文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢に改善が見られる等、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、英国のEU離脱や米国大統領選結果の影響に加え、中国をはじめ新興国の景気減速等により、景気の先行きは不透明な状況となっております。
このような事業環境のなか、当社グループの主たる事業である建設・梱包向事業のうち建設業界向は、当第3四半期連結累計期間における新設住宅着工戸数が75.1万戸(前年同四半期比6.6%増)と特に、住宅着工利用関係区分での持家・貸家が高い伸びを示しており、釘の需要環境は概ね良好に推移いたしました。一方、電気・輸送機器向事業は、弱電・OA機器向において需要家の中国での現地調達化により、国内需要は低調であり、価格競争が激しく需要環境は依然厳しい状況にあります。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、3,839百万円(前年同四半期3,990百万円、3.8%減)となりました。内訳は、建設・梱包向は50百万円減(1.6%減)、電気・輸送機器向は101百万円減(12.5%減)であります。営業利益は、売上高は減収であったものの、資材価格の安定と生産性の向上による製造原単価の低下や製造コストの低減効果等により127百万円(前年同四半期55百万円)となり、経常利益は、114百万円(前年同四半期44百万円)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損失として固定資産除却損4百万円を計上し、法人税、住民税及び事業税が16百万円であったこと等により、94百万円(前年同四半期131百万円)となりました。
当四半期連結累計期間におけるセグメントの業績を示すと、次の通りであります。
建設・梱包向セグメントは、新設住宅着工は木造の持家・賃貸の住宅を中心に伸びておりますが、当社においては、為替の影響もあり、輸入商品の一部品種において販売価格が下がり、価格競争が激しくなるなか、釘の販売は伸び悩みました。利益面では、資材価格の安定と生産性の向上による製造原単価の低下や製造コストの低減効果等により、改善をいたしました。この結果、当セグメント売上高は、前年同四半期比1.6%減の3,129百万円となり、セグメント利益は前年同四半期に比べ78百万円増加し、269百万円となりました。
電気・輸送機器向セグメントは、弱電・OA機器向け及びゲーム機器の中国での現地調達化が定着し、国内での需要は低調であります。需要の落ち込みに対して、4月より8月にかけて休業による生産調整を実施したため、労務費を含む製造コストが低減されたものの、需要減少の影響は大きく、当セグメントの売上高は、前年同四半期比12.5%減の710百万円となり、セグメント利益は前年同四半期に比べ2百万円減少し、0百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は5,241百万円(前連結会計年度末〔以下「前年度末」という〕比229百万円増)となりました。流動資産は、前年度末に比べ243百万円増加し、3,127百万円となりました。これは現金及び預金が125百万円、建設・梱包向の第3四半期での需要の増加により、受取手形及び売掛金が141百万円増加し、商品及び製品が50百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は、前年度末に比べ13百万円減少し、2,114百万円となりました。これは有形・無形固定資産の新規設備投資額89百万円に対して、減価償却費が120百万円であり、投資有価証券が当第3四半期連結会計期間末の株価の上昇により、11百万円増加したこと等によるものであります。
負債合計は、前年度末に比べ187百万円増加し、4,094百万円となりました。流動負債は、前年度末に比べ0百万円増加し、2,670百万円となりました。固定負債は、前年度末に比べ186百万円増加し、1,424百万円となりました。これは長期借入金等が増加したことによるものであります。
有利子負債(短期借入金、長期借入金)は2,799百万円(前年度末比197百万円増)となりました。これは、短期借入金の純増が50百万円であり、長期借入金の返済が694百万円に対して、借入が841百万円であったこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、1,147百万円となり、前年度末に比べ42百万円増加しました。これは当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益が94百万円であるのに対して、配当金の支払いが12百万円あり、自己株式の取得を46百万円行ったこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、前年度末の21.4%から21.3%となり、1株当たり純資産は87.32円から94.75円となりました。
当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
特記すべき事項はありません。
当連結会計年度の業績見通しは、建設・梱包向は、新設住宅着工の堅調な伸びにより、売上高はほぼ当初予想通りとなる見込みであります。利益面では、原材料価格の値上がりはあるものの、生産性の向上による製造原単価の低下や電力料等の製造コストのダウンにより、当初の予想を上回る見込みであります。一方、電気・輸送機器向は、国内の需要が低迷し、製造コストの削減に努めたものの、売上高及び利益とも当初の予想を下回る見込みであります。
セグメント毎の経営成績に重要な影響を与える要因と経営戦略は、次の通りであります。
平成28年度の新設住宅着工戸数は、前年度の92.1万戸を上回る見込みであります。特に、当社の主たる住宅着工利用関係区分の持家・貸家等の木造住宅の着工は底堅いものがあります。当社の釘の需要は、第4四半期連結会計期間は前年度並みを見込んでおります。利益面では、資材価格が値上がりするものの、増産による生産性の向上による製造原単価の低下や製造コストの低減効果等により、一定の利益が確保できるものと考えております。しかしながら、資材価格の更なる値上がりや為替変動による輸入商品の仕入価格の値上がりが見込まれるため、販売価格への転嫁を図ることが課題であると認識しております。今後とも、物流コストをはじめとする経費削減に取り組み、販売価格の是正と輸入商品の仕入コストの低減に努め、当社特許品である「木割れ最強釘」の拡販、新製品の開発、新規顧客の拡大に努め、新規事業にも取り組んでまいります。
電気・輸送機器向事業は、弱電・OA機器向け及びゲーム機器の海外での現地調達化が定着し、国内での需要は依然低迷しており、この傾向は今後も続くものと思われます。このようななか、主に輸送機器向に導入した多段冷間圧造設備による高付加価値製品の量産体制への取り組みが急がれます。当該設備の本格稼動による生産性の向上と売上げの拡大を図ってまいります。
(建設・梱包向)
中国を中心とする輸入商品で代替可能な釘の各商品は、既に多くが輸入商品に置き換わっております。次年度の新設住宅着工戸数は今年度並みを見込んでおりますが、釘の総需要のうちの70%前後が輸入商品といった構図のなかでの激しい競合が続いていくことと思われます。
このような事業環境下、以下の施策に取り組んでまいります。
①メーカーならではの機能を発揮し、競合優位性を確立する。
1.輸入商品のなかの価格競争力のある品目については、自社国内生産にシフトする等柔軟な対応をします。
2.品質管理を徹底し、絶対的品質競争力の確立を目指します。
3.顧客ニーズを反映した改良を積み重ね、技術サービス力を強化します。
4.特許製品「木割れ最強釘」に続く、新製品の開発・拡販に取り組んでまいります。
②品質競争力・コスト競争力の強化に繋がる加工工程の設備集約・多能工化を進めてまいります。
③営業力を強化するため、需要分野・商品別縦割組織を導入して市場を深堀してまいります。
④物流コストを低減します。
(電気・輸送機器向)
主力製品であった弱電・家電向けネジは、平成22年以降の円高局面のなかで、需要家が生産拠点の海外シフトを加速させ、その結果国内の需要は急激に減少しました。平成24年末以降の円高修正局面でも、これら需要の戻しは限定的であります。このため、自動車産業並びにOA機器メーカー向けを主なターゲットとして、高付加価値機能部品の製造を行う多段冷間圧造設備を平成26年に導入し、本格的な量産により、生産性の向上と売上げの拡大を図っていく必要があります。
高付加価値機能部品の製造・販売は、従来主力のネジ類拡販にも相乗効果が期待できるため、投資効果の極大化に注力してまいります。