文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループは、釘・ねじの専業メーカーとして、「1本の釘・ねじで、ものともの、人と人とを繋ぎ、豊かな社会づくりに貢献します」を企業理念として定め、多様なニーズに応えられる高品質の製品を開発・提供して、社会に貢献することを使命として事業活動を続けています。また、法令や社会規範を遵守し、社会規律に従って透明性のある経営を行いながら収益を上げ、安定した利益を継続的に確保することで企業価値を高めて参ります。
当社グループが事業展開に際し重視している経営指標は、売上高、営業利益、当期純利益及びROE(株主資本利益率)であります。徹底した合理化、原価低減により生産コストを抑制し生産効率を高め、総資産の圧縮を通じて、業績及び企業価値の向上を図って参ります。
当社グループの2022年度~2024年度の中期経営計画において、最終年度である2024年度の定量目標の売上高 55億円、営業利益 1.6億円、当期純利益 1億円、ROE 7.0%は全て達成できました。新中期経営計画(2025~2027年度)の定量面での目標とする経営指標は次のとおりであります。
売上高 60億円、営業利益 2.45億円、当期純利益 1.55億円、ROE 9.1%
当社グループの持つ技術力、開発力、生産能力、ブランド力、情報力等を活かし、下記の施策を実行しながら、新製品の提供、価格競争力の強化、財務体質の改善に努めて参ります。
建設・梱包向セグメント
釘は国内総需要の約8割が輸入商品で賄われておりますが、当社は、環境意識の高まりや海外情勢を総合的に考慮して国内生産品を主として取引先に提供していく方針であります。長年の経験で培われた当社の技術力・開発力・品質管理能力・安定供給力は、特に高付加価値品においては圧倒的な優位性を誇っております。また、海外委託生産品(OEM商品)も取扱うことで、汎用品から高付加価値品に至るまで、お客様の様々なニーズにお応えできる企業として存続し続けたいと考えております。今後も、生産性の向上を図りながら売上高の拡大、製造コストの低減を実現し、ROEの向上に取り組んで参ります。
加えて、昨今の政府や自治体の環境政策に賛同して取り組むことを最優先事項と捉え、国内森林資源循環サイクルの活性化に寄与し、二酸化炭素排出削減によるカーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、国産木材の活用政策に歩調を合わせた活動を推進していく所存であります。
電気・輸送機器向セグメント
中長期的には輸送機器関連を中心に需要は増加傾向にあり、特に電気自動車やハイブリッド車用のバッテリー関連やモーター関連等、電動化や軽量化に必要となる特殊締結部品の需要増加が見込まれます。今後さらに、国内での設計に強みがある自動運転技術や事故防止アシスト・センサー関連の需要に特殊な部品やねじ締結ニーズの増加が見込まれています。
今後も引き続き、特に品質が重視される電気自動車やハイブリッド車用バッテリーやセンサー類等の需要に対応し、自動車をはじめとする輸送機器関連部品や産業機器、制御機器、精密部品向等を主なターゲットとして、高付加価値機能部品への製造・販売に注力していく方針であります。
上述の機能部品の受注・販売拡大ため、工場や生産設備の増強、自動運転化設備の設置を行い、計画的な受注・販売・生産活動への対応に取り組んでおります。
建設・梱包向は、新設住宅着工戸数が、少子化等の影響を受けて長期的には漸減傾向にあり、住宅向け釘需要は全体的には増加が見込みにくい環境にあります。しかしながら、国産木材の使用比率は上昇傾向であり、杉に適した当社特許製品(木割れ最強釘Ⅱ杉対応)へのニーズは高まることが予測され、拡販活動をさらに強化していくことが必要となります。
また、カーボンニュートラルへの取組みが社会的に重要視されるなか、新技術の発展により、木造の中層・高層建築物における釘需要が新たに生まれる傾向にあり、積極的な製品開発と適切な販売方針に基づいて需要を捕捉することが重要になって参ります。
電気・輸送機器向は、自動車部品関連・産業機械向けを主流としつつ、成長分野である電動自動車需要に対して独自製品の売り込み・拡販を一層強化していくことが重点項目に挙げられます。
仕入面では、原材料価格や諸経費の高騰が続いていますが、今後も想定されるエネルギー費用や運送費の上昇・為替相場の変動・金利の上昇に対して生産性向上活動等を通じて対応していく必要も生じて参ります。
さらに地政学的リスクが海外市場で再来、顕在化する状況も想定して、海外OEM商品の供給体制ひいては国内も含めたサプライチェーンの整備も必要となり、さらに販売先への品質保証・コンプライアンス遵守・環境や人権への配慮等も総合的に課題として認識し事業運営を行っていくことが重要になって参ります。
当社グループとして、このような事業課題の克服に努めるべく、次の事項について積極的な取組み、業容の拡大を図っていく所存であります。
①収益力の強化及び強固な収益基盤の創出
製販一体で、顧客ニーズに基づく新製品等の開発営業を展開し、新分野における需要も積極的に捕捉しつつ販路を広げ収益の増加を図ります。また、顧客満足度の向上を図るとともに、高付加価値製品の生産・販売強化に向けて集中的に経営資源を投入して参ります。
②新製品の拡販及び競争優位性の確立
新製品の販売を通して新市場の開拓を行います。特に電気・輸送機器向は、自動車の電動化、自動運転化に伴う特殊ねじの拡販を積極的に推し進め、グループの収益力アップの推進力とします。また、建設・梱包向においても、今後拡大が見込める非住宅木造建築分野における需要を積極的に捕捉して参ります。
③生産効率の改善及び製造コストの削減
1.国内生産の無人化・省人化・多能工化をさらに推進し、生産性を高めます。
2.OEM提携先との関係強化及び仕入ソースの安定確保・拡大により仕入コストの低減を図ります。
3.取扱い品種の統合を進め生産効率の向上を図ります。
4.物流業界の働き方改革をサポートし、物流の合理化・再構築を通じて物流コストの低減を図ります。
④新規事業の発掘及び成長分野への積極投資
1.収益の拡大が見込める分野へ計画的・集中的に新規投資を行います。
2.既存事業とのシナジー効果の見込める事業への参入を検討し、事業の多角化と収益規模の拡大を図ります。
⑤人的資本経営の推進及び企業価値の最大化
人財への積極投資を行い、職場環境を改善し、従業員の働きがいを追求することで、企業活動を活性化して企業価値を高めることを目指して参ります。
⑥リスク管理及びコンプライアンス・ガバナンス体制の強化
自然災害や感染症発生に対して事業の継続に支障が出ない、又はその影響を最小限に抑制できるようにリスク管理精度を高めて参ります。同時に法制度の新設・改廃に適切に対処し、自浄機能を発揮できる組織体制を維持して持続的な成長の礎とします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループはサステナビリティに関する基本的な考え方として、経営理念である「1本の釘・ねじで、ものともの、人と人とを繋ぎ、豊かな社会づくりに貢献する」を実践することで企業価値の向上を実現し続け、中長期に渡って持続的な成長を目指しています。
当社グループは、社会的に重要な課題である環境対策・気候変動対応に重きを置き、環境保護・防災・減災・国土強靭化に貢献できる製品群、中でも特に政府の国内森林資源活用方針に則り、国産杉材によく適合する当社新製品「木割れ最強釘Ⅱ杉対応」の提供を通じて、森林資源循環サイクルを活性化しカーボンニュートラル社会の実現へ貢献する等、持続的な社会活動を支えることを主眼に事業を行っております。また当社は企業行動基準に『「良き企業市民」として、地域社会発展への寄与と社会貢献活動を行う。』ことを掲げており、地域社会との共存共栄が進展するように社会貢献活動を積極的に実施する方針としています。
サステナビリティの運用指針に関し、基本方針を明文化してマテリアリティを整理・特定しております。
特にESGを意識した企業行動を活性化させ、環境対策・気候変動対応を重視し、社会的な要請・課題の解消に対応していきたいと考えています。
そのために、持続的な成長に向けてのリスク及び機会を定義・抽出し、具体的な実施方針を定め、実施状況を監視・管理していくガバナンス体制を構築・確保しております。具体的には、取締役会及び監査等委員会での検証・議論のプロセスを通じて実施運用状況を把握し、必要な改善事項が発見された場合には、経営管理本部が改善活動を実行に移して参ります。
ガバナンスの観点から、監査室、リスク管理委員会が定期的に順守状況をチェックし、その結果を取締役会に報告することとしております。ガバナンスの強化に向けた指針策定、コーポレートガバナンスコードの充足を最優先事項と捉える一方、潜在的なリスクを早期に発見・是正に取り組んでいくことでより一層信頼感のある企業統治を目指して参ります。
なお、想定されるリスクの詳細については、
当社の生産・販売活動においては、電力・軽油・ガソリンなどCO2の排出源となるエネルギーを使用します。当社では、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社が提供する脱炭素トータルソリューション「MIeCO2」を導入し、生産・販売活動におけるCO2の排出源・排出量の可視化を行うとともに、CO2排出量の削減に向けて生産性の向上や社内で使用する機器を消費電力がより少ないものに取替えるなどの取組みを随時行っております。
2023・2024年度のCO2排出量(Scope 1・Scope 2)の実績は以下のとおりです。
上記のとおり、2024年度のCO2排出量合計は、1,160.65tで、2023年度と比較して82.81t削減(6.66%削減)となりました。2025年度も引続き、生産性の向上、物流・営業活動などの効率化を進め、CO2排出量削減につなげて参ります。
また、当社では、カーボンニュートラル社会実現に向けて、生産・販売活動におけるCO2排出量削減の取組みの他にも、製品供給を通して社会における排出量削減、吸収量増加に貢献しております。
CO2排出量削減に関しては、樹脂製部品の締結に最適なインサートレスタッピングねじの生産・販売を通して自動車の車体軽量化を促進し、電動自動車の普及に貢献しています。
CO2吸収量増加に関しては、杉材に適した当社製品「木割れ最強釘Ⅱ杉対応」の提供を通して国産杉の活用促進に寄与しています。木は、成長過程で大量のCO2を吸い込み、酸素を排出する「光合成」を行います。しかし、成長しきった木はほとんどCO2を吸収しなくなります。そのため、成長した木を切って使う、また植えて育てる「森林資源循環サイクル」に積極的に寄与することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献して参ります。
・防災・減災、国土強靭化に向けての取組
気候関連災害や自然災害が増加するなか、当社グループは、防災機能を高める製品を開発・提供することで防災対策に貢献します。
個々人にカスタマイズした社員教育、各社員の個性を重視する人材育成、他社での勤務経験を持つキャリア採用の継続実施を基本方針とし、人材の多様化に向けて各種具体的な人事施策を着実に実行に移しております。
社員のワークライフバランスを重視し、育児短時間勤務の拡大(小学校6年生まで)・在宅勤務・リモートワークを導入し、柔軟な働き方を追求しています。また、社員の生命保全や健康管理のために本社及び工場が合同で安全訓練・安全パトロール・避難訓練・健康診断を実施しております。
上述以外にも既に定年の引上げを実施しており、65歳定年とし再雇用も70歳まで延長して、幅広いスキルを保有する従業員に対して継続就労の機会を設け、高齢者雇用に寛容で、従業員の柔軟な働き方に応えることができる人事制度に変革しております。さらに一度退職した従業員に対しても再雇用の機会を提供することで多種多様なバックグラウンド・経験値を有する人材を雇用開始しており、会社全体の活性化・各人の能力開発、リスキリングを後押しして人材への先行投資を進めております。加えて外国人の積極雇用にも力を入れながら多様性を追求しております。
また健康経営の視点から、有給休暇の取得促進、時間単位有休制度の導入、社員サービスデーの実施等、社内対話を持ちながら、従業員からの要望をきめ細かく各種施策に反映させて、従業員のエンゲージメントを高めていく施策を打ち出しています。
さらに基本給の引上げ・一時金・各種手当の増額、女性の管理職への登用、男性の育児休暇取得制度の整備など総合的に働き易い職場環境の実現に取り組んでおります。
(指標及び目標)
当社グループは、2025年度から2027年度の中期経営計画において次のVISION(ビジョン)を発表しました。
「新しい時代に向けたつなぐ技術で環境問題へのソリューションを提供し、サステナブル社会の実現に貢献することにより、全てのステークホルダーからの評価を高め持続的な企業価値向上を目指す。」
(戦略)に記載した取組については数値目標を設定していないのもありますが、定量的な数値目標の設定可否についても検討して参ります。
政策を測定する指標として、「従業員の満足度」・「DE&Iの浸透分析レポート」を掲げています。
数値目標については、両者とも定量的な判定が可能となるように測定基準を検討している段階であります。ゆくゆくは、これらの指標を活用し、目標値を達成していくことで、結果的に当活動が人的投資を促進させる原動力となり、実りある充実した社員教育、将来的に持続的な企業成長を支える人材の確保・育成、そして従業員が安心して働ける職場が実現でき、ひいては心理的安全性の確保を通じて従業員の士気向上につながるものと考えております。
またそれらの指標に加えて、今年度よりこれまでの一部従業員を対象にカスタマイズした社員教育から、全ての正規従業員を対象としたe-ラーニング形式の階層別教育へと広げていく方針です。全従業員が対象期間内に所定講座を受講できるよう、受講率100%を目標として管理して参ります。
・カーボンニュートラル社会の実現に向けての取組
CO2排出量(Scope 1・Scope 2)の2024年度の実績及び2025年度の目標は以下のとおりです。
当社はカーボンニュートラル社会の実現に向けての取組を重要課題として位置付けており、引続き、生産性向上や物流効率化などの工夫によりCO2排出量削減に取組んで参ります。
当社グループの経営成績、財務状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 地政学・自然災害等のリスク
一部地域における戦争、紛争、全世界的な自然災害、疫病蔓延等によって、サプライチェーンの混乱・納品遅延、地震被害や従業員の感染による事業の一時停止のリスク等も外部環境次第では想定されます。幅広い調達先からの柔軟な供給を図るなど安定的な供給網の構築や、在宅勤務・時差出勤・WEB会議などにより事業活動への影響低減に努めます。
②少子化進行による需要減少リスク
建設・梱包向セグメントにおいては、少子化の進行によって国内の新設住宅着工戸数が減少し、それに伴い釘の需要が長期的に逓減するリスクがあります。一方、非住宅用建築物への木材活用や中層木造マンションの開発に伴って新たな需要が見込まれており、当社としても新規需要捕捉に尽力いたします。
③通商問題リスク
輸出相手国の通商政策により自動車輸出台数が減少する場合には、国内自動車生産台数に影響が出ることも想定されます。その場合、電気・輸送機器向セグメントにおいて、売上高への影響を受ける可能性があります。自動車業界以外に産業機器・医療機器・アミューズメント関連への拡販に努めます。
④市況変動リスク
販売価格の是正には時間を要する可能性があり、建設・梱包向セグメントにおいて、原材料価格やエネルギーコストの高騰に対して販売価格への転嫁が遅れた場合には一時的に採算が悪化するリスクがあります。また、海外市況の変動により輸入品価格が大きく下落した場合には、国産製品販売価格にも少なからず影響が出てくる可能性があります。各市場動向に対する情報収集の強化を図り、迅速に対応することに努めます。
⑤為替動向
円安が進行した場合には、建設・梱包向において、当社輸入商品の仕入価格上昇というリスクがあります。しかしながら、電気・輸送機器向においては、自動車メーカーの輸出向け生産が上向くことにより当社グループの販売が増加する可能性もあります。一方、円高に進んだ場合には、当社輸入商品の仕入コストが低減する可能性がある一方、自動車メーカーの輸出台数が減少するリスクがあります。更に極端な円高の場合には、最終需要家の生産拠点の海外シフト等に伴って、内需が減少するリスクも想定されます。為替動向に最新の注意を払うとともに、幅広い調達先を確保し、適正な価格での取引を進める体制の構築に努めると共に、特定の産業向けに偏重しない、バランスの取れた取引体制の確立に取り組んで参ります。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、所得・雇用環境の改善や海外からのインバウンド需要の増加により、緩やかな回復の動きが見られたものの、人件費や物流コストの増加、物価上昇による個人消費マインドの冷え込み等マイナス面もありました。一方、海外は、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中東情勢の緊迫化等の地政学的リスク、中国経済の先行き懸念、米国新政権の動向等により、先行き不透明な状況が継続しております。
このような環境の下、当社における当連結会計年度の売上高は、5,583百万円(前年同期比0.9%増)となりました。増減内訳は、建設・梱包向が74百万円減(1.8%減)、電気・輸送機器向が123百万円増(8.3%増)であります。売上総利益は、79百万円増(8.3%増)の1,042百万円となりました。労務費やエネルギーコストは増加したものの、販売価格の維持、高付加価値製品の販売比率上昇等により、売上総利益率は前年度より1.3ポイント改善し18.7%となりました。人件費、株主優待費用等の増加により、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ29百万円増加しましたが、運送効率改善や固定費削減活動推進により増加幅を抑え、営業利益は239百万円(前年同期比26.6%増)となり、経常利益は218百万円(前年同期比22.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産除却損7百万円を特別損失として計上し、税金費用として法人税、住民税及び事業税70百万円、法人税等調整額が△1百万円であったことにより、142百万円(前年同期比6.5%増)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別業績は次のとおりであります。
(建設・梱包向)
建設・梱包向セグメントのうち建設向においては、少子化・人口減に伴う住宅需要の減少傾向、人手不足や資材高騰に伴う住宅取得価格の上昇や金利高によって買い控えが発生する等の影響を受け、住宅着工戸数は減少傾向にあります。2024年度の住宅着工戸数は、建築基準法改正前の駆け込み着工が年度末に集中し、累計では81.6万戸となり前年度対比2.0%の増加となりましたが、その特殊要因を除くと1月までは前年度を下回る着工が継続したことにより、釘の需要も年間を通じて減少傾向が続きました。その結果、当社販売量も前年度対比で減少となりました。一方、政府・林野庁による国産木材活用政策の下で非住宅分野における木造中層建築物は増加傾向にあるなど徐々に新しい需要が増え始めました。当セグメントの売上高は、3,968百万円(前年同期比1.8%減)と減収となりましたが、海外OEM商品と国内生産品のプロダクトミックス最適化や固定費削減により、セグメント営業利益は前年度に比べ19百万円増加し、321百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
(電気・輸送機器向)
電気・輸送機器向セグメントは、自動車業界を中心として主力の取引先において生産は順調に推移し、受注及び生産は引き続き高水準で推移しました。主要な自動車分野にてCASE関連需要となるバッテリー・電動モーター関連・自動運転部品向け需要が堅調であり、またアミューズメント関連の需要が増加したことで、ライセンス製品及び特殊部品等の販売が増加しました。当セグメントの売上高は、1,614百万円(前年同期比8.3%増)となり、セグメント営業利益は127百万円(前年同期比50.6%増)となりました。
なお、2025年3月期を最終年度とする当社グループ「中期経営計画」は、定量目標である連結売上高55億円、連結営業利益1.6億円、連結当期純利益1億円、ROE7.0%を全て達成しました。「新中期経営計画(2025~2027年度)」の定量目標は、連結売上高60億円、連結営業利益2.45億円、連結当期純利益1.55億円、ROE9.1%であります。基本方針として掲げました「成長分野への経営資源重点配分、強靭な企業体質の完成」を念頭に、収益性の向上、生産性の向上、成長投資、財務強化等の諸策を通じて、グループ業績の拡大を着実に進めて参ります。
当社グループは、適切な流動性の維持、設備投資を含む事業活動のための資金の確保、総資産及び有利子負債の圧縮を前提とした健全なバランスシートの維持、また自己資本比率を高めていくことを財務方針としています。
当連結会計年度末の総資産は5,231百万円(前連結会計年度末〔以下「前年度末という」〕比126百万円減)となりました。負債は3,746百万円(前年度末比238百万円減)となり、純資産は1,484百万円(前年度末比112百万円増)となりました。
(資産)
流動資産は、現金及び預金が75百万円、電子記録債権が181百万円増加しましたが、受取手形が226百万円、売掛金が44百万円、仕掛品が35百万円減少したことにより、前年度末に比べ47百万円減少の3,371百万円となりました。固定資産は、有形・無形固定資産の設備投資額が68百万円に対して減価償却費が145百万円であり、前年度末に比べ78百万円減の1,860百万円となりました。
(負債)
流動負債は、支払手形及び買掛金が55百万円増加しましたが、短期借入金が155百万円、未払消費税等が78百万円減少したこと等により、前年度末に比べ175百万円減少の2,691百万円となりました。固定負債は、長期借入金が87百万円減少し、役員退職慰労引当金が9百万円、退職給付に係る負債が14百万円増加したこと等により、前年度末に比べ63百万円減少の1,055百万円となりました。
(純資産)
当連結会計期間末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益142百万円であるのに対して、配当金の支払いが29百万円あること等により、前年度末に比べ112百万円増加し、1,484百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前年度末の25.6%から28.4%となり、1株当たり純資産は115.78円から125.26円となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により461百万円の収入、投資活動により110百万円の支出があり、財務活動による275百万円の支出により、資金は前連結会計年度末に比べ75百万円増加し、697百万円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
棚卸資産が33百万円、売上債権が89百万円減少し、仕入債務が60百万円増加しました。また、税金等調整前当期純利益が211百万円、減価償却費が145百万円等であったため、営業活動で得られた資金は461百万円となりました(前連結会計年度は761百万円の収入)。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出が101百万円、無形固定資産の取得による支出が2百万円等であったため、投資活動に使用した資金は110百万円となりました(前連結会計年度は61百万円の支出)。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入金を600百万円借入れ、返済による支出が763百万円であり、短期借入金の返済による支出が借入による収入を80百万円上回り、また配当金の支払額が29百万円等であったため、財務活動に使用した資金は275百万円となりました(前連結会計年度は500百万円の支出)。
資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、多額の資金需要に対応する場合等は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び資金管理の健全性・安定性を維持するため、銀行等から借入等を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率やRОEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載しています。
(5) 経営指標に対する経営者視点による分析・検討
(経営成績)
売上高に対する指標は、全セグメントとも鋼材価格の値上がりや為替変動に即応した販売価格の是正に努め、建設・梱包向は、新規開拓による販路拡大、電気・輸送機器向は、自動車をはじめ輸送機器関連部品や産業機械向のライセンス製品の販売拡大により、売上高の増大を図りました。営業利益に対する指標は、売上高の拡大、高付加価値品への特化及び生産の自動化による効率化等による製造コストの圧縮や運賃をはじめとする販売費及び一般管理費の低減により達成しております。
(財政状態)
ROE9.1%を基本に、総資産及び有利子負債の圧縮を前提とした健全なバランスシートを維持するなかで、安定的利益を確保することにより達成して参ります。
(資本の財源と資金の流動性)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要のうち主なものは営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは設備投資によるものであります。当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については金融機関からの長期借入を基本としています。省人化の設備投資は、優先的に実施して参ります。
(6) 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産高及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、生産高は製造原価、仕入実績は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
技術受入契約
(注) 対価として一定率のロイヤリティーを支払っています。
特記すべき事項はありません。