文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に、企業収益や雇用環境の改善が見られる等、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国政権に対する政策不安や北朝鮮、中東等の地政学リスクにより、海外経済の不確実性が高まっており、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような事業環境のなか、当社グループの主たる事業である建設・梱包向事業のうち建設業界向は、当第3四半期連結累計期間における新設住宅着工戸数が74.1万戸(前年同四半期比1.3%減)となり、住宅着工利用関係区分での持家・貸家は弱含みで推移し、釘の需要は幾分低下しました。一方、電気・輸送機器向事業は、弱電・OA機器向において需要家の中国での現地調達化が定着しましたが、当第3四半期連結累計期間の需要は、前年同四半期に比べ、OA機器関連製品等で増加しました。しかし、価格競争は依然激しく、事業環境は厳しい状況が続いております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、3,926百万円(前年同四半期3,839百万円、2.3%増)となりました。増減内訳は、建設・梱包向は0百万円減(0.0%減)、電気・輸送機器向は87百万円増(12.4%増)であります。営業利益は、電気・輸送機器向は、需要の増加に伴い増益となったものの、建設・梱包向は、生産性の向上により製造原単価は下がったものの、原材料・副資材価格等の値上がりにより、製造コストが上昇したため、117百万円(前年同四半期127百万円)となりました。経常利益は、保険金収入、保険金解約返戻金等があり、118百万円(前年同四半期114百万円)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損失として固定資産除却損3百万円を計上し、法人税、住民税及び事業税が11百万円であったこと等により、100百万円(前年同四半期94百万円)となりました。
当四半期連結累計期間におけるセグメントの業績を示すと、次の通りであります。
建設・梱包向セグメントは、新設住宅のなかの釘を多く使用する木造の持家・賃貸等の住宅着工は微減となり、需要環境は幾分悪くなりましたが、国産品の販売量の伸びもあり、売上高は前年同四半期と比べほぼ横ばいとなりました。利益面では、鋼材価格等の高騰に対して、十分な価格転嫁が難しかったため減益を余儀なくされ、この結果、当セグメント売上高は、3,128百万円(前年同四半期3,129百万円(0.0%減))となり、セグメント利益は前年同四半期に比べ24百万円減少し、245百万円となりました。
電気・輸送機器向セグメントは、弱電・OA機器向及びゲーム機器の中国での現地調達化が定着しましたが、OA機器関連製品や輸送機器関連部品・産業機器向のライセンス製品の需要の増加があり、増収となりました。利益面では、売上高が伸びたことにより、前年同四半期に比べ増益となりました。この結果、当セグメントの売上高は、797百万円(前年同四半期710百万円(12.4%増))となり、セグメント利益は前年同四半期に比べ21百万円増加し、22百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は5,385百万円(前連結会計年度末〔以下「前年度末」という〕比223百万円増)となりました。流動資産は、前年度末に比べ213百万円増加し、3,290百万円となりました。これは現金及び預金が123百万円、電気・輸送機器向の第3四半期での需要の増加により、受取手形及び売掛金が72百万円、また原材料及び貯蔵品が50百万円それぞれ増加しましたが、商品及び製品が41百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は、前年度末に比べ10百万円増加し、2,094百万円となりました。これは有形・無形固定資産の新規設備投資額116百万円に対して、減価償却費が123百万円であり、投資有価証券が当第3四半期連結会計期間末の株価の上昇により、11百万円増加したこと等によるものであります。
負債合計は、前年度末に比べ132百万円増加し、4,138百万円となりました。流動負債は、前年度末に比べ20百万円増加し、2,715百万円となりました。固定負債は、前年度末に比べ111百万円増加し、1,422百万円となりました。これは長期借入金等が増加したことによるものであります。
有利子負債(短期借入金、長期借入金)は2,836百万円(前年度末比185百万円増)となりました。これは、短期借入金の純増が50百万円であり、長期借入金の返済が459百万円に対して、借入が595百万円であったこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、1,247百万円となり、前年度末に比べ91百万円増加しました。これは当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益が100百万円であるのに対して、配当金の支払いが29百万円あり、その他有価証券評価差額金が、株価の上昇により、前年度末に比べ17百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、前年度末の21.8%から22.5%となり、1株当たり純資産は95.56円から103.09円となりました。
釘は国内総需要の約7割が輸入商品で賄われている品種であり、当社の販売量は、国内生産を増やしたこともあり、国内生産品が海外委託生産品(OEM)を上回る状況にあります。今後とも、長年の経験に培われた当社の技術力・開発力・品質管理能力は、高付加価値品の製造においては圧倒的な優位性を保っており、またOEM商品の品質安定にも大きく寄与していることを生かし、販売量の増大と付加価値製品の拡大を図り、最大限の生産量を確保してまいります。汎用品から高付加価値品に至るまで、お客様の様々なニーズにお応えできる企業として勝ち残っていくため、売上高の拡大とコスト削減を実現し、収益力のレベルアップを図ってまいります。
具体的施策は以下の通りです。
①売上高の拡大
1.組織営業力を強化し、新たなる販路を拡大する。
2.開発営業を展開し、顧客のニーズに基づく新製品開発により売上げの増大を図る。
3.綿密な営業戦略による中長期的な売上げの増大に取り組む。
②コスト削減
1.国内生産品のなかで付加価値の高い品種を選別増産し、生産性を向上させる。
2.OEM提携先との関係強化により仕入コストを削減する。
3.物流を合理化・再構築することにより物流コストを低減する。
4.販管費の見直しを行う。
5. 省エネ対策と新電力の活用によりエネルギーコストを削減する。
かつての主力製品であった弱電・家電向のネジは、平成22年以降の円高局面で需要家が生産拠点の海外シフトを加速させ、その結果、日本国内の需要は急激に減少しました。このため、自動車関連部品や産業機器向等を主なターゲットとして、販売の拡大を図っていく必要があります。平成26年に導入した高付加価値機能部品の製造を行う多段冷間圧造設備による、本格的な量産により、生産性の向上と売上の拡大を図ってまいります。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が定めている経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更や新たに生じた課題はありません。
特記すべき事項はありません。
当連結会計年度の業績見込みに対して、当第3四半期連結会計期間の業績は、建設・梱包向は、売上高は減収となり、利益面では、生産性の向上効果以上に、原材料価格・副資材価格の値上がりの影響があり、減益となりました。第4四半期連結会計期間においては、需要は閑散期に入り、また鋼材価格の更なる値上がりと輸入商品の値上がり等により収益が低下する見込みであります。一方、電気・輸送機器向は、第3四半期連結会計期間は、一部製品で需要の増加があり、増益となったものの、依然国内需要は低迷しており、事業環境は引き続き厳しい状況であります。第4四半期連結会計期間以降のセグメント別の見通しは、次のとおりであります。
新設住宅着工のなかで、持家、貸家及び一戸建て等の木造住宅の着工は、平成29年4月以降、現在のところ堅調に推移しておりますが、平成29年度の新設住宅着工戸数は、前年度の97万4千戸から減少し93~94万戸を予想しております。利益面では、資材価格や輸入品価格が値上がりし、更なる販売価格の転嫁は十分には難しく、また増産に伴う生産性の向上による製造コストの低減効果が薄らぐことも考えられるため、収益は下振れする可能性があります。今後、開発営業の徹底と販路の拡大による売上高の増大を図るとともに、製造コストや物流コスト等の販管費や輸入商品の仕入コストの低減に努めてまいります。
電気・輸送機器向事業は、弱電・OA機器向及びゲーム機器の海外での現地調達化の動きが進み、国内での需要は依然低迷しております。今後、輸送機器関連部品や産業機器向等にライセンス製品の拡販を行うとともに、主に輸送機器向に導入した多段冷間圧造設備による高付加価値部品の量産体制への取り組みが喫緊の課題となっており、当該設備の本格稼動による生産性の向上と売上の拡大を図ってまいります。