当連結会計年度におけるわが国の経済は、円安・原油安が続くなか、政府の経済対策や日銀の金融緩和政策もあり、企業収益や雇用情勢の改善が見られ、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、中国経済の不透明感、新興国の景気一層の減速への警戒感等に加え、中東の混迷等の地政学的リスクがあり、国内景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような事業環境のなか、当社グループ(当社及び連結子会社)の主たる事業である建設・梱包向のうち建設向は、2015年度の新設住宅着工戸数は920千戸(前年度比4.6%増)と消費税増税の反動により落ち込んだ状況からは持ち直し、特に、住宅建設利用関係区分での持家、貸家の回復は顕著となっています。一方、電気・輸送機器向は、国内外での販売が低調であり、弱電・OA機器向けは中国での現地調達化が進むなか、国内では生産調整の動きがあり、価格競争も激しく、事業環境は依然厳しい状況が続いております。
この結果、当連結会計年度の売上高は、5,213百万円(前年度5,126百万円、1.7%増)となりました。営業利益は、中国での鋼材の過剰生産による国内鋼材市況の値下がりによる資材価格の低下と増産による生産性の向上による製造原価の低減効果により、84百万円(前年度13百万円、516.9%増)となり、経常利益は、69百万円(前年度22百万円、205.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、兵庫県福崎町の土地・建物の売却益101百万円を特別利益として、固定資産除却損9百万円を特別損失として計上し、法人税、住民税及び事業税が17百万円であり、また、繰延税金資産を建設・梱包向は12百万円を計上し、電気・輸送機器向は8百万円取崩した結果、149百万円(前年度58百万円)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別業績は次のとおりであります。
建設・梱包向セグメントは、新設住宅着工の利用区分のなかの持家・貸家等の木造住宅の伸長もあり、釘の需要は増加しました。また、為替変動による輸入商品価格の高止まりや電力料等の製造コストの上昇分を販売価格に十分に転嫁できなかったものの、資材価格の値下がりと増産による生産性の向上による製造コストの低減効果により、収益は改善しました。この結果、当セグメントの売上高は4,142百万円(前年度比3.2%増)となり、セグメント利益は前年度に比べ85百万円増加し、265百万円となりました。
電気・輸送機器向セグメントは、弱電・OA機器向け及びゲーム機器の海外での現地調達化の動きが進み、国内での需要は低迷し、また、価格競争が激しく、資材や電力料・外注加工費等の製造コストの増加分を価格に転嫁することが難しい状況が続いています。この結果、当セグメントの売上高は、1,070百万円(前年度比3.8%減)となり、セグメント利益は前年度に比べ8百万円減少し、4百万円となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により120百万円、投資活動により41百万円の収入があり、財務活動により158百万円の支出があったことにより、資金は前連結会計年度末に比べ3百万円増加し、460百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
建設・梱包向、電気・輸送機器向共にたな卸資産が増え、101百万円増加し、仕入債務が57百万円減少しましたが、税金等調整前当期純利益が162百万円、減価償却費が162百万円であったため、営業活動で得られた資金は120百万円となりました。(前連結会計年度は150百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出が142百万円、有形固定資産の売却による収入が228百万円であった等のため、投資活動で得られた資金は41百万円となりました。(前連結会計年度は252百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純減額が65百万円であり、長期借入金を新規に540百万円借入れ、返済による支出が633百万円であったため、財務活動に使用した資金は158百万円となりました。(前連結会計年度は111百万円の収入)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
建設・梱包向 | 3,414,481 | +1.3 |
電気・輸送機器向 | 985,962 | △3.8 |
合計 | 4,400,443 | +0.1 |
(注) 1 金額は、生産高は製造原価、仕入実績は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
建設・梱包向 | 4,143,263 | +3.2 | 320,464 | +0.1 |
電気・輸送機器向 | 1,086,093 | △2.4 | 107,780 | +17.1 |
合計 | 5,229,356 | +2.0 | 428,245 | +3.9 |
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
建設・梱包向 | 4,142,785 | +3.2 |
電気・輸送機器向 | 1,070,345 | △3.8 |
合計 | 5,213,130 | +1.7 |
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
大東スチール株式会社 | 1,055,872 | 20.6 | 1,085,361 | 20.8 |
3 上記金額には、消費税等は含まれていません。
次項の「事業等のリスク」で述べている事業環境の変化や事業構造に伴うリスクに対応すべく、次の事項に積極的に挑戦し、業容の維持・拡大を図っていく所存であります。
①コスト競争力の強化
1.TPM初期清掃活動、計画的な予防保全、多能工化、生産性向上活動、コストダウン活動を推進し、儲かる工場を目指します。
2.国内生産能力を最大限活用して、高品質で収益性の高い品種を優先的に増産します。
3.省エネをはじめコストダウン案件を発掘し、推進します。
4.自社製品と輸入商品とのバランスを柔軟に執ります。
②新製品の開発推進
製販一体で、顧客ニーズを満足する新製品の開発に取り組みます。
③財務体質の改善
④新規事業への展開
当社グループの経営成績、財務状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
建設・梱包向セグメント
①少子化による住宅需要の減少に伴う釘需要の減少
少子化の進行と住宅の長寿命化によって、国内の新設住宅着工戸数が減少し、それに伴い釘の需要も長期的に減少するリスクがあります。一方、高齢化や生涯未婚率の上昇等によって世帯数は当面減少せず、建替え需要にも下支えされて賃貸住宅需要はむしろ増加傾向にある、という説もあります。
②販売価格の硬直性
釘製品は、国内メーカーの製品のみならず、中国からの輸入品も含めた過当競争状態にあるため、販売価格の是正には時間を要します。したがって、材料費やエネルギーコストの高騰、為替変動による輸入商品の仕入コスト増等により一時的に採算が悪化するリスクがあります。
③為替変動
円安により、輸入商品の仕入価格上昇というリスクがあります。
電気・輸送機器向セグメント
今後の為替動向によっては、最終需要家の生産拠点の海外シフト等に伴って、国内ネジ需要の減少のリスクがあります。
契約会社名 | 相手方の名称 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
㈱ナテック | EJOT社(独国) | DELTA PT SCREW | 製造、販売、 | 平成13年3月1日から当該製品取扱い期間内 |
(注) 対価として一定率のロイヤリティーを支払っています。
特記すべき事項はありません。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりです。
当社グループは、釘・ネジの専業メーカーとして、「1本の釘・ネジで、ものともの、人と人を繋ぎ、豊かな社会づくりに貢献します。」を企業理念として定め、多様なニーズに応えられる高品質の製品を開発・提供して、社会に貢献することを使命として事業活動を続けています。また、法令や社会規範を遵守する、継続して安定した利益の確保ができるよう徹底した合理化を進め、透明でわかりやすい経営を行ってまいります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、5,213百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。損益につきましては、営業利益は、中国での鋼材の過剰生産による国内鋼材市況の値下がりによる資材価格の低下と増産に伴う生産性の向上による製造原価の低減効果により、84百万円(前連結会計年度13百万円、516.9%増)となり、経常利益は69百万円(前連結会計年度22百万円、205.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、兵庫県福崎町の土地・建物の売却益101百万円を特別利益として、固定資産除却損9百万円を特別損失として計上し、法人税、住民税及び事業税が17百万円であり、また、繰延税金資産を建設・梱包向は12百万円を計上し、電気・輸送機器向は8百万円取崩した結果、149百万円(前連結会計年度58百万円)となりました。
(売上高及び営業利益)
建設・梱包向事業は、平成27年度の新設住宅着工戸数が920千戸(前年度比4.6%増)と消費税増税の反動で落ち込んだ前連結会計年度からは釘の需要は持ち直し、特に、住宅建設利用関係区分での持家、貸家の回復は顕著となったこともあり、売上高は前年度に比べ3.2%増の4,142百万円となりました。営業利益は、資材価格の値下がりと増産に伴う生産性の向上による製造原価の低減効果により、営業利益は増益となりました。一方、電気・輸送機器向事業は、弱電・OA機器向け及びゲーム機器の海外での現地調達化の動きが進み、国内での需要は低迷し、価格競争が激しく、資材や電力料・外注加工費等の製造コストの増加分を価格に転嫁できなかったため。売上高は前年度に比べ3.8%減の1,070百万円となり、営業利益も減益となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、平成27年5月に売却した福崎町の土地・建物からの賃貸収入がなくなり、前連結会計年度に比べ受取賃貸料が14百万円減少し、また、電気・輸送機器向において、前連結会計年度の新規設備導入時の事業復興型雇用促進助成金が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ29百万円減少し、21百万円となりました。営業外費用は、有利子負債の圧縮等により支払利息が4百万円減少したこと等により、前連結会計年度に比べ5百万円減少し、35百万円となりました。この結果、営業外損益は、費用が収益を14百万円上回りました。
(特別損益)
特別利益は、福崎町の土地・建物の売却による固定資産売却益101百万円であり、特別損失は、固定資産除却損9百万円であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税17百万円を計上し、建設・梱包向で繰延税金資産を12百万円を計上し、電気・輸送機器向で8百万円を取崩した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ90百万円増加し、149百万円となりました。この結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ7.41円増の12.21円となり、自己資本当期純利益率は、前連結会計年度に比べ8.2%増の14.8%となりました。
当社グループは、適切な流動性の維持、設備投資を含む事業活動のための資金の確保、総資産及び有利子負債の圧縮を前提とした健全なバランスシートの維持、そして自己資本比率を高めていくことを財務方針としています。
当連結会計年度末の総資産は5,012百万円(前連結会計年度末〔以下「前年度末という」〕比94百万円減)となりました。負債は3,907百万円(前年度末比205百万円減)となり、純資産は1,104百万円(前年度末比110百万円増)となりました。
(流動資産)
流動資産は、商品及び製品が100百万円増加し、受取手形及び売掛金が19百万円減少したこと等により、前年度末に比べ90百万円増の2,884百万円となりました。
(固定資産)
固定資産は、前年度末に比べ185百万円減少し、2,127百万円となりました。これは有形・無形固定資産の設備投資額が149百万円に対して、減価償却費が162百万円及び兵庫県福崎町の土地・建物等の売却による簿価103百万円の減少によるものと、投資有価証券が連結会計期間末の株価の下落により、前年度末に比べ55百万円減少したこと等によるものであります。
(流動負債・固定負債)
流動負債は、支払手形及び買掛金が57百万円、短期借入金が95百万円減少したこと等により、前年度末に比べ134百万円減少し、2,669百万円となりました。固定負債は、長期借入金が62百万円減少したこと等により、前年度末に比べ71百万円減少し、1,238百万円となりました。
(純資産)
株主資本のうち利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益が149百万円により404百万円となりましたが、その他有価証券評価差額金が、所有株式の時価が、前年度末に比べ下がったことにより、37百万円減の14百万円となりました。これにより、純資産は110百万円増の1,104百万円となりました。この結果、自己資本比率は前年度末の18.8%から21.4%となり、1株当たり純資産は78.16円から87.32円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が162百万円であり、たな卸資産が101百万円増加し、仕入債務が57百万円減少し、減価償却費が162百万円であったこと等により120百万円の増加(前連結会計年度は150百万円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が142百万円、無形固定資産の取得による支出が6百万円等に対して、兵庫県福崎町の土地・建物の売却却による収入が228百万円であったこと等により41百万円の増加(前連結会計年度は252百万円の減少)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済が、長期借入れによる収入を93百万円上回り、短期借入金の純減が65百万円であったため、158百万円の減少(前連結会計年度は111百万円の増加)となりました。
なお、詳しくは第2 「事業の状況」 1 「業績等の概要」 (2)キャッシュ・フローの状況をご参照下さい。