成長に向けての“もうけ”の確保」を基本方針とし、企業価値並びに収益力の向上を目指しております。
2023年度も厳しい市場環境が見込まれるなか、自動車生産台数の回復ペースは、中期経営計画前提から遅れております。また、HDD用サスペンション市場および半導体プロセス部品市場は、2022年度後半から足元の需要が低迷しておりますが、2023年度後半から回復する見込みであります。
こうした状況を踏まえ、「23中計を達成する!」というスローガンのもと、「1.「真直ぐ」な姿勢を堅持する、2.品質第一の原点に戻って、ものづくり力を強化する、3.収益力を向上させる、4.新たな技術と商品を“加速度的”に開発する、5.安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場を作る」を2023年度のグループ経営方針として掲げ、環境変化に柔軟に対応し、グループ一丸となって中期経営計画の目標値の達成に向け、取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「2023中計」における経営目標を次のとおり定めております。
自動車生産台数の回復による増収に加え、更なる合理化による原価低減を推し進め、収益の向上を目指します。
2022年度実績、2023年度予想、及び2023年度目標経営指標
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2022年度 実 績 |
2023年度 予想 |
2023年度 目 標 |
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売上高 |
(億円) |
6,932 |
7,500 |
6,500 |
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営業利益 |
(億円) |
288 |
350 |
400 |
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経常利益 |
(億円) |
373 |
400 |
420 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
(億円) |
215 |
250 |
250 |
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経常利益率 |
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5.4% |
5.3% |
6.5% |
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ROE |
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6.4% |
7.0% |
8.0% |
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配当性向 |
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33.9% |
30.8% |
30%程度 |
(注)2023年度目標値の主な前提条件:全世界自動車生産台数94百万台、HDD生産台数212百万台、為替レート100円/米ドル
(4)経営環境
当連結会計年度における世界経済は、景気が持ち直し傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症、半導体の需給逼迫及び各種資材の価格高騰や為替変動による影響、ロシアのウクライナ侵攻等により、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な事業分野であります自動車関連市場においては、国内・海外ともに前期より自動車生産台数が増加しております。
当連結会計年度における自動車生産台数
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台 数 |
前期比 |
内日系 |
前期比 |
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全世界 |
86,893千台 |
10.7% |
25,313千台 |
3.4% |
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国別 |
国内 |
7,748千台 |
2.1% |
- |
- |
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北米(米国・カナダ) |
11,664千台 |
8.2% |
3,628千台 |
△2.8% |
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メキシコ |
3,503千台 |
17.7% |
933千台 |
△16.8% |
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タイ |
1,866千台 |
11.3% |
1,615千台 |
4.2% |
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中国 |
27,061千台 |
6.7% |
4,327千台 |
△5.7% |
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(注)上記台数は各拠点の決算期に応じて集計しております。
もう一方の主要な事業分野であります情報通信関連市場につきましては、HDD(ハードディスクドライブ)の世界生産台数が前期比で減少し、当社の主力製品でありますサスペンションの総需要も減少しました。また、半導体プロセス部品に関しては、年度後半より需要が落ち込んでおります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
<事業全般>
世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響や地政学リスクの増大、脱炭素社会の実現に向けた動きの加速等、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しております。
このように激変する事業環境への対応を加速しながら、「地球環境保全への対応」と「人材の価値を最大限に引き出す」ことで、持続的に成長していき、高い倫理性・透明性を以て継続的に社会貢献を果たせる企業であり続けることが、当社グループの目標であります。2023年度も、当社創立100周年目にあたる2039年のカーボンニュートラル達成に向け「徹底した省エネと電化の推進」「革新的な省電生産技術の実用化」等の具体策の実行、また「安心・安全な会社、働きがいがあり働きやすい職場作り」の推進に、引き続き努めてまいります。
<懸架ばね事業>
懸架ばね事業では、価格競争の激化、鋼材をはじめとする諸資材の価格高騰、北米拠点での将来的な労働力確保の難しさといった課題を抱えております。これに対し、2023年度より立ち上げた「利益最大化プロジェクト」のもと、懸架ばねの価値向上、労働生産性向上、設備生産性向上、レジリエンス・BCPの強化といったテーマに引き続き取り組み、収益力の回復と強化に努めてまいります。
自動車業界では、電動化並びに自動運転化が急速に進展しております。懸架ばねそのものの需要には大きな影響はないと考えられる一方、ますます強まる軽量化、高耐久化、省スペース化への要請に応えるべく、加工技術並びに新鋼種の開発等を加速させてまいります。
<シート事業>
シート事業は、半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰の影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの持ち直し、円安による在外子会社の円換算額の増加等により、収益性を回復させております。高品質、高機能の独立系サプライヤーとして、顧客志向の徹底と品質第一の2点を軸にグローバルに事業を展開してまいります。
当社シート事業の強みは、金属加工、ウレタン、縫製などシートに必要な各種工程を内製しており、車酔い低減シートなど、シートコンプリート品の総合的な設計開発力を保有していることであります。これらの強みを活かし、電動化並びに自動運転化で求められる軽量化や乗り心地向上に応えるシートの開発に取り組んでまいります。
<精密部品事業>
自動車関連事業につきましては、半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰の影響を受けました。電動化が進んでいく上で、キーパーツ部品の一つであるモーターコアについては、工法の見直し、新技術開発を進めており、2023年10月完工予定の厚木工場新建屋をはじめとして、日本、メキシコ、中国の3拠点の生産能力を増強してまいります。さらに、内燃機関用製品の今後の需要動向を慎重に見極めながら、ますます進展する電動化関連製品の開発も進めてまいります。
情報通信関連事業のHDD用サスペンションにつきましては、HDDメーカーの生産調整により数量が一時的に減少しましたが、今後も高容量化は進み、サスペンションに要求される機能は高度化し、かつ需要も増加すると考えております。継続的に開発力・技術力・品質を向上させつつ、適切に生産能力を増強し収益確保に努めてまいります。また、さらなる競争力の向上を目指し、AIを活用したAOIの導入等の合理化施策を進めてまいります。
<産業機器ほか事業>
半導体プロセス部品につきましては、今後の旺盛な需要に対応すべく、宮田工場のさらなる増強を計画しております。2023年度下期から見込まれる需要の回復にあたっては、伊勢原工場、宮田工場の二工場体制で最適な生産配分を実施し、一層の収益力の向上に取り組んでまいります。また、金属基板につきましては、車載LED向けをはじめとした従来製品の拡販、パワーモジュール、AC-DC、DC-DCコンバーターといった自動車の電動化に対応した製品の開発及び拡販を進めるとともに、駒ケ根工場とNHKマニュファクチャリングマレーシア社新工場の増強を行ってまいります。
その他事業につきましては、選択と集中を進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
<基本方針>
当社グループは、「なくてはならないキーパーツ」を提供し続ける事により、持続可能な社会の実現と社会課題の解決に貢献してまいります。
また、当社グループの果たすべき法的、倫理的、かつ社会的責任について「グローバルCSR基本方針」を2016年に制定し、
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「透明性を維持すること」 「倫理的に行動すること」 「地球環境を保全すること」 「人をはぐくむこと」 「グループ・グローバルで取り組むこと」 |
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の5つを宣言し、コーポレート・ガバナンスの充実及び法令遵守の徹底に努めております。
当社は、本業における競争力・経営基盤の強化を図り、企業価値を高め、その成果をそれぞれのステークホルダーに還元することにより、社会から信頼される会社であり続ける事を目指します。
<マテリアリティ(重要課題)の特定>
当社は、持続可能性に関する経営課題を明確にすべく、上記の基本方針及び取組実績を踏まえ、下記の表の網掛け部分のとおり9つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。
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区分 |
サステナビリティに関する課題テーマ |
当社が取り上げる根拠・考え方 |
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外部要因 |
E |
1.CO2排出量の削減 |
・環境チャレンジ (カーボンニュートラル) |
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2.限りある資源の有効活用と資源循環 |
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3.環境負荷物質の削減 |
・環境チャレンジ(産業廃棄物ゼロ) |
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4.環境貢献型製品の創出 |
・電動化事業推進室の設置 |
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5.生物多様性の保全 |
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事業活動を支える 経営基盤 |
S |
6.人材価値の最大化 ・従業員の安全と健康 ・働きがいのある働きやすい職場 ・ダイバーシティ推進 |
・グループ経営方針 |
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7.コーポレート・ガバナンスの強化 |
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8.サプライチェーン・マネジメント |
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9.人権の尊重 |
・グローバルCSR基本方針、人権宣言、ダイバーシティ基本方針 |
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10.グローバル規模の人材育成 |
・グローバルCSR基本方針 |
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11.地域社会との対話と発展への貢献 |
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12.ステークホルダーとのパートナーシップ |
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G |
13.コンプライアンス |
・グループ経営方針、 グローバルCSR基本方針、中期経営計画 |
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14.リスクマネジメント |
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事業活動を通じた社会課題の解決 |
当社 独自 |
15.社会課題の解決に寄与する製品開発 |
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16.グループ経営 |
・社長示達 |
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共通 |
17.ビジネスモデルの強靭性 |
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18.製品デザイン・ライフサイクル管理 |
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19.財務基盤の安定 |
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20.知的財産(保護・活用) |
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21.ブランドマネジメントの強化 |
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当社は、持続可能性に対し重要な財務的影響を与え、かつ、環境や社会にも重大な影響を与える課題については、 ①地球環境保全への対応 ②人材の価値を最大限に引き出すこと の2つに課題を特定し、各分野への対応を通じて、持続的な企業価値の向上に努めております。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社では、様々な観点からリスクを想定して未然防止を図り、影響を最小限にとどめるため、リスク管理規程を制定し、代表取締役社長を最高責任者、企画管理本部本部長を推進責任者とするリスク管理体制を構築しております。
リスク発生が予見される事項は、リスク管理マニュアルを策定するとともに、重要度に応じて経営トップに報告する体制を構築しております。
(2)地球環境保全活動への対応
当社は、地球環境保全への対応として、CO2排出量削減による脱炭素社会の構築と産業廃棄物ゼロの実現をマテリアリティ(重要課題)に掲げております。
当社グループでは1993年に環境ボランタリープランを公表以降、グループ全体で地球環境保全活動に取り組んでまいりましたが、持続可能な社会の実現と将来の当社グループのありたい姿をさらに明確にするため、2021年9月に、代表取締役社長自ら「ニッパツグループ環境チャレンジ」を宣言いたしました。
<環境チャレンジ>
①2039年までにカーボンニュートラルを達成する。そのために、2030年までにCO2排出量を2013年度比50%減にする。
②2039年までに産業廃棄物ゼロを目指す。そのために、2030年までに産業廃棄物量を2013年度比95%減にする。
現在は、2026年度までの中期目標にそってロードマップを作成し、地球環境対策委員会を通じて達成状況を確認するとともに、低減方策を議論しながら取り組み、推進しております。加えて、気候変動に関連するガバナンスの明確化や、リスクと機会の分析、リスク管理等の整備について検討を進めております。
<CO2・産業廃棄物の排出量及び低減に向けた主な施策>
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項目 |
排出量 |
低減に向けた主な施策 |
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2021年 |
2022年 |
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CO2 (千ton-CO2) |
157 |
136 |
省エネ推進 設備の電化 生産工程や製品開発における技術革新 太陽光発電などへの設備投資 再生可能エネルギー電力購入 |
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産業廃棄物 (千ton) |
45.6 |
48.6 |
リサイクル業者の再検証 有償リサイクルの無償化、有価物化の推進 サーマルリサイクル削減の検討 (増加要因:生産数量増大) |
(注)上記排出量は当社及び国内連結子会社を集計対象としております。
ア)ガバナンス
持続可能な社会の実現と将来の当社グループのありたい姿をさらに明確にするため、2021年9月に、代表取締役社長自ら「ニッパツグループ環境チャレンジ」を宣言いたしました。この宣言に基づき、地球環境対策委員会では事業ごとの長期の環境活動計画をとりまとめる等、当社グループで持続可能な社会の実現に向けて活動を強化いたしました。
地球環境対策委員会は年2回開催され、環境チャレンジに関する中長期目標の設定、実現に向けたシナリオの策定を行い、活動を推進しております。推進の進捗状況は、経営戦略会議へ定期的に報告し、経営戦略へ反映しております。
イ)戦略
当社グループでは、各生産本部、グループ会社にて2026年の目標値を定め、「省エネ推進」「設備の電化」「生産工程や製品開発における技術革新」「太陽光発電などへの設備投資」「再生可能エネルギー電力購入」に分類される具体的施策を立案し、投融資審議会において、十分な審査を行ったうえで実施しております。計画に対する施策の実施状況については、継続的に地球環境対策委員会にて各生産本部、グループ会社からの報告を受け、これに対するフォローを行っております。
また、2018年4月に創設された電動化事業推進室を通じて、CO2排出量の削減に貢献する製品を提供してまいります。
<物理リスク> 気候変動による災害など物理的影響に関連するリスク
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影響する項目 |
リスク |
機会 |
対応 |
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急性 |
・異常気象による大規模災害 |
・河川の氾濫、巨大台風、渇水、津波、高潮、落雷などによる生産支障 |
・BCP対応の強化による顧客信頼の獲得及び受注拡大 |
・津波避難場所、海抜高さを各所に明示 ・避雷針や避雷器を設置 ・BCPのレジリエンス体制の強化 ・緊急時電源の確保 (非常用電源確保と自家発電設備の活用) ・建設地、建物耐久性の確認と改善 ・耐久、耐水、耐熱性に優れた製品の企画、開発 |
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慢性 |
・気象情報 ・降水、気象パターンの変化 |
・温暖化の進行に伴う製品耐久性の不足による品質不具合 |
・製品の耐久性の充実による付加価値及び収益向上 |
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<移行リスク> 脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク
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影響する項目 |
リスク |
機会 |
対応 |
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政策・規制 |
・電動化の促進施策(ZEV(注1)、燃費、ガソリン車規制) ・政府のカーボンニュートラル宣言(CP(注2)制度、補助金の拡大) |
・顧客のエコカー開発が加速、ガソリン車の部品の売上が減少 ・燃料、エネルギーへの課税(炭素税)に伴うエネルギーコストの増加及び収益悪化 ・GX(注3)構想及びCPなど気候変更施策への対応に遅れが生じた場合の評価低下(格付機関・投資家・NGO・顧客など) |
・ZEV(注1)であるEV/FCEV用の製品開発が進み売上が増加 ・国の支援(補助金等)を活用した製品、工法開発が進み収益が向上 ・GX構想及びCPなど気候変更施策への対応を迅速に実施できた場合には、マネジメントプロセスが改善 |
・EV/FCEV用の製品及び部品開発 |
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市場 |
・CASE、MaaS市場拡大 ・省エネ製品、高分子・LEDの技術を活かした新分野の市場拡大 |
・車の価値、使い方の変化で従来製品の売上が減少 ・環境負荷の大きい製品の不買化 |
・先行的な気候変動対応への取り組みや、省エネ製品開発により市場に提供する製品・サービスにおいて付加価値を創出し、優位性や事業機会を確立 ・GHG(注4)低排出製品・サービス開発のためにイノベーションが拡大し、HDD関連市場において低消費電力デバイスの市場が拡大 ・半導体デバイスの高性能化と低消費電力化による半導体プロセス部品事業の拡大 ・レジリエンス(気候変動への対応力)を構築することで競争優位性を確保し、企業価値が向上 |
・半導体やエレクトロニクスの未来像を見据え、最先端の研究開発を推進 ・革新的な技術を備えた付加価値の高い製品をタイムリーかつ継続的に供給 ・製品の軽量化への取り組みなど、排出されるCO2がより少ない製品の開発 |
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技術 |
・エネルギー転換 ・再生可能エネルギー技術の進歩、普及 ・省エネ技術の普及 |
・エネルギー転換に伴い生産技術分野でコストが増加し、財務負担が増加 ・技術普及に乗り遅れ、CO2低減が進まず炭素税等で収益が悪化 |
・製造段階での省エネ、低コスト、生産の開発による事業拡大、収益向上 ・GHG低排出製品・サービス開発のためにイノベーションが進み、収益向上 ・再エネ、省エネ技術を活用した環境に配慮した生産工程の整備が進み収益向上 |
・工場エネルギーの最適化を推進 ・再生可能エネルギーの積極的な導入 |
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評判 |
・顧客の評価の変化 ・投資家の評判の変化 |
・環境負荷の小さい(脱炭素など)製品が発注条件となり、対応ができず失注 |
・脱炭素の製品開発ができ、競合他社に優位性が増し、受注拡大 |
・環境に優しい材料開発、製品設計 |
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(注) |
1 |
ZEV: |
Zero Emission Vehicleの略。走行時にCO2等の排出ガスを出さないEV/FCEV等。 |
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2 |
CP: |
Carbon Pricingの略。炭素税や排出量取引により炭素に価格付けを行うこと。 |
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3 |
GX: |
Green Transformationの略。温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を成長の機会と捉え、排出削減と競争力の向上の実現に向けた変革のこと。 |
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4 |
GHG: |
Greenhouse Gasの略。CO2等の温室効果ガスのこと。 |
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ウ)リスク管理
当社では、代表取締役社長を最高責任者、企画管理本部本部長を推進責任者とするリスク管理体制を構築し、気候関連のリスク(物理リスク及び移行リスク)を含め管理しております。リスク管理においてはリスクの未然防止を図り、被害を最小限にとどめるとともに、再発を防止するための対策を決定し、進捗管理をしております。
一方で、リスク管理において取締役会が明確に関与するガバナンスプロセスの構築は、これから実現すべき課題だと認識し、今後取り組んでまいります。
エ)指標・目標
当社グループは、エネルギー使用量から算出するCO2排出量について削減目標を掲げ、地球環境保全活動に取り組んでおります。2020年度までは売上高原単位で管理しておりましたが、2021年度からは、カーボンニュートラル達成を目指し、CO2総排出量で管理しております。
<中長期目標>
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項目 |
目標年 |
目標値 |
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CO2排出量 |
2030年 |
SCOPE1+SCOPE2におけるCO2排出量2013年度比50%減 |
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2039年 |
SCOPE1+SCOPE2におけるCO2排出量ゼロ化 |
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産業廃棄物量 |
2030年 |
2013年度比95%減 |
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2039年 |
産業廃棄物ゼロ化 |
(注)1 SCOPE1:事業者自らによる燃料の使用によるCO2排出量
2 SCOPE2:他社から供給された電力等の使用によるCO2排出量
(3)人材の価値を最大限に引き出すこと
当社を取り巻く社内外の環境は大きく変化してきており、将来にわたり社会に必要とされる会社であり続けるために、人と組織のあるべき姿も変わりつつあります。当社のものづくりがこれからもお客様や社会の課題解決に貢献し続けるためには、働きがいのある働きやすい職場づくりの取り組みを推進し、多様な人材がそれぞれの価値を最大限に高めていく事が重要だと考え、人づくり、組織づくり、制度・風土づくりの取り組みを包括的に進めております。
ア)ガバナンス
人材の価値を最大限に引き出すための取り組みは、経営方針に沿って本部・部門ごとに実行施策を策定しております。本部長は各部門の活動状況を確認し、重要事項については、経営戦略会議や取締役会で報告をしております。また、重点施策については、各種会議体で承認されたプロジェクトが推進する体制を整えております。
イ)戦略
<方針>
当社では、自動車・情報通信・産業・生活など幅広い分野で多種多様な製品を提供しており、独立系メーカーとして研究開発、設計、調達、生産、販売、管理等の様々な業務に従事する人材が、国内外で活躍しております。各分野で高度な専門性を持った人材や社内外への環境変化に対し変革を主導するリーダーシップを持った人材の確保と育成が重要であり、これらの人材が成長と貢献を実感し、一人ひとりが多様な価値観を認め合い多彩な個性と能力が最大限発揮できる雇用環境をさらに整備してまいります。
<実行施策>
グループ経営方針において、「安心・安全な会社、働きがいのある働きやすい職場を作る」事を掲げ、「人材の確保と育成」「ダイバーシティ推進」「働き方改革」「人事制度改革」「健康経営の推進」などの各種施策を実行してまいります。
<推進体制>
人材の確保と育成に関する重要な取り組みは、経営戦略会議の下部機関に位置づけられる人事政策委員会にて施策を審議し、経営戦略会議や取締役会に付議・報告・承認を得る体制を整えております。
ダイバーシティ推進の取り組みは、経営戦略会議での承認を受けた代表取締役社長直轄の「ダイバーシティ推進プロジェクト」が推進しております。プロジェクトの施策は、関連部門の部門長、企画管理本部本部長、代表取締役社長による承認を得て担当部門がそれぞれ実行し、プロジェクトの定例会議で進捗確認や課題を共有しております。
働き方改革の取り組みは、経営戦略会議で承認を受けた「Smart Work Project」を中心に各種施策を実施しております。プロジェクトは人事部部長が責任者を務め、プロジェクトの方針と実行施策を企画立案し、労使が参加する事務局会議にて討議し決定しております。
健康推進の取り組みは、中央安全衛生協議会の下部組織となる中央健康推進協議会を設置し、全社健康施策の方針や実施項目の策定、実施状況の確認などを行っております。また、各事業所では、健康推進委員や健康推進担当者を任命し、様々な健康施策を進めております。
<モニタリング>
各種施策の実施は担当する部門やプロジェクトによって行われますが、ア)ガバナンスに記載する方法で進捗を管理しております。また、新規施策の実施や重要事項については、必要に応じて人事政策員会や経営戦略会議等の各種会議体で重点課題の共有・議論を行い、施策の見直しやプロジェクト運営の改善に繋げる体制を取っております。
<取り組み実績>
2022年度はそれぞれの活動において、主に次のような取り組みを実施いたしました。
ダイバーシティ推進の取り組みでは、2021年度に子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得、健康推進の取り組みでは、「健康経営優良法人2023」に認定されております。
ウ)リスク管理
人材の価値を最大限に高めるための方針や戦略の策定、指標と目標の決定、進捗管理等がさらに効果的に実施されるために、取締役会が監督やモニタリングをより適切に実施できるリスク管理体制の強化をすべく体制整備を検討してまいります。
エ)指標及び目標
目指すべき姿(目標)とモニタリングすべき指標については、従来から管理している指標の集計方法や集計項目を見直し、更なる開示を今後検討してまいります。
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分類 |
指標 |
実績 |
2030年度目標 |
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女性活躍推進 |
女性管理職比率 |
2.2% |
5% |
|
|
総合職新卒採用における女性採用比率 |
11.3% |
20% |
|
|
男性の育児休業取得率 |
30.1% |
60% |
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エンゲージメント |
エンゲージメント診断結果 |
69.7pt |
75.0pt |
(注)1 実績及び目標は提出会社の状況のみとなります。
(注)2 女性管理職比率の実績は2023年3月31日におけるものとなります。
(注)3 総合職新卒採用における女性採用比率の実績は2023年4月1日におけるものとなります。
(注)4 男性の育児休業取得率、エンゲージメント診断結果の実績は2022年度におけるものとなります。
(注)5 当社で実施するエンゲージメント診断は、従業員体験(Employee Experience)に着目した調査で満点を100とします。調査対象は特定の従業員のみとなります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項について、以下のとおり記載いたします。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)世界経済の急激な変動
当社グループでは、主要な事業分野であります自動車関連及び情報通信関連の製品をグローバルに供給していることから、世界的な景気の変動に強く影響されます。日本、アジア、米国及び欧州など世界の主要市場での、予測を超える急激な景気後退と需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に多大な影響を与える可能性があります。
特に、新型コロナウイルス感染症、半導体の需給逼迫及び各種資材の価格高騰や為替変動による影響、ロシアのウクライナ侵攻等により、世界経済は先行き不透明な状況が続いており、これらの影響の収束時期についての見通しを立てることは難しく、そのリスクを合理的に算定、想定することは困難であります。
(2)為替レートの変動
当社グループの事業には、海外における製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、日本で生産し輸出する事業において、他の通貨に対する円高は、グローバル市場における当社グループ製品の相対的な価格競争力を低下させます。一方、海外からの原材料の調達において、他の通貨に対する円安は、原材料調達コストを高騰させます。したがって、予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、機動的な為替ヘッジ取引を行い、短期的な変動による悪影響を最小限に抑えるよう努めておりますが、リスクを完全に排除することは困難であり、当社グループの経営成績及び財政状態に少なからず影響を与える可能性があります。
(3)原材料・諸資材・エネルギーの価格変動並びに、原材料・部品の不足
当社グループは、鋼材などの主要原材料及び諸資材、電気・ガス等のエネルギーを外部より調達しております。これらの供給元とは、取引基本契約を締結し、安定的な取引を行っております。市況の変化による原材料・諸資材・エネルギー価格の大幅な変動については、販売価格への転嫁を前提としておりますが、価格転嫁の反映時期がずれることにより、業績に与える影響が会計期間を超える可能性があります。
また、供給元の不慮の事故や自然災害、輸出又は輸入規制の変更、ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンの逼迫や資源高などにより、原材料や部品の不足が生じないという保証はありません。その場合は、生産活動の低下を招くことで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、現在、需給のアンバランスから半導体が不足し、自動車メーカーにおいて生産調整が行われており、当社グループの主力事業であります自動車関連事業の受注が減少しております。翌連結会計年度の損益予想に反映させているものの、需給のアンバランス解消の動向を予想することは困難であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)新製品開発力
近年、自動車産業では「CASE」といわれるコネクテッド・自動運転・シェアリング&サービス・電動化に代表される技術革新が進展しており、技術革新がもたらす開発ニーズに適切に対応していくことが当社グループの重要な課題の一つであります。
当社グループでは、当社研究開発本部が主体となって、新技術の基礎研究及び応用研究を積極的に行っており、継続して魅力ある新製品を開発できるものと考えておりますが、新製品の開発と市場への投入プロセスは複雑かつ不確実であり、以下をはじめとする、様々なリスクが含まれます。
・長期の開発期間を要する新製品開発について、必要となる資金と資源を継続的に充当できないリスク。
・大規模投資・資源投入により新製品を開発するも、回収不能となるリスク。
・競合他社との競争激化による販売価格の下落により、収益性が低下するリスク。
・競合他社による新技術の開発や市場ニーズの変化に伴う開発途中段階での技術の新規性の喪失により、コスト優位性が低下するリスク。
上記のリスクをはじめとする諸要因から、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)知的財産権の侵害
当社グループの製品は、広範囲にわたる技術を利用していることから、第三者による知的財産権不正利用の防止や知的財産権の侵害抑止への対策が完全とは言い切れません。また、当社グループが意図せず他社の知的財産権を侵害したとして製品の販売中止や賠償金の支払いを求められる可能性もあります。その場合、係争となることやライセンス費用又は和解費用を負担することで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)製品の品質不具合
当社グループは各生産拠点において、世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しております。しかし、全ての製品において欠陥がなく、将来にわたってリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物賠償責任については保険に加入していますが、最終的に負担すべき賠償額が、この保険によって十分にカバーされるという保証はありません。大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)法的規制等
当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替、雇用、環境・リサイクル関連等の法規制を受けております。
このような多岐にわたる法的規制等に対しては、継続的にコンプライアンスの実践に努めておりますが、万一、これらを順守できなかった場合、当社グループには、直接的な費用の増加や社会的制裁、風評被害等、有形無形の損害が発生する可能性があります。
(8)人権・労働環境等
当社グループは、国内外で事業を展開しており、原材料や資材を調達するサプライヤーも多くの国や地域に及びます。これらの国や地域においては、人権や労働安全衛生等に係る問題への企業の対応に関心が高まっており、法令及び規制も変化しています。
当社グループやサプライチェーンにおいて、児童労働、強制労働、外国人労働者への差別、ハラスメント等、種々の人権に係る問題や、労働災害などが発生し、これに適切に対応できなかった場合、生産や調達への影響に加え、当社グループの社会的な信用が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)海外市場への事業展開
当社グループの事業展開においては、地域・国によっては、文化的な違い、法制度の違い、社会的・政治的不安定さ等から、社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの事業活動の制限等、以下に掲げるような予期せぬ事態が発生するリスクが内在しており、これらが発生した場合には、現地での生産に支障が起きる可能性があります。
・予期しない法律又は規制の変更や、労働市場の変化などによる人材確保の難しさ、労働争議の発生及び人件費の急激な上昇
・過激なデモ、暴動、テロその他の要因による社会的混乱
また、これらの事態が長期化すれば、当社グループの経営成績及び財政状態に一層大きな影響を与えるおそれもあります。
(10)災害等による影響
地震、台風、水害等の自然災害や火災、停電等の事故、感染症が発生した場合、製造拠点の設備故障、損壊による追加費用発生や最適なサプライチェーンが維持できないことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、当社グループのリスク管理も対象範囲とするCSR推進委員会を設置し、対象となる事象の予見と未然防止、事象発生の報告、再発防止策の検討等を実施しております。平時においては企業活動にかかわるリスクについての洗い出し、BCP(事業継続計画)やリスク管理規程等を定めるとともに、教育・啓発活動の実施によりリスク発生の未然防止の推進を実施しております。リスクが顕在化した場合には、迅速に対策本部を設置し、その指揮のもとに所管部門及び関係部門が一体となって対応を行う体制となっております。しかし、各生産拠点で発生する大規模災害や、広範囲にわたる停電、当社グループの保有する設備の損壊、製品の輸送手段や経路の断絶等、生産・納入活動の中断事象が発生した場合には、これらのリスク管理活動の実施にもかかわらず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)感染症等による影響
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、お客様の稼働状況に起因する受注量の減少、当社グループ内製造拠点でのロックダウンによる一時的な操業停止など、当社グループの生産活動に影響を与えました。
当社グループでは、今後も適時適切に対応して、感染再拡大による事業活動への影響の低減に努めてまいりますが、今後の感染再拡大の時期や影響について見通しを立てることは難しく、当社グループの経営成績及び財政状態に与える影響を合理的に予測することは困難であります。
(12)情報セキュリティに関するリスク
当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、ハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じております。しかしながら、これらの対策にもかかわらず、想定を超えるサイバー攻撃、不正アクセスなどにより、基幹情報システムの停止や企業情報・個人情報の流出等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、景気が持ち直し傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症、半導体の需給逼迫及び各種資材の価格高騰や為替変動による影響、ロシアのウクライナ侵攻等により、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な事業分野であります自動車関連市場においては、国内の自動車生産台数は7,748千台で前期比2.1%の増加となりました。また、北米(米国・カナダ)においては11,664千台で前期比8.2%増加、中国では27,061千台で前期比6.7%の増加、タイでは1,866千台で前期比11.3%の増加となりました(いずれも台数は各拠点の決算期に応じた集計)。
もう一方の主要な事業分野であります情報通信関連市場につきましては、HDD(ハードディスクドライブ)の世界生産台数が前期比で減少し、当社の主力製品でありますサスペンションの総需要は減少となりました。
近年、自動車関連市場では、グローバルでの競合他社との競争が激しく、当社グループの収益性に影響を与える大きな要因となっております。また、各事業における原材料価格、物流コスト、エネルギーコスト等の高騰も顕著です。かかる状況下、収益力の回復と向上は当社グループの重要な課題と認識しており、生産部門・販売部門・本社部門が一体となり、課題解決に取り組んでおります。
以上のような経営環境のもと、売上高は693,246百万円(前期比18.1%増)、営業利益は28,838百万円(前期比35.0%増)、経常利益は37,317百万円(前期比21.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21,537百万円(前期比32.7%減)となりました。
(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況
半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整の影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの持ち直し、円安による在外子会社の円換算影響、鋼材価格高騰分の販売価格への反映等により、自動車関連事業の売上高は前期に比べ増加しております。
一方、非自動車関連事業におきましては、半導体プロセス部品が総じて堅調に推移したものの、HDD市場減速によりサスペンション数量が減少し、非自動車関連事業の売上高は前期から横ばいとなっております。
[懸架ばね事業]
懸架ばね事業の売上高は146,847百万円(前期比30.0%増)、営業損失は2,734百万円(前期は営業損失4,360百万円)となりました。
売上高については、半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整の影響は受けたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの持ち直し、原材料価格高騰等の販売価格への反映及び円安による在外子会社の円換算額の増加等により増収となりました。一方で、営業損益については、物流コスト、動力光熱費、人件費等の固定費の増加により、営業損失となりましたが、鋼材価格高騰分の販売価格への反映や円安による換算影響により、前期に対しては改善しました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。
売上変動及び品種構成差 13億円
材料市況 3億円
為替 9億円
合理化 11億円
固定費その他 △20億円
[シート事業]
シート事業の売上高は273,787百万円(前期比31.4%増)、営業利益は7,311百万円(前期は営業損失2,853百万円)となりました。
売上高については、半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整の影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの持ち直し、円安による在外子会社の円換算額の増加等により増収となりました。また、営業利益については、原材料や物流、動力光熱費等の価格高騰の影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症拡大からの持ち直しや、合理化及び為替影響等により事業全体で増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。
売上変動及び品種構成差 66億円
材料市況 2億円
為替 11億円
合理化 21億円
固定費その他 1億円
[精密部品事業]
精密部品事業の売上高は159,415百万円(前期比1.8%減)、営業利益は11,471百万円(前期比35.6%減)となりました。
売上高については、自動車関連事業において、半導体供給不足等による自動車メーカーの生産調整の影響、情報通信関連事業においては、HDDメーカーの生産調整の影響等により数量が減少し、減収となりました。また、営業利益については、合理化及び為替の影響を受けましたが、数量の減少等により、減益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。
売上変動及び品種構成差 △152億円
材料市況 △8億円
為替 71億円
合理化 9億円
固定費その他 15億円
[産業機器ほか事業]
産業機器ほか事業の売上高は113,196百万円(前期比9.7%増)、営業利益は12,790百万円(前期比18.8%増)となりました。
売上高については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの持ち直しの動きが見られていることや、半導体プロセス部品の受注が総じて好調に推移したこと等により、増収となりました。営業利益については、上記に加え、為替影響等により事業全体で増益となりました。
営業利益の主な増減要因は以下のとおりであります。
売上変動及び品種構成差 3億円
材料市況 △3億円
為替 37億円
合理化 1億円
固定費その他 △18億円
(3)経営成績の分析
①売上高、営業利益
「(2)当連結会計年度のセグメント別の売上高及び営業利益の概況」に記載のとおりです。
②営業外損益
営業外損益は、8,479百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ835百万円の減少となりました。為替レートの変動による為替差益が1,663百万円減少したことが主な要因となります。
③特別損益
特別損益は、7,006百万円の損失となり、前連結会計年度に比べ26,437百万円の減少となりました。前連結会計年度において、保有する不動産の売却による固定資産売却益を計上したことが主な要因となります。
減損損失の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」をご参照ください。
④法人税等
税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は23.9%となり、前連結会計年度の33.5%と比べ低下いたしました。前連結会計年度は、固定資産売却益の影響により税額控除の影響が減少したため、負担率が上昇しておりましたが、当連結会計年度においては、固定資産売却益の計上がないことに加え、受取配当金益金不算入や税額控除の影響が相対的に増加したため、負担率が低下いたしました。
⑤非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,276百万円に対し1,532百万円となりました。
⑥親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は21,537百万円で、前期比32.7%の減益となりました。1株当たり当期純利益は94.50円となり、前連結会計年度に比べ45.83円減少しました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は前期末に比べ34,049百万円減少し、57,845百万円(前期比37.1%の減少)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益等により、13,656百万円の増加(前期は34,505百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、41,758百万円の減少(前期は4,987百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払により、11,546百万円の減少(前期は27,658百万円の減少)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算したフリー・キャッシュ・フローは28,101百万円の減少となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループの生産実績は、販売実績と近似しておりますので、記載を省略しております。
(2)受注実績
当社グループの受注実績は、販売実績と近似しておりますので、記載を省略しております。
(3)販売実績
当社グループの販売実績は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」をご参照ください。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月29日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定を設定する必要があります。当社グループは、以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
また、当連結会計年度末時点において行った重要な会計上の見積もりに用いた仮定のうち、翌年度以降の連結財務諸表に特に重要な影響を及ぼすリスクがあると考えている項目については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
① 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループにおける重要な収益及び費用の計上基準につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成の重要な事項) (4)会計方針に関する事項 (ホ)重要な収益及び費用の計上基準」をご参照ください。
② 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に再建計画などを考慮した上で、回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
③ 固定資産の減損
当社グループが有する固定資産について、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認しております。この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は、不動産鑑定結果などに基づく売却可能価額又は将来の経営計画に基づく将来キャッシュ・フローの割引現在価値で算出しており、経済環境の変化などによる、時価の変動、経営計画との乖離、割引率の変動により、減損額の算定に影響を与える可能性があります。
なお、半導体供給不足の影響の長期化、原材料価格の大幅な上昇、及び経済環境の変化等による自動車生産台数の減少に関して、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、翌連結会計年度の一定期間にわたり当影響が引き続き影響するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の固定資産の減損処理に影響を与える可能性があります。
④ 投資の減損
当社グループは、投資の評価にあたっては、時価の回復可能性があると認められる場合を除き、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には時価の回復可能性の判定を行い、回復可能性がないと判断した場合は減損処理を行っております。
回復可能性の判断においては、帳簿価額を下回った期間の長さ及び下落幅、当該会社の財務状況及び将来の展望を考慮しますが、市場の変化や経済環境の変化などにより投資の評価額が影響を受ける可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、連結会計年度末時点の将来減算一時差異に対して翌期以降で適用される法定実効税率を用いて計上しておりますが、将来的な課税当局による法定実効税率の変更により、繰延税金資産が増減し、利益を増減させる可能性があります。
また、繰延税金資産を、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来減算一時差異の解消スケジュール、将来の経営計画に基づく課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、経営環境・経営計画の変化により、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産の調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
なお、半導体供給不足の影響の長期化、原材料価格の大幅な上昇、及び経済環境の変化等による自動車生産台数の減少に関して、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、翌連結会計年度の一定期間にわたり当影響が引き続き継続するものとの仮定に基づいております。これらの仮定に対して、その後の得意先の稼働調整などにより大きな差が生じた場合には、今後の繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑥ 退職給付費用
当社グループにおける退職給付費用及び債務は、その計算の際に使われた仮定により変動いたします。これらの仮定には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率及び死亡率などの要因が含まれております。
割引率は、国債などの低リスクの債券の利回りに基づいて設定しており、年金資産の期待収益率は、企業年金基金などの年金資産における長期の収益率を基に設定しております。
これらの仮定と実際の結果との差額や、年金資産の時価の増減による影響は連結包括利益計算書を通じて即時認識されます。当社グループは使用した仮定が妥当なものであると考えておりますが、実績との差異又は仮定自体の変更により、退職給付費用及び退職給付に係る資産・負債に影響を与える可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要」に記載のとおりです。
② 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値向上のために、適宜適切なタイミングで経営資源を配分することを財務戦略の基本としており、強固な財務体質及び高い資本効率を兼ね備えることが重要であると考えております。
当社グループの自己資本比率は50%を超えており、引き続き「シングルA-」の信用格付(格付投資情報センター(R&I)による格付)を維持し、リスク耐性の強化を図ってまいります。
また、営業キャッシュ・フローによる債務償還能力に留意しつつ、金融機関からの外部借入れや社債発行による市場からの調達など、資金調達の多様化を図りながら、資本コストの低減にも努めてまいります。
一方、株主還元については、株主の皆様への利益配当を最重要事項と認識しており、連結業績及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行し、資本効率を向上させ株主還元に資することを目的に、2019年度から2022年度にかけて取締役会決議に基づいた自己株式の取得を行いました。当連結会計年度末時点において保有する自己株式は、発行済株式数の7.1%に相当する17,348千株となっております。
保有自己株式については、将来の株式交換などによる企業買収に備えて保有するものでもあることから、処分、消却などについては、財務状況や事業環境などを考慮しながら、株主資本効率の向上を目指して検討してまいります。
③ 資金調達の考え方
当社グループでは、製品製造のための材料及び部品、研究開発費等、事業活動に係る運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、コマーシャル・ペーパーや銀行借入によって、連結売上高の1.5~2ヶ月分を目安に流動性の保持を図ります。
設備投資資金については、カーボンニュートラル対応を含め、各事業の設備投資計画に基づき、国内外での資金調達について、市場金利動向や為替動向、あるいは既存借入金の返済時期等を総合的に勘案し、銀行借入及び社債の発行等によって資金を賄っております。
当連結会計年度末時点における有利子負債残高は前期末に比べて487百万円減少し、50,016百万円となっております。
また、当社グループでは、グループ間融資によって資金融通を行う事で資金効率を高めております。一部の海外関係会社については、現地金融機関より各社の使用する現地通貨にて調達をしております。その際、当社が関係会社の借入に対し債務保証の差入れを行うことがあります。
なお、新型コロナウイルス感染症、半導体の需給逼迫、原材料やエネルギー価格の高騰、急激な為替変動、ロシアのウクライナ侵攻等、先行き不透明な状況が続いておりますが、コミットメントライン契約及び当座貸越枠により手元流動性を確保する体制を整えております。今後も、非常時に備えた資金調達枠の確保に努めてまいります。
技術受入契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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日発精密工業 株式会社 |
アキュメントグローバルテクノロジーズ社 |
オランダ |
トルクスパンチ |
特許及び製造技術の実施権の許諾 (注)1 |
2017年4月23日~ 2023年4月22日 (注)2 |
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株式会社スミハツ |
パンドロールUK社 |
イギリス |
パンドロール eクリップ |
OEM契約(注)1 |
2018年3月23日~ 2028年3月22日 |
(注)1 ロイヤルティとして売上高の一定率を支払っております。
2 2026年4月22日まで自動更新されております。
当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向やお客様のニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めてまいりました。直近では、複数のお客様から電動化関連の新製品のお引き合いを頂き、開発及び新規事業検討を推進しております。
世界全体の課題となっている気候変動への対策としては、「ニッパツグループ カーボンニュートラル宣言」に基づき、2030年には2013年度比でCO2排出量を50%まで削減、2039年にはCO2排出量を実質ゼロにすべく取り組んでおります。電化・エネルギー置換・省エネといった活動を開始するとともに、各製品の製造及び製品の技術開発を通してCO2排出量実質ゼロに挑戦しております。
現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関係会社の開発部門等の、グループ全体の従業員数の6.1%に当たる1,067名のスタッフにより、鋭意推進されております。
当連結会計年度における研究開発費総額は
当連結会計年度における事業セグメント別の研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用1,788百万円が含まれております。
(1)懸架ばね事業
懸架ばね事業においては、各社OEMの電動化への対応として、高い品質と付加価値を兼ね備えた製品の開発を推進するとともに、環境問題であるカーボンニュートラルの達成に向けた計画を実行に移し、CO2の削減を進めております。
懸架ばねでは、BEV(Battery Electric Vehicle)化に伴う車両の航続距離や性能の向上に大きく寄与する軽量化ニーズの達成や車両重量の大幅な増加による仕様の変化に対応すべく、新しい生産技術の開発を計画に沿って推進しております。
金属ベローズを用いた高耐久・軽量・コンパクトなアキュムレータでは、従来のブレーキ用に加え、サスペンション用として海外客先への対応を進めております。
当事業に関する研究開発費の金額は、
(2)シート事業
シート事業の開発活動は、「軽量化・自動運転・省電力化及び快適な乗り心地性能」「環境配慮に対応する製品」の大きく2つの狙いで取り組んでおります。
軽量化の取組みとしては、すでに量産化している超ハイテン材1,200MPa級鋼板を使用したシートフレームに続き、一層の板厚ダウンを図る事のできる1,500MPa級の高強度材を使用した軽量フレームを開発いたしました。今後も、ばねやウレタンを含めたシート全体での軽量化・薄肉化を狙ったアイテムの開発を進めてまいります。自動運転に向けたアイテムにつきましては、シートに対するニーズの変化(スマートフォンや各種ディスプレイの閲覧が可能になる。運転から解放される)に対応するべく、運転中の車酔いを低減するアイテムや、シートに対する追加機能・アイテムの開発に取り組んでおります。またEV(電気自動車)対応のアイテムとして、車両の電費向上に貢献するため、乗員を効率的に温められる空調・ヒーターシートの開発、省電力につながる新素材を利用したシートヒーターの開発などを進めております。
環境配慮に対する開発につきましては、バイオマス原料やリサイクル材を活用した材料開発、シートのリサイクル率向上を狙ったアイテムの開発などを進めており、カーボンニュートラルに貢献してまいります。
引き続き、業界の変革に遅れないように差別化を狙いつつ、各カーメーカーの要望に応えながら先行開発を進めてまいります。
当事業に関する研究開発費の金額は、
(3)精密部品事業
精密ばね分野においては、各種自動車関連部品に加え、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在は、今後、普及拡大が見込まれるEVやHEV(ハイブリッド車)向けの製品開発に注力しております。EV・HEV分野においては、高精度プレス加工技術を基盤としたモーターコアをはじめ、従来のばね技術を生かしたパワーモジュールを冷却するための押え板ばねなどの製品開発を行っております。同分野においては、今後、熱マネジメント技術が必須となることから、設備導入を進め、評価、解析技術の拡充を図っております。また、従来の線ばね、皿ばねなどの製品においては、自動設計システムを構築し、工程最適化と併せて、コスト低減や信頼性向上を進めております。
HDD関連分野においては、10枚Disk搭載で容量20~22TB用CLA/TSAサスペンションの量産を全ての客先向けに開始、生産効率を改善した量産設備の海外展開、歩留まり改善等によるコスト低減、品質向上を引き続き進めております。24TB以降のTSAサスペンションは現在開発中でありますが、ディスク一枚当たりの記録密度向上が難しく多盤化が進む見通しで、サスペンションの薄型化が必要となっております。関連部品も同様に薄型化し、データセンターにおける冷却用高速ファン等の外部外乱による磁気ヘッド位置決め特性劣化が予想されるため、共振特性高性能化も必須で、薄型サスペンション用の部材開発とともにデザイン最適化を進めております。
当事業に関する研究開発費の金額は
(4)産業機器ほか事業
半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。
プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属、合金を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。また、耐絶縁性、耐プラズマ性に優れたセラミック溶射を金属基材に施すことにより付加価値の高い製品の開発、生産を継続しております。
固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しております。
金属基板(IMS:Integrated Metal Substrate)事業については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。金属基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しております。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。
その一方で安価な絶縁材料を使った金属基板や、より耐久性に優れた金属基板の開発も行っており、様々な用途に採用されております。
ゴルフシャフト事業では、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、あらゆる階層向けに商品を展開しており、2022年度には、飛び系アイアン用に850GHneo及びアスリート向けのTOUR115を新たにリリースし、さらなるラインアップの充実を図っております。
さらに、総合シャフトメーカーならではの開発商品であるカーボンとスチールの複合シャフトも売上を伸ばしております。シャフト用に特化して開発した三価クロムメッキにより、環境へも配慮しつつ、高級感のある色調(ブラック及びシルバー)を実現し、ユーザーの満足度を高めております。
当事業に関する研究開発費の金額は、