第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、釘・ネジの専業メーカーとして、「1本の釘・ネジで、ものともの、人と人とを繋ぎ、豊かな社会づくりに貢献します」を企業理念として定め、多様なニーズに応えられる高品質の製品を開発・提供して、社会に貢献することを使命として事業活動を続けています。また、法令や社会規範を遵守する透明でわかりやすい経営によって収益力をあげ、安定した利益を継続的に確保し企業価値を高めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループが事業展開に際し重視している経営指標は、売上高、営業利益、自己資本比率及びROE(株主資本利益率)であります。徹底した合理化、原価低減により生産性を高め、総資産を圧縮し、業績及び企業価値の向上を図ってまいります。

(経営指標)  売上高 60億円(建築・梱包向46億円、電気・輸送機器向14億円)、営業利益 1.8億円

 自己資本比率 25%超、ROE 8%以上

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループの持つ技術力、開発力、設備能力、ブランド力、情報力等を活かし、下記の施策を実行しながら、コスト競争力の強化、財務体質の改善に努めてまいります。

建設・梱包向セグメント

釘は国内総需要の7割以上が輸入商品で賄われている品種でありますが、当社の場合は、ここ数年国内生産品が海外委託生産品(OEM)を販売量において、上回っているのが現状です。長年の経験に培われた当社の技術力・開発力・品質管理能力は、高付加価値品の製造においては圧倒的な優位性を保っています。またOEM商品の品質安定にも大きく寄与しています。汎用品から高付加価値品に至るまで、お客様の様々なニーズにお応えできる企業として勝ち残っていくため、生産効率のアップによるコスト削減と売上高拡大を実現し、ROEの向上に取り組んでまいります。

具体的施策は以下の通りです。

 

①売上高の拡大

1.組織営業力を強化し、綿密な営業戦略により新たなる販路を拡大し、売上げの増大を図ります。

2.開発営業を展開し、顧客ニーズに基づく新製品開発により売上げの増大を図ります。

3.自社製品と輸入商品との販売上の最適バランス化を図ります。

②コスト削減

1.国内生産のなかで付加価値の高い品種を生産し、生産性を高めます。

2.OEM提携先との関係強化及び仕入ソースの拡大により仕入コストの削減を図ります。

3.物流を合理化・再構築することにより物流コストを低減します。

4.販管費の低減を図ります。

5.省エネ対策と新電力の活用によりエネルギーコストを削減します。

 

電気・輸送機器向セグメント

かつての主力製品であった弱電・家電向けのネジは、円高局面で需要家が生産拠点の海外シフトを加速させ、結果日本国内の需要は急激に減少し、円高修正局面でも、これら需要の戻りは限定的のままとなっています。このため、自動車産業並びにOA機器メーカー向を主なターゲットとして、高付加価値機能部品の製造を行う多段冷間圧造設備を平成26年に導入し、平成27年より本格的な量産体制に移行しつつあります。

高付加価値機能部品の製造・販売は、従来主力のネジ類拡販にも相乗効果が期待できるため、この投資効果の極大化に注力して営業活動を推進してまいります。

 

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

今後の当社グループ(当社及び連結子会社)を取り巻く経営環境は、建設・梱包向事業は、少子化の進行と住宅の長寿命化による住宅需要の減少に伴う釘需要の減少、国内品及び中国を中心とする安価な釘の輸入増による価格競争の激化による市場価格・販売価格の低下及び為替変動による輸入商品の仕入価格の上昇等の懸念があります。また、電気・輸送機器向事業は、最終需要家の生産拠点の海外へのシフト等に伴う、国内ネジ需要の減少等の懸念があります。

当社グループとして、このような事業等のリスクに対応すべく、次の事項について積極的に挑戦し、業容の維持・拡大を図っていく所存であります。

①コスト競争力の強化

1.TPM初期清掃活動、計画的な予防保全、VPM活動(人の意識と行動を変革し企業価値を向上する。)による生産性の向上、コストダウン活動を推進し、儲かる工場を目指します。

2.国内生産能力を最大限活用し、高品質で収益性の高い品種を優先的に生産します。

3.省エネをはじめコストダウン案件を発掘し、推進します。

4.自社製品と輸入商品とのバランスを柔軟に執ります。

②販売価格の是正

鋼材価格の変動や為替変動に即応した販売価格の是正を行います。

③新製品の開発推進

製販一体で、顧客ニーズを満足する新製品の開発に取り組みます。

④新規事業への展開

 既存事業とのシナジー効果の見込める分野への参入により、事業の多角化と収益規模の拡大を図ります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

建設・梱包向セグメント

①少子化による住宅需要の減少に伴う釘需要の減少

少子化の進行と住宅の長寿命化によって、国内の新設住宅着工戸数が減少し、それに伴い釘の需要は長期的に減少するリスクがあります。

②販売価格の低下

釘製品は、国内メーカーの製品のみならず、中国からの輸入品も含めた過当競争状態にあるため、販売価格の是正には時間を要します。鋼材価格等やエネルギーコストの高騰、為替変動による輸入商品の仕入コスト増等により一時的に採算が悪化するリスクがあります。

③為替変動

円安により、輸入商品の仕入価格上昇というリスクがあります。

電気・輸送機器向セグメント

今後の為替動向によっては、最終需要家の生産拠点の海外シフト等に伴って、国内ネジ需要の減少のリスクがあります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりです。

(1) 経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策を背景に、企業収益や雇用環境の改善が見られる等、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国政権に対する政策不安や北朝鮮、中東等の地政学リスクにより、海外経済の不確実性が高まっており、依然として国内経済の先行きは不透明な状況が続いています。

このような事業環境のなか、当社グループ(当社及び連結子会社)の主たる事業である建設・梱包向のうち建設向は、平成29年度の新設住宅着工戸数は94.6万戸(前年度比2.8%減)となり、釘の需要環境は、平成29年下半期以降、低調に推移しました。一方、電気・輸送機器向は、弱電・OA機器向において、需要家の中国での現地調達化が定着しましたが、OA機器関連製品等で売上げが増加しました。しかし、依然価格競争は激しく、事業環境には厳しいものがあります。

この結果、当連結会計年度の売上高は、5,143百万円(前年度5,114百万円、0.6%増)となりました。増減内訳は、建設・梱包向は68百万円減(1.6%減)、電気・輸送機器向は96百万円増(9.9%増)であります。営業利益は、電気・輸送機器向は、売上げの増加に伴い増益となりましたが、建設・梱包向は、鋼材や副資材価格等が高騰したことにより製造コストが上昇し、輸入商品価格も値上がったことから、減益となった結果、106百万円(前年度159百万円、33.6%減)となりました。経常利益は、保険金収入・保険金解約返戻金等があり、103百万円(前年度147百万円、29.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として固定資産除却損3百万円を計上し、法人税、住民税及び事業税等13百万円により、83百万円(前年度112百万円、25.8%減)となりました。

当連結会計年度におけるセグメント別業績は次の通りであります。

(建設・梱包向)

建設・梱包向セグメントは、新設住宅のなかの釘を多く使用する木造の持家・貸家等の住宅着工が、前年度に比べ減少し、釘の需要は伸び悩み、特に輸入商品の売上高は減少しました。利益面では、第3四半期連結会計期間以降、鋼材価格等が高騰し、また輸入商品の値上がりが加わったため、製造・仕入コストが増大しました。この時期の価格転嫁が難しく、第3四半期連結会計期間以降大幅な減益を余儀なくされました。この結果、当セグメントの売上高は4,070百万円(前年度比1.6%減)となり、セグメント利益は前年度に比べ69百万円減少し、291百万円となりました。

(電気・輸送機器向)

電気・輸送機器向セグメントは、弱電・OA機器向等は海外での現地調達化が定着しましたが、内需ニーズとして、品質重視の傾向にあり、自動車をはじめ輸送機器関連部品や産業機械向のライセンス製品の需要の増加により、増収増益となりました。この結果、当セグメントの売上高は、1,072百万円(前年度比9.9%増)となり、セグメント利益は前年度に比べ22百万円増加し、24百万円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当社グループは、適切な流動性の維持、設備投資を含む事業活動のための資金の確保、総資産及び有利子負債の圧縮を前提とした健全なバランスシートの維持、そして自己資本比率を高めていくことを財務方針としています。

当連結会計年度末の総資産は5,157百万円(前連結会計年度末〔以下「前年度末という」〕比3百万円減)となりました。負債は3,937百万円(前年度末比68百万円減)となり、純資産は1,220百万円(前年度末比64百万円増)となりました。

(流動資産)

流動資産は、現金及び預金が13百万円、原材料及び貯蔵品が53百万円増加し、商品及び製品が62百万円減少したこと等により、前年度末に比べ6百万円増の3,082百万円となりました。

(固定資産)

固定資産は、前年度末に比べ9百万円減少し、2,075百万円となりました。これは有形・無形固定資産の設備投資額が155百万円に対して、減価償却費が163百万円であったこと等によるものであります。

(流動負債・固定負債)

流動負債は、支払手形及び買掛金が16百万円、短期借入金が25百万円及び未払消費税等が29百万円減少したこと等により、前年度末に比べ63百万円増減少し、2,631百万円となりました。固定負債は、長期借入金が18百万円減少したこと等により、前年度末に比べ4百万円減少し、1,305百万円となりました。

(純資産)

当連結会計期間末の純資産は、前年度末に比べ64百万円増加し、1,220百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益が83百万円であるのに対して、配当金の支払いが29百万円であり、その他有価証券評価差額金が、株価の上昇により、前年度末に比べて8百万円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は前年度末の21.8%から23.0%となり、1株当たり純資産は95.56円から100.84円となりました。

当連結会計期間末におけるセグメント別総資産は、建設・梱包向は3,034百万円(前年度末3,059百万円、24百万円減)、電気・輸送機器向は1,298百万円(前年度末1,287百万円、10百万円増)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により244百万円の収入があり、投資活動により170百万円、財務活動により73百万円の支出、合併に伴う現金及び現金同等物の増加額13百万円により、資金は前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、586百万円となりました。

・営業活動によるキャッシュ・フロー

電気・輸送機器向の売上債権が増加し、建設・梱包向、電気・輸送機器向とも、たな卸資産が減少しました。また、税金等調整前当期純利益が99百万円、減価償却費が163百万円であった等のため、営業活動で得られた資金は244百万円となりました。(前連結会計年度は268百万円の収入)

・投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得による支出が113百万円、無形固定資産の取得による支出が48百万円等であったため、投資活動に使用した資金は170百万円となりました。(前連結会計年度は147百万円の支出)

・財務活動によるキャッシュ・フロー

長期借入金を新規に595百万円借入れ、返済による支出が599百万円であり、短期借入金の返済による支出が収入を40百万円上回り、また配当金の支払額が29百万円等であったため、財務活動に使用した資金は73百万円となりました。(前連結会計年度は10百万円の支出)

 

(4)経営指標に対する経営者視点による分析・検討

(経営成績)

売上高に対する指標は、両セグメントとも鋼材価格の値上がりや為替変動に即応した販売価格の是正を行い、建設・梱包向は、既存事業とのシナジー効果の見込める分野への参入、電気・輸送機器向は、自動車をはじめ輸送機器関連部品や産業機械向のライセンス製品の販売拡大により、売上高の増大を図ってまいります。営業利益に対する指標は、売上高の拡大及び生産性の向上による製造コストや販管費の低減により達成してまいります。  

(財政状態)

自己資本比率25%超は、ROE8%以上を基本に、総資産及び有利子負債の圧縮を前提とした健全なバランスシートを維持するなかで、安定的利益を確保することにより達成してまいります。

(資本の財源と資金の流動性)

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要のうち主なものは営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは設備投資によるものであります。当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については金融機関からの長期借入を基本としています。前述の経営指標に向け、省人化、省力化の為の設備投資を優先的に実施し、長期運転資金の借入金は圧縮してまいります。

 

 

 (5)生産、受注及び販売の状況

 ① 生産実績及び仕入実績

当連結会計年度における生産高及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高及び仕入実績(千円)

前年同期比(%)

建設・梱包向

3,172,225

△2.3

電気・輸送機器向

948,588

+17.3

合計

4,120,813

+1.6

 

(注) 1 金額は、生産高は製造原価、仕入実績は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

 ② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建設・梱包向

4,028,237

△3.6

315,843

△11.9

電気・輸送機器向

1,054,256

+4.3

123,622

△13.0

合計

5,082,493

△2.0

439,465

△12.2

 

(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

 ③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

建設・梱包向

4,070,806

△1.6

電気・輸送機器向

1,072,803

+9.9

合計

5,143,610

+0.6

 

(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大東スチール株式会社

1,182,135

23.1

1,156,805

22.5

 

3 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

技術受入契約

契約会社名

相手方の名称

契約品目

契約内容

契約期間

㈱ナテック

EJOT社(独国)

DELTA PT SCREW 
VARIOBOSS

製造、販売、
技術情報の提供

平成13年3月1日から当該製品取扱い期間内

 

(注) 対価として一定率のロイヤリティーを支払っています。

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。